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AISASモデルとは?AISASの法則とAIDMAとの違い、マーケティング活用のコツを具体例付きで解説!

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AISASモデルは、SNSやインターネットの利用が主流となった現代にマッチしたマーケティングフレームワークです。AISASの法則とも呼ばれています。

この記事では、AISASモデルを活用したマーケティング戦略のポイント、活用事例をくわしく解説。

AIDMAやAISCEASとの違いや、メリット・デメリット、CV(コンバージョン)につなげるコツまで紹介します。AISASモデルを成果につなげるヒントとして、ご活用ください。

目次

AISASモデル(AISASの法則)とは?

AISAS(アイサス)モデルは、2004年に電通によって提唱された購買行動モデルです。インターネットやSNSを積極的に活用する現代のユーザーの行動にフィットする実践型モデルとして、今も多くの現場で使われています。

AISASモデルは、以下の5つのステップから構成されます。

  • Attention(注意)
  • Interest(興味・関心)
  • Search(検索)
  • Action(行動)
  • Share(共有)

それまで主流だったAIDMAモデルでは、テレビCMやチラシなどマスメディアによる一方通行の情報発信が前提とされていました。

一方でAISASでは、ユーザーが自ら調べて(Search)行動し、さらに発信(Share)するという、より能動的な行動を想定しています。

Searchはユーザーが自分に合う選択肢を見極める行動であり、Shareは体験を他者と分かち合い、共感を広げる行動です。

このようにAISASは、企業とユーザーが互いに関係しあう、双方向型のマーケティング時代を反映したモデルといえるでしょう。

現在では、SNS運用、Web広告、インフルエンサー施策など、ユーザー主導の導線設計が求められる分野で特に有効です。

出典:電通「“Dual AISAS”で考える、もっと売るための戦略。

AISASモデルが提唱された背景

電通がAISASモデルを提唱した2004年頃は、インターネットやSNSが消費者の生活に浸透し始めた時期です。

当時主流だったAIDMAモデル(注意→興味→欲求→記憶→行動)は、企業からの情報発信に対して、消費者が受動的に反応する構造です。

しかし、情報の取得や発信を自ら行う能動的な消費者が増え始めたことで、このモデルだけでは現代の購買行動を捉えきれなくなってしまいました。

こうした背景から登場したのが、AISASモデルです。AISASは「検索(Search)」と「共有(Share)」というプロセスを新たに加えることで、消費者が自ら情報を探し、発信する行動を的確に反映しています。

特に、ブログや掲示板、個人のレビューが購買に大きな影響を与えるようになった当時の環境において、AISASモデルは従来以上の成果を発揮しました。

AISASモデルは、まさに消費者主導の時代に対応する形で生まれた、新しい購買行動のフレームワークなのです。

AISASモデルは古い?現代マーケティングにおける有効性

AISASモデルは、2004年に電通が提唱した比較的古い理論です。そのため「今の時代には合わないのでは?」と感じる人もいるでしょう。

しかし、実は現在の購買行動はAISASの流れに非常に近く、むしろ今だからこそフィットするモデルだと言えます。

たとえば、SNSで話題の商品を見つけて検索し、購入したらSNSやブログでレビューを投稿するでしょう。この一連の流れは、まさにAISASそのものです。

こうして生まれたUGC(ユーザー生成コンテンツ)は、新たな注意や興味を引き起こし、次のユーザーの検索・行動へとつながっていきます。

このように、検索と共有を中心としたユーザーの能動的な行動が一般化した今こそ、AISASモデルは現場で力を発揮しています。

古い理論ではあるものの、SNSや検索・UGCが重要な商材や業種においては、今も現役の有効なマーケティングモデルです。状況に応じて積極的に活用していくと良いでしょう。

AISASモデル(AISASの法則)の5ステップと活用例

AISASモデルは以下の5ステップで構成されています。

  • Attention(注意)
  • Interest(興味・関心)
  • Search(検索)
  • Action(行動)
  • Share(共有)

ユーザーにそれぞれのステップを踏んでもらい、行動に繋げ、その後情報を共有してもらうのがAISASのゴールです。共有された情報から、また次のユーザーが商品・サービスに興味を持ってくれるようになります。

ここではそれぞれのステップについて解説するので、参考にしてみてください。

ステップ①:Attention(注意)

Attention(注意)のフェーズは、ユーザーが商品やサービスに気づく段階です。目に入る、気づくなど、とにかく注意を向けるための行動をとります。広告やSNSの投稿、街中の看板などが有効です。

たとえば、次のような施策が有効です。

  • SNSで広告を打ち出す
  • インフルエンサーを起用して宣伝を行う
  • コンビニや自動販売機にポップを出す
  • テレビCMや動画広告などを展開する

Attentionでは、とにかくユーザーの意識を向けることが大切です。ターゲットをしっかり設定するようにしましょう。

たとえば「20代女性が興味を持ちそうなおしゃれな広告にする」「20代女性に人気のインフルエンサーを起用する」など、商品・サービスのターゲットに合わせた施策を行えば、より一層ユーザーの興味を惹きやすくなります。

ステップ②:Interest(興味・関心)

Interest(興味・関心)のフェーズでは、ユーザーに商品やサービスに対して「気になる」「もっと知りたい」と関心を持ってもらう必要があります。ターゲットが興味を持つような商品の見た目にしたり、インパクトのあるキャッチコピーを設定したりするのがおすすめです。

具体的には次のような施策が有効になります。

  • ユーザーの悩みに共感する文言・ストーリー
  • ターゲットに刺さるベネフィットの提示
  • ターゲット層に人気の高いインフルエンサーの起用

たとえば「毎日の育児で睡眠不足…お疲れ肌に悩んでいませんか?忙しい日々でも楽にお手入れできるのが、このオールインワン美容液!」と、分かりやすくユーザーに提示します。

InterestのフェーズはAttentionで注意を引いたユーザーを離さないための重要なステップなので、分かりやすさや、明確なベネフィット提示が重要です。

AttentionからInterestまでの流れが綺麗にできると、ユーザーの興味をしっかりつかめるようになります。

ステップ③:Search(検索)

Search(検索)のフェーズでは、興味を持ったユーザーが自ら情報を探しに行きます。

この段階では、商品の比較・検討や、購入前の確証を得るための検索行動が活発に行われます。

たとえば、次のような施策が有効です

  • 商品やサービスを紹介するブログ記事やよくある質問の用意
  • SNSのハッシュタグ検索でヒットするような投稿設計
  • 口コミ・レビューサイトへの掲載誘導
  • YouTubeなどでの使用レビュー

たとえば、オールインワン美容液に興味を持った30代女性は、「#美容液 おすすめ」「30代 スキンケア オールインワン」などで検索し、口コミやレビュー動画を探す可能性が高くなります。

ユーザーが調べたときに見つかりやすい情報設計や、レビューを促しやすい仕組みづくりなど、Searchと次のAction・Shareをつなぐ土台を意識すると、より効果的にコンバージョンに導けます。

ステップ④:Action(行動)

Action(行動)のフェーズは、実際にユーザーが購入や申し込み、資料請求などの行動を起こす段階です。ユーザーが行動を起こしやすいような導線設計が重要になります。

具体的には、以下のような施策を行うのがおすすめです。

  • SNSや広告から直接購入できる導線づくり
  • 迷わず行動できるUI設計
  • 簡潔で分かりやすい申し込みフォーム
  • 「限定」「今だけ」などで背中を押す
  • 安心感の持てるサイト設計

上記のように、行動に移しやすい環境を整えてあげましょう。

特に「期間限定」「先着○○名様」など、限定をアピールしてユーザーの背中を押すのは、行動を促しやすくておすすめです。

また、不信感の抱きやすいサイト設計だとせっかくの購入意思が失われてしまいます。送料や返品対応を明記したり、申し込み後の流れを明確にしたりと、安心感の持てるサイト設計も意識してみてください。

ステップ⑤:Share(共有)

Share(共有)のフェーズは、ユーザーによるレビューの投稿や口コミの拡散など、UGC化が行われる段階です。友人やインフルエンサーによる紹介は、広告よりも信頼されやすいという特性を持ちます。Shareの段階を強化すると、今後の売り上げ拡大につながっていくでしょう。

Shareのフェーズでは、次のような施策が有効です。

  • 口コミやレビューの投稿導線確保
  • ハッシュタグ施策の用意
  • 「口コミ投稿で○○プレゼント」などのキャンペーン
  • 投稿したくなるデザインやパッケージ

上記のように、口コミやレビューなどを投稿しやすい施策を用意しておくことで、ユーザーが感想を共有しやすくなります。レビュー投稿キャンペーンなどを用意するのもおすすめです。

Shareのフェーズがうまくいくと、UGCがきっかけで商品やサービスに興味を持つユーザーも増えていきます。積極的に活用しましょう。

AISASモデル(AISASの法則)の具体例

AISASモデル(AISASの法則)の具体例を2つご紹介します。

【美容】新作コスメの購買フロー

Attention(注意): Instagramで好きなインフルエンサーが新作コスメを紹介しているのを見て、商品を認知する。

Interest(興味): 発色の良さや限定パッケージのデザインに興味を持つ。

Search(検索): 「#新作コスメ」「(商品名) 口コミ」などで検索し、他のユーザーのレビューや公式サイトで色展開を確認する。

Action(行動): ECサイトで購入ボタンを押し、商品を注文する。

Share(共有): 実際に使った感想を「#コスメ購入品」のハッシュタグを付けてInstagramに投稿する。

【EC】ファッション通販の購買フロー

Attention(注意): YouTubeのおすすめ動画で、ファッション系YouTuberが着ているワンピースに目が留まる。

Interest(興味): 動画内で紹介されている着回し術を見て「自分も着てみたい」と感じる。

Search(検索): 動画の概要欄にあるリンクからECサイトにアクセス。ブランド名でSNS検索も行い、他の人のコーディネートを参考にする。

Action(行動): サイズや色を確認し、購入する。

Share(共有): 購入したワンピースを着て外出し、その日のコーディネート写真をSNSにアップする。

AISAS・AIDMA・AISCEASの違いを徹底比較

購買行動モデルには、AISASのほかにもAIDMA、AISCEASというものがあります。それぞれの購買行動モデルを比較してみましょう。

購買行動モデル AISAS AIDMA AISCEAS
構成 Attention(注意)
Interest(関心)
Search(検索)
Action(行動)
Share(共有)
Attention(注意)
Interest(興味)
Desire(欲求)
Memory(記憶)
Action(行動)
Attention(注意)
Interest(関心)
Search(検索)
Comparison(比較)
Examination(検討)
Action(行動)
Share(共有)
特徴 検索&共有が前提 受動的な購買行動 比較・検討が加わる
登場した時代 SNS・UGC時代 マス広告時代 ECの発展期
向いているケース EC商品、ファッション、ガジェット、アプリなど 日用品やスーパー・コンビニ、衝動買いなど 家電、旅行、保険、教育、BtoB商材、高額商品

それぞれ上記のような違いがあります。

AISASはSNSなどインターネット上で商品を販売したいときや、口コミで噂を広めたいとき、バズらせたい場合などに向いている購買行動モデルです。

なお、購買行動モデルには「DECAX」というものもあります。DECAXは商品を売るというより、商品の価値をアピールし、行動に繋げてもらう購買行動モデルです。

たとえばインフルエンサーが紹介した商品を、ファンが欲しいと思い、行動するケースなどが当てはまります。ユーザーとの信頼を構築していきたいときや、ファン化コンテンツマーケティングをメインとして行動したいときにおすすめのモデルです。

AISASモデル(AISASの法則)を活用したマーケティング事例

ここからは、実際にAISASモデルを活用し、良い成果を出した3つの企業の事例を紹介します。AISASを使ってマーケティングを成功させている企業なので、ぜひ自社でも事例を参考に取り入れてみましょう。

導入前後の変化や工夫したAISASステップ、企業が得た成果についても解説するので、参考にしてみてください。

事例①:ワールド・ファミリー株式会社

ワールド・ファミリー株式会社が取り組んだのは、Instagramでの投稿を収集し、公式サイトに埋め込む仕組みを構築して、サイト来訪者に対し、リアルな声を可視化して表示するという施策です。

イベント参加の楽しそうな様子や親子のリアルな体験を公式サイトに表示した結果、信頼性・共感度が向上し、検討意欲の促進という成果が得られました。Instagramの投稿を公式サイトに活用する前と後では、信頼感に大きな差が生まれています。

中でも工夫されたのは、公式サイト上に収集したInstagram投稿を埋め込み、ユーザーが他者のレビューを見て投稿したくなる「Share」の環境作りです。Shareの導線を整えることで、信頼度の向上だけではなく、次のユーザーの行動を促す成果も現れています。

この結果、企業は信頼形成・来訪者エンゲージメント・再訪率の向上が期待され、公式サイトを介した購買検討を後押しする効果が得られています。

事例②:資さんうどん

北九州で愛される人気のお店、資さんうどんは、創業48年のうどんチェーン店です。資さんうどんでは、プレスリリースによる告知やSNSによる口コミとリポストで、大きな集客効果を実感しています。

資さんうどんが特に工夫したのはShareのステップです。ファンによる資さんうどんへの口コミがどんどん拡散されていき、広がり、各イベントで高い評価を得るという流れに繋がっています。

具体的には、デパートでの期間限定出店の際に2時間待ちの行列ができたり、およそ60店舗が参加するグルメイベントで、他店を抑え堂々一位を獲得したりという成果を手に入れています。

こうしたイベントで高い評価を得ると、イベントに足を運んだ人が資さんうどんに興味を持ち、検索し、口コミを見て購入する、という好循環が出来上がります。通販で気軽に買えるシステムも導入されているので、検索したユーザーが行動しやすい導線ができているのも大きな魅力です。

AISASモデル(AISASの法則)を活用したマーケティング戦略のポイント

AISASモデルをマーケティングの全体戦略に落とし込むには、それぞれのフェーズに対応する施策を、一貫して設計することが大切です。またSNS・インターネットを舞台にした全体戦略のため、環境を前提とした導線づくりを行うようにしましょう。

マーケティングの全体戦略に落とし込むポイントは次の通りです。

  • 各フェーズが線でつながっているか
  • 検索・シェアされる前提で作られているか
  • ユーザーの行動を促す作りになっているか

まず、フェーズごとの施策がバラバラではなく、スムーズに次の段階へ移行できているかどうかをしっかり確認しましょう。バラバラな施策だと、一段階のみで終わってしまう可能性もあります。

そしてAISASでは、検索・シェアのフェーズが重要になります。ユーザーが検索して不信感を強めたり、シェアした結果炎上したりするような結果にならないよう、信頼される広告作りが大切です。

最後に、AISASは広告を見て「自ら検索する」「自らシェアしたいと思う」という能動的な行動が肝になってきます。ユーザーの行動を促せる作りになっているかどうか、しっかり確認して施策を用意してみてください。

AISASとカスタマージャーニーの関係性

AISASは消費者行動を5つのステップに分けた、直線的でシンプルなモデルです。一方でカスタマージャーニーは、ユーザーが商品・サービスと出会ってから関係性を深めていく様子を旅にたとえ、感情も含め多層的に可視化することを指します。

一見するとそれぞれは別物に見えますが、2つを組み合わせることで、より強力なマーケティング戦略が作れるようになります。

たとえば次の通りです。

流れ解説
AISASで行動の流れを把握 
→ カスタマージャーニーで体験の質を高める
各ステップでユーザーの感情に寄り添い、感情が動く瞬間を作る
(例)共感するAttention、不安に寄り添うInterest、リアルで想像しやすい体験談のシェアなど
AISASでボトルネック特定 
→カスタマー ジャーニーマップでなぜ離脱するのかを探る
ステップごとの行動やタッチポイントと、そのときのユーザーの感情を照らし合わせ、乖離がないか調べる

AISASを活用する際は、カスタマージャーニーも意識したマーケティング戦略を作成していきましょう。

AISASモデル(AISASの法則)をCV(コンバージョン)につなげる3つのコツ

AISASモデルはその構成に沿って施策を立てるだけで、ユーザーの行動を促しやすくなる購買行動モデルです。

しかし、ただ構成に落とし込むだけだと、なかなかコンバージョン(CV)にはつながりません。しっかり成果を得るためには、CVにつなげる以下の3つのカギが重要になります。

  • ユーザー視点の導線設計
  • データをもとに改善する体制
  • 「共有」されやすい仕掛けの設計

ここでは、上記3点のカギについて解説します。AISASモデルを使う際は、ぜひ参考にしてみてください。

コツ①:ユーザー視点の導線設計

AISASのフェーズのなかでも、SearchとShareはユーザー主導の行動です。企業はユーザーの行動を待つことしかできません。そのため、ユーザーが能動的に行動したくなるような導線を設計し、仕組みとして取り入れる必要があります。

たとえば「Search」だと、検索しやすいハッシュタグを活用したり、タイトルや説明文を最適化したり、SEO記事がキーワードで上位表示されるように整えると良いでしょう。

「Share」のフェーズでは、ユーザーが共有したくなるような商品・コンテンツ設計を意識したり、レビューキャンペーンや、投稿でプレゼントなどの施策を用意したりするのがおすすめです。

ユーザーがどのように検索し、検索した後どんな反応をするのかや、どうすればユーザーが共有したくなるのかなどを考え、ユーザー視点で施策を作るようにしましょう。

コツ②:データをもとに改善する体制

AISASモデルを活用したら、Google AnalyticsやSNS分析などのデータをもとに常に改善できる体制を整えておきましょう。

具体的な策は以下の通りです。

  • Google Analyticsで流入経路ごとにチェックする:少ない経路を強化できる
  • Search→Actionの離脱率をこまめに確認する(滞在時間や検索数と申込数のギャップなど):離脱率が多い場合は離脱しないようブラッシュアップ
  • SNS上の保存数やハッシュタグ投稿数を確認:複数投稿を比較
  • 投稿後の予約・購入率を確認(上がったか、何が人気なのか)

上記の策を実施し、データをもとに改善していくことで、AISASモデルがより洗練されたものに変わっていきます。必ず実際の数字を見て、マーケティングを行うようにしましょう。

コツ③:「共有」されやすい仕掛けの設計

AISASにおける最後の「Share」は、次のAttention、つまりシェアされた投稿を見たユーザーからの新たな行動を生む大事な段階です。そのため、共有されやすい仕掛けを用意しているだけで、商品やサービスはみるみるうちに広まっていきます。

たとえばユーザーが共有しやすいよう、写真映えを意識してみたり、投稿文やハッシュタグを整えたりすると良いでしょう。

「投稿後、○○プレゼント」など、投稿しやすい環境を作り、UGC導線を確保するのも大切です。また、レビュー依頼は来店直後の満足度が高いときにするなど、タイミングを意識するのも大切です。良いコメントを共有してもらいやすくなります。

投稿を確認し、行動するだけで終わらせない、シェアしたくなる導線づくりを意識しましょう。

AISASモデル(AISASの法則)のメリット

AISASモデルを活用するメリットは、次の3つです。

  • ユーザー行動の可視化ができる
  • ユーザー視点で一貫した体験設計ができる
  • SNS時代に強いモデルである

AISASモデルはAttention→Interest→Search→Action→Shareという5つのステップに分けられます。

それぞれのステップを分析すれば、ユーザーの行動が可視化でき、どこで離脱されているのか、どこにボトルネックがあるのかが判断しやすくなります。分析や測定がしやすいので、KPIの設定もしやすくなるでしょう。

そしてAISASモデルは、マーケターの都合ではなく、ユーザーがどう動くかという流れに明確に沿っています。ユーザー視点での体験設定が自然にできると、「広告はよかったけど、その後の興味が続かない」という、ユーザー離れも防げます。

そしてAISASの最後にある「Share」は、SNS時代の現在において非常に重要なフェーズです。ユーザーが誰かに話したくなる体験を作り、自分が発信したくなる動機を与えられるマーケティングこそが、今のSNS時代で成功する鍵となります。

従来のAIDMAでは見落とされがちだったユーザーの能動的拡散行動に注目している点で、

AISASは特に、現代のデジタルマーケティングにフィットしているといえるでしょう。

ユーザー視点で、現代にマッチしたマーケティング設計を行いたいとき、AISASは様々なメリットがある魅力的なモデルといえます。

AISASモデル(AISASの法則)のデメリット・注意点

AISASモデルは非常に有効なフレームワークですが、万能ではありません。特に現代の多様化した消費者行動においては、注意して使うべきポイントもあります。

AISASモデルのデメリットは以下の通りです。

  • 検索しないユーザーには合わない
  • 購買の検討に時間がかかる商品には合わない
  • フェーズが分断されると成果が出にくくなる

ユーザーの中には、SNSのタイムライン上だけで情報収集を終えてしまったり、そもそも検索習慣が薄かったりするユーザーがいます。彼らは検索をせずに行動を行うため、AISASモデル以外のフレームワークのほうが向いています。

また、AISASモデルは比較的低価格で、ユーザーが行動しやすい商品・サービスに向いているフレームワークです。高額な商品や長期間の検討が必要なサービス、不動産や保険などライフイベントに関わる商材では合わないので注意しましょう。

そしてAISASモデルは、すべてのフェーズが一貫してこそ高い成果を発揮します。フェーズの流れを意識せずに、バラバラの施策を用意してしまうと、思うような効果は発揮できません。各フェーズの担当者同士の連携や、流れを意識した施策づくりを大事にしてください。

注目の次世代型Dual AISASモデルとは

Dual AISASモデルとは、SNS時代の購買行動を踏まえた新しい消費者行動モデルです。ユーザーの行動起点が「買いたい」だけでなく、「広めたい」にもあることを前提に、従来のAISASを二重構造で再定義しています。

Dual AISASモデルが定義する、ユーザーの流れは以下の2つです。

行動モデル『買いたい』のAISAS『広めたい』のA+ISAS
ユーザーの関心商品への関心コミュニケーションへの関心
求められる情報スペック・価格・ブランド体験などバズ動画・体験投稿・プロモ参加など
ユーザーの気持ち「この美容液、保湿力すごい!買ってみたい」「この美容液のレビュー動画、バズってる」

従来のAISASは「商品への興味」だけを想定していましたが、Dual AISASでは「話題性や共感性」といったコミュニケーション的な関心を分けて捉えるのが特徴です。

この関心は似ているようで異なります。バズったからといって売れるわけではないのです。実際に、動画が拡散されても興味や関心は高まっても、検索や行動にはつながらないというケースが少なくありません。

ここで大事になるのが、Dual AISASモデルの「A+」の部分、「Activate」という概念です。

Activateとは、「知らなかったけど、意外と便利かも」「この商品、実は私の悩みにマッチするかも」などと思ってもらい、コミュニケーション関心層を商品関心層へと変化させるきっかけのことです。

効果的な施策は以下の通りです。

  • リアルな体験レビュー
  • 共感できるBefore→After
  • ペルソナを明確にする
  • 参加型の企画を用意

他人の話を自分の話に変化させるスイッチを用意することで、コミュニケーション関心層を商品関心層に変化させられるようになります。バズる=売れる、ではない現状を理解し、「私に必要!」と思ってもらう施策づくりを考えましょう。

AISASモデル(AISASの法則)に関するよくある質問

ここではAISAS(アイサス)に関するよくある質問を紹介します。

「AISASモデル」「AISASの法則」に違いはありますか?

基本的に同じ意味で使われます。

「モデル」は理論的な枠組みを指し、「法則」はそのモデルが示す消費者行動の傾向を指しますが、マーケティングの現場では同義語として扱われることがほとんどです。

BtoBマーケティングでもAISASは使えますか?

はい、活用できます。 特にITツールや業務用サービスなど、導入前にWebサイトでの情報収集や他社事例の「検索(Search)」が重要となる商材で有効です。

また、導入企業の事例インタビューや口コミが「共有(Share)」となり、新たな見込み客の「注意(Attention)」を引くことにつながります。

AISASモデル(AISASの法則)を活用して時代に合ったマーケティングを

AISASモデルは、

  • Attention(注意)
  • Interest(興味・関心)
  • Search(検索)
  • Action(行動)
  • Share(共有)

の5ステップで構成される、現代の購買行動にマッチしたフレームワークです。

AIDMAのように「企業発信→消費者が受け取る」だけの一方通行型ではなく、消費者が自ら調べ、体験を共有する能動的な流れを前提としているのが特徴です。

SNSやUGCが購買に直結する今の時代だからこそ、改めて有効性が高まっています。

記事内で紹介した事例のように、AISASを意識した施策を取り入れることで「認知 → 興味 → 調査 → 行動 → 共有」の循環が生まれ、集客やファン化に大きくつながります。

  • 認知を広げる広告・PR
  • 興味を引くベネフィット提示
  • 検索に対応する情報設計
  • 行動を促す導線整備
  • 共有を後押しするUGC施策

この流れを押さえて現代の購買行動を理解し、AISASをマーケティング戦略に取り入れることが、これからの成功のカギになるでしょう。

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この記事を書いた人

ひじかた
業界紙報道記者の経験を経て、サングローブに入社。入社前は省庁に常駐し、取材・執筆に携わっていた。

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