
Aiva(アイバ)とは?音楽生成AIの使い方や商用利用・作曲者におすすめな理由を解説!
Aiva(アイバ)は、クラシックやシンフォニック音楽に特化した音楽生成AIツールとして、広く利用されています。安全性が高く、生成される音楽のクオリティも高いと評判ですが、そもそもどのような機能があるのか、実用は可能なのかなど、もっと知りたいことが多いという方も少なくありません。
そこでこの記事では、Aivaとはどのような音楽生成AIツールなのか、他のAIとの違いや料金プランの違い、使い方をまとめました。どのような人に向いているのかも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
Aivaとは
Aivaは、ルクセンブルクに本拠を置くAiva Technologies SARLによって開発されたAI音楽生成ツールです。音楽家とエンジニアのチームによって運営されており、個人のニーズに合わせた楽曲をAIで提案する仕組みづくりを進めています。
クラシック音楽やシンフォニック音楽の作曲に特化しており、モーツァルトやベートーヴェンなどが作曲した3万曲の楽譜を学習しています。
フランスの著作権団体SACEMから公式な作曲家として認定された初のAIであり、商用での使用にも対応しています。
Aivaで楽曲を生成する方法
Aivaには、目的や制作スキルに応じた以下のような生成方法が用意されています。
- スタイルから生成する
- コード進行から生成する
- ステップバイステップから生成する
- 音源から生成する
それぞれ解説するので、特徴を把握して自分に合った方法を選ぶための参考にしてみてください。
スタイルから生成する
Aivaでは、用意されたスタイルを選択するだけで楽曲の骨組みが生成されます。スタイルには楽器の編成や楽曲の長さ、全体の雰囲気が用意されているため、自分で一から組み立てることなく音楽が生成されます。
とくにクラシック、シネマティック、映画音楽といったスタイルはプリセットの完成度が高く、曲の表情や深みに違いが出やすくなっています。複数のスタイルを試しながら、自分に合った楽曲をスムーズに探せるでしょう。
Aivaのスタイル活用は、制作効率を高めてくれるはずです。
コード進行から生成する
Aivaでは、コード進行から楽曲を生成する機能も用意されています。スタイル選択による自動生成とは異なり、あらかじめ自分で和音の流れを決めておくことでイメージにあった展開を実現しやすくなります。
設定された和音進行に合わせてメロディやリズムの動きが決まるため、イメージしている楽曲と出来上がる曲に大きなズレが生じにくくなります。曲全体の流れに一貫性を持たせたい場合や、場面に合わせて特定のハーモニーを活かしたい場面でも、コード主導の生成が役立つでしょう。
入力したコード進行は、MIDIデータとして出力できます。コードだけを素材として保存し、別の作品に転用するような使い方もできるため、音楽制作以外の学習や研究の目的でも活用しやすい機能です。
ステップバイステップから生成する
ステップバイステップは、楽曲をセクション単位で組み立てられる方式です。イントロ、Aメロ、サビといった各パートを分けて生成できるため、構成の流れを意識しながら制作できます。
特定のシーンや演出に合わせて構成を調整する用途にも適しています。物語の流れに沿って場面ごとの雰囲気を変えたり、映像作品の時間軸にあわせて構成を最適化したりする使い方にも有効でしょう。
一括生成では難しい展開の緩急も、ステップバイステップなら柔軟に設計できます。場面ごとにリズムや雰囲気を変えたいときや、ストーリー性のある構成を重視したいときには、使い勝手の良い手法として選ばれています。
音源から生成する
Aivaの「From an Influence」を活用して音源から生成することも可能です。音源ファイルの特徴を分析し、そのスタイルをもとに新たな楽曲を生成できる機能で、好きな曲の雰囲気や展開を参考にしながら楽曲を制作できます。
アップロードされた音源は、全体のテンポやリズム、コード進行、音色の重なり方などを自動的に解析します。解析された要素を構成素材として取り込みつつ、別の曲として生成するため、イメージは引き継ぎつつもオリジナルの楽曲が生まれるのです。
元となる音源をベースにして自分らしさを出す場合や、クライアントから参考音源を渡された場合など、実務レベルの制作でも活躍できる機能です。
Aivaで生成した音楽は商用利用できる?
Aivaで生成した音楽を商用利用したい場合は、スタンダードまたはプロプランの契約が必要です。プランによる違いを以下にまとめました。
プラン名 | 商用利用 | 利用可能な範囲 |
Freeプラン | 不可 | 個人利用、非公開の試作など |
Standardプラン | 一部可能 | YouTube、Twitchなどの特定プラットフォームのみ |
Proプラン | 可能 | 配信、販売、広告、アプリ、CD制作など全般 |
制作目的や使用媒体に応じて、最適なプランを見極めてから契約を進めましょう。もし商用利用の範囲を超えてしまうと、アカウント停止などのリスクがあるため、注意が必要です。
Aivaの利用料金は?
Aivaには、利用目的や作業頻度に合わせて以下のように3つのプランが用意されています。
- Freeプラン
- Standardプラン
- Proプラン
各プランの特徴についてまとめているので、制作の目的や今後の展開を考えながら、自分に合ったプランを選ぶ参考にしてみてください。
フリープラン
フリープランは、ジャンル指定やステップバイステップ生成などの基本的な機能は一通り使えるプランです。
ただし、ダウンロードできる音質はMP3およびMIDI形式に限定されており、高音質の形式であるWAV形式での出力はできません。また、コード進行の可視化や詳細設定にも対応しておらず、月にダウンロードできる楽曲は3件までに制限されているため、本格的な制作には物足りなさを感じる場面もあるかもしれません。
それでも、まずはAI作曲の仕組みを試してみたい方や、使用感をじっくり確かめたい方にとっては十分な機能が揃っています。使い方をひと通り把握したうえで、用途に応じて上位プランへの切り替えを検討するとスムーズです。
スタンダードプラン
スタンダードプランは、YouTubeやTwitchといった配信プラットフォームでの商用利用に対応したプランです。月額は15ユーロですが、年間契約であれば月あたり11ユーロまで抑えられます。
WAV形式での高音質ダウンロードが可能になり、コード進行の可視化やプリセットの指定にも対応しています。生成した楽曲は月15回までダウンロードでき、1曲あたりの長さは最大5分まで対応しています。フリープランと異なり、使用時のクレジット表記も不要になります。
ただし、広告制作や音源販売のように収益が直接発生する用途には対応していません。今後の活用範囲を広げたい場合は、プロプランの条件も確認しておくと安心です。
プロプラン
プロプランは、CD販売やアプリへの組み込みなど、商用活動の制限が一切なく、生成した楽曲の著作権をユーザーが保有できる唯一のプランです。月額料金は49ユーロで、年間契約なら月あたり33ユーロとなります。
ダウンロードの上限は月300回まで、1曲あたりの最大長は5分30秒まで対応しています。出力形式はMP3・MIDI・WAVすべてに対応しており、配信用・編集用・マスタリング用といった用途別の書き出しも効率的に行えます。
プリセット(スタイル)の細かい設定やループ構成、参考音源からのスタイル抽出など、AIVAが提供するすべての生成・編集機能が解放されるため、Aivaを最大限に活用したい企業や個人事業主におすすめのプランです。
Aivaと他のAI音楽生成ツールの違い
Aivaは、プロの現場にも導入されているAI音楽生成サービスであり、著作権管理や法的処理においても他と比べて安心して使える優位性を持っています。
2016年には、フランスの著作権団体SACEMにより、AIとして世界で初めて正式な作曲家として認められました。アルゴリズムによる作曲に対して、人間と同じ法的地位が与えられた画期的な例として広く知られています。
AivaがSACEMの認定を受けられた理由の一つに、学習データの扱いがあります。開発初期から、著作権の消滅したクラシック作品を中心に学習しており、第三者の権利を侵害しない方針を明確にしてきました。この方針は現在も変わっておらず、生成過程についても透明性が保たれています。
一方で、多くのAI音楽ツールは、著作権が管理されている楽曲を出所不明のまま学習している疑いがあり、商用利用の際に不安を感じるケースもあります。Aivaは、不安を感じずに利用できる数少ないサービスの一つです。
Aivaの使い方・登録方法の手順
Aivaの操作はシンプルで、以下の手順で進めることで初めての方でも無理なく進められるように整えられています。
- 公式サイトにアクセスして「Create a free account」をクリック
- ログイン方法を選択する
- 利用規約とプライバシーポリシーに同意する
- 「Create Track」「From a Style」をクリック
- 作りたいジャンルを選んで「Create」をクリック
- 設定を選択して「Create tracks」をクリック
- 楽曲を聴く
登録から制作までの手順を画像と共に順番にまとめましたので、ぜひ参考にしながら進めてみてください。
公式サイトにアクセスして「Create a free account」をクリック
まずは公式サイトへアクセスし、「Create a free account」をクリックしましょう。
ログイン方法を選択する
ログイン画面が開くので、メールアドレスの登録か、Google・Facebookアカウントでのログインのいずれかを選択しましょう。
利用規約とプライバシーポリシーに同意する
EULAとプライバシーポリシーに同意するにチェックを入れ、「Create account」をクリックします。しっかり利用規約とプライバシーポリシーの内容も把握してから同意するよう気をつけましょう。
「Create Track」「From a Style」をクリック
登録が完了したら、さっそく楽曲を生成してみましょう。メニューにあるCreate Trackをクリックし、From a Styleを選択します。
作りたいジャンルを選んで「Create」をクリック
From a Styleをクリックすると、スタイルの選択画面が表示されるので、自分の好みに合ったスタイルを選びましょう。再生アイコンをクリックすると、どんなジャンルの音楽なのか視聴できます。
スタイルが決まったら、「Create」をクリックします。
設定を選択して「Create tracks」をクリック
曲のキー、曲の長さ、生成数の設定が完了したら、Create tracksをクリックします。楽曲の生成が始まるので、完成を待ちます。
楽曲を聴く
生成が完了したら、楽曲のダウンロードのまえに視聴をしましょう。タイトルを変更したい場合は、タイトル部分をダブルクリックすることで変更可能です。
Aivaはどんな人に向いている?
音楽生成AIの中でも独自の特徴を持つAivaは、以下のような方に向いていると言えます。
- AIを活用して音楽を生成したい学生
- 効率的に楽曲を制作したいクリエイター
- SNSやYouTubeで楽曲を発信したい人
自分に合っているかを考える目安として、ぜひ参考にしてみてください。
AIを活用して音楽を生成したい学生
音楽を学びながら、制作スキルも磨きたい学生にはAivaが適しています。プロ品質の音源を手軽に生成できるため、理論と実践を同時に深められるのが魅力です。
さらに、Aivaには学生プランが用意されています。月額利用で15%、年間契約なら30%の割引が適用されます。申し込みはAivaの公式サイトから行え、学生証の提示だけで完了します。
Aivaはインストール不要のクラウド型で、ブラウザさえあればすぐに使用できます。自由に試行錯誤できる時間や環境を確保しながら、プロ向けの機能を大幅に抑えた価格で使えるため、学生にとって嬉しいツールと言えるでしょう。
効率的に楽曲を制作したいクリエイター
曲の構成づくりから編曲、音質の調整までが自動で進むAivaは、効率的に楽曲を制作したいクリエイターにも向いているツールです。
一般的に、楽曲を仕上げるにはどんな音楽を作るかのイメージ整理に加えて、音の構成や使用する楽器の選定、音量や配置の調整など、多くの判断をする必要があります。しかしAivaでは、ジャンルや雰囲気を選ぶだけで楽曲の全体像が自動でつくられるため、効率的に楽曲を作成しやすくなっています。
簡単に高品質な楽曲が生成されるので、編集の手間がかかりにくいという点も、スムーズに作業を進めるためのメリットといえます。
SNSやYouTubeで楽曲を発信したい人
Aivaで制作された音源は、SNSや動画投稿サイトにそのまま活用しやすいという特徴があります。曲の長さが短めで、音の強弱やテンポなどもシンプルにつくられるため、短い動画にそのまま使用してもスムーズに馴染みやすくなっています。
また、生成した音源はそのまま編集ソフトに取り込める形式で出力されるため、携帯やPCでも扱いやすいです。
著作権についても、商用利用が可能なプランを選べば、自作動画やプロモーション用のコンテンツにそのまま使用することができます。出力後はそのままSNSや外部プラットフォームに投稿できる点も、SNSやYouTubeで楽曲を発信したい人に向いている理由のひとつです。
Aivaを活用して音楽制作を効率化しよう
Aivaは、信頼性と高い専門性を兼ね備えた音楽生成AIツールです。クラシックや映画音楽のような曲も安定して出力できるため、効率的な音楽制作やアイディアを得たいクリエイターにとって有益なツールとなります。
商用利用は料金プランごとにライセンス範囲が明確に定められており、目的に合わせて選べます。学生プランが用意されているのも嬉しい特徴の一つです。
音楽制作に携わる方や安全にAIで音楽を生成したい方は、ぜひ活用してみてください。
その他の音楽生成AIを知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
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