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ステイホーム

「リベンジ消費」とは?アフターコロナを勝ち抜くSNSマーケティング

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2020年5月26日に緊急事態宣言が全面解除され、6月よりそれまで休業、あるいは開業を延期していた店舗や施設の営業再開、開始が相次いでいます。長く続いた自粛ムードから少しずつ解き放たれ、外出を楽しむ方も増えてきていますが、第2波が迫っているともいわれている今、まだまだ「ステイホーム」の風潮は抜けきらないのが現状です。

日本だけでなく各国で外出や娯楽が制限される生活がこうも長期間続くと、経済面での不安が募りますが、いち早く脱出しつつあるといわれているのが中国や韓国です。「リベンジ消費」といわれている行動が景気回復に大きく影響しているのです。

「リベンジ消費」とは

リベンジ消費

「リベンジ消費」とは、いわゆるコロナショックによって長期間行動が制限されたことで我慢し続けてきた購買意欲が反動で爆発的に高まり、それまで不要不急とされていた消費行動をすること。特にこの自粛期間も変わらない収入を保っていた方は爆買いに走る可能性も高いので、なにがどう売れるのか見極めることが重要です。

コロナ被害からいち早く脱した中国では、工場の再稼働率は80%、近年「アジアのシリコンバレー」として注目されている深センの空港の利用率は70%で、商業はおおむね99%回復しているといわれています。

今年中国では、毎年賑わいを見せる春節の時期に自粛を強いられたため、食品など生活必需品以外の物品や店舗、施設の収益は大きく下がりました。その反動もあり、3月からリベンジ消費が見られるようになったのです。

特に3月8日は女性が休日になる婦人の日(世界的には国際女性デー)にちなんだ「女王祭」という大型セールが開催されるため、「天猫(Tモール)」では前年同期比200%、「淘宝(タオバオ)」ではライブ配信による売り上げが264%に達したそう。

5月1日~5日は「メーデー連休」と呼ばれる、日本でいうところのGWがありますが、この期間の取引総額は1兆5,700億元を突破しました。また、売上に伴いショップへの問い合わせも春節時の10倍ほど増えたといわれています。

ウィズコロナ期は「巣ごもり消費」「インスタ消費」

オンラインショッピング

改めて日本のコロナショックによる消費行動を考えてみると、「巣ごもり消費」「インスタ消費」という言葉が生まれたように、ECサイトなどオンライン上での取引が増えたのが特徴的です。

「インスタ消費」というと、かつて「インスタ映え」を目的に、華やかなイベントに参加したり、かわいいショップや話題のスポットに訪れるといった、体験することがメインの「コト消費」の流行を思い起こされますが、そうではなく、インスタグラムで検索し、そのまま直接商品の購入にいたったり、コンテンツ閲覧にいたったりすることを指します。

以前はデジタルネイティブ世代の消費活動の特徴として取り沙汰されていましたが、今や著名人やインフルエンサー以外もライブ配信を行う動きがあり、一般ユーザーが自身のハンドメイド作品をECサイトで販売し、その告知場所としてインスタグラムをはじめとしたSNSを利用することも格段に増えているので、SNSから直接購入、契約するというスタイルはより一般化してきています。

巣ごもり消費、インスタ消費されやすい商品・サービス

DIY

ウィズコロナ期のステイホーム中に巣ごもり消費、インスタ消費されやすい商品やサービスには下記のように、ある程度一貫性があります。

時間のかかる趣味

手芸や工作といったDIY商品、動画配信サービス、本など。もともと趣味だったけれど今までは時間がとれずなかなかできなかったという方や、この機会に新しい趣味を見つけようとする方も現れました。

ボディケア

「自粛太り」改善やストレス解消を目的としたボディケアグッズなど。自分でできる器具を買ったり、オンラインでトレーニングを受講したりする方もいます。

スキルアップ

資格獲得のための教材、オンライン講座、ウェビナーなど。業種、職種によっては休業を迫られた方も多くいるため、転職も視野に入れてスキルアップを目指す方もいるでしょう。

ステイホームを快適にする

椅子、衛生商品、空気清浄機、炊飯器、調理器具など。テレワークで長時間座っても体に負担がかからないように気を使ったり、自炊に精を出したり、ライフスタイルも変わったのではないでしょうか。

断捨離、整理

クリーニングサービス、トランクルームなど。それまで忙しくてなかなか整理できていなかったという方も自宅にいる時間が増え、気になるところに手が届いたというところでしょうか。

飲食

フードロスを回避するために割引価格で販売開始したり、今までデリバリーやテイクアウトを行っていなかった店舗がそれらを導入したり、飲食店の工夫も多く見られます。

リベンジ消費されやすい商品、サービス

アパレルショップ

一方、自粛期間が明けたときに、リベンジ消費されやすい商品やサービスは下記だといわれています。

アパレル

自粛期間中は実店舗が休業していたことでオンラインショップの利用が増えたともいわれていますが、同時に、試着できない、素材感がわからないという理由に加えて「今買ってもそれを着て外出できない」という理由から買い控えする方も増えていました。そのため、外出チャンスが増えるというだけでも購買意欲は増すでしょう。

また、外出する=見た目を気にする人が増える、とも考えられるので、前シーズンの商品を値引きして販売するよりも、「今着られる」アイテムを販売する方が得策かもしれません。このとき、SNSでのマーケティング、告知を忘れないように気をつけてください。

コスメ、美容アイテム

前述のとおり、見た目を気にする人が増えることが予測されるので、コスメや美容アイテムへの注目も高まるでしょう。特に自粛期間中はスキンケアやボディケアを怠ったり自粛太りしてしまったり、あまり見た目に気を使わなくなっていた人が増えていたため、反動も大きそうです。

季節柄、肌の露出が増えるので、メイクアイテム、UV対策、制汗剤、脱毛アイテムなど幅広くニーズが高まる見込みです。ただ、いずれも優先度の高くない「不要不急」のアイテムなので、コストパフォーマンスを意識した方がいいかもしれません。価格を維持するのであれば新商品のサンプルをつけるなど、「今買う」ことに付加価値をつけましょう。

スポーツ、ヘルスケア

コロナショックによって休業していたジムやスポーツ教室も多いため、もともと通っていた方が復帰するのはもちろん、自粛太り改善やストレス解消などを目的に新たに通い始める方も増える見込みです。自宅でケアできるアイテムも引き続き好調が続くでしょう。

ステイホーム期間中はモデルなどの著名人やインフルエンサーが自身のトレーニング方法をYouTubeなどで公開したり、ライブ配信でボディケアにまつわる質問に答えたりしたコンテンツが多く閲覧されていたので、今後もSNSの発信力に注目した方がよいでしょう。

レジャー、旅行

アウトドアシーズンがまさしく自粛期間と重複していたため、アクティビティなどのサービスには反動で大きな揺り戻しが起きることが予測されます。また、旅行も人気が戻る見込みですが、日本の自粛が解けても海外にはまだ観光しにくいところもあるため、国内旅行のニーズが高まるでしょう。

ただ、アルコールを設置したり、こまめに消毒を行ったり、密を避けるように利用できる席や宿泊部屋を減らしたり、引き続き感染予防の取り組みは必須です。

家電

「おうち時間」が増えたことで改めて暮らしを見つめ直すきっかけになり、よりよい生活を過ごせるような便利家電が人気になるでしょう。ステイホーム期間中も注目されていましたが、自粛期間が終わり、収入が安定することで本格的に購買意欲が増しそうです。

ヒト消費、エフォートレス消費

コロナショック以前から、2020年は体験型の「コト消費」から「ヒト消費」に移行し、「エフォートレス消費」も増えると予想されていました。

ヒト消費とはつまり、マッチングアプリへの課金など「ヒト」を目的とした消費行動で、エフォートレス消費とは、働き方、考え方、暮らし方の多様性が広まっていく中で、#KuToo運動も踏まえ、通勤に使えるスニーカーなど、「必要以上にがんばらない」をキーワードとした調理器具や育児アイテムなどの人気が高まっている今の消費行動のこと。

特に自粛期間は家で過ごす時間を見直す期間でもあったため、新しい生活様式を始めた方もいるかもしれません。人々の個性を伸ばし、長所や魅力を高めるために、妨げになっている部分の手間を省くアイテムや、それを肯定するプロモーションがこれからの時代には合っているでしょう。

再注目のSNS効果が見逃せない

SNS

SNSにおけるプロモーションが効果的なのはかねてより周知されていましたが、このステイホーム期間中、人々がSNSに触れる時間はさらに増え、特定のハッシュタグを使って同じ環境下にいる同士で応援し合ったり、口コミを見てなにかを購入したり、著名人のライブ配信を観て勇気づけられたり、友人とリモート飲みをしたり、より一層インフラとしての役目を果たしました。

特にこの記事でも何度か繰り返し記述していますが、ライブ配信(ライブコマース)の効果が大きく、リベンジ消費がめざましい中国においては、3月末にルイ・ヴィトンがライブコマースをスタートさせたり、グッチやプラダは中国版TikTok「抖音(douyin)」をマーケティングに活用しているそうです。

また、コロナによる影響が大きかった2月には、上海ファッションウィークでアディダスがTaobao Liveというライブ配信により、223万人の視聴者を集め、10時間で2億元以上の収益を上げることに成功しました。

ただ、SNSはもともとユーザー同士がコミュニケーションをとることを目的としたツールなので、流行が生まれてもすぐに消えてしまい、有益情報も頻繁に発信しないと流れてしまう傾向にあります。そのため、適宜ユーザーのウォンツやニーズを見極め、そしてさらに発信するタイミングを上手くキャッチしないと失敗してしまう可能性もあるので、まずは運用して流れをつかむことが大事でしょう。

日本でもリベンジ消費は起きるのか

日本の街(渋谷)

早くも第2波が騒がれている今はまだ、日本でもリベンジ消費が起きるかどうかは読めないです。ただ、ステイホーム期間中の経済の流れを考えると、反動で大きく揺り戻しが起こることはおおいにありえます。

アフターコロナのニューノーマルともいえる景気状況で、自社や自身のプロモーションを成功させるには、いち早くどう動くかが重要です。顧客の消費マインドや価値観、行動は常に変化し続けているので、ビフォーコロナ時代のマーケティングは一から見直して、そのときのニーズに合ったキャンペーンを展開できたら道は開けます。

そのためにも、ユーザーのリアルタイムの動向がわかるSNSは切り離せない存在だといえるでしょう。

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この記事を書いた人

浦田みなみ
元某ライフスタイルメディア編集長。2011年小説『空のつくりかた』刊行。モットーは「人に甘く、自分にも甘く」。自分を甘やかし続けた結果、コンプレックスだった声を克服し、調子に乗ってPodcastを始めました。BIG LOVE……

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