
Adobe Fireflyの使い方を解説!料金は?商用利用や著作権は?
商用利用できると注目のAdobe Firefly(アドビ ファイヤーフライ)をご存知でしょうか。PhotoshopやIllustratorで有名なAdobeが開発した画像生成AIで、AIに指示を与えるだけで簡単に画像を作ることが可能です。
しかし、「本当に商用利用OK?」「著作権は大丈夫?」「使い方がわからない」など、色々気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、Adobe Fireflyの使い方をはじめ、料金プランや商用利用・著作権について解説します。商用利用する際の注意点なども含めてお伝えするので、利用時の参考にしてみてください。
目次
商用利用できるAdobe Fireflyとは

Adobe Firefly(アドビ ファイアフライ)は、Adobe社が開発した画像生成AIのことです。2023年3月にベータ版、同年9月13日に正式版がリリースされたAIツールで、ユーザーが簡単な指示を与えるだけで、さまざまなテーマに応じた画像の生成ができます。
Adobe Fireflyで作成した画像は、商用利用が許可されているためビジネスシーンでの活用も可能です。AIを通して、効率的に作業を進めながら独自性のあるデザインを作成できるので、企業ロゴやチラシの素材など幅広い用途で使えるでしょう。
70億枚以上の実績を持つ画像生成AI
Adobe Fireflyは、2023年3月の公開から24年4月の間で、世界中で約70億枚以上の画像生成に活用されています。クリエイターやビジネスユーザーから高い支持を得ている理由には、Adobeが長年のクリエイティブツール開発で培った技術力と、使いやすさを追求したインターフェースが背景にあると考えられます。
また、初心者でも直感的に操作でき、高品質な画像を簡単に生成できることが、圧倒的な利用数に直結しているようです。実際に、マーケティング素材の作成からWebデザイン、プレゼンテーション資料まで、幅広い用途で著作権の心配なく安全に使用できる点は、Adobe Fireflyの持つ大きな魅力といえます。
参照:アドビ、Adobe Firefly Image 3 Foundation モデルを発表 | クリエイティブ探求とアイデア出しをより高いレベルへ
安全な学習データソースで著作権侵害の心配がない
Adobe Fireflyでは、AIの学習元は以下の4つに限定されています。
- Adobe Stockの商用ライセンス取得済み画像
- パブリックドメインの著作権切れコンテンツ
- オープンライセンスのコンテンツ
- Adobeが著作権を保有するコンテンツ
学習元がはっきりしているので、AIが自動で選んだデータによって知らぬ間に著作権侵害をしてしまうという心配がなく、安心して商用利用できます。
また、通常の画像生成AIでは、ユーザーが生成した画像を学習に用いることが一般的です。一方、Adobe Fireflyは生成された画像を再利用した学習を行っていないため、類似コンテンツが生成される可能性が低くなり、著作権に関するリスクを大幅に軽減できます。
Adobe Fireflyの基本機能
Adobe Fireflyの基本機能は以下のとおりです。各機能の特徴を一覧表で確認してみましょう。
テキストから画像生成 | AIに指示すると画像が生成される |
生成塗りつぶし | 生成した画像の選択した箇所を修正できる |
テキスト効果 | テキストのスタイルをAIが作る |
3Dから画像生成 | 3Dでベースを作り、そこから画像を生成できる |
画像の拡張 | 見えていない画像の背景をAIが作る |
音声と動画を翻訳 | 音声やビデオを別の言語に翻訳 |
画像から動画作成 | 画像をアップロードするとAIが動画を作成する |
Illustrator上でのカラーバリエーション生成 | Illustrator上で作ったデザインのカラーバリエーションをAIが生成 |
Adobe Fireflyの特徴

ここでは、Adobe Fireflyの特徴を実際の操作画面を参考にしながらご紹介します。
- 著作権問題をクリアした画像生成AI
- 各種Adobeサービスと連携
- 日本語プロンプトに対応している
一つずつみていきましょう。
著作権問題をクリアした画像生成AI
Adobe Fireflyの最大の特徴は、「著作権問題をクリアした画像生成AI」という点です。
通常、画像生成AIによるコンテンツには著作権的な問題がつきまといます。たとえば、サービスの提供者が「この画像生成AIは商用利用可能です」とうたっていても、著作権的にセーフというわけではありません。既存の著作物との間に類似性や依拠性が認められると、著作権侵害が成立するので、許可を取ったり確認したりする必要があります。
既存の著作物との「類似性」及び「依拠性」が認められるAI生成物について、こうしたアップロードや販売を行うには、既存の著作物の著作権者の利用許諾が必要であり、許諾なく行った場合は著作権侵害となります。
AIと著作権|文化庁著作権課(2023年5月6日)
Adobe Fireflyでは、AIの学習に著作権フリーのAdobe Stockを利用していることが特徴です。Adobe Stockの画像は、あらかじめ知的財産権の問題をクリアしているので、安心して商用利用ができます。
Adobe製品とのシームレスな連携

Adobe Fireflyは各種Adobeサービスと連携しています。Adobe Fireflyが使えるアカウントにサインインしていれば、各サービスに自動で表示され、使うと連動して生成クレジット数が消費されます。
連携している主な機能は以下のとおりです。
- Photoshop:「生成塗りつぶし」「画像・イラスト「生成」
- Illustrator:「カラーバリエーションの生成」「イラスト生成」「生成塗りつぶし」
- Adobe Express:「テキストから画像生成」「テキスト効果」
Photoshopの場合、Photoshop上で指示をするだけで画像が生成されます。生成された画像は自由に編集・削除できるので、画像を用意する手間がかかりません。
Illustratorでは、イラストの生成とカラーバリエーションの生成を提供しています。例えば、カラーバリエーションの生成で「イチゴ」と指示すると、情報に合う配色を自動で考えてくれます。

各種Adobeサービスに連携し、AIが作業をサポートすることで、デザイン案を考えやすくなったり作業効率が上がったりするでしょう。
日本語プロンプトに対応している
Adobe Fireflyは日本語プロンプトに対応しています。
実際に日本語プロンプトで「空を飛ぶ馬」と入力し画像を生成した結果は以下のとおりです。

プロンプトが短い場合には、「プロンプトが短すぎます」と警告が表示されます。1単語でも画像生成してくれることはありますが、より長く具体的に指示文を入力するのが望ましいでしょう。
またAdobe Fireflyでは、生成が規制されているコンテンツもあります。
- 暴力的な言葉
- 性的なコンテンツ
- 軽蔑的な言葉
- その他不適切な言葉
実際に、プロンプトで「銃」「タバコ」などの言葉を含めて入力してみた結果です。

このように、読み込めませんという表示になり画像は生成されませんでした。不適切とされている言葉を認識していて、全てのものを再現・生成できることはないため、誰でも安心して使えるようになっています。
Adobe Fireflyの料金プラン
Adobe Firefly(アドビファイアフライ)の料金プランは以下の通りです。
プラン名 | Firefly Free | Firefly Standard | Firefly Pro | Firefly Premium |
---|---|---|---|---|
月額料金 | 無料 | 1,580 円 (税込) | 4,780 円 (税込) | 31,680 円 (税込) |
生成クレジット | 25回/月 | 2,000回/月 | 7,000回/月 | 50,000回/月 |
画像の標準生成機能 | 試用のみ | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
動画・音声の プレミアム生成機能 |
試用のみ | 利用可能 (生成クレジットを使用) |
利用可能 (生成クレジットを使用) |
利用可能 (生成クレジットを使用) |
Illustrator上で使える 標準生成機能 |
試用のみ | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
Adobe Fireflyでは、生成クレジットを消費して画像や動画を生成します。フリープランは月25回まで無料で利用でき、クレジットを使い切ると「クレジットが不足しています」という画面が表示されます。
Creative Cloudユーザーの特典
Creative Cloudに加入している場合、毎月1,000の生成クレジットが自動的に付与され、追加料金なしでFireflyの機能を利用できます。ただし、付与されたクレジットで利用できるのは、テキストから画像生成、生成塗りつぶし、テキスト効果などの標準生成機能のみとなります。
プレミアム機能となる動画生成や音声・動画の翻訳機能を利用するには、別途Adobe Fireflyの有料プラン(Standard以上)への加入が必要です。Creative Cloudユーザーであっても、動画生成などは行えないため、コンテンツを使いたい場合は追加プラン加入を検討しましょう。
Adobe Fireflyの始め方

Adobe Fireflyはブラウザで利用することが可能です。まず、Adobe Fireflyの公式サイト「Adobe Firefly」を開き、右上にあるログインをします。

Adobeを初めて利用する人は、アカウント作成から行いましょう。
電子メールアドレスを入力するか、Google、Facebook、Appleでログインも可能です。ログインが完了したら、アドビアプリでの生成AIの使用について同意するを押すと、Adobe Fireflyを始められます。
必要なシステム要件
Adobe FireflyはWebベースのサービスのため、以下の基本的な環境が整っていれば利用を開始できます。
推奨ブラウザ
Google Chrome(最新版)
Microsoft Edge(最新版)
Safari(最新版)
Firefox(最新版)システム要件
OS:Windows 10以降、macOS 10.15以降、iOS 14以降、Android 8.0以降
メモリ:4GB以上(8GB以上推奨)
インターネット接続:安定したブロードバンド接続(画像のアップロード・ダウンロードに必要)
現在はブラウザ版での利用が中心ですが、25年4月にAdobeから専用のモバイルアプリが近日リリースされると発表がありました。アプリのリリースにより、スマートフォンやタブレットでも快適に画像生成ができるようになると予想されます。
また、Adobe IDさえあれば、デバイスを問わず同じアカウントで作業を継続できるため、外出先でアイデアを形にし、オフィスで仕上げるといった柔軟な働き方も可能になるでしょう。
Adobe Fireflyの使い方
始め方を理解したら、実際にAdobe Fireflyを使ってみましょう。ここでは、初心者でもすぐに実践できる5つの使い方を、実際の操作画面を交えながら解説します。
- テキストから画像生成
- 画像を部分的に修正
- テキスト編集
- お気に入り登録
- 作成した画像のダウンロード
それぞれ詳しく解説します。
使い方①テキストから画像生成

テキストから画像を生成する際は、「生成したい画像の説明を入力してください」と書かれている入力バーに日本語で指示を出してみましょう。
今回は、「犬 かわいい ポメラニアン」と指示を出してみました。

プロンプトを入力すると4枚の画像が生成されます。画像は、左バーにある各オプションで縦横比やスタイルの変更などの調整が簡単にできます。
各オプションの機能説明は以下のとおりです。
- 一般設定:使用するAIや画像の比率を変更できる
- コンテンツ:写真を生成するのかイラストを生成するのか選べる
- 構成:画像の構図を指定できる
- スタイル:生成する画像のテイストを指定できる
- 効果:画像を加工できる
使い方②画像を部分的に修正

生成された画像を一部変更したい場合は、画像を選択して左上の「編集」→「生成塗りつぶし」を選択します。編集画面に移動したら、修正したい箇所を選択して下部にあるプロンプトに情報を入力し、「生成」を押してください。
今回は、ポメラニアンにサングラスをかけたいと思います。

このように、指示に合わせて修正が加えられるので、適切な画像を選択して「保持」を押すと、修正が反映されます。「生成塗りつぶし」では、「背景を選択」で背景を変えたり、「拡張」で背景を足したり、「削除」で不要なものを削除したりすることも可能です。
使い方③テキスト編集
Adobe Fireflyのテキスト効果機能を使えば、プロのデザイナーが作ったような洗練されたテキストデザインを、わずか数クリックで作成できます。

画像にテキストを追加する際は、「編集」→「テキストを追加」を選択し、Adobe Expressに移動します。

「テキストを追加」から文字を入力し、「効果」→「テキスト効果を生成」→「鉛筆アイコン」から生成AIへ情報を入力すると、テキストのスタイルを簡単に編集できます。
使い方④お気に入り登録

画像詳細の右下の星マークをクリックすると、Fireflyで生成された画像をお気に入りに登録できます。お気に入り登録することで、大量の画像を生成する中で上手くいった作品を素早く保存し、後から簡単にアクセスできるようになります。
お気に入り機能の使い方
- 画像右下の星マークをクリックして登録
- Adobe Expressの「ファイル」→「お気に入り」で一覧表示
- プロジェクトごとにフォルダ分けする使い方も可能
使い方⑤作成した画像のダウンロード

ダウンロードをする際は、画像詳細の右上のアイコンをクリックすると自動的にダウンロードが開始されます。テキスト編集をした場合は、Adobe Expressの右上にある「ダウンロード」から好きなファイル形式で保存できます。
ダウンロードする際は、Web用途ならJPG、印刷用途なら高解像度PNG、プレゼン資料ならPDFといった使い方をするとよいです。
Adobe Fireflyで商用利用する際の注意点
商用利用する際は、作成物が商用利用の対象になっているのか確認しましょう。ベータ版で商用利用不可と明記されているもの、無料ユーザーが作成したものは商用利用できないので、事前に確認しておくと良いです。
また、違法なコンテンツや誤解を招く広告での使用、他者の権利を侵害する可能性のある使用、Adobe Fireflyの評判を損なう可能性のある使用など、一部の用途では商用利用が禁止されています。違反すると、アカウントの停止処置がとられる可能性があるので、利用規約に沿った適切な使用を心がけましょう。
Adobe Fireflyのよくある質問

ここでは、Adobe Fireflyのよくある質問にお答えします。「商用利用するときの注意点は?」「Adobe Fireflyが使えない時はどうすればいい?」など気になる質問をまとめているのでチェックしてみてください。
Adobe Fireflyで作成した画像の著作権は誰なの?
Adobe Fireflyで作成した画像の著作権は、基本的にユーザーに帰属します。ただし、無料ユーザーが作成した画像に関しては、アドビに権利があるため制作時には注意が必要です。
作成した画像は販売できる?
Adobe Fireflyで作成した画像は販売可能です。ただし、Adobe FireflyはAdobe Stockなどからデータを学習しているので、他のユーザーがAdobe Fireflyで作った類似画像が既に存在する可能性があります。類似品を出してしまうと著作権問題にあたるので、似た画像がないか確認した上で販売しましょう。
Adobe Fireflyが使えない時はどうすればいい?
Adobe Fireflyが使用できない場合、ブラウザのキャッシュやCookieをリセットし、再度ログインしましょう。ブラウザの不具合が原因であれば上記の方法で治りますが、実行しても改善しない場合はシステム障害の可能性もあるので、公式サポートページ等を確認すると良いです。
また、禁止ワードをプロントに含めている場合も生成がされなくなります。単語が禁止事項に触れていないか確認し、改善しない場合はAdobeのカスタマーサポートに問い合わせましょう。
Adobe Fireflyのまとめ
この記事では、Adobe Firefly(アドビファイアフライ)について解説しました。押さえておきたいポイントは以下のとおりです。
- 商用利用できる
- 無料プランでは月25回まで利用可能
- 動画の翻訳や動画生成も可能
- IllustratorやPhotoshopなどAdobeの各サービスに連携している
Adobe Fireflyを使うことで、簡単にプロフェッショナルな画像を生成したり、クリエイティブなプロジェクトをスムーズに進めたりできます。作成した画像は商用利用も可能で、ビジネスシーンでも使いやすいです。Adobe Fireflyは、アカウントを作成すれば誰でも利用できるので、気になる方は試してみると良いでしょう。
他にも無料で使える画像生成AIが知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
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