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ABMについて

ABMとは?マーケティング概要や手法、戦略、有効なツールを紹介

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昨今、マーケティング業界中心に“ABM”という言葉を見聞きする機会が増えてきた印象です。とはいえ、具体的な手法まではご存知で無い方も少なくないように思われます。
本記事は、ABMについて網羅的に言及していく内容です。概要や手法、戦略、メリット、導入方法、施策例、活用ツール……等々、幅広く解説、紹介します。
マーケターに限らず、漠然と認識されている方は、どうぞ参考にしていただけますと幸いです。

ABMとは?

ABMとは?

ABMは、「Account Based Marketing(アカウントベースドマーケティング)」の頭文字を取った略称です。特定アカウント(企業)にターゲットを絞ったBtoB領域でのマーケティング手法を意味します。
全ての顧客に均質的な対応を行うわけではないことがまさにポイントです。個別アプローチならではのメリットがうまく作用すれば、大きな効果につながる期待も持てます。

ABMはここが違う!

ABMは、日本の伝統的な商売慣習とは一線を画した、企業が独自基準で優良顧客を選別し、経営資源を戦略的に集中させる試みです。
これは、リード単位のマーケティングとも異なります。多くのマーケターにとって馴染み深いと思われる従来型のそれは、広報活動で顧客からの認知を起点とし、営業部門に対していかに多くのリードを回せるかが優先事項でした。
一方、ABMの場合は、リードの絶対数を考慮する以前に、アカウント(企業)の選定がアプローチにおける出発点です。この方式は、「大量のリードが必ずしもコンバージョンにつながるわけではなく、購入意欲や購買力の高い顧客に狙いを定めることこそが、費用対効果の高いアプローチの実現につながる」といった考えに基づいています。

ABMが注目された背景

ABMが世界的に注目されるようになった背景には、(アメリカの大企業に多い)トップダウン型のマーケティングに対する問題提起があります。

トップダウン型経営は、意思決定から実行までは確かにスピーディーです。そのため、組織としても一貫したポリシーで活動できます。しかし、その反面、顧客ニーズに応じたマーケティングには向いていません。というのは、現場を把握しきれないトップの意見を基に個別対応を試みても、大抵は、余計な時間や労力が掛かってしまうからです。
そうした事態を避けるために、広範囲の潜在顧客にアプローチし、とにかくリード獲得に全力を注ぐという戦略が取られたわけですが、このやり方もまた、万能とはいえませんでした。一部の企業では十分に機能する一方で、大概は営業成績につながらないケースが目立つこととなります。
そこで満を持して登場したのが、お察しの通りABMです。上記の問題を解決するために、顧客を適切にセグメント化し、集中的に営業リソースを分配できるようにしたこのマーケティング戦略、手法は、瞬く間に多くの企業から必要とされるようになります。

当然、ITの進化もABMの多方面への普及に大きく貢献したといえるでしょう。ABMでのアプローチを適切に実践するには、大量の情報に対して収集・記録・定量的管理が不可欠です。多くの業界でIT化が進んだこともあり、現在はABMを導入できるだけの技術的水準がほとんどの企業で整っている状況だと考えます。
いうまでもなく、ABMのプラットフォームがITと一体化すれば、従来懸念されていた手間やコストの問題も解消可能です。

ABMのメリット

ABMのメリット

ABM導入は、経営的効率性を実現しながら、顧客との関係構築・強化につながる多くのメリットがあります。
以下、具体的に紹介しましょう。

リソースの効率的活用を実現

先述したように、ABMは重点的なアプローチに相応しいアカウント(企業)を選別して、戦略的にリソースを集中させる手法です。
たとえば、ランダムな5社に対して均一に(リソースを)割くよりも、明らかに購買意欲の高い1社に対して、3社分相当のリソースを注ぎこむ方が、結果無駄を減らし、質の高いサービスを提供できます。長期的にはなおさらメリットが感じられやすいでしょう。

ROIの向上

ROI(投資利益率)とは、投資に対して得られる利益の比率を示す代表的な経営指標です。ABMはリソースの無駄を減らし有効活用するアプローチであるため、当然、ROIの数値にも影響を与えます。うまく活用できれば、飛躍的に向上することも期待できるでしょう。

なお、ROIについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ読んでみてください。
ROIとは?ROASとは?違いや計算式、各メリット・デメリット

部門間でのスムーズな連携

マーケティング部門と営業部門の連携不足は、多くの企業で指摘されるほどよくある話です。
ABMでは、特定の企業に対してマーケティング部門と営業部門が共通の施策に基づいて行動します。そのため、情報共有はよりスムーズに行われ、部門を問わず一貫した姿勢で優良顧客へのアプローチが可能です。
「マーケティング」「インサイドセールス」「フィールドセールス」の各部署で流れが途切れることなく、共通認識のもと目標達成を目指せます。連携のうまくいく体制が構築されれば、少なからず組織力の強化にも寄与することでしょう。

リードの追跡、効果測定が簡単

ABMでは、セールスマンの長年の経験や勘といった不確定要素や属人性に依存しなくても済みます。リードとの商談内容や事後的動向もシステム内で管理されているため、情報共有は万全です。
また、メールや広告、イベントなどのキャンペーンに対する効果測定も、定量データが算出されることから、評価を含めて容易に行えます。

顧客との関係性強化

ABMツールを用いれば、特定の顧客に対するマーケティング活動をさまざまな観点から可視化できます。各部門の担当者は、ABMを通して得られた有用な情報に基づき顧客とコミュニケーションを図れるため、より細部まで行き届いたフォローを実践することができるはずです。また、急な担当者の変更があっても、顧客の信頼を失うことなく、より自然な引き継ぎが行えます。

ABMの実施に必要な主なステップ

ABMの実施に必要な主なステップ

メリットをおさえたうえで、やはり知りたいのは実際に行う流れでしょう。
本章では、ABMの実践にあたっての主なステップについて紹介します。

アカウント企業(優先顧客)の選定

まずは、集中的にアプローチすべきアカウント企業の選定です。優先すべき顧客を見極めるためには、多角的な視点が求められます。
具体的には、見込みのある取引の規模、市場への影響力、リピート客となる可能性などです。これらを考慮のうえ検討します。ほとんどの場合、大手や成長著しい企業に絞られるでしょう。または理想の条件を基にデータベースから抽出することで、相性の良い有力な顧客が見つかる可能性もあります。

アプローチ方法の決定とソリューションの提示

当然、対象企業ごとにコミュニケーションの取り方は変わります。どのようなアプローチが最適か慎重に吟味しなければなりません。その際、選定企業が独自に設けている意思決定の仕組みや窓口となる担当者の人物像、組織のなか決済を持つ影響力の強い人物といった情報を仕入れられると、スムーズな検討へとつながるでしょう。
メッセージのコンテンツは、各々の企業が置かれた市場環境や経営成績を把握したうえで、どの程度まで効果的にソリューションを提示できるのか、明確に伝わる内容にすべきです。そこで説得力を帯びれば、次の段階の交渉や成約に移行できる可能性は上がります。

効果検証

アプローチ後は、実際の目標値と見比べてどの程度の乖離があったのかを確認しましょう。もちろん、原因分析までセットです。目標設定は妥当であったか、施策は適切であったか、顧客状況は追跡できていたか……等々、検証すべきポイントを一つひとつ洗い出し、改善の余地があれば、適宜手を打つといったサイクルを大切にしてください。
効果検証は労を惜しんではいけません。いわゆるPDCAを回すことで、ABMの有効性はより高まっていくはずです。

ABMの具体的な施策例

ABMの具体的な施策例

ABMの施策例として、長野県にあるパソコンメーカー「VAIO株式会社」でのケースを紹介します。

VAIO株式会社は、設計から出荷に至るまでの全工程を本社のある安曇野工場で対応している会社です。日本のメーカーであることの矜持からか、国産にこだわり、品質に共感してもらえるマーケティング活動を志向。加えて、ABMを戦略に取り入れ、より効率的なアプローチへと舵を切るようになります。
具体的には、Webサイトやセミナー、展示会での獲得リードに対して顧客育成を行い、機が熟したとみると、営業に乗り出し、受注へと事を運ぶスタイルです。実際のところ、目に見えてポジティブな数字につながっているとのことで、ABMの価値の高さがうかがえます。

この結果は、至極、理に適ったものです。
マーケティングや営業のあらゆる項目が可視化されたことで、重点強化すべき分野や予算配分の判断は容易になります。リードの詳細情報も明確です。解像度が高いまま引き継がれるため、商談の際も優位に進められます。
したがって、ABMは成果に寄与しやすいといえるわけです。

ABMで活用されるツールの紹介

ABMで活用されるツールの紹介

ABMはツールの活用がおすすめです。業務がより捗るものと考えます。ただし、製品によって特徴や個性が異なるため、自社のニーズとよく照らし合わせて選択するようにしましょう。
以下、代表的なツールを取り上げます。

HubSpot

HubSpotは、インバウンドマーケティングを実施する企業に適した、オールインワンの統合マーケティングプラットフォームです。特定企業に対する顧客育成のシステム管理やWebコンテンツの表示設定、情報更新における社内担当への通知など、業務に役立つ機能が揃っています。ターゲットの行動を把握できるのと同時にWebで一元管理できるため、マーケティングや営業活動を行ううえで、実に便利です。

FORCAS

FORCASは150万社以上の企業情報や業界区分データを保有しているプラットフォームです。膨大な情報はそれだけでも、高品質のターゲティングを期待させてくれます。これだけの数を擁するなら、成果につながりやすい顧客を割り出すのに利用しない手はないでしょう。
既存の顧客だけでなくFORCAS独自のデータを組み合わせるといった使い方もおすすめです。そうすることで多角的な分析が可能になります。

日本企業に向けたABMの導入は攻めの一手になり得る!

日本企業に向けたABMの導入は攻めの一手になり得る!

日本の企業は得意先とのつながりを重視する風土があります。そのため、ターゲット企業へ個別にアプローチをかけるABMとの親和性は高いといえるでしょう。
従来の顧客との関わり方をベースに、部門間の連携を高めながらリソースの有効活用を実現できるABMの導入は、とりわけ厳しい経営環境に置かれる昨今の状況を打開、好転させ得る、いわば攻めの一手です。検討する余地は十分にあるでしょう。

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この記事を書いた人

ヒゴ
無知、無能、無粋、無才、無点法……。SEOやアクセス解析に腐心しつつも、それらはまるで逃げ水のように追いかけては遠く離れ、ようやく掴んだと思った矢先にはシビアな現実を突きつけられる有様です。あるいはライターとして名を連ねることに気後れしながら、日曜大工のスタンスで恣意的かつ箸にも棒にもかからない駄文をまき散らしています。隠し切れない底意地の悪さ。鼻持ちならない言い回し多数。どうかご容赦ください。

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