
【初心者向け】Difyの使い方からチャットボットの作り方まで分かりやすく解説!
Difyは、プログラミング知識不要でAIアプリを作れる開発ツールです。
チャットボットや資料作成ツールをノーコードで構築できますが、実際に使ってみると操作方法が分からず混乱している方もいるのではないでしょうか。
この記事では、Difyの使い方を初心者向けに分かりやすく解説します。チャットボットの作り方も説明しているので、実際に使ってみたがよく分からない方や使い方を知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
目次
DifyでAIアプリを作ってみよう

公式サイト:Dify
Difyは、ノーコードでAIアプリを構築できる開発ツールです。操作が簡単で分かりやすいため、プログラミング経験がないユーザーでも、チャットボットや業務自動化ツール、文章生成アプリなどを自由に開発・運用できます。
また、使い方をマスターすると、AIモデルやテンプレートを活用した複雑な機能の実装も可能になり、ビジネスシーンでの効率化や顧客対応力の強化に役立たせられます。
Difyの初期設定手順
ここでは、DifyのCloud版とセルフホスト版の初期設定手順を説明します。
Cloud版のセットアップ方法
Cloud版は、Difyが提供するサーバーを利用する方法です。環境構築が必要ないため、ログイン後すぐにAIアプリ作成が行えます。
アカウントの作成
まずはDifyの公式サイトにアクセスし、「Get Started for Free」ボタンからサインアップします。GoogleアカウントやGitHubアカウントと連携させるか、メールアドレスで登録するだけで、簡単にアカウントを作成できます。ワークスペースの設定
ログイン後、最初に「ワークスペース」を作成します。これは、あなたのプロジェクトやチームの作業空間です。ワークスペース名を入力し、アイコンや言語(日本語も選択可)を設定すれば、基本的な準備は完了です。モデルプロバイダー(APIキー)の設定
次に、AIモデルを利用するためのAPIキーを設定します。画面左のメニューから「設定」>「モデルプロバイダー」へ進みます。OpenAIやAnthropic(Claude)など、利用したいAIサービスのプロバイダーを選択し、事前に取得しておいたAPIキーを入力して保存します。これで、Dify上でAIが使えるようになります。
セルフホスト(ローカル)版のセットアップ方法
セルフホスト版は、自分のPC(ローカル環境)やサーバーにDifyをインストールする方法です。上級者向けのセットアップ方法で、自分でデータ管理をしたり、カスタマイズを自由に行ったりすることができます。
-
DockerとDocker Composeのインストール
セルフホスト版のセットアップには、コンテナ仮想化技術である「Docker」と、複数のコンテナを管理する「Docker Compose」が必要です。お使いのOS(Windows、macOS、Linux)に対応したDocker Desktopなどを、公式サイトの指示に従って事前にインストールしておきましょう。
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Difyのソースコードをダウンロード
次に、コマンドプロンプトやターミナルを開き、Gitを使ってDifyの公式リポジトリからソースコードをクローン(ダウンロード)します。以下のコマンドを実行してください。
git clone https://github.com/langgenius/dify.git
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Difyの起動
ダウンロードしたdify/dockerディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行してDifyを起動します。初回は必要なイメージのダウンロードに少し時間がかかります。
cd dify/docker
docker-compose up -d
起動後、Webブラウザでhttp://localhost/install
にアクセスし、画面の指示に従って初期設定(管理者アカウントの作成など)を完了させれば、Dify環境が利用可能になります。
Difyの基本的な使い方

公式サイトからDifyにログインすると、上記のホーム画面に移動します。Difyのホーム画面では、「探索」「スタジオ」「ナレッジ」「ツール」の4つの操作ができます。
まずは、基本となるそれぞれの項目でできることと操作方法を理解して、Difyの使い方をマスターしましょう。
使い方①探索

探索では、①テンプレートの選択と②作ったアプリの動作確認を行えます。以下では、テンプレートの使い方と動作確認方法を解説します。
テンプレートを使いたい場合
テンプレートを使用したい場合は、使いたいテンプレートにカーソルを合わせると「ワークスペースに追加」と表示されるので、アプリの名前と説明を入力し、「作成」をクリックします。

作成に進むと、すでに組み立てられたワークフローが表示されます。テンプレートを参考に、回答や追加したい機能を入力しましょう。「公開する」を押すと、AIアプリがカンタンに作成されます。
アプリの動作確認をしたい場合

探索の「ワークスペース」から、作成したアプリの動作確認ができます。チャットのログを残したまま別のチャットを開きたい場合は、「新規チャットを追加」を選択すると新たなチャットが作れます。
動作確認で不具合等がありアプリを編集したい場合は、スタジオから操作しましょう。
使い方②スタジオ

スタジオでは、開発したアプリを確認できたり、新たにアプリを作成したりできます。アプリを作成したい場合は、左にある「アプリを作成する」から操作できます。
初心者で簡単なアプリをまずは作ってみたい場合は、「最初から作成」を選択し、「チャットボット」「エージェント」「テキストジェネレーター」のいずれかを用途に合わせて使い分けることがおすすめです。
アプリを編集したい場合

アプリを編集したい場合は、編集したい場合アプリをクリックすると開発画面に入れます。アプリ名の変更や動作確認などの操作は、アプリアイコンの右下の「…」から操作できます。
また、各アプリはタグをつけて管理することも可能です。仕事用、テスト用など、タグを設定しておくと、アプリ数が増えた場合でも管理がしやすくなります。
使い方③ナレッジ

ナレッジでは、アプリに組み込む情報を追加できます。例えば、文章生成時に使用してほしい引用元、チャットボットで使う会社情報など、AIアプリに使ってほしい情報を追加しておくと独自の回答を作れます。
情報は、「ナレッジスペースを作成」から以下の3つの方法で追加可能です。
- テキストファイルから追加する方法
- メモアプリ「Notion」から追加する方法
- APIキーを登録してwebサイトから追加する方法
テキストファイルから追加する方法では、テキストファイルなどでユーザーが独自に設定した文章を読み込めます。そのため、具体的な回答の指示など詳細情報を反映させることが可能です。Notionから追加する方法では、メモアプリ「Notion」に登録してある情報をそのまま読み込めます。
webサイトから追加する方法では、サイト上の情報を手入力なしで簡単に読み込ませられます。FAQの内容など、文字起こししなくてもサイトを読み込ませるだけで反映できるので、サイト情報をそのまま回答に使用したい時などに便利です。
以下では、それぞれの使い方を解説するので、参考にしてみてください。
テキストファイルから追加する方法

「テキストファイルからインポート」を選択し、使用したいテキストファイルをアップロードしましょう。ファイルは、ドラック&ドロップ又は「参照」から追加可能です。
ファイルを登録できたら「次へ」を選択します。

情報を読み込ませたら、左バーで情報をどのように処理するかなどの設定をします。
各設定の使い方は以下のとおりです。
チャンク設定
チャンク設定では、文章をどのくらい分割するか選べる。
チャンクは大きな文章(ドキュメント)を細かく分けた「かたまり」のこと。AIに情報を与えるとき、大きな文章のままだと処理が難しいため、チャンクに分けることで効率が上がる。インデックス方法
読み込んだ情報をもとに、どのような手段で情報を検索するか選べる。埋め込みモデル
情報を検索する際に使用するAIモデルを選べる検索設定
設定した情報から回答を作るとき、AIがどのように回答を検索するか選べる。
ベクトル検索:テキストや画像を「数値のかたまり(ベクトル)」に変えて、類似度を計算することで関係のある情報を見つける
全文検索:登録した全ての情報を読み込み、関連するテキストを探す
ハイブリット検索:①②を同時に行う
設定が完了したら、「保存して処理」をクリックすると作成が完了し、ナレッジベースに追加した情報が登録されます。※各設定は、デフォルトの状態でも問題ありません。
メモアプリ「Notion」から追加する方法
Notionと接続すると、Notionのワークスペースに保存された情報を、Difyにデータとして読み込ませられるようになります。Notionから追加する方法は以下の通りです。

まずは、「接続」を選択してNotionを連携させましょう。

「接続」からNotionにログインし上記の画面に移動したら、「ページを選択する」をクリックします。

アクセスしたいワークスペースを選べるので、追加したい情報が入ったワークスペースにチェックを付けます。全てのページにアクセスさせたい場合は、一番上の「○○のワークスペース」とかかれたチェックボックスを選択すると一括選択が可能です。
選択が完了したら、「アクセスを許可する」をクリックして次に進みます。

接続が完了しナレッジに戻ると、Notionのワークスペースを選択できるようになります。自分が使いたい情報を選択し、「次へ」をクリックしましょう。
内容を見たい場合は、カーソルを合わせると「プレビュー」と出るので、クリックすると確認できます。複数のワークスペースがある場合は、「○○のワークスペース」の横にある「∨」を押すとワークスペースを変更できます。
「次へ」を押すとテキストファイルと同様に、設定画面に移動します。各設定を入力し、「保存して処理」を選択すると追加完了です。
APIキーを登録してwebサイトから追加する方法

webサイトから同期させる際は、「Jina Reader」「Firecrawl」のいずれかを接続させる必要があります。「Jina Reader」「Firecrawl」は、ウェブページやPDFの内容を抽出し、AIモデルが理解しやすいテキスト形式に変換するツールで、APIキーを入力するとDifyと連携できるようになります。
どちらも無料でAPIキーを取得できるので、アカウントを作成した上で以下の手順で試してみてください。
Jina reader のAPIキー取得手順
jina readerにアクセスする。
ダッシュボードにある鍵アイコン「APIキーを管理する」を選択する。
○○単語要素と書かれた「Jina_」から始まる文字がAPIキー。右側にある□にカーソルを合わせて「キーをコピーする」をクリックしてAPIキーをコピーする。
Difyに戻り、「設定」→「データソース」→Jina reader欄にある「設定」からコピーしたAPIキーを入力する。
FirecrawlのAPIキー取得手順
Firecrawlにアクセスする
ダッシュボードにある「APIキー」を選択する
目のマークの隣にあるファイルアイコン(コードをコピー)にカーソルを合わせて、APIキーをコピーする。
Difyに戻り、「設定」→「データソース」→Firecrawl欄にある「設定」からコピーしたAPIキーを入力する。※Base URLは空欄でOK
実際に、jina readerを接続させて情報を追加してみました。

APIキーを入力して接続が完了すると、jina readerが使えるようになるので、情報を読み込ませたいサイトのURLを入力して「実行」を選択しましょう。
今回は、URL自体の情報を読み込ませたいので、「サブページをクロールする」のチェックを付けずに行います。

読み込みが完了すると、該当ページが表示されます。ページにカーソルを合わせると「プレビュー」が表示されるので、読み込んだ内容に問題がない場合は「次へ」を選択します。

テキストファイルやNotionと同様に、各設定ができます。webサイトから情報を読み込む場合、プレビューで情報がうまく表示されなくても、きちんと読み込まれているので問題ありません。
各設定を入力したら「保存して処理」を選択すると追加完了です。ナレッジに追加した情報の使い方は、チャットボットの作り方で解説します。
使い方④ツール

ツールでは、より充実した機能を作るためのツールをインストールできます。試しに、「Wikipedia」をインストールしてみました。

追加したいツールをクリックすると、詳細画面に移動するので「インストール」をクリックしてください。

インストールが完了すると、ツールにインストールしたものが追加されます。追加したツールは、より高度なアプリが作れる「ワークフロー」又は「チャットフロー」で使用できます。
Difyで使うAIモデルの選択と設定方法
DifyでAIアプリを開発する上で、どのAIモデルを選び、どう設定するかで、アプリの性能やコストが大きく変わります。ここでは、Difyの主要なAIモデルの特徴と、利用に必須のAPIキーを取得してDifyに設定する手順を解説します。
主要なAIモデル(GPT、Claude、Gemini等)の特徴
Difyでは、GPT、Claude、Geminiなどの主要なAIモデルのほか、DeepSeekや、Azure OpenAI、Hugging Face Hubといった様々なAIモデルが活用できます。それぞれの強みを理解し、目的に応じて最適なモデルを選びましょう。
主要なAIモデルの特徴は以下の通りです。
AIモデル | 特徴 |
---|---|
GPT | APIの成熟度が高く、多様なタスクに安定して組み込めるAIモデル。 |
Claude | 数百万トークンのコンテキスト長が特徴で、RAG等の高度な実装や長文ドキュメント処理に強いAIモデル。 |
Gemini | ネイティブなマルチモーダル対応で、動画や音声ストリームを直接扱えるGoogle Cloud統合型AIモデル。 |
DeepSeek | コーディングに特化したオープンソースの高性能AIで、圧倒的なコストパフォーマンスが特徴のAIモデル。 |
Azure OpenAI | 厳格なデータ管理など、エンタープライズのセキュリティ要件を満たした本番運用向けのOpenAIモデル環境。 |
Hugging Face Hub | OSSモデルのダウンロード、ファインチューニング、自作モデルの共有までを担うAIモデルのGitリポジトリ。 |
APIキーの取得と設定手順
AIモデルを利用するには、各社が提供する「APIキー」という認証用の鍵が必要です。まずは、利用したいAIモデルの提供元サイトでアカウントを作成し、APIキーを発行します。
-
OpenAI (GPT) の場合
➀ OpenAI Platformにログインします。
➁ アカウントの「Billing」メニューで支払い情報(クレジットカード)を登録します。
➂ 左側メニューの「API Keys」へ進み、「Create new secret key」をクリックしてキーを生成・コピーします。
-
Anthropic (Claude) の場合
➀ Anthropic Consoleにログインします。
➁ プラン設定と支払い情報の登録を済ませます。
➂ メニューから「API Keys」へ進み、「Create Key」をクリックしてキーを生成・コピーします。
-
Google (Gemini) の場合
➀ Google AI StudioにGoogleアカウントでログインします。
➁ 左側メニューの「Get API key」をクリックします。
➂ 「Create API key in new project」を選択し、表示されたキーをコピーします。
次に、取得したAPIキーをDifyのワークスペースに登録します。

Difyにログインし、画面左下のメニューから「設定→モデルプロバイダー」を選択すると、利用可能なAIモデルのリストが表示されるので、設定したいモデル(例:OpenAI)の「セットアップ」ボタンをクリックしましょう。

「API Key」の入力欄に、先ほどコピーしたキーを貼り付け、「保存」をクリックすれば設定完了です。
Difyのチャットボットの作り方
では実際に、Difyでチャットボットを作ってみましょう。チャットボットは以下の手順で作ります。
- チャットボットに名前を付ける
- プロンプトを入力する
- 変数を設定する
- チャットボットが参考にする情報を追加する
- チャットボットに機能を加える
- アプリを公開する
初心者の方向けに一つずつ分かりやすく解説するので、実際に操作しながら参考にしてみてください。
チャットボットに名前を付ける

チャットボットを作る際は、「スタジオ」→「最初から作成」に移動し、「チャットボット」を選択します。
次に、チャットボットの名前とアイコンを決めて、「作成する」をクリックします。説明は記入しなくても問題ないですが、名前とアイコンはユーザーから見えるものなので、慎重に記入しましょう。
プロンプトを入力する

開発画面に移動したら、オーケストレーションの「自動」から詳細画面に移動し、チャットボットがどのように動くのか指示を与えます。

このように、詳細な指示を書きます。入力が完了したら、「生成」をクリックすると自動でプロンプトが作られます。説明をもとにチャットボットは動くので、問題がなければ「適用」をクリックしてください。
今回書いた指示は以下のとおりです。
何かお困りごとはございますかとユーザーに問いかけてください
質問にはですます口調で答えてください
質問が終わった後は、他に何かご用件はございますかと言ってください
回答は150字以内で簡潔にまとめてください
※開発画面に戻ると英語で手順が作成されていることがあります。その場合は、上記の手順に加えて「日本語で作成してください」に入力し、もう一度実行してみてください。

「適用」をクリックすると、手順にプロンプトが表示された状態になります。プレビューなどで会話をしてみて、もっと口調をやわらかくしたい等の追加指示を出したい場合は、赤枠で囲った場所に直接入力すると指示が加えられます。
回答の定型文を追加する

変数とは、ユーザーごとにカスタマイズできる初期設定機能のことです。(例:ロボットが呼ぶユーザーの名前を設定、ユーザーの年齢を入力など)
初心者向けの社内チャットボットを作成する場合、ユーザーが何らかの設定をしなくても対話はスムーズに進むので、変数は削除しても問題ありません。(変数の削除方法:削除したい変数にカーソルを合わせる→ゴミ箱アイコンをクリック)
チャットボットが参考にする情報を追加

次に、チャットボットが回答の参考にする情報を加えてあげましょう。情報は、コンテキストの「追加」から追加できます。

コンテキストには、ナレッジで登録した情報が表示されるので、引用元として使いたい情報を選択し「追加」をクリックします。

追加すると、コンテキストにファイルが設定され、登録した情報をもとに回答を生成してくれるようになります。

実際に質問をしてみました。Difyでは、コンテキストにより引用元を自分で決められるので、精度の高い回答を作り出せます。
チャットボットに機能を加える

情報を追加出来たら、右下にある「管理」からチャットボットに機能を加えましょう。

「管理」をクリックすると、追加できる機能が表示されます。各機能の説明は以下の通りです。
- 会話の開始:チャットの開始時に表示させる言葉を指定できる
- フォローアップ:ユーザーに質問の提案をする
- テキストから音声へ:ユーザーが入力したテキストを音声で流す
- 音声からテキストへ:音声入力を可能にする
- 引用と帰属:回答生成に使用した引用元の表示・非表示ができる
- コンテンツのモデレーション:ユーザーの質問やAIの回答が不適切でないか自動でチェックしたり、フィルターをかけたりできる
- 注釈返信:チャットボットの回答に注釈をつけられる
社内チャットボットを作る場合、「引用と帰属」はオフにすると良いです。デフォルト設定では、下記画像のように引用元が常時表示されてしまうので、見せたくない場合はオフにしておきましょう。

アプリを公開する

上記の手順で操作が完了したら、アプリを公開してみましょう。開発したアプリは、右上の「公開」から公開できます。

公開を押すと、アプリの操作画面が表示されます。動作に問題がないかチェックし、不具合がある場合はスタジオから該当するアプリの開発画面に入り、編集した上で「更新を公開」を押して更新してみると良いです。
【応用編】Difyで作ったチャットボットの埋め込み方法
応用編として、Difyで作ったチャットボットをwordpressに埋め込む方法を解説します。チャットボットの埋め込み手順は以下の通りです。
- 埋め込みタグを作る
- wordpress必要なプラグインをインストール
- コードスニペットでコードを埋め込む
- 有効化してサイト上に表示させる
- サイト上で動作確認
ひとつずつ分かりやすく解説します。
埋め込みタグを作る

作ったアプリをサイトに埋め込む際は、埋め込みタグが必要になります。埋め込みタグは、「公開する」→「サイトに埋め込む」から設定できます。

チャットボットをウェブサイト上での表示スタイルを選択できるので、スタイルを選択して出てきたHTMLをコピーします。
wordpressで必要なプラグインをインストール

「プラグイン」→「新規プラグインを追加」から、「WPCode」というプラグインを検索して追加しましょう。有効化すると、左バーにコードスニペットが追加されるので選択して移動します。
コードスニペットでタグを埋め込む

コードスニペットに移動したら、「新規追加」をクリックします。

「カスタムスニペット」を追加をクリックします。

「HTMLスニペット」をクリックします。

手順通りにいくと、HTMLを入力する画面に移動するので、DifyでつくったHTMLを赤枠にペーストしましょう。

入力後は、このような形になります。スニペット編集ページの下にいくと、サイト上での表示方法などを設定できるので、必要時応じて編集しましょう。
特に表示方法の変更がない場合は、そのまま「スニペットを保存」を押してください。
有効化してサイト上に表示させる

保存後は、右上のバーを有効にして「更新」をクリックするとサイト上に表示されるようになります。
サイト上で動作確認

有効化すると、サイト上でチャットボットが使えるようになります。実際にDifyで開発したアプリと対話ができるので、動作確認をして問題がなければ埋め込み完了です。問題があったり変更したりしたい場合は、アプリの開発画面で編集し、再度埋め込みタグを作りましょう。
Difyで作ったアプリの改善方法
チャットボットの回答が思い通りにならない場合、会話をしたりログを遡ったりして問題点を見つけ、回答に採点を付けて学習データを蓄積させると良いです。
ここでは、チャットボットのテスト・デバッグ方法について解説します。
➀AIと実際に会話して問題点を探す
開発画面の右側にある「デバッグとプレビュー」を使って、まずは自分でチャットボットと会話してみます。色々な質問を投げかけて、おかしな回答をしないかテストしましょう。
テストの例:
- 「こんにちは」などの簡単な挨拶
- ナレッジに登録した資料に関する質問
- 「あなたの名前は?」など、資料にない質問
- 「何も知らないね?」といった意地悪な質問
回答を通して、「ちゃんと資料を見て答えていないな」「指示した口調と違うな」といった問題点を見つけます。
➁AIが参考にした資料を確認して原因を特定する
問題点が見つかったら、「デバッグとプレビュー」で質問した後に表示される「実行の詳細」を見てみましょう。実行の詳細を見ると、AIがどの資料(ナレッジ)を参考にしたのか、最終的にどんな指示を受け取ったのかが分かります。
「ナレッジ検索」の箱を確認
見当違いの資料を参考にしていたら、ナレッジの分け方や「コンテキスト」の検索設定に問題があるかもしれません。「LLM」の箱を確認
参考にした情報が多すぎて、プロンプトで与えた「ですます口調で」といった指示を忘れてしまっている、などの原因がここで分かります。
➂ユーザーとの会話履歴から改善点を見つける
次に、Difyの左メニューにある「ログと注釈」画面を開きます。ログと注釈では、実際にユーザーとAIが交わした全ての会話履歴を見ることができます。
ユーザーがどんな言葉で質問しているか、AIがどんな回答をして評価が低かったかなどを分析し、「こういう質問には答えられていないから、ナレッジを追加しよう」といった改善のヒントを見つけましょう。
➃良い回答・悪い回答に「採点」する
ログと注釈の会話履歴を見ながら、AIの良い回答には「いいね」、悪い回答には「よくないね」で評価を付けていきましょう。
採点作業は、AIにとっての学習データとなるため、続ければ続けるほど回答の精度が上がっていきます。また、より良い回答例を「改良」ボタンから直接教え込むことも大切です。
Difyを最大限に活用するためのテクニック
ここでは、Difyを最大限に活用するための4つのテクニックをお伝えします。
- APIを使った外部システムとの連携
- 複数言語対応の設定方法
- セキュリティとプライバシー設定
- チーム管理と権限設定
一つずつみていきましょう。
APIを使った外部システムとの連携
Difyで作成したAIアプリは、APIを通じて外部システムに組み込めます。設定画面の「APIアクセス」でURLと認証キーを取得し、HTTPリクエストのヘッダーに含めることで、安全にAI機能を呼び出せます。
そのため、Webサイトの問い合わせフォームと連携し、顧客からの質問に24時間自動で一次回答したり、SlackやTeamsと連携して社内ナレッジを要約するbotを作成したりするなど、幅広い用途に応用可能です。
複数言語対応の設定方法
Difyでは、複数言語対応のアプリ構築が可能です。複数言語の設定をしたい場合は、「プロンプトエンジニアリング」画面右上の「言語を追加」から、対応言語を選択します。
言語ごとに異なるプロンプト、変数、オープニングメッセージを設定できるので、各言語の文化やニュアンスに合わせて指示を微調整することが可能です。また、ナレッジベースも言語ごとに用意すると、より自然で正確な応答を生成できます。
セキュリティとプライバシー設定
企業でDifyを利用する際、セキュリティとプライバシーの設定を行いましょう。特に、厳密なデータ管理が求められる場合、自社インフラ上で運用するセルフホスト版の利用を行うと良いです。セルフホスト版であれば、全てのデータを外部に出すことなく、自社のポリシー内で管理できます。
また、アプリケーションのエンドユーザー向け設定にある「プライバシー設定」もチェックしましょう。プライバシー設定で、特定の変数(顧客IDなど)をマスキングすれば、ログ上で情報が伏せ字で表示され、個人情報や機密情報の漏洩リスクを下げられます。
チーム管理と権限設定
Difyは複数メンバーでの共同開発を効率化するチーム管理機能を備えています。ワークスペースの「チームメンバー」設定から、新しいメンバーをメールで招待し、「オーナー」「管理者」「通常メンバー」といった役割を割り当てることが可能です。
各役割には異なる操作権限が設定されており、「通常メンバー」はアプリの編集はできても、ワークスペース自体の設定変更はできないなど、操作が制限されます。権限設定をしておくことで、第三者による意図しない変更を防ぎ、安全なAI開発・運用を行えます。
Difyを使う際につまずくポイントと解決策
ここでは、Difyを使う際につまずくポイントと解決策について解説します。
ナレッジに登録した情報が反映されない
ナレッジが回答に反映されない主な原因は、インデックス処理の未完了、検索設定の不備、またはドキュメント形式の問題です。処理完了を待つか、検索チャンク数 (top_k) を調整し、可能ならファイルをテキスト形式でアップロードし直すと解決します。
-
インデックス処理が完了していない
ファイルをアップロードした後、インデックス処理が終わるまで数分かかります。ナレッジのステータスが「完了」になるのを待ってから試してください。
-
検索(Retrieval)設定が最適でない
プロンプトの「コンテキスト」設定を見直しましょう。一度に検索する情報量を示す「top_k」の値を3〜5程度に増やしてみてください。
-
ドキュメントの形式とクリーンアップ
複雑なレイアウトのPDFは、情報抽出に失敗しがちです。精度向上のため、できるだけテキスト(.txt)やMarkdown形式に変換してアップロードしましょう。
APIキーのエラーが表示される
APIキーのエラーは、キーのコピーミスや、OpenAIなどの支払い情報が未登録の場合に発生します。また、使用したいモデルと設定したAPIキーのプロバイダーが一致しているかも確認しましょう。
-
APIキーのコピーミス
APIキーをコピーする際、前後に余分なスペースや改行が入っていないか、テキストエディタで一度確認しましょう。
-
支払い情報が登録されていない
OpenAIなどのAPIは、支払い情報を登録し、残高をチャージしないと利用できません。キーが有効でも残高不足でエラーになります。
-
間違ったキーを選択している
Difyで設定したモデルの提供元と、入力したAPIキーが一致しているか確認してください。例えば、ClaudeのモデルにOpenAIのキーは使えません。
プロンプトを工夫しても、意図した回答が返ってこない
AIが意図通りに動かないのは、指示が曖昧なことが原因です。役割や出力形式を具体的に指定し、「思考の連鎖(CoT)」で思考プロセスを指示すると精度が向上します。
例えば、複雑なタスクを依頼する場合、AIに「思考の連鎖(Chain of Thought)」を促すプロンプトが有効です。「まずステップ1として〇〇を分析し、次にステップ2として△△を考慮し、最後に結論を出力してください」のように、思考のプロセスを指示することで、回答の精度が劇的に向上することがあります。
-
悪い例
{{query}}について教えて。
-
良い例
# 役割
あなたはプロの編集者です。
# 目的
以下のユーザーからの質問{{query}}
に対して、ナレッジベースの情報を元に、中学生にも分かるように、3つの箇条書きで要点をまとめてください。
# 制約条件
・専門用語は避けてください。
・各項目は50文字以内にしてください。
思ったより利用料金(トークン)が高額になってしまった
API料金が高額になるのを防ぐには、タスクに応じて低コストなモデルを使い分けるのが効果的です。また、会話履歴の数を適切に制限し、定期的にログでトークン消費量をチェックすることで、意図しないコストの発生を管理できます。
トークンを抑えるためのコツは以下の通りです。
-
高性能・高コストなモデルを使い続けている
タスクの複雑さに応じてモデルを使い分けましょう。単純な処理には、GPT-4ではなくGPT-3.5やClaude Haikuのようなコストパフォーマンスに優れたモデルが最適です。
-
長すぎる会話履歴やコンテキスト
トークン消費を抑えるため、アプリ設定で過去に遡る会話履歴の数や、一度に検索するナレッジの量(top_k)を適切に制限しましょう。
-
ログでトークン消費量を確認する
「ログと注釈」でトークン消費量を定期的に確認し、コストが高いやり取りを特定してプロンプトや設定の改善に繋げると良いです。
Difyの使い方をマスターしてAIアプリ開発の可能性を広げよう
今回は、Difyの使い方とチャットボットの作り方を初心者向けに分かりやすく解説しました。Difyの開発手順は以下の流れで行います。
- チャットボットに名前を付ける
- プロンプトを入力する
- 変数を設定する
- チャットボットが参考にする情報を追加する
- チャットボットに機能を加える
- アプリを公開する
実際にDifyでアプリを開発する際は、事前にナレッジに情報を追加しておくとスムーズに開発できるので、下準備として設定することがおすすめです。今回ご紹介したDifyの使い方をもとに機能や情報を追加すると、様々なアプリが開発できるようになるので、用途に合わせて試してみてください。
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