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【初心者向け】AWSとは?資格やサービスについて簡単に説明します!

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オンライン上でやり取りされる情報量の増大や、世界におけるインターネットの役割の拡大に伴い、一個人や一般の企業が所有できる機材では満足に機能を果たせないケースが増えています。そのような変化を受け、この10年で大きく発展してきたのがいわゆる「クラウドサービス」です。様々なものが存在しますが、その中でもAWSはサービスの網羅性、機能性の面で大きな支持を得ています。

AWSとは、「Amazon Web Services(アマゾン ウェブ サービス)」の略称です。インターネット上に展開されているクラウドコンピューティング技術で、オンライン・オフライン双方の様々な課題を解決する175以上のツール群の総称でもあり、アメリカの調査会社Synergy Research Groupの2020年の調査によると、クラウドインフラストラクチャ市場においてAWS(Amazon)のシェアは33%を占め、世界第1位を誇っています。

AWSが提供するすべてのサービスはインターネットを介して動作します。そのため、利用したい機能ごとに特別な機材を用意する必要がなく、一般的なPCとインターネット環境さえあれば、どなたでもすぐに利用することが可能です。

「クラウドコンピューティング」とはなにか

クラウド共有

AWSはいわゆる「クラウド」と呼ばれるサービスの一つです。クラウドとはクラウドコンピューティングを指し、インターネットを介してサービス提供者が用意したさまざまなコンピュータ技術を利用できるサービスの総称といえます。

高性能なサーバー環境の整備や、大容量のデータストレージ、高速のデータベースを用意するには、非常に高いコストがかかります。導入時の設備投資費はもちろんですが、適切な運用をするための維持管理費、専門知識を持つ人間の人件費などが必要です。その点、クラウドコンピューティングなら、設備投資や機材の維持管理はサービス提供者に任せ、サービス利用費だけで必要な機能が利用できるため、コストが削減できる可能性があります。

しかし比較的リーズナブルに高性能な環境が利用できる一方で、クラウドコンピューティングはオンライン環境を前提としたサービスのため停電などに弱いというデメリットがあります。また機材やサービスの保守はサービス提供者の領分となるため、何らかのトラブルが発生しても対応を委ねなければならなかったり、サービス提供者の事業の都合で一方的にサービス終了したりといったリスクも考えられるでしょう。

AWS利用に必要な料金

AWSの利用料金は、基本的にサービスを利用したら利用した分だけ料金がかかる「従量課金制」です。アカウントの作成は無料で、登録料や利用を止める際の解約料は要りません。

一部のサービスには利用リソースを予約できるシステムがあり、予約せずに使う場合よりも最大で75%ほど料金がディスカウントされます。またサービスによっては料金が階層化されており、使用量が多くなるほど単価が安くなるものもあります。

サービスごとに料金プランが異なるため複数利用する場合、計算がとても煩雑になってしまいます。公式サイトに自動見積り計算機を公開しているため、利用開始前にどの程度の料金がかかるか試算したい場合はこちらを使うとよいでしょう。

AWSの代表的なサービス6種

AWSには175種類を超えるサービスが提供されており、サーバーやデータストレージといった比較的なじみのあるものから、VRやブロックチェーンといった専門性の高いものまで、様々なジャンルのサービスが揃っています。それだけに自分の課題やニーズに合ったサービスを選ぶことが、AWSを使いこなす第一歩といってもよいかもしれません。今回は、多くのサービスの中から、特に汎用性の高い6種のサービスを紹介します。

EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)

EC2は仮想サーバー構築サービスであり、「インスタンス」と呼ばれる仮想のスペース単位で、LinuxやWindowsといったOSを実装したサーバーを作成することができます。

運用し続けていると機材のスペックが不足してくる場合があり、手元で機材を管理しているとそのたびに更新しなければなりませんが、EC2なら設定画面で必要なスペックに設定するだけで実装可能です。また「オートスケーリング」機能が備わっているため、一定のCPU使用率やトラフィック量の増大に合わせて自動的にインスタンスを必要数に調整することができます。

EC2

S3(Amazon Simple Storage Service)

RDSはリレーショナル型のデータベースで、新規の設置やバックアップの管理をすることなく、AWS上ですぐに利用開始することが可能です。リレーショナル型とは、ExcelやGoogleスプレッドシートのように「行」と「列」でデータを整理する形式のこと。データベースの更新や管理に必要なRDBMSは、「Amazon Aurora」「Postgre SQL」「MySQL」「Mariaデータベース」「Oracle」の6種類が利用できます。

SLA(サービスレベルアグリーメント)は99.95%に設定されています。SLAとは、稼働率がこの数値を下回った際にはサービス提供者はユーザーに補償しなければならない数値です。そのため、「この数値なら問題ない」という数値が設定されており、サービスの安定性を評価する指標のひとつでもあります。

RDS

IAM(Identity and Access Management)

IAMはAWSのサービスやリソースへのアクセスを安全に管理するためのツールです。ユーザーとグループのアクセス権を管理することで、利用しているAWSサービスのセキュリティレベルを高めることができます。

またIAMを利用することで、現在アクティベートしているAWSサービス全体のアクセス分析に役立ちます。AWSアカウントに元々付随しているサービスであるため、IAMを利用することによる追加料金は発生しません。

IAM

Amazon Inspector

Amazon Inspectorは利用しているAWSサービスのセキュリティの状態を評価するサービスです。これにより、意図しないユーザーのアクセスや、EC2インスタンス上の脆弱性をチェックすることが可能になります。脆弱性を評価する基準である「ルールパッケージ」はAWSが定期的に更新しています。

あくまで脆弱性を評価し、見つけ出すためのサービスなので、セキュリティの穴を修正する機能はついていません。システムトラブルを発見したら、必ず対策を取るようにしてください。

Amazon Inspector

SES(Amazon Simple Email Service)

SESはメールの送信を一括で管理できるサービスです。特に大量の顧客への一斉送信、商品発注などユーザーの特定のアクションと紐づけた返信、メールマガジンなどの定期配信の効率化に大きく役立つでしょう。その他のメール配信システムに比べ、安価で柔軟な料金体系や迷惑メール扱いされにくい配信性能など、ビジネス利用に適しています。

SES

AWS認定資格を取得しプロフェッショナルに

Amazonは公式に「AWS認定資格」を発行しています。これはAWSについて体系的に学び、プロフェッショナルとしての知識を身につけていることを証明するための資格です。取得しておくと、就職・転職時の技能証明にも有利に働くこともあるでしょう。

AWSは定期的にアップデートされ続けているサービスのため、認定資格には2年間の有効期限が設定されています。1度資格を取ったあとも常に学習し続け、資格を更新していくことが重要ですが、試験内容や教材もAmazonが作成しているため、効率的に学ぶことができるでしょう。

AWS認定資格には「基礎レベル」「アソシエイトレベル」「プロフェッショナル」「専門知識」といった4ジャンルが定められています。

・基礎レベル…6 か月間の基礎的な AWS クラウドと業界知識
・アソシエイトレベル…1 年間のAWS クラウドを使用した問題解決と解決策の実施における経験
・プロフェッショナル2 年間のAWS クラウドを使用したソリューションの設計、運用、およびトラブルシューティングに関する包括的な経験
・専門知識…試験ガイドで指定された専門知識分野に関する技術的な AWS クラウドでの経験(アドバンストネットワーキング、データアナリティクス、セキュリティ、機械学習、Alexaスキルビルダー、データベースの6種類)

AWSを活用する前に課題を明確にする

AWSの強みのひとつは膨大な数のサービスを組み合わせることで、様々なケースに合わせた課題解決インフラを構築できる可能性があるという点です。しかしそのためには、ある程度AWSに精通していることが求められます。自社にAWSの知識を持った人間がいない場合、外部の運用サポート業者を利用したり、AWS認定資格の保有者を採用したりすることも選択肢のひとつでしょう。

また、AWSのサービスを複合的に利用しなくても解決できる課題なのであれば、むしろ1機能に特化したサービスを利用したほうが良い可能性もあります。盲目的に「AWS=良い」と結び付けず、まずはどのような課題があるかをはっきりさせ、運用を行うことで、そのパワーを十二分に引き出すことができるでしょう。

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この記事を書いた人

イワタ ヨウスケ
大学時代は外国語、宗教関連の研究に従事。コーポレートサイトやWebメディアのライティング、書籍の出版に携わる。好きな動物は猫。ちゅ〜るは歌いながらあげる派。

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