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Clubhouse(クラブハウス)とは?流行の理由・使い方を解説!
2021/02/09

Clubhouse
2021年に入り、急速に話題をさらった「Clubhouse(クラブハウス)」。その正体は音声のみのSNSアプリですが、Twitter上で関連語句が何度もトレンドワードに躍り出たり、Apple Store内ソーシャルネットワーキングの分類でDL数1位になったり、招待制ということからその枠がフリマアプリなどで1万円前後で販売されたり(フリマアプリの規約違反のため現在では削除されています)、人気ぶりは実に右肩上がりです。

音声のみなので、TwitterやInstagramのようにテキストや画像、動画ではなく、声であらゆる人とやりとりできるというのが特徴。情報が溢れ続ける現代において、次は「耳のためのコンテンツ」が流行する、とは少し前からいわれており、実際VoicyやPodcastも広く普及していますが、その言葉を確信めいたものに印象づけたのはこのたびのClubhouseの躍進ではないでしょうか。

SNSの黎明期にはいつも「不安」という背景が存在します。たとえば日本では、2011年の東日本大震災をきっかけに、人とのつながりや情報交換の場を求めてTwitterやLINEが爆発的に広まりました。

「ウィズコロナ」という言葉さえ使われなくなり始めた今、生活はすべてこのウィルス感染の恐怖とともにあり、人々は少しでも不安を和らげ、かつてたしかに存在していた「対話」というコミュニケーションを取り戻すべく、クラブハウスに集うようになったのかもしれません。

目次

Clubhouse(クラブハウス)とは

ラジオ感覚

Clubhouseは2020年3月に米Alpha Exploration Co.がローンチした招待制音声SNS。すぐにシリコンバレーで多くの注目を集め、テスラのCEOであるイーロン・マスク氏が、株価操作で話題になったロビンフッドのCEO、ブラッド・テネフ氏をClubhouse上でインタビューし追求したことも、人々が関心をもつ後押しになりました。

利用できるのはiOSのみでありながら、セレブと気軽に話すことができる、ということで人気に火がつき、現時点(2021年2月)で言語は英語のみですが、日本でも2021年1月下旬ごろから著名スタートアップ経営者などが利用し始め、続々とファンを増やしています。

そんな中、ブロックチェーン技術に関する事業を行っている株式会社LayerXは1月にClubhouse上で採用イベントを開催。今後このようにビジネス活動に役立てる企業がどんどん増えることも予想できます。

>参考:株式会社LayerX執行役員石黒卓弥氏のnote

とはいえ、招待枠は1人につき2アカウントのみ。アクティブユーザーにはさらに枠が追加される仕様ではありますが、広く普及させるのを目的としているのであれば、あまりにも非効率的といえるでしょう。

もちろんその特別感がより人々を焦燥させ、Clubhouseを利用できるということ自体がひとつのステータスとして存在することにつながるわけですが、そういった付加価値や魅力については後ほど触れます。

使い方は、room(会話をするための部屋)を立ち上げ、モデレーターとして発信する、既に開設されているroomに入室し、ラジオ番組のように繰り広げられる会話を聞いて楽しむ、そこで挙手してスピーカーとして参加する(ドロップイン)など。

日本では2021年1月下旬ごろから広まっていったというのに、2月頭の時点で早くも「Clubhouse疲れ」という言葉が生まれるほど、はまる人が続出し、10時間以上つなぎっぱなしというユーザーも多いそうです。

ログを残さない、録音もしてはいけない、というのも大きな特徴のひとつで、さらには「いいね」ボタンやチャットなどテキストで補完する機能がなく、そういった点からスピーカーの心理的ハードルを下げることに成功し、カジュアルにコミュニケーションを交わす場を成り立たせているのかもしれません。

Clubhouseの魅力・特徴

Zoom飲み会や普段の待ち合わせのように、友人と日時を決めて集まることもできれば、ちょっとしたスキマ時間にラジオ感覚で著名人の発言をただ聞いたり、LIVE配信のように発信の場として使ったりすることもできます。

話題もさまざまで、放課後の学生たちのようなゆるくカジュアルなトークを繰り広げるroomもあれば、政治やビジネスについて真剣に談義しているroomもあります。もとい、ひとつのroom内でカジュアルな話→ビジネスの話→カジュアルな話と自然に移り変わることも多いです。

実際にだれかと会って話しているとき、議題の決まったカンファレンスではない限り、会話のトピックはさまざまに変化していくものだと思いますが、ちょうどその感じといっていいでしょう。

対面では楽しく話せるのに、Zoomなどビデオチャットツールを使った飲み会では、話題が途切れてしまったり、妙に緊張してしまったりするという経験のある方もいるのではないでしょうか。

Clubhouseは情報が音声のみに絞られている分、感情が伝わりやすく、親しみを覚えるのかもしれません。これまでにさまざまなツールが生まれてきましたが、結局電話に近しいものに回帰したといえそうです。

さて、Clubhouseの最大の魅力は、さまざまなroomが同時多発しており、ふらっと立ち寄って専門家の見聞に耳を傾けたり、長年会っていなかった友人と昔話で盛り上がったり、そのときしか味わえない体験ができることでしょう。

好きなタレントの立ち上げたroomでスピーカーになって会話をすることもありえます。もしかしたら本人から直々に指名されることもあるかもしれません。

あらかじめスケジュールが設定されているroomもありますが、突発的に開くことができ、また突発的に開かれることが多いというのも特長でしょう。いつだれがどんな面白い話をするかわからない、しかもログが残らない、大事な話を常にキャッチアップしたい、だから「10時間以上もつなぎっぱなし」のユーザーが続出しているのです。

また、Clubhouseを語る上で絶対に忘れてはいけないのが、招待制であり、その枠が著しく少ないということ。焦燥感を煽る、と前述しましたが、ユーザーになるまでのハードルを高く設定することで、より「せっかく登録できたのに、今退出したら大事な話を聞き逃してしまうかもしれない」というFOMO(Fear Of Missing Out=見逃す、聞き逃すことへの恐怖)を刺激すると考えられます。

なお、気軽に参加できる要因のひとつとして、どのroomにも(クローズドでなければ)簡単に出入りできることも挙げられるでしょう。“Leave quietly”というボタンを押せば、モデレーターへの通知もなく静かに退室することができるのです。

初めての人に接することへの緊張感や負担が軽減されるため、ウェビナーなどのように一方通行にならず、双方向のコミュニケーションが生まれやすくなるといえます。

流行を後押しした「コロナ禍」という背景

コロナ禍の人のつながり

コロナによって私たちの暮らしは様変わりし、ネットによる恩恵など得られたものもあるかもしれませんが、失われたものもたくさんあります。そのうちのひとつが「雑談」でしょう。

たとえば、以前オフィス勤務していた方であれば、休憩室や喫煙室で一緒になった人や、コンビニなどに行くときにすれ違った人相手に軽く言葉を交わすということがあったのではないでしょうか。仕事中も近くの席の人と、ふと目に入った広告などについて「これいいね」なんて話していたかもしれません。

アイデアはいつだって、そういった雑談の中から生まれてきたりするものです。つまり、だれかと話すことで、会話の内容とは一見関係なさそうに思える事柄に気づいたり、ヒントを得たりするチャンスがあるということ。それを「カジュアルコリジョン」といいますが、在宅勤務が増えた今は、満たされていない方が多いのではないでしょうか。

テレワーク、リモートワークの拡大化に伴って広がったビデオチャットツールの多くは、いずれも決まった時間に集まって会議をすることには適しているかもしれませんが、何気ない雑談を生み出すツールとしては、完全とはいえません。

手の空いた時間に思いつきで立ち上げられる、または参加できるClubhouseではそれが実現でき、今回の流行の背景には、人々がコロナ禍においてそういった体験を求めていたことが透けて見えます。

また、AirPods Proや骨伝導仕様など、外部の音も自然に取り込んでくれるイヤフォンが増えたことから、長時間装着する方が増えました。アメリカでは“AirPods as a Service(サービスとしてのAirPods)”というフレーズが浸透するほど「耳のためのコンテンツ」が重要視されています。

日本でも在宅勤務が広まり、以前よりも日常的にイヤフォンを装着するようになったという方は多いのではないでしょうか。仕事中に音楽だけでなく音声メディアを「ながら聞き」して効率的に情報を入手している方もいるでしょう。

Clubhouseであれば、仕事中にリフレッシュのためのroomを立ち上げて「ながら聞き」も「ながら雑談」も可能ですね。

Clubhouseの使い方

※スクリーンショット画像においては、下記の条件で掲載しています。
・ユーザー名・アイコン:ほかのSNS、webサイトなどにアカウントを公開しているユーザーと、当記事への掲載についてご承諾いただいたユーザーのみ表示。
・イベント名:ほかのSNSやwebサイトなどにアカウントを公開していないユーザーを特定することのできないもののみ表示。
プロフィール画面
まず招待されたらプロフィールを設定しましょう。写真、自己紹介文が登録でき、TwitterとInstagramを連携できます。招待してくれた人(ウェイトリストからの招待も含む)のアイコンも表示され、こちらに関しては変更することができません。
ホーム画面
ホーム画面は、直近にスケジュール予約されているイベント、そして今開かれているroomが並びます。この中から興味のあるroomを選び入室してみましょう。
room内
左下のピースアイコンが退室するときの“Leave quietly”ボタンで、右下の挙手アイコンがドロップインする際のサインです。モデレーターに承認されたらスピーカーとして参加することができます。
new room
自身がモデレーターとなって発信したいときは、下の“+Start a room”を押して新規でroomを立ち上げてください。だれでも参加可能な“Open”、フォロワーのみが参加できる“Social”、参加者を特定して招待する“Closed”から選べます。Openで立ち上げ、盛り上がったメンバーと改めてコアに話したいと思ったらClosedに移動してもよいでしょう。
raise a hand
上の画像は、筆者が実際に友人たちと集まった際のもの。リスナーが挙手すると上画面のような表示になり、「Dismiss(拒否)」か「Invite as speaker(承認)」を選択できるようになります。
トーク中
トーク中はこのように表示されます。上段がモデレーター含め、スピーカー。中段がスピーカーのだれかがフォローしているリスナー、下段がスピーカーがフォローしていないリスナー。
room立ち上げながら
roomを開いたまま、ほかにリアルタイムでどんなroomが立ち上がっているのか、どんなroomが開催予定なのかを確認することができます。
イベントを立ち上げる①
イベントを立ち上げる②
スケジュール予約をする場合は、ホーム画面の上にあるカレンダーアイコンをタップします。すると現時点で予定しているroomが表示されるので、さらに右上にある「+」アイコンを押して、イベント名、参加者(自身のみでも始められます)、日時、詳細(未記入でも可)を入力して完了です。

Clubhouseは一時の流行では終わらない

耳のためのコンテンツ

既に「Clubhouse疲れ」という言葉も聞かれるようになったと前述しましたが、とはいえ、この流行は一時的なものではないと考えられます。

自分の意見を発信する場としてだけでなく、まったくの知らないユーザーの新しい意見を聞いたり、交換したりする場としても成り立ち、さらには声を出さずに好きな音楽を流すだけのroomが存在したり、電話感覚で親しいユーザー同士と待ち合わせして話すことができたり、人や場所や環境に応じて使い方をあらゆる方向に広げられるからです。

YouTubeでは「作業用BGM」を流すだけの動画、もしくは視聴者が一緒に勉強できるようYouTuberが勉強している様子を収めた動画が人気コンテンツのひとつですが、Clubhouseではさらに、参加者がそれぞれ自由に作業しながら時折話しかけてちょっとした会話を楽しむといったroomも次々生まれており、まさしくほかのSNSでは満たされなかった「雑談」する場として機能し始めています。

一方で、ログが残されず、録音も禁止されているというクローズドなスペースゆえに、ヘイトスピーチが容認されてしまったり、新しい参加者を否定するような内輪だけのノリが生まれやすくなったり、といった側面も見逃せません。

しかし、SNSはいつの時代もツールそのものによってではなく、ユーザーによって可能性を広げたり、狭めたりするものです。これまでに何度もそういった場を目撃してきた私たちは、新しく生まれたこのSNSに今まで以上に丁寧に向き合い、そして自由に使うことができるのではないでしょうか。


(本文・浦田みなみ)

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