
CREEVO(クリーボ)とは?使い方・商用利用・料金や他の音楽生成AIツールとの違いを解説!
AIによる自動作曲システムCREEVOは、京都大学が開発・運営しているAI音楽生成ツールです。研究プロジェクトの1つとして作られているCREEVOは使い方も非常に簡単で、会員登録なしで利用でき、教育の現場でも活用されています。
今回は、そんなCREEVOのくわしい使い方や商用利用の可否、料金プランなどについてくわしく解説します。これを読めばCREEVOの使い方がわかり、自分におすすめのツールかどうかがわかるでしょう。参考にしてみてください。
目次
CREEVOとは

CREEVOとは、AIを使った自動作曲システムです。歌詞を入力することで、自動的にメロディが付き、作曲してもらえます。京都大学が運営しており、一般参加協力型の科学実験の場として提供されています。
生成された楽曲にユーザーが評価をつけると、どんどんAIの品質がアップグレードしていき、新しいシステムの仕組みが生まれることを、目的としているサービスです。
そんなCREEVOは、音楽の知識がない人でも簡単な操作で作曲ができます。指先ひとつで直感的な作曲が可能なため、趣味で音楽生成AIに触れたいという人から、音楽のインスピレーションを得たいと考えるプロまで、幅広く利用できるのが特徴です。
CREEVOが開発された背景と目的

CREEVOは、文化の創造と進化を支える、知能の仕組みを理解する研究プロジェクトの1つとして、京都大学が開発・運営をしているサービスとなっています。
従来のAI技術は、既存の音楽の模倣を行うものがほとんどです。しかしCREEVOは、ユーザーが利用と評価を繰り返すたびに新しいAIモデルを生み続け、新しい音楽が創造できるようにという目的で作られています。
そのためには多くのユーザーによる利用が必要なため、一般参加協力型の科学実験サービスとして提供されています。つまり利用する側は、研究成果の還元を受けながらも、常に科学実験に協力していることになるのです。
AIの目まぐるしい変化を、利用するたびに感じられ、さらに研究にも貢献できるので、AIの発展を期待するのなら積極的に利用してみると良いでしょう。
CREEVOに導入されているシステムとは

CREEVOは、1950年代から研究されている、コンピューターを用いた自動作曲システムを導入しています。自動作曲システムにはさまざまな種類がありますが、中でもCREEVOは設計の部分で、「Orpheus」という自動作曲システムを参考にしています。
Orpheusとは、東京大学が開発した自動作曲システムです。日本語で歌詞を入力すると、自動で作曲されます。メロディは、言葉の高低のアクセントに合わせて生成されるのが特徴です。
コード進行やリズムのパターンを組み合わせて、さらに多様な作曲を行うことも可能なため、音楽づくりの支援ツールとして活躍するユーザーも多いです。自動作曲で音楽のインスピレーションを得つつ、作り上げた曲にアレンジを加えていくことができるからです。
CREEVOはこうしたOrpheusのシステム構成を参考にして、作られています。
CREEVOの教育活用例
CREEVOは学校教育の現場で既に活用されています。
たとえば埼玉県にある戸田東小学校では、STEAM教育の一環として、地元を盛り上げるイメージソングを、CREEVOを使って作ってみようという研究授業が行われました。
STEAM教育とは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)。芸術・リベラルアーツ(Arts)、数学(Mathematics)の5つの分野を横断的に学び、AIの登場でますます変化していく社会の中で必要になる、創造性・問題解決力を育む教育方針です。
授業では、イメージソングづくりを通じて自分たちの生活にどのようにAIを役立てられるのかを学んだり、社会に貢献するためのテクノロジーの使い方を学習したりしました。CREEVOが、未来の子どもたちの創造性や問題解決能力の高まりに貢献するのです。
CREEVOの機能と特徴

CREEVOは、音楽知識のない人でも簡単に音楽制作が楽しめる自動作曲システムです。主に、次のような機能と特徴があります。
- 歌詞を入れると作曲してくれる
- コード進行やメロディを選んで作曲できる
- 全て日本語で利用できる
上記のように、直感的な音楽制作ができたり、コード進行などを指定して自分の思い描いた音楽制作ができたりと、使い道が複数あるのが大きな特徴です。さらに日本語利用が可能なため、英語が分からなくても利用できます。
さっそくそれぞれの機能と特徴について解説するので、参考にしてみてください。
歌詞を入れると作曲してくれる
CREEVOには、歌詞を入力すると自動で作曲を開始する「おまかせ作曲」という機能があります。おまかせ作曲は、10~50文字の歌詞を入力すると、自動でメロディを生成し、30秒~1分ほどで、自動的に楽曲を制作します。
おまかせ作曲では、最初に3つの候補が生成されます。候補の中から1つ選ぶと、その候補を元に、最終的な楽曲を制作するのが特徴です。ボーカル音声もついており、歌詞に合わせて歌声もつけてくれています。
生成された楽曲はデータ保存も可能ですし、インストゥルメンタル版の生成も可能です。楽曲を評価すれば、楽譜や動画まで作ってもらえます。音楽の知識がなく、直観的に楽曲を制作したいと考えている人に便利な機能でしょう。
コード進行やメロディを選んで作曲できる
CREEVOの「デザイン作曲」は、コード進行や楽曲のテンポ、メロディや伴奏スタイルなど、楽曲の雰囲気を指定して作曲ができる機能です。おまかせ作曲とは異なり、自分らしいアレンジを加えながら楽曲制作ができます。
おまかせ作曲と同様に、デザイン作曲でも自由に歌詞が入力できます。歌詞を入力した後に、曲調のデザインが可能です。
コード進行は有名な楽曲のコード進行を参考にしたり、メロディの雰囲気は「2000年代Jポップ風」などのカテゴリ―から選べたりと、音楽の知識が少なくても選びやすくなっています。
またピアノやトランペットなどメロディラインの楽器が数種類の中から選べ、PC版からは、生成されたサンプルを組み合わせ、好きなメロディに作り替えることも可能です。
自由度の高い作曲を行いたい人にピッタリの機能となっています。
全て日本語で利用できる
CREEVOは全て日本語で利用できる音楽生成AIのため、英語が読めない、英語が苦手という人も使いやすくなっています。
現在、音楽生成AIの多くは海外製となっており、ツール内は英語表記の場合が多いです。日本語での利用や歌詞の入力も可能なものが多いのですが、サービス自体は英語表記なため、翻訳しながら使わなければいけないケースも多くあるでしょう。
しかしCREEVOは入力画面からサービス画面、デザイン作曲時のメニュー画面に至るまで、すべてが日本語表記です。利用するにあたって、英語が分からずに苦労する心配がありません。
全て日本語で利用できるので、子どもから大人まで、幅広い年代が利用できるというメリットもあります。
REEVOで生成した音楽は商用利用できる?

CREEVOで生成した音楽は、「パブリックドメイン(著作権なし)」として扱われます。そのため、商用利用も可能です。ただし、歌声が入っている音楽を公開する場合は、「Sinsy」の表記が必要になります。
CREEVOは商用利用が可能なため、動画やショート動画、ライブ配信など、収益が発生するコンテンツであっても自由に利用ができます。自分だけのBGMを制作して活用したいときに非常に便利でしょう。
なお、作曲したメロディが世間に発表されている既存の楽曲と似ていると感じた場合は、速やかにCREEVOに連絡し、楽曲は使わないようにしてください。万が一第三者の権利を侵害するものであったとしても、CREEVO側は責任を負いません。
参照元:CREEVOの使いかた
CREEVOと他のAI音楽生成ツールの違い

CREEVOは完全無料で利用できる音楽生成AIで、ユーザー登録などは一切必要ありません。すべての機能が無料で利用でき、1日に何曲でも作曲が可能です。
ほかのAI音楽生成ツールは、無料で使える機能に限りがあったり、ユーザー登録が必須だったりします。また生成にはポイントが必要で、ポイントがなくなれば楽曲生成ができなくなるというツールも多いです。
その一方で、他のツールは生成される楽曲の長さがCREEVOよりも長かったり、作曲後のアレンジや歌詞生成も可能だったりと、CREEVOにはない機能も備わっています。
無料で気軽に使えるAI音楽生成ツールを使いたいならCREEVO、より高度なアレンジを加えて本格的な楽曲づくりを楽しみたいなら他のツールと、用途に合わせて使い分けるのがおすすめです。
CREEVOの利用料金は?

CREEVOは完全無料で利用でき、利用料金などは必要ありません。商用利用する際も、追加料金は発生しないため、無料で自由に使えます。
無料で使えるAI音楽生成ツールは多いですが、楽曲のカスタム機能など、一部の機能を使うために課金が必要であるというパターンは多くあります。しかしCREEVOは、どの機能も無料で使うことができるのです。
無料で作れる楽曲の数に制限もないので、一日に複数回利用しても問題ありません。
参照元:CREEVO実験プロジェクト
CREEVOの使い方・登録方法の手順

CREEVOは、会員登録不要で使えるAI音楽生成ツールです。使い方や登録の手順なども簡単なので、ぜひ気軽に作ってみましょう。
使い方の手順は次の通りです。
- サイトにアクセスして「CREEVOで作曲する」をクリック
- 作曲方法を選択する
- 歌詞を入力して「次へ」をクリック
- 歌詞の読み方を確認して「次へ」をクリック
- タイトルを確認して「確定する」をクリック
- 好きな曲を選んで「確定する」をクリック
- 生成された楽曲を視聴・評価する
さっそく画像付きでそれぞれの手順を解説するので、参考にしてみてください。
サイトにアクセスして「CREEVOで作曲する」をクリック
まずは、CREEVOのサイトのトップページにアクセスしてください。次に、CREEVOのサイトの中央にある、「CREEVOで作曲する」という緑色のボタンをクリックしましょう。作曲するページに移動します。
作曲方法を選択する
続いて作曲方法を選びます。作曲方法は、おまかせ作曲とデザイン作曲の2種類から選べます。
おまかせ作曲は、作詞だけすれば、メロディはすべておまかせで作ってもらえる機能です。デザイン作曲は、コード進行や曲調などを設定して作曲できる機能です。
どちらか好きな機能を選んでクリックしてください。ここではおまかせ作曲の方法で説明します。
歌詞を入力して「次へ」をクリック
続いて歌詞を入力します。歌詞は10文字から50文字が推奨されているので、その範囲内で抑えるのがおすすめです。また、スペースで区切ると歌詞の小節を分けることができます。歌詞の内容に合わせて適宜スペースを取り入れましょう。
歌詞の読み方を確認して「次へ」をクリック
「次へ」をクリックすると、歌詞の読み方を確認するページに移動します。
歌詞についている「^」と「_」は言葉のアクセントの上下を表しており、ボーカルの音程の上下に反映されます。()で囲んだ文字は1つの音符にあてはめられます。
読み方が間違っている場合や、アクセントなどを変更したい場合は、ここで手動で直しましょう。
タイトルを確認して「確定する」をクリック
読み方が確定出来たら、タイトルを入力します。タイトルは最初、歌詞のはじめの文章に設定されているので、そのままでも良ければ「確定する」を押してください。
ここでSNSアカウントを使ってログインすれば、自分の作った楽曲がいつでも聞けるようになります。
好きな曲を選んで「確定する」をクリック
タイトルを確定すると、作曲のサンプルが3つ作成されます。それぞれの候補を聞き、一番自分の気に入ったものを選んで、「確定する」というボタンをクリックしてください。気に入らない場合はほかの候補を生成することも可能です。
生成された楽曲を視聴・評価する
楽曲が生成されたら、さっそく視聴・評価していきましょう。合成歌声版にはボーカル音声がついています。
ログインしていない場合、生成された楽曲は、生成後20分しか視聴できません。早めにダウンロードしておきましょう。楽譜や動画のダウンロードも可能です。
CREEVOの注意点

CREEVOで制作した楽曲は、ログインせずに生成した場合、20分後に視聴できなくなってしまいます。そのため、生成した楽曲を視聴し続けたい場合は、早めにダウンロードするようにしましょう。
楽曲をダウンロードするためには、楽曲を評価する必要があります。生成画面で星評価が付けられるので、生成された楽曲について評価をつけてください。評価後、楽曲の楽譜ファイルや動画ファイルの閲覧、ダウンロードが可能となります。
SNSアカウントでログインして生成すれば、20分の期限が過ぎても視聴が可能です。楽曲を好きな時に視聴したいという場合はSNSでログインしておくと良いでしょう。
なお、生成した楽曲は著作権フリーのため、自由に利用ができます。ただし音声付きの楽曲を使用する場合は「Sinsy」の表記が必要になるので、忘れずに記載してください。
CREEVOはどんな人に向いている?

音楽の知識がなくても簡単に楽曲が生成できるCREEVOは、科学実験の場でもあり、教育の現場でも使われているツールです。使用するたびに、生成AIの研究に貢献することができます。
そんなCREEVOは、次のような人に特におすすめのAIです。
- 日本語のみで使える作曲AIツールを探している
- 授業やワークショップに使いたい教育関係者
- 効率的にデモ楽曲を制作したいクリエイター
ここではおすすめの人の特徴について具体的に解説します。
日本語のみで使える作曲AIツールを探している
CREEVOはサイト内の言語やツールの説明文を含め、すべてが日本語に対応している、日本初の作曲AIツールです。
ほかのAIツールと異なり、英語表記がないため、英語が苦手な人でも使いやすくなっています。日本語のみで使える作曲AIツールを探している人にぜひおすすめです。
AIツールによっては、日本語に対応していても、意味が少し異なったり、説明が分かりにくかったりします。しかしCREEVOはヘルプページも日本語で分かりやすく書かれているため、操作に悩んでも、使い方が分からなくなる心配がありません。
英語が苦手な人はもちろん、英語の勉強をまだしていない子どもたちも簡単に使えるので、親子で楽しんでみても良いでしょう。
授業やワークショップに使いたい教育関係者
CREEVOは教育の現場でも活用されているAI生成ツールです。昨今教育現場で注目されているSTEAM教育で使える教材として、実際に研究授業に使われた実績もあります。そのため授業やワークショップで音楽生成AIを活用したい教育関係者にぜひおすすめです。
STEAM教育は、AIを使用したIT技術などが発展し、柔軟性が求められるこれからのデジタル社会で活躍できるよう、子どもたちに基礎的な力を身につけさせる教育方針となっています。文部科学省でもSTEAM教育は推奨されており、さまざまな学校で導入されています。
CREEVOは使用方法も簡単なため、複雑な説明もなく、すぐに授業に導入できます。会員登録の必要もないため、取り入れやすいのも魅力です。京都大学が開発・運営しているので、安心して使えるというメリットもあります。ぜひ使ってみてください。
効率的にデモ楽曲を制作したいクリエイター
CREEVOのデザイン作曲では、コード進行や曲の雰囲気などを細かく指定して楽曲が生成できます。生成スピードも早く、すぐに思い通りの楽曲が制作できるため、効率的にデモ楽曲を制作したいクリエイターにぜひおすすめです。
デザイン作曲では、複数のメロディパターンを小節ごとに組み合わせるなど、より自由度の高い楽曲生成が可能です。いくつかの楽曲を制作し、組み合わせ、手持ちの編集ソフトで編曲すれば、あっという間にデモ楽曲が制作できます。
1曲あたり数十秒と短いのでいくつも楽曲を制作しなければいけないという手間はかかるものの、1曲丸ごと自分で制作するよりも効率的に楽曲が制作できます。制作時間を短縮させたいというクリエイターは、ぜひ一度使ってみてください。
CREEVOを活用して音楽制作を楽しもう

CREEVOは、音楽の知識がない人でも気軽に音楽が生成できるAI音楽生成ツールです。京都大学が開発・運営しているCREEVOは、研究プロジェクトの1つとしても使われており、ユーザーが使用するたびに生成AIが進化していくという特徴もあります。
そんなCREEVOは、会員登録不要で誰でも使うことができ、日本語に対応しているため子どもでも活用できるという魅力があります。実際に教育の現場でも活用されており、AIを使用した授業を行いたいときの教材としてもおすすめです。
その一方で、生成された楽曲は20分間しか視聴できないという注意点もあります。しかし楽譜や動画も含め自由にダウンロードできるので、それほど不便にも感じないでしょう。CREEVOを使用して、自由な楽曲制作を楽しんでみてください。
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