
動画生成AI「Runway」とは?使い方やプロンプトのコツを画像付きで解説
Runwayとは、画像とテキストを入力するだけで、プロ並みの動画を生成するAIツールです。高い編集力から映像制作の現場でも用いられていて、初心者からプロまで幅広い層に支持されています。
動画のベースとなる素材もRunway上で手軽に作成できるため、無駄のない動画生成が可能です。
この記事では、Runwayの主な機能や使い方、プロンプトのコツについて解説します。商用利用や著作権の取り扱いも含めてお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
動画生成AI「Runway」 とは?

公式サイト:Runway
Runway(ランウェイ)は、テキストと画像を使ってプロ並みの動画を生成できるAIツールです。ニューヨークを拠点に設立されたRunway社から誕生した動画生成AI「Runway」は、プロ仕様の編集機能やエフェクトも用意されているため、映画制作の現場でも使われています。
操作性は簡単で、AIに指示を入力するだけ。デザインや映像制作の経験がなくても簡単に操作でき、数秒でイメージ通りの動画を生成できます。
複数のAI機能を組み合わせた動画制作のオールインワンツール
Runwayの最大の特長は、テキスト入力、画像生成、動画編集、音声処理といった複数のAIツールをワークスペースに統合している点です。従来であれば別々のソフトを使い分ける必要があった作業も、Runwayを使えば一つで完結します。
全ての作業が数クリックで完了するので、映像制作のスピードと柔軟性が大幅に向上し、誰でもプロ顔負けの動画を作成できるのです。
クリエイターのニーズに応える本格的な編集機能
Runwayは単なる動画生成AIではありません。プロの映像編集者が求める高度なエフェクト・カメラワーク・色調補正などの編集機能を完備しています。
クリエイターのニーズに合わせた機能が備わっているため、実際の映像制作現場でも活用されています。
Runwayで使える主な編集機能は以下の通りです。
- Lip Sync Video
音声やセリフに合わせて、キャラクターの口の動きを自動調整 - Inpainting
動画内の特定の部分だけを選択して編集・加工 - Frame Interpolation
フレームとフレームの間に新しいフレームを自動生成 - Motion Tracking
動画内で特定の物体や人物の動きを自動で追跡 - Super-Slow Motion
AIが足りないフレームを補間して通常の動画をスローモーション化 - Transcript
動画内の音声を自動で文字起こし(テキスト化)
Runwayの主な機能

Runwayでは、テキストから動画生成を行うだけでなく、リップシンク機能や本格的な編集機能も搭載しています。以下では、Runwayの主な3つの機能について解説します。
静止画に動きやエフェクトを加えて動画化
静止画にAIが動きやエフェクトを加える機能です。風にそよぐ木々、流れる水、瞬きをする人物など、画像に命を吹き込むことができます。
画像の一部分に効果を反映できるので、既存の素材に新たな演出を加えたいときや、写真から短いアニメーションを作りたい場合に便利です。視覚効果をアップさせるので、静止画の魅力を引き出せます。
画像とテキストを組み合わせて動画を生成
画像をベースにしつつ、テキストで詳細な指示を加えて動画を生成する機能です。たとえば「この画像の犬が、夕日の中で波打ち際を走っている様子を描いて」といった要求に、AIがリアルで自然な動きを付けてくれます。
既存の画像から新たな動画を作れるので、ビジュアルの方向性がすでに決まっていて、具体的な動きとして再現したい際におすすめです。
スマホで撮影した動画をキャラクター化するリップシンク機能
画像や動画内の人物の口の動きをキャラクターに同期させる機能です。テキストから生成した音声やアップロード音声との連携も可能で、キャラクターの表情にリアリティを加えられます。
発話のタイミングや口の形が正確に再現されるため、リアルに話すキャラクターを簡単に作れます。
Runwayの使い方
ここでは、Runwayの基本的な使い方を手順に沿って解説します。
- アカウント作成
- プロンプトを入力して動画を作成
- ダウンロード
では早速、一つずつみていきましょう。
①アカウント作成

まずはRunwayの公式サイトにアクセスし、メールアドレスまたはGoogleアカウントなどで簡単に新規登録を行います。
➁プロンプトを入力して動画を作成

アカウント登録が完了すると、ダッシュボードに移動するので、実際にプロンプトを入力してみましょう。
今回は、「驚いた表情で振り返る猫」と入力します。静止画が生成されるので、「動画を作成」と追加で指示を出します。

生成は10秒~30秒程度で完了します。生成された動画に問題がある場合は、修正指示を加えましょう。
➂ダウンロード

動画完成後は、左下の「ダウンロード」ボタンから、動画ファイルをパソコンに保存可能です。
プロンプト入力欄から画像や動画を生成後、「ALL Tools」を活用すれば、より精度の高い動画に仕上がります。素材がない場合でも、まずはチャットで素材を生成すればよいので、目的やテーマに合った素材を簡単に用意できます。

RunwayでAI動画を作ってみた!
実際にRunwayで生成した画像をベースに、「Generate Video」で動画生成を行ってみました。Generate Videoは、サイドバーからアクセスできます。
手元に画像がない場合は、「画像を作成する」を選択すれば、ベースとなる画像を生成できます。

今回は、「猫が驚いて転んでしまう」と指示し、「生成する」をクリックします。
実際に生成した動画は以下の通りです。
猫が驚いた瞬間にバランスを崩して転ぶ、ユニークな動きの動画が出来上がりました。
プロンプトを日本語で入力しましたが、驚いて転ぶという動きがしっかりと再現できており、猫の表情やしぐさも自然に表現されています。
転び方を具体的に指示すれば、より細かい動きが反映されるので、理想に近い映像を作りたいときには細部まで明確に指示を出すと良いです。
Runwayのプロンプトのコツ

Runwayで動画生成をする際に最も大切なことは、AIに対する指示(プロンプト)の出し方です。プロンプトの書き方が動画の質や精度を大きく左右するので、効果的なプロンプト作成のコツと具体例を確認しましょう。
映像の雰囲気やスタイルを具体的に描写する


AIは人間のように曖昧なイメージを理解できないため、漠然とした指示は曖昧な動画生成につながります。
例えば「きれいな街」とだけ伝えても、AIはどのような「きれいさ」をイメージすればいいかわかりません。
Runwayで動画生成を依頼する際は、「かわいい雰囲気のアニメ調の街並み」「夕暮れの温かみのあるオレンジ色の光が灯る街」など、具体的に色・質感・時間帯・テイストを細かく指示すると、AIが狙いを絞りやすくなります。
実際のプロンプト例
- 「ネオンサインが輝く未来都市の夜景、サイバーパンク風、暗くてミステリアスな雰囲気」
- 「水彩画のように柔らかいタッチで描かれた牧歌的な田園風景」
被写体の動作や表情を明確に指定する


動画のクオリティを高めるためには、動きや表情の指定がとても大切です。ただ「猫」や「女性」とだけ指示するのではなく、「驚いた表情で振り返る猫」や「風に髪をなびかせながら歩く女性」と動きや感情を具体的に伝えましょう。
特に最新のGen-2モデルは、指示した細かい動きや表情を忠実に再現できるので、「ゆっくり歩く」「笑顔でジャンプする」といった動作の速さや感情も細かく指定すると、さらに自然な映像が生成できます。
実際のプロンプト例
- 日差しの差し込むリビングで、驚いた表情で振り返る猫
- 風に髪をなびかせながら、優しく微笑んで海辺をゆっくり歩く女性
指示が伝わらない場合はプロンプトを英語で書く


Runwayはアメリカを中心に開発されたツールで、AIモデルは主に英語で学習されているため、英語での方が指示が正確に伝わりやすいです。
日本語でも基本的には問題なく使えますが、曖昧な表現や複雑な文構造だと、うまく認識されないこともあります。
英語はAIにとって「ネイティブ言語」に近く、豊富な語彙や形容詞・動詞が使えるため、指示がうまく伝わらない場合は英語で入力してみると良いでしょう。
実際のプロンプト例
- “A robot dancing joyfully in outer space, surrounded by stars and galaxies, moving smoothly”
→ 銀河に囲まれながら、宇宙空間で滑らかに楽しく踊るロボット - “A fantasy dragon flying low over a misty lake at dawn, wings slowly flapping”
→ 夜明けの霧に包まれた湖の上をゆっくりと羽ばたきながら飛ぶ幻想的なドラゴン
不要な要素は「除外」する指示を出す
生成される動画に含めたくない要素がある場合は、プロンプトに「- -no [不要な要素]」と記述すれば、AIに要素を除外するよう指示できます。
例えば、「- -no watermarks」(ウォーターマークなし)と入力すれば、不要な透かしを避けられます。-「-no apple」のように、特定の要素を除外することも可能なので、生成したい画像のイメージに合わせて設定してみましょう。
具体的な記述例
- –no watermarks(ウォーターマークを除外)
- –no text(映像中のテキストを除外)
- –no people(人物を含めない)
Runwayの料金プランは?無料で使える?
Runwayは、基本的な機能を試せる無料プランと、より高度な機能や長い動画の生成が可能な有料プランを提供しています。
各プランの詳細は以下の通りです。
プラン名 | Free | Standard | Pro | Unlimited | Enterprise |
---|---|---|---|---|---|
料金 | 無料 | 144ドル/年 | 336ドル/年 | 912ドル/年 | 2000ドル/年(カスタム) |
クレジット | 125クレジット | 毎月625クレジット | 毎月2250クレジット | 毎月2250クレジット | カスタム |
特徴 |
・基本的な動画・画像生成 ・3つまで動画編集プロジェクト作成可 ・5GBの保存容量 |
・無料プランの機能全て ・高画質動画生成対応 ・透かしなし ・100GBの保存容量 ・無制限の編集プロジェクト ・月ごとにクレジット更新 |
・標準プランの機能全て ・カスタム音声(リップシンク・テキスト読み上げ)対応 ・500GBの保存容量 |
・プロプランの機能全て ・探索モードで動画生成無制限(ゆっくり速度) |
・プロプランの機能全て ・シングルサインオン対応 ・チーム管理・分析機能 ・優先サポート付き |
無料プランでは、生成できる動画の長さやエクスポート回数などに制限がありますが、基本的な機能や主要な生成ツールは問題なく試すことが可能です。ただし、動画生成数に限りがあるので、本格的な動画制作や商用利用を検討している場合は、有料プランへのアップグレードがおすすめです。
Runwayは商用利用できる?著作権の扱いは?

Runwayで生成されたコンテンツは商用利用が可能です。Runwayの利用規約でも以下のように明示されています。
当社は、お客様の入力または出力の所有権を主張しません。お客様が本契約を遵守することを条件に、当社はお客様の出力の商用利用を制限しません。
引用:Runway|Terms of Use Agreement
収益化されたYouTube動画、Instagramのリール、TikTok投稿、製品広告などでRunwayで生成された動画や画像を使用できます。
ただし、コンテンツを生成する際の元素材(テキスト、画像、ビデオクリップなど)が第三者の著作権を侵害していないかを確認する責任はユーザーにあります。商用利用する場合は、元画像の著作権は必ず確認し、必要に応じて使用許可を取得しましょう。
Runwayで生成したコンテンツの著作権はユーザーに帰属
Runwayで生成されたコンテンツの著作権は、どの料金プラン(無料、Standard、Pro、Unlimited)を利用しているかに関わらず、ユーザーに帰属されます。
Runwayの利用規約では、所有権を主張しないと明示されており、ユーザーは生成したコンテンツのすべての権利と所有権を保持できます。
また、生成したコンテンツにRunwayのクレジットを記載する必要もなく、YouTubeやInstagram、TikTokへのアップロード、映画祭への応募、製品広告など幅広い目的で活用可能です。
動画生成AI「Runway」まとめ
今回は、動画生成AI「Runway」の主な機能や使い方、プロンプトのコツについて解説しました。押さえておきたいポイントは以下の通りです。
- テキストや画像から手軽にプロ並みの動画を生成できる動画生成AI
- 複数のAI機能を統合し、動画生成から編集まで完結できる
- 無料プランでも基本機能を使えて、生成した動画は商用利用が可能
Runway(ランウェイ)は、テキストや画像から簡単にプロクオリティの動画を生成できる動画生成AIです。静止画に動きを加える機能、画像とテキストを組み合わせた動画生成、リップシンク機能などを搭載しており、初心者でも簡単にハイクオリティな動画を作れます。
料金プランは、無料プランから有料プランまで用意されており、無料プランでも動画生成を行えるので、試しに利用してみたい際にぴったりです。生成したコンテンツは商用利用が可能で、ビジネス用途やSNS投稿など幅広い場面で活用できるので、まずは無料プランで試してみてください。
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