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EC運営の味方「フルフィルメント」とは?おすすめフルフィルメントサービスも紹介!

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モノやサービスを販売する事業者にとって、オンライン上での販売窓口は今や欠かせないものとなりました。経済産業省の発表によれば、物販系分野におけるBtoCのEC市場規模は2020年に12兆円を超え、2013年の2倍以上に拡大しています。

分野全体に占めるEC化率も年々増加しており、とりわけ物販系の事業においては「ECサービスの充実」が売上向上のカギを握るといえるでしょう。

(参照:経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」)

一方で、ECサイトの運用においては、受注管理や在庫管理、検品や出荷作業など、多岐にわたる業務が必要になります。とくに複数のECモールに出店している場合など、異なる窓口に対応する際には、管理業務に膨大なリソースを割くことになるケースもあるでしょう。

このように「管理が大変」といったイメージのあるEC事業ですが、その強い味方となりうるのが「フルフィルメントサービス」です。受注から出荷まで一連のプロセスを専門業者に委託することにより、EC運営におけるボトルネックを解消しうると考えられます。

この記事では、フルフィルメントの概要と、実際のサービスや選び方のポイントを解説していきます。

■ECサイトについての基本情報について知りたい方はこちら

■一般的なECサイトの構築方法についてはこちら

フルフィルメントとは

「フルフィルメント(fulfillment)」は、日本語で「実現」「達成」といった意味を表す言葉です。マーケティングの場面で用いられる場合、ECやその他通信販売事業の運営において必要となる、「商品の入荷から受注、発送といった一連の業務プロセス」を指します。

従来は「入荷から受注まで」の物流面を主に指していましたが、近年はクレーム対応や返品処理など、顧客サポートに関する領域までを含むケースも見られるようになりました。

EC市場が年々拡大するなか、「フルフィルメントの効率化」は物販系の事業者にとって共通の課題となりつつあります。こうした背景から、現在ではフルフィルメントのプロセスを一括で代行する「フルフィルメントサービス」を導入するケースが見られるようになりました。

デジタル領域に関する市場調査を行う「Report Ocean」の分析によれば、フルフィルメントサービスの市場規模は2020年から2027年にかけて「6.5%以上」の成長が見込まれており、フルフィルメントを外注できるサービスへの需要が増えつつあることを示しています。

(参照:PR TIMES|Report Oceanのプレスリリース「Eコマースフルフィルメントサービス市場は2027年まで6.5%のCAGRで成長すると予想されます」)

フルフィルメントに含まれる業務

フルフィルメントの内容は業種や業態によって異なりますが、一般的には以下のプロセスから成り立っています。

■入荷管理

メーカーや卸業者から入荷した商品が自社倉庫に届いた際、内容や数量、品質に問題がないかを確認する業務です。スピードと正確性が求められるため、バーコードで商品内容や数量を管理するシステムが多く取り入れられています。

■入庫・在庫管理

入庫業務は、入荷した商品を一時的に倉庫に運び、保管しておく作業を指します。この際、出荷作業や在庫管理を簡便化するため、ラックやパレットを用いるなど、保管環境を整えておく必要があります。

在庫管理は、入庫後に商品の品質を保つこと、さらに需要の変化に応じて在庫を確保することなどを指す言葉です。保管にかかるコストを抑えつつ、受注に対応できる入荷量を見定めることが求められます。

■受注管理

在庫状況と照らし合わせながら、顧客からの注文を受け付け、商品を出荷工程へと進める業務です。顧客に対する納期案内や、伝票の準備といった周辺業務もこの段階に含まれることがあります。

現在ではECサイトと連動し、受注・在庫管理を一元化できるサービスも充実しており、こうしたシステムの導入によって自動化・効率化を図る企業も見られます。

■ピッキング

受注した商品を倉庫内から取り出す業務です。商品によって、取り出しにフォークリフトの操作が必要なケースや、取り出し後の組み立て作業が必要なケースもあります。

出荷指示のリストを確認したり、商品を探したりする手間をなくすため、デジタルピッキングシステム(DPS)と呼ばれる支援装置が広く取り入れられています。

■検品・梱包・発送

梱包前に商品の状態を確認し、品質に問題がないかを確認するのが検品作業です。顧客の手に渡る前の最終確認となるため、作業の正確性が求められます。

商品の梱包作業は、実際に顧客が「最初に手に取る状態」を作るものですから、顧客満足度に直接影響することも考えられます。Web上のレビューでも梱包状態に関する意見は多く寄せられており、サービスの信頼性に大きく関わる作業です。

商品を梱包後、配送業者の集荷にあわせて発送します。この際、顧客に対する出荷案内や配送状況の伝達などを行うケースもあるでしょう。

■アフターフォロー

商品到着後の問い合わせ対応やクレーム処理、返品交換なども、フルフィルメントの一環と見なされることがあります。

とくにECの場合、実際の商品を見ずに購入することが多いため、品目によっては返品率が高くなるケースも考えられるでしょう。売上管理や在庫管理のシステムを構築する際には、返品処理の簡便さを視野に入れておくことが求められます。

フルフィルメントサービスを利用するメリット

上述のように、フルフィルメントには多くのプロセスが含まれており、効率化を図るにも多くのリソースが必要になります。EC事業を展開していくにあたっては、プロセスを一括で委託できる「フルフィルメントサービス」も有力な選択肢です。

以下では具体的に、フルフィルメントサービスを利用するメリットについて解説します。

リソースの削減

EC窓口の設置は売上増加につながる一方で、販売先が多くなれば管理業務や事務手続きも煩雑になります。結果として、企画やマーケティングといった業務に割けるリソースが減ってしまう事態にも陥りかねません。

フルフィルメントサービスによってリソースを削減することで、従業員が施策面に関わる業務に集中でき、販売戦略の立案から遂行までのプロセスにコミットできる環境が整うと考えられます。

さらに、商品を保管する土地や設備を用意する必要がない点も大きなメリットです。スペースの確保や設備の維持にコストがかからなくなれば、収支状況も見通しやすくなるでしょう。

効率の良いフルフィルメントが期待できる

フルフィルメントサービスを提供する事業者は、在庫管理や配送業務を専門としていることが多く、設備やシステム面で効率的なフルフィルメントを実現できる環境を用意しています。

自社でフルフィルメントを完結する場合には、販売規模を拡大する際など、設備やシステムを改修する必要が生じる可能性もあるでしょう。フルフィルメントサービスを利用することで、自社の環境に関係なく、大量の受注・在庫を管理することが可能になります。

ただし、こうしたメリットの一方で、フルフィルメントサービスにおいては「商品状態の確認」や、「顧客サポート」といった重要な業務を他社に委託することになります。導入を検討する際には、サービスの信頼性に十分注意しなければいけません。

フルフィルメントサービスの選び方

フルフィルメントサービスを選ぶ際には、「それを導入することでどのような効果を期待するのか」を明確にすることが大切です。

外注によるリソース削減の効果や、実際のサービス内容などを予算面と照らし合わせながら、ニーズに合致するサービスを選びましょう。以下では具体的な選び方のポイントを解説していきます。

なお、ECサイトの運営に係る現状分析や目標設定については「ECサイトのKPIツリー設計~検証ポイントまで解説~」で詳しく扱っていますので、ぜひあわせてご参照ください。

サービスの対応範囲をチェックする

フルフィルメントサービスに含まれる業務領域は、事業者や契約プランによって異なることがあります。外注したい業務内容と、サービスの対象範囲が合致しているかを確認しておくことがまず重要です。

一般的に、フルフィルメントサービスには「入荷から受注、出荷までの業務」が含まれます。これに加えて、カスタマーサポートの有無や、マーケティング支援の有無といった面で差別化しているサービスも見られます。

さらに細かなポイントとして、配送方法や決済方法の違いや、流通加工の対応可否などが挙げられますので、サービスの範囲と内容を細かくチェックしておきましょう。

マルチチャネル対応が可能かを確認する

複数のECモールに出品している場合は、「1つのフルフィルメントサービスで複数の販売窓口に対応できるか」を確認しておく必要があります。特定のモールにしか対応しておらず、管理システムが複雑になってしまえば、かえって非効率な環境にもなりかねません。

そのためサービスを選ぶ際には、受注管理や在庫管理にはどのようなシステムが用いられるのか、さらにその管理が複雑にならないかなど、実際の運用イメージを明確にしておきましょう。

管理体制を確認する

フルフィルメントサービスで用いられる倉庫の環境や、実際の業務フローについて可能な限り確かめておくことも重要です。扱う商品に適した環境で保管されるのか、検品作業はどのように行われるかなど、「商品を安心して任せられる環境か」を見極めることが求められます。

加えて、商品の梱包状態やカスタマーサポートの充実度など、顧客満足度に直結する部分の品質についても入念にチェックしておきたいところです。

フルフィルメントサービスの例

フルフィルメントサービスはさまざまな事業者によって提供されており、自社のニーズによって選ぶべきサービスも異なります。以下では代表的なフルフィルメントサービスについて紹介していきます。

フルフィルメント by Amazon

フルフィルメント by Amazon(FBA)」は、全国にあるアマゾンの物流センター(フルフィルメントセンター)に自社商品を預け、在庫管理から受注管理、発送までの業務代行を依頼できるサービスです。

利用に際しては、Amazonに「出店ストア」として登録し、所定の方法で商品をフルフィルメントセンターに納品する必要があります。

Amazonならではのメリットとして、自社商品が「Amazonプライム」の対象となり、ユーザーが「お急ぎ便」や「定期おトク便」などを指定できるようになる点が挙げられます。さらに、返品・返金管理やカスタマーサポートの面でAmazonのサービスを利用できる点も大きなポイントです。

Amazon以外のECサイトなどで取り扱っている商品に関しても、「FBAマルチチャネルサービス」により対応が可能です。

ヤマト運輸のフルフィルメントサービス

宅配事業の大手であるヤマト運輸株式会社は、在庫管理から配送までを代行するフルフィルメントサービスを提供しています。全国110箇所に展開する倉庫で依頼主の商品を管理し、受注から配送までワンストップで対応します。

宅配事業者ならではの配送スピードが特徴であり、拠点によっては当日配送にも対応。業種・業態を問わず多様な商品に対応しており、輸入品の流通加工など、業態に合わせたオプションも用意されています。

フルフィルメントの一部のみを代行するサービスも提供されており、「帳票発行から配送まで」を代行する「ピック&デリバリー」など、ニーズに合わせて工程を柔軟に選択できることも特徴です。

さらにヤマト運輸は、「Yahoo!ショッピング」および「PayPayモール」のストア向けのフルフィルメントサービスも展開しています。API連携により、他モール受注分の管理も依頼可能なため、複数のECモールに出店しているケースも一括で委託可能です。

楽天スーパーロジスティクス

楽天スーパーロジスティクス(RSL)」は、商品の入荷から配送までを代行するフルフィルメントサービスです。全国4拠点のフルフィルメントセンターがあり、関東・関西エリアを中心に展開しています。

受注から納品までのスピーディな対応のほか、ギフトラッピングやメッセージカード封入といった細かなニーズに応えるオプションも用意されています。

楽天モールに出店している場合、「楽天スーパーセール」などで大量受注が予想される際にも、スケジュールと連動して出荷の波に対応できる点が1つの強みです。商品の保管数量に上限はなく、楽天以外のECモール注文分についても、楽天モールと同一料金で利用できます。

このように、サービスによって対応範囲や強みとなるポイントはさまざまです。複数のサービスを比較検討することはもちろん、事業者との打ち合わせや現場確認を通じて、事前に不明点をクリアにしておきましょう。

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この記事を書いた人

鹿嶋 祥馬
大学で経済学と哲学を専攻し、高校の公民科講師を経てWEB業界へ。CMSのライティングを300件ほど手掛けたのち、第一子が生まれる直前にフリーへ転身。赤子を背負いながらのライティングに挑む。

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