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「オンライン×体験」でウィズコロナ時代のビジネスを切り開く!

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新型コロナウイルス感染症が世界中で流行しはじめてからしばらく経ちました。その間、国内外を問わず様々な経済上の変化が起きています。業界によって受けた影響は様々ですが、人の移動や他人との接触を伴うレジャーは軒並み「自粛」によって勢いを失っています。

そんな中、家にいながら楽しめるコンテンツが次々と登場しました。自粛による収益ダメージを大きく受けた観光業界だけでなく、教育や興行など多くの業種がウィズコロナ時代のあり方を模索しています。

2021年の日本国内の経済状況

東京、新宿

新型コロナウイルスによって、日本経済は大きな打撃を受けました。内閣府が発表している「国民経済計算(GDP統計)」によれば、2020年の日本のGDP(国内総生産)成長率は前期比4.8%マイナスです。

(出典元:内閣府 国民経済計算

GDPはある一定の期間で生み出された付加価値の合計金額で表される指標であるため、GDPが減少しているということは、国内の経済活動が沈静化していると考えられます。四半期別に見ると2020年10月~12月期は前四半期期比2.8%増と好調ではありますが、実際の金額で見ると新型コロナウイルス流行前の水準には届いていません。

特に人々の接触や移動が感染拡大につながることから、観光業は大きな打撃を受けています。2019年の訪日外国人旅行者数は過去最高となる3,188万人(前年比2.2%増)を記録し、2年続けて3,000万人を突破することになり、7年連続で過去最高を更新しましたが、コロナ禍の2020年4月には月間約2,900人(前年同月比99.9%マイナス)と激減。

(出典元:国土交通省 観光白書(令和2年版)国土交通省 観光白書内)、2020年4月 国・地域別 / 目的別 訪日外客数 (暫定値)訪日外客統計(報道発表資料)内))

同様に大手百貨店など、店舗に客が直接来店することを前提とした小売業も、売上を大きく落としているようです。

「コロナ」との上手な付き合い方が問われる時代

コロナはいつ終わる?

新型コロナウイルスの感染拡大当初(2020年頭)には「夏までには事態がおさまる」「コロナ禍終息後(ポストコロナ)を考える」といった論調が多いようでしたが、結局は年を越しても状況に変化はありません。緊急事態宣言の発出によって人々の活動を制限したことで、ある程度感染者数を抑えることはできましたが、宣言が解かれ、人の動きが元に戻るに伴って感染者数も再び増えてしまっています。

2021年2月にはついに新型コロナウイルスのワクチン接種が日本国内でも始まりました。厚生労働省が発表している「新型コロナワクチンの接種実績」によると、翌3月時点では、日に4万~5万人程度のスピードで接種が進められています。

あるコミュニティの中で感染症の拡大を収めるためには、「集団免疫」を獲得した状態に至る必要があるといわれています。しかし新型コロナウイルスの場合、人口の何割が免疫を獲得すれば「集団免疫」を得た状態になるのか正確にはまだ分からないとされています。

(出典元:厚生労働省 新型コロナワクチンQ&Aページ

また日本やアメリカ、中国、ヨーロッパ諸国などのいわゆる先進国だけが免疫を獲得しても、世界規模で「新型コロナウイルスを抑え込んだ」とはいえません。ワクチンが行き届きにくい発展途上国も含め、全地球的な免疫獲得を目指す必要があります。

「ポストコロナ」ではなく「ウィズコロナ」

今後の防疫対策によって新型コロナウイルスが姿を消すのか、いわゆる「風邪」やインフルエンザのように季節ごと流行を繰り返す病気のひとつとして受け入れられるのか、今の所はわかりません。

とはいえ、流行が今すぐ終わるわけでもない以上、中長期的に付き合う必要があることは確かです。それはすなわち、いつになるかわからない「ポストコロナ時代」ではなく、既に到来している「ウィズコロナ時代」について考える必要がある、ということでもあります。

これまでは「新型コロナウイルスをどう抑え込むか」「どう感染者数を0にするか」「緊急事態宣言期間をどう乗り切るか」という部分にフォーカスされていました。しかしウィズコロナ時代では、「新型コロナウイルスとどのように共存するか」という視点が必要です。人の経済活動を完全にストップさせることが不可能である以上、「感染リスクを最小限にとどめつつ、経済活動も以前にまして活発化させていく」ことが重要になると考えられます。

オンラインで「体験」を提供する

Fire TV

現在は「これまでの経済活動をいかに取り戻すか」という観点とは別に、「ウィズコロナ時代の新たなビジネスを生み出そう」という流れも大きくなりつつあるようです。様々な業界の多くの企業が、ウィズコロナ時代に適した営業形態として「オンラインでの体験」を提供し始めているのは、その一端といえるでしょう。様々な取り組みの中から、一部を紹介します。

オンライン旅行・アクティビティ体験(HIS)

コロナ禍で重大な影響を受けた観光業界では、インターネットを通じた「疑似旅行」コンテンツを提供しています。たとえばHISでは1,000件を超えるオンライン体験ツアーが組まれています。
HISは自社オリジナルのオンラインツアーシステム「port」を導入しました。JTBでもオンラインツアーが開催されていますが、こちらではオンライン会議ツール「Zoom」を利用しています。

「port」におけるオンラインツアーでは、現地のガイドとインターネットを介してやり取りが可能。カメラを自由に動かして風景を撮影したり、ポインター機能で、より詳しく見たい物を指示したり、現在地の地図を表示してもらったり、といったこともできます。これにより、単なるオンデマンド配信映像を見るだけではないリアルな旅行体験を実現しています。

HISのオンラインツアーは1回3,000円程度のプランがほとんど。実際に現地に行くことと比べれば、かなりの安価で参加できるのも魅力のひとつです。

オンライン体験プラットフォーム(Airbnb)

旅行者と民泊ホストをつなぐプラットフォームを運営しているAirbnbは、貸しスペースのホスティングだけでなくオンライン体験のホスティングも行っています。オンラインツアーと異なるのは、提供されている内容が「観光」より「アクティビティ」に重点が置かれていることです。

たとえば「メキシコ料理を作る」「ロンドンを観光する」「牧場見学」というだけではなく、「プロのシェフとメキシコ屋台風のタコスを作る」「ハリー・ポッターをテーマにしたバーチャルロンドンツアー」「アイルランドの牧場で羊と瞑想」など、よりピンポイントでユニークなテーマのオンライン体験がラインナップされています。

費用はオンライン体験のホストによってまちまちですが、平均すると1,500円~3,000円程度のものが多いようです。

オンラインイベント紹介(Qulii)

Qulii(キュリー)は中学生・高校生向けに校外イベントを紹介するWebメディアです。

「保護者や教員が安心して学生(生徒)に紹介できるサイト」をコンセプトに運営されているQuliiでは、中学生・高校生を対象としたワークショップやコンテスト、体験プログラムなどを中心に取り上げています。現在はオンラインイベントプログラムを重点的に特集し、コロナ禍も変わらず学べる場の周知を広め続けています。

掲載されているイベントは参加無料のものも少なくないため、金銭的余裕のない生徒もYouTubeを見るような感覚で気軽に参加可能です。

オンライン幼稚園(ベネッセ)

幼児向け通信教材「こどもちゃれんじ」を運営するベネッセは、2020年3月18日から「オンライン幼稚園」をスタートさせました。10:00の「あさのあいさつ」から13:50「かえりのあいさつ」まで、実際の幼稚園と同じように歌や知育、ダンスなどのプログラムを行う映像コンテンツです。

「幼稚園や保育園を利用できず生活スタイルが変化したことに戸惑う家庭の助けになれば」という思いで制作されたオンライン幼稚園は、2020年5月25日の緊急事態宣言終了に伴いサービスを一時公開終了。6月から「サマースクール」として復活したのち、2021年3月現在では複数の映像コンテンツをまとめたWebサイトとして公開が続けられています。なお、オンライン幼稚園のコンテンツの利用はすべて無料です。

Nintendo Switch Online7日間チケット(任天堂)

任天堂が運営するNintendo Switch Onlineでは、不定期で「7日間チケット」を配布しています。Nintendo Switch Onlineとは、Nintendo Switchのゲームソフトでオンラインプレイを行う際に加入が必要となる有料サービスです。加入する、もしくは7日間チケットを利用することで、Nintendo Switch Onlineユーザー限定のゲームソフトプレイ権、セーブデータの自動保存、スマホ向けアプリの利用なども可能になります。

本来であれば利用料金(1ヶ月306円~)を支払う必要がありますが、7日間チケットを使うことで1週間無料でNintendo Switch Onlineを体験することができます。チケット配布のタイミングや期間については、任天堂の公式Webサイトで確認することが可能です。

オンライン体験の提供がウィズコロナ時代のビジネス成功のカギ?

2020年4月当時、オンライン授業を導入した大学をはじめとする教育機関への批判が集まった時期がありました。大学生の一部においては、学費返還を求める署名活動にまで発展しています。しかし現在ではオンライン授業と対面授業、それぞれのメリットが認められ、受け入れられつつあります。

「オンライン化などありえない」「一時しのぎに過ぎない」と思われていた領域であっても、ツールの使い方次第で新たな時代に対応したビジネス形態を生むことにつながります。いずれにしても、コロナ禍以前の価値観にこだわりすぎず、新たな要素を柔軟に取り込む準備をしておくことが、今後のビジネスを発展させるカギとなると考えられるでしょう。

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この記事を書いた人

イワタ ヨウスケ
大学時代は外国語、宗教関連の研究に従事。コーポレートサイトやWebメディアのライティング、書籍の出版に携わる。好きな動物は猫。ちゅ〜るは歌いながらあげる派。

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