
5G時代に向けて!動画広告の市場と広告を出稿できる媒体一覧
2020年3月から、日本国内で第5世代移動通信システム(5G)のサービスが開始されました。
現在のLTEに比べて、さらに高速化、大容量化が図られいているうえ、低遅延、大多数同時接続が可能になるなど、5Gは4Gを遥かにしのぐ革新的な通信技術になります。
5Gの普及によって、多くユーザーが動画をストレスなく閲覧できるようになるため、5Gの浸透とともに、動画広告市場の拡大が見込まれています。
この記事では、そんな5G時代の動画広告の展望と、動画広告を出稿できる主な媒体、それぞれの特徴についてご紹介していきます。
目次
動画広告の運用は5G時代に不可欠
5G以前のスマートフォンの通信環境では、動画広告を配信すると、ユーザーのデータ容量を消費させてしまったり、通信を行うことでバッテリー容量を低下させてしまうなど、ユーザーに不利益を与えてしまう可能性がありました。
それが5Gになると、従来よりもデータ容量の消費量を気にすることがなくなります。また、通信速度も4Gと比較して約20倍になっているので、動画の閲覧に対して、ユーザーがストレスを感じなくなります。
広告を配信する側も、そうした配慮をしなくて済むようになるため、5Gが普及すると動画広告はその市場を急激に伸ばしていくことが予想されています。
動画広告の市場規模と予測

上グラフを見ると、動画広告の市場は順調に拡大していることが分かります。
2019年の市場規模は対前年比で141%。金額としては2,592億円で、このうちの約89%はモバイル動画広告が占めています。
市場規模は2020年以降も伸び続け、2023年には5,000億円を超えると予想されています。このように動画広告市場は、5G時代になってさらに大きく広がっていくことが期待されているのです。
動画広告を出稿する際に把握しておきたい広告の主な種類
動画広告を利用するうえで、把握しておきたい広告の種類についてご紹介します。
広告を表示する場所や方法によって異なります。代表的な動画広告は「インストリーム動画広告」「インバナー動画広告」「インリード動画広告」の3種類です。
1、インストリーム動画広告
インストリーム広告とは、動画の再生画面に表示されるタイプの動画広告です。
YouTubeで動画を鑑賞する際、よく目にするのがこの広告。インストリーム広告には、動画の再生前に表示される「プレロール」と、動画の途中で表示される「ミッドロール」そして動画が終わった後に表示される「ポストロール」の3種類があります。
また、動画広告をスキップできる「スキッパブル広告」と、スキップできない「ノンスキッパブル広告」に分けることもできます。
動画と同じ画面に表示されるのでインパクトがありますが、その反面ユーザーの動画視聴の邪魔になることもあるので注意が必要です。
2、インバナー動画広告
インバナー広告は、アウトストリーム型の動画広告です。インストリーム広告は動画の再生画面に表示されますが、インバナー広告は、従来のバナー枠に出稿する動画広告になります。
インバナー広告では、ユーザーの視聴環境への配慮から、音声がオフであることがほとんどです。
そのため、動画広告としてのインパクトとしては、インストリーム広告に劣りますが、ユーザーに不快感を与えず、邪魔にならないのが大きなメリットです。
3、インリード動画広告
インリード広告はインバナー広告と同じく、アウトストリーム型の動画広告です。インバナー広告との大きな違いは、動画広告が表示される場所になります。
インバナー広告が、従来のバナー枠だったのに対して、インリード広告は記事と記事の間に表示されます。画面を、広告位置までスクロールして、はじめて動画広告が再生されるのが特徴です。
インバナー広告と同様に、音声オフでの再生ですが、メインコンテンツの間に挟まれるかたちで再生されるため、ユーザーの目につきやすく、高い広告効果が期待できます。
また、興味のないユーザーはそのままスクロールできるため、ユーザーの邪魔になりにくく、広告主に悪い印象を与えることが少ないのも、インリード広告の魅力です。
動画広告を出稿できる媒体一覧
動画広告を出稿できるメディアや媒体は多数存在し、今後さらに増えてくることが予想されます。
現在、動画広告を出稿できる代表的なもの6つの媒体を、それぞれユーザー層や特徴と併せて見ていきましょう。

1、YouTube
YouTubeは動画プラットフォームの代表的存在で、全世界に10億人ほどの利用者がいると目されています。毎日のようにYouTubeを視聴している人も多く、馴染み深い動画プラットフォームだと言えるでしょう。
また、YouTubeは、動画広告媒体の先駆け的存在です。ユーザーは特に10代から40代まで利用者が多く、10代と20代は90%以上の利用率(総務省情報通信政策研究所による調査)を誇っています。
他の動画メディアでは利用率が落ちる50代以上でも、利用者が多いのがYouTubeの特徴です。50代の利用率は約73%ですし、60代は約40%が利用しています。
YouTubeの動画広告の種類と料金
YouTubeの動画広告には様々な種類がありますが、その中でもメインとなるのがインストリーム広告とバンパー広告です。バンパー広告はインストリーム広告と似ていますが、広告時間が6秒以内と短くてスキップできません。短時間でインパクトのある広告を流したいのであれば、バンパー広告を利用するのもよいでしょう。
インストリーム広告の料金は、広告動画の再生時間によって決まります。ユーザーが30秒間(30秒未満の広告動画の場合は動画の最後まで)動画を見るか、広告をクリックするごとに料金が発生します。バンパー広告の課金方式は、広告が1,000回表示されるたびに料金が発生するというシステムです。
2、Instagram
Instagramは、世界最大規模の写真用SNSです。日本では特に若い女性に人気で「インスタ映え」という言葉が流行るほど多くの人に利用されています。スマホで撮った写真を手軽に投稿し、それをもとにユーザー同士で交流できるのがInstagramの特徴です。
Instagramのユーザー層は、特に20代で多くなっています。10代の利用率は約58%で、20代は約63%。30代の利用率は約44%です。40代でも約35%が利用しているという数字です。
10代から40代、特に20代の女性を狙った広告を行うのなら、Instagramがおすすめとなります。
Instagramの動画広告の種類と料金
Instagramの動画広告の主な掲載場所は、フィードとストーリーズの2か所です。それぞれ広告の表示方法が違い、フィードは画面をスクロールすると広告が表示されます。またストーリーズは、動画の再生前後か再生中に表示されるという仕組みです。
Instagramの料金の発生は、4つの主な課金方法によって異なります。CPM課金なら広告が1,000回表示されるたびに料金が発生しますし、CPC課金は広告がクリックされるたびに料金がかかります。
また、動画が10秒以上再生されるたびに料金がかかるのがCPV課金ですし、アプリがインストールされるたびに料金が発生するのがCPI課金です。これらは広告のターゲットや広告動画の種類によって選ぶのが大事です。
3、Facebook
Facebookは、月間のアクティブ数が全世界で22億人を超すという、世界最大規模のSNSです。Facebookの特徴としては、実名性が高い点を挙げることができます。FacebookはInstagramを買収しているため、この2つは運営している会社が同じです。
Facebookのユーザー層は、Instagramと比較して幅が広くなっています。20代と30代の利用率が高く、50代でも約29%が利用しています。
逆に10代の利用率が約17%と、10代よりも50代の利用率が高いのが特筆すべきポイントです。どちらかというと、年齢層の高い人々に愛用されているのがFacebookだといえます。
Facebookの動画広告の種類と料金
Facebookの動画広告は、フィードと画面の右側(PCの場合)、ストーリーズ(スマホの場合)に配信することができます。実名性の高いSNSということもあり、細かいターゲティングを行えます。
また、Facebookのあらゆる記事に動画広告が表示されるので、広告の認知度を上げることが可能です。
Facebookの広告には主に、インプレッション課金とクリック課金の2つの課金方式があります。インプレッション課金では1,000回広告が表示されるごとに料金が発生しますし、クリック課金では広告がクリックされるごとに料金がかかります。
また、動画広告の場合には、動画が10秒以上再生されるごとに課金されるという方式を選ぶことも可能です。
4、Twitter
Twitterは、全世界で3億人以上が利用しているSNSです。日本での利用者は約4,500万人で、1回の投稿が140字以内に制限されているのが大きな特徴です。
匿名で登録しているユーザーも多く、気楽に発言できるのがTwitterの魅力となっています。
Twitterは、全年齢の利用率がLINE、YouTubeについで高いSNSです。10代と20代の利用率が特に高く、20代では約76%が利用しています。30代の利用率は40%ほどで、50代では約23%、そして60代の利用率は10%を下回ります。このように、高齢者の利用率が低いのもTwitterの特徴です。
Twitterの動画広告の種類と料金
Twitterの動画広告は、タイムライン上に配信されるようになっています。広告の種類はプロモビデオとインストリーム広告、そしてファーストビューの3つです。
プロモビデオはツイートの間に挟まれる形で表示されるもので、ユーザーの目を引きやすい広告です。インストリーム広告は5秒以上再生されるとスキップすることが可能な形式を採用しており、ファーストビューはその日最初のログイン時にトップ表示される広告です。
Twitterは若年層に人気の高いSNSなので、若者にターゲットを絞った動画広告が狙い目です。Twitterの広告料金は、キャンペーンの目的設定によって違ってきます。動画の場合、100%のサイズで3秒再生されるごとに料金が発生します。
5、LINE広告
LINEは、月間の利用者数が8,300万人(2019年12月)という、SNSを代表するプラットフォームです。
リアルタイムで家族や友人、知人たちとやりとりできるのが、LINEの魅力の1つです。どの年代でも利用率が高く、平成30年には全年代での利用率が80%を突破しています。20代と30代では90%を超えていますし、50代で約82%、そして60代でも約52%の人が利用しています。
このように、どの年代に対しても影響力のあるLINEが展開しているのがLINE広告です。TwitterやFacebook、LINEを複数利用している人は多いのですが、それとは逆にLINEしか利用していない人の割合が、39.9%にも上るという調査結果もあります。
つまり、他の広告では届かない層にまで、広告の効果が期待できるのがLINE広告だといえます。
LINEの動画広告の種類と課金方式
LINE広告の大きな特徴は、タイムライン以外にも様々なサービスの画面上に、動画広告を表示できるという点にあります。そのサービスとは「LINE NEWS」や「LINE BLOG」、「LINE マンガ」や「LINE ポイント」そして「Smart Channel」などです。
広告のタイプはインフィード型で、上記サービスやタイムラインのコンテンツ間に表示されるようになっています。そのためユーザーの邪魔になりにくく、高い宣伝効果が期待できます。動画広告の場合の課金形態はインプレッション型で、動画が1,000回表示されるごとに料金が発生するという仕組みです。
6、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)
Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)は、世代を問わずに利用者の多いプラットフォームで知られている、Yahoo!が展開している広告サービスです。
Yahoo! JAPANの各サイトはもちろん、提携するパートナーサイトにも広告を表示させることができます。Yahoo! JAPANのユーザー層で多いのが、40代と50代です。
SNSと比較して主婦や経営者、富裕層の利用率が高く、消費行動が期待できる層にアプローチできるのがYDNの強みです。衣食住に関心を持つ人向けの広告なら、YDNがおすすめとなります。
YDNの動画広告の課金方式
動画広告は記事と記事の間、もしくはPCブランドパネルに表示することが可能です。広告料金は再生時間により発生し、再生開始から10秒以上経過した場合(10秒未満の動画なら最後まで再生した場合)に料金がかかるという課金方式となっています。
5G時代にマッチした動画広告を展開していこう

5Gは動画広告にとってとても大きな転換点です。4Gではできなかった高速で大容量の通信が可能になるため、動画広告の幅が大きく広がることになります。
これまでは、ユーザーの視聴環境を配慮しながら、動画広告を制作したり、配信方法を考えていたのが、5Gになることで動画のクオリティーや効果の追求にシフトしていくことが可能になるのです。
5G時代にマッチした動画広告を作り、それに適した媒体に出稿できるよう、準備を進めておきましょう。
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