最先端のWebマーケティングを発信するメディア

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【初心者向け】コンテンツマーケティングとは?始め方やよくある落とし穴を解説

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コンテンツマーケティングを始めるなら、押さえるべきポイントがあります。 本記事では、基本的な知識、具体的な始め方、「よくある落とし穴」を避けるヒントについて、初めての方でも分かるように解説していきます。「ひとりでも多くの人にファンになってほしい」そんな願いを叶えつつ、中長期的に安定した売り上げを確保していきたい経営者や中小企業のマーケターは必見です。

目次

コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングとは、価値あるコンテンツを作成・配信することで、顧客との良好な関係を構築し、収益やブランディングにつなげるマーケティング手法です。企業が行うコンテンツマーケティングでは、オウンドメディアを立ち上げて記事を掲載し、検索エンジン経由での流入を狙うのが最もメジャーでしょう。また、Twitterで有益な情報をツイートしたり、YouTubeでノウハウ動画やユニークな動画を公開したりすることも、コンテンツマーケティングにあたります。企業のプレスリリースやオンラインセミナー・イベントでの情報発信も、数あるコンテンツマーケティング手法の一つです。

コンテンツマーケティングの定義

コンテンツマーケティングと聞くと、多少知識のある方であれば「流行に乗ったブログを書くことだ」「TwitterやTikTokでバズることだ」とピンとくるかもしれません。しかし、コンテンツマーケティングは、特定のメディアや流行に縛られた手法ではないのです。コンテンツマーケティングという概念を広めてきたアメリカのコンテンツマーケティングインスティチュートでは、コンテンツマーケティングを以下のように定義しています。

【原文】
Content marketing is a strategic marketing approach focused on creating and distributing valuable, relevant, and consistent content to attract and retain a clearly defined audience — and, ultimately, to drive profitable customer action.
【和訳】
コンテンツマーケティングは、価値があり、関連性があり、一貫性のあるコンテンツを作成して配信し、明確に定義されたオーディエンスを引き付けて保持し、最終的には収益性の高い顧客行動を促進することに重点を置いた戦略的なマーケティング アプローチです。

CONTENT MARKETING INSTITUTE™「What Is Content Marketing?」

コンテンツマーケティングを進めていくうえで「バズること」「流行らせること」は一つの手段でしかありません。最も大切なことは、「価値があり、関連性があり、一貫性のあるコンテンツを作ること」なのです。コンテンツマーケティングをこれから始めるという方は、その点をぜひ押さえておいてください。

コンテンツとは

コンテンツマーケティングにおけるコンテンツとは、ユーザーの興味や関心に寄り添った有益な情報のことです。 コンテンツには、情報提供や娯楽性があり、ブログ記事、ビデオ、ポッドキャスト(音声)、インフォグラフィックス(イラスト・チャート・グラフ・表・地図)などのさまざまな形式があります。 コンテンツマーケティングを始めるにあたっては、難しく考えすぎず、まずは「広告とは違う、お客さんが喜ぶような情報」「人々にとって有益でためになる情報」などと捉えていれば、導入しやすいはずです。

>>コンテンツについてもっと詳しく知る

他のマーケティングとの違い

コンテンツマーケティングは様々なマーケティングのうちの一つ

コンテンツマーケティングは、他の多くのマーケティング手法とは一線を画す積極的に売り込まないマーケティング手法です。 電話や営業、CMや広告、チラシのポスティングといった従来のマーケティング活動が、売り手側の都合やタイミングで売り込むのに対し、コンテンツマーケティングは、売り込むより先に企業とユーザー間で信頼関係を構築することに重きを置いています。

コンテンツSEOとの違い

コンテンツSEOとの違い

コンテンツマーケティングとよく混同されるものとして「コンテンツSEO」があります。似て非なるものですが、簡単にまとめると、「コンテンツマーケティングの手段の一つにコンテンツSEOがある」と考えていいでしょう。混同しやすい原因として、コンテンツマーケティング初心者にとって特に導入しやすいのが、検索結果を上位表示させることを目的としたコンテンツSEOであるという点もあります。テキスト(文章)をメインに、検索ユーザーに有益な情報を発信するコンテンツSEOはブログ記事として始められるため、必要なスキル面でのハードルが低めです。実際に中小企業や店舗経営でもオウンドメディアを活用し、集客や収益増加へつなげている例は少なくありません。

コンテンツSEOについてもっと詳しく知りたい方は、こちらへ。

コンテンツマーケティングが重要な理由

近年では、大企業だけにとどまらず、中小企業においてもコンテンツマーケティングの有効性に注目が集まっています。その主な理由となる2つの点について、詳しく見ていきましょう。

インターネット広告費の高騰

コンテンツマーケティングが注目されている要因の一つとして、インターネット広告費の高騰があります。主要なネット広告であるリスティング広告(検索連動型広告)は、ユーザーが広告をクリックすると課金され、競合が多い業種・商材だと、クリック1回あたりの広告費=クリック単価は高騰しがちです。さらに、掲載期間が長ければ長いほど広告費は増加していきます。そのため、中長期的な施策としては費用対効果を期待できず、短期的な集客方法として用いられることが多くなっています。

一方で、コンテンツマーケティングはオウンドメディア構築に費用は掛かるものの、「PV数が伸びるほど費用が掛かる」といったことも、「運用すればするほどサイト維持費が高騰する」といったこともまずありません。逆にきちんと運用していれば、サイト運営期間が長ければ長いほど、コンテンツという名の「資産」が増えていきます。成果を上げるのは決して簡単とはいえませんが“中長期的なマーケティング施策”として、コンテンツマーケティングに注目が集まっているのです。

買い手が主体のマーケティング

人々のインターネット利用率の増加や、SNSを筆頭とするメディアの多様化により、「買い手が主体のマーケティング活動」が重要視され始めています。そして、コンテンツマーケティングも売り込むことより先に、ユーザーとの関係構築に重きを置いた、買い手主体のマーケティング活動の一つです。

たとえば、今では多くの人々が、分からないことがあったら、とりあえずスマホで検索して調べられるようになりました。つまり、消費者は、溢れかえる膨大な情報から、自分に合った情報のみを簡単に選び取れるようになったのです。そうなれば、企業の都合で売り込まれるような情報を「広告」や「営業」という形で発信されたとしても、わざわざ目を向け、耳を傾けようとする人が必然的に少なくなります。だからこそ、買い手に寄り添ったアプローチ=“買い手主体のマーケティング”が各企業で重要視され始めていると考えられます。

事実、総務省は「令和4年版情報通信白書:第3節 放送・コンテンツ分野の動向」のなかで、2020年のコンテンツ市場規模は、約11兆8,275億円にも上り、そのうちパソコン及び携帯電話向けなどインターネットなどを経由した通信系コンテンツの市場規模は、約4兆8,433億円と増加傾向が続いていると公表しています。

ためになる情報を発信してくれる企業は信頼できる」そんな人の深層心理に則り、かつ時代の変容にマッチしたマーケティングこそが、コンテンツマーケティングといえるでしょう。

参考:令和4年版情報通信白書:第3節 放送・コンテンツ分野の動向(総務省)

コンテンツマーケティングとオウンドメディア

コンテンツマーケティングを語るうえで、オウンドメディアの存在は切っても切り離せません。コンテンツマーケティングは、広告などを使っても行うことができますが、自社が所有するWebサイトやブログ、メールマガジン、広報誌などのオウンドメディアを使って行うのが一般的です。

オウンドメディアとは

オウンドメディア(Owned Media)とは「自社で保有するメディア」の総称のことです。本来はパンフレットや自社サイトなどのすべてのメディアを指しますが、Webマーケティングのなかでは、自社で運営・情報発信を行うブログサイトを意味することが多いでしょう。いずれにせよ目先の売上などに高い効果を期待するのではなく、時間をかけて信頼を勝ち得ていくため、顧客化してからのLTV(顧客生涯価値)は高いと考えられます。

なかでも近年では、CMSを導入して自社サイト・自社ブログとして、オウンドメディアを構築する企業が増えています。CMSのなかには無料で利用できるものもあるので、比較的低コストでオウンドメディアを構築することが可能です。また、CMSは管理画面から簡単に記事の投稿ができるため、Webに関する専門知識の浅い人でもコンテンツマーケティングに挑戦できるのが魅力です。

トリプルメディアの特性をつかむ

トリプルメディアの概要

トリプルメディアとは、企業と消費者をつなぐメディアを3つに分類したものです。前述した「オウンドメディア」に加え「ペイドメディア」「アーンドメディア」の計3種類のメディアを指します。これら3つのメディアの特性を意識して運用していくことが、コンテンツマーケティングの成果につながります。たとえば、起業して間もないスタートアップの時期は、短期で不特定多数へアプローチ可能なペイドメディアを利用しつつ、オウンドメディアを徐々に成長させていく。ある程度、認知度が高まり、オウンドメディア上のコンテンツも蓄積されてきたら、アーンドメディアで消費者の意見や評価を集める、といったマーケティング活動の展開も考えられます。このように、企業が直面している課題や段階、目的や場面に応じて、3つのメディアでの露出を意識しつつ、コンテンツマーケティングを進めていけば、高い相乗効果を期待できます。それぞれの特性をつかんだうえで、効果的・効率的なコンテンツマーケティングに取り組みましょう。

オウンドメディア

オウンドメディアは、ブログや自社サイト、パンフレットなどを通した情報提供による興味の喚起やニーズの育成、コンテンツやデザインにこだわったブランディングを行うのに活用されます。内容やデザインなどを自由にコントロールでき、GoogleやYahoo!などの検索エンジンからユーザーを誘導できれば、広告費をかけずに集客効果が期待できるのが魅力です。企業が希望するタイミングで、任意の内容を発信できるのもオウンドメディアならではの強みです。

ペイドメディア

ペイドメディアは、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌などの4マス媒体の広告や、リスティング広告・ディスプレイ広告などのWeb広告といった、費用を支払って利用するメディアのことです。広告費用はかかりますが効果が出るまでの時間が比較的短いため、即効性を求める場合や、見込み顧客やニーズが明確になっていない潜在層ユーザーとの接点を作る目的でも活用できます。

アーンドメディア

アーンドメディアとは、個人のブログや口コミサイト、各種SNSなど、消費者の意見や評価が反映されたメディアを指します。他の二つのメディアと異なり、消費者自身が発信するメディアのため、リアルな意見を収集できるのが魅力です。一方で、企業による内容のコントロールは不可能というデメリットもあります。どのような評価を拡散されるのか、そもそも多くのユーザーに拡散してもらえるのかなど、必ずしも集客につながるとはいえない点が存在することは考慮しておく必要があります。

コンテンツマーケティングのメリット

コンテンツマーケティングは、大企業だけでなく中小企業にとっても、新規顧客の獲得、既存顧客の囲い込み、売上アップにつながる素晴らしい方法です。ここでは、5つの主なメリットについて紹介します。

低コストで導入できる

コンテンツマーケティングは、各種広告のような大きなコストをかけずに取り組むことが出来ます。しかも、一過性の広告とは違って、発信したコンテンツが蓄積されていくため、過去に作成したコンテンツが何度もユーザーと接するので、費用対効果はどんどん上がっていきます。CMSを利用してブログとして発信すれば、レンタルサーバーとドメイン代(月数千円程度)だけで、コンテンツマーケティングを始めることも可能です。また、たとえメディアの運営に失敗したとしても、大きな損失を被る可能性の少ないことが、コンテンツマーケティングの利点といえます。

>>レンタルサーバーについてもっと詳しく知る

競合と差別化できる

コンテンツマーケティングが上手くハマれば、顧客ロイヤリティを高められます。顧客ロイヤリティとは、お客さんがブランドや商品、またはサービスに対して感じる「信頼」や「愛着」のことです。ユーザーにとって価値のある、良質なコンテンツを継続して発信していくことで、「○○の専門家」として信頼されやすくなるということです。たとえば、パーソナルトレーニングジムを運営しているなら、パーソナルトレーナー目線で見たおすすめのトレーニング方法など、専門性を活かしたコンテンツを発信することが可能です。そのコンテンツが求めていた人々に届いて、かつ多くの人々に価値ある情報と判断されたのなら、ファンが増えるだけではなく、競合する商品やサービスと差別化を図れます。

>>顧客についてもっと詳しく知る

資産として蓄積される

一度アップロードしたコンテンツは、サーバーとドメインが生きている限り、半永久的にインターネット上に存在します。たとえ、1記事のもたらすトラフィックが少なかったとしても、いくつもコンテンツを積み重ねていくことで、アクセス数を増やせると同時に、サイトの評価も上げていくことが可能です。また、作成したコンテンツが、期待していたアクセスやコンバージョンを見込めなかったとしても、何かのキッカケで、思わぬ集客効果を発揮してくれることもあります。

SNSでシェア・拡散できる

コンテンツが役に立つ、おもしろい情報と認識されれば、TwitterやFacebookなどで拡散されるなど、SNSでシェアされる可能性が高まります。狙ってバズらせることは難しいですが、SNSでのバズの効果は凄まじく、一度拡散されると、人から人へ口コミが広がり、長期にわたって自社のメディアにアクセスをもたらしてくれるのです。

複数の媒体で活用できる

たとえば、「ブログに蓄積されたコンテンツ」を小冊子にしたり、営業ツールとして利用したりすることができるのも、コンテンツマーケティングのメリットの1つです。蓄積されたコンテンツを複数の媒体で配信することで、今までリーチできていなかった人々へもアプローチすることが可能なのです。

コンテンツマーケティングのデメリット

コンテンツマーケティングはターゲットにリーチするのに有効な手段ですが、デメリットもあります。ここでは3つの主なデメリットについて紹介します。

継続的な制作が負担になる

コンテンツマーケティング戦略の成功は、作成されるコンテンツの品質に左右されます。そのため、ユーザーの求めている、質の高いコンテンツを継続して公開し続けなくてはなりません。メディアの運営にしっかりリソースを割けるのであれば、継続は難しくないかもしれませんが、本業を行いながら、コンテンツマーケティングも担当しなければならないのであれば、長期的なWebサイトの更新が難しくなる可能性があります。

管理するコストがかかる

コンテンツは一度作成して終わりというわけにはいきません。情報が古くなれば、訂正・修正をする必要がありますし、話題性が無くなればコンテンツの削除も検討することとなります。数十記事であれば、管理も難しくはありませんが、数百のコンテンツとなると、どこに何を書いたのか、把握するのは途端に難しくなります。そういったコンテンツの管理にコストがかかることも忘れてはなりません。

短期間では成果が出ない

コンテンツマーケティングは、有料広告のように、始めたからといってスグに効果をもたらしてくれるものではありません。コンテンツの作成と配信、コメントや問い合わせへの対応、結果の追跡などが必要なため、時間がかかる場合があります。毎日のように良質なコンテンツを投下出来たとしても、ある程度の結果が出るまでに、短くても3ヵ月。通常半年~1年ぐらいのスパンで見ていく必要があります。即効性のある手法ではないので、そのことを社内で共有して、長期的に実施できる環境を整えて、取り組むことが大切です。必ずしも成功を保証するものではなく、適切な計画を立てなければ失敗することもあるということも知っておきましょう。

コンテンツマーケティングの種類

コンテンツマーケティングは、発信するコンテンツの種類によって、「エデュケーショナル型」「コンテンツSEO型」「ネイティブ広告型」「面白コンテンツ型」の4タイプに分けることができます。

エデュケーショナル型

エデュケーショナル型は商品をセールスするのではなく、商品に関連するユーザーの疑問や悩みに答えるコンテンツを提供するタイプです。従来の広告では、売る側が伝えたいことだけがアナウンスされ、ユーザーが本当に知りたいことには応えていませんでした。エデュケーショナル型はこの欠点を補い、商品に関連する知識や使い方を正しく知ってもらおうとするものです。たとえば、化粧品であれば正しいスキンケアの方法、家電製品であれば正しい使い方や選ぶ際の基準などを伝えることで、顧客との関係性を高めていきます。

コンテンツSEO型

コンテンツSEO型は、検索エンジンでの掲載順位を上げることを目的としたコンテンツマーケティングです。Googleなどの検索エンジンはWebサイトを評価するにあたって、コンテンツの量と質を重視しています。検索されるキーワードを想定して記事を作成することで、上位表示が狙えるようになります。また、コンテンツの量を増やすことで、スモールワードでの検索にも対応できるため、ロングテールSEOの効果も期待できるのです。

>>ロングテールSEOについてもっと詳しく知る

ネイティブ広告型

ネイティブ広告型は、いわゆる記事広告のことです。ユーザーは広告と意識することがないので、不快感を持つようなことはありませんし、記事の中で自然に情報に触れるため潜在ニーズを持つユーザー層への効果も期待できます。

>>記事広告についてもっと詳しく知る

面白コンテンツ型

面白コンテンツ型は、コンテンツの面白さにこだわり、ユーザーを引きつけることが目的です。おもしろいと話題になれば、SNSで拡散されて認知度を一気に高めることができます。

>>SNSの役割と目的についてもっと詳しく知る

コンテンツマーケティングを成功させるポイント

コンテンツマーケティングでは、コンテンツの質だけではなく、それを「どのように伝えるのか」「どこに対して発信するのか」という点を忘れてはいけません。あなたが作る価値ある情報、有益なコンテンツがしっかりとターゲットの胸を打つように、コンテンツの伝え方と配信メディアについて、ここで押さえておきましょう。

適切な伝え方を考える

企業がコンテンツマーケティングを行うとなると、社員ブログ・自社サイトといったオウンドメディアを利用して、「記事」を投稿するのが一般的です。投稿された記事はWeb上に蓄積され、検索エンジンに評価されたのなら順位が付き、高順位であればあるほどユーザーの目にとまるため、集客が期待できます。これをコンテンツSEOといいます。コンテンツSEOでは、テキスト(文章)をメインに、検索ユーザーに有益な情報を発信するわけですが、コンテンツの「伝え方」はテキストだけではありません。記事のなかに、写真、動画を挿入するなどして、さまざまな伝え方で人々に価値ある情報を分かりやすく届けることができます。

ターゲットやコンテンツの内容によっては、記事にこだわり過ぎず、動画メインで伝えるためにYouTube動画を作成する、実際に顔を合わせて伝えるためにセミナー・イベントを開催する、といった方法が有効な場合があります。どんな内容のコンテンツにするかを決めるとともに、「文章で伝えるのか」「動画で伝えるのか」「イラストで伝えるのか」など……その“コンテンツの効果的な伝え方”について考えておくと、コンテンツマーケティングをより幅広く展開可能になります。ターゲットには「どんな伝達方法がもっとも伝わりやすいか」を考え抜きましょう。

以下が代表的な伝え方とその特徴です。参考にしてみてください。

テキスト(文章)論理的なアプローチが可能で説得力が高い
動画視覚的に伝えられ、若者や求職者にアプローチしやすい
音声すでにある程度のファンをつけている際やビジネスパーソンに有効
写真ビジュアルでアピールできる
セミナーやイベントオンライン、オフライン共に展開可能
マンガ視覚的に伝えられ、若者にアプローチしやすい
イラストスキルが必要だが差別化を図りやすい

適切な配信メディアを選ぶ

コンテンツマーケティングでは、コンテンツの配信先も大切です。ターゲットに置いた人々が「見ない」「聞かない」ところへ、いくら良質なコンテンツを配信しても、意味がないからです。その点、オウンドメディアを構築し、自社サイトで記事を投稿するという手法は、誰もが利用する「検索エンジン」を介してアプローチできるため、非常に有効とされています。とはいえ、ターゲットとしたユーザーが「検索エンジン」だけで情報収集しているとは限りません。たとえば、若い20代であれば、TwitterやInstagramなどのSNSで情報を収集しているかもしれませんし、30代の働き盛りの層であればビジネス上、メールを利用することが多い可能性もあります。

ターゲットはどのような媒体・メディアで情報を収集しているのか?」という視点を持ち、コンテンツの配信先を展開すれば、機会損失を防ぐことにつながります。ブログ記事を投稿したことをSNS上で拡散する、プレスリリースを発表したことを自社サイトで告知する、セミナー開催情報をメールマガジンで配信する……手法や組み合わせはさまざまです。複数メディアを活用する=クロスメディア(一つのコンテンツ・データを多用途として、複数メディアへ出力する手法)を心がけて、アプローチ漏れのないようにすれば、一層多くの人々にリーチできます。ターゲットに応じた配信メディアの選定と複数メディアでの展開が、企業のコンテンツマーケティングを加速させるということを覚えておきましょう。

以下が人々の主な情報収集先です。参考にしてみてください。

配信メディアごとのコンテンツマーケティングの例

見込み顧客の属性や顧客との接触のタイミング、接触方法は本当にさまざま。コンテンツの配信先も、配信先は検索だけでなく、SNSや動画メディア、メールマガジン、そして広告など、多種多様です。主なメディアと顧客との接触シーンも踏まえたコンテンツマーケティングの例について、以下にまとめましたのでこちらも参考にしてみてください。

配信メディアコンテンツマーケティングの例
検索エンジン(SEO)ターゲットが検索するキーワードを選定し、検索結果にコンテンツを表示させる。
SNSターゲットの課題への対処法や解決コンテンツ、悩みに共感するコンテンツをTwitter・Instagramなどで発信する。
広告解決コンテンツの続編を、過去の広告読者にリターゲティング配信する。
メールターゲットに製品の使用方法や成功事例、クーポン情報をメールで配信する。
動画メディアセミナーや解説動画、ユーモアのある動画を編集し、YouTube・TikTokなどで配信する。
オフライン手法や成功談、体験談をセミナーで講演する。

若者を中心に流行している「動画メディア」

近年、若者を中心に流行しているメディアの一つにYouTubeやTikTokといった「動画メディア」があります。ただし、「流行っているから」「手軽に撮影・編集できるから」というだけで参入するのはいささかおすすめできません。そうした多くのターゲットと接触可能な配信メディアであったとしても、「良質なコンテンツ」を配信できなければファンになってもらうことができないどころか、無駄な工数を費やしてしまうとともに、コンテンツのクオリティが低ければ企業としての信頼を失いかねないからです。どのような配信先であっても、緻密な計画としっかりと作りこまれたコンテンツが、コンテンツマーケティングの核となることを覚えておきましょう。

>>動画を活用したマーケティングについてもっと詳しく知る

コンテンツマーケティングの始め方

コンテンツマーケティングは、ユーザーに価値ある情報=コンテンツを作成し、広く配信することが大切です。ここではより細かく、初心者におすすめのコンテンツマーケティングの始め方を一から説明していきます。コンテンツマーケティングの主なステップは以下の通りです。

  1. コンセプトの設定
  2. オウンドメディアの構築
  3. 目標の設定
  4. ターゲットの明確化
  5. コンテンツの作成
  6. 効果測定・改善

コンセプトの設定

やはり導入のしやすさ、コンテンツという資産の継続的な蓄積のしやすさ、各メディアへの流用のしやすさを考えると、初心者には自社ブログ・自社サイトをおすすめします。オウンドメディア(自社ブログ・自社サイト)は、コンテンツという名の商品を蓄積していくためのいわば“お店”のようなもの。コンテンツが増え、検索エンジンなどで評価されていくにつれ、“お店”であるオウンドメディアの規模も成長していきます。

オウンドメディアを立ち上げる前に、どのようなコンセプトの“お店”を作るのかも考えておきましょう。その店舗を訪れてほしいターゲットとなる人はどんな人なのか?を踏まえて、ペルソナを設定し「サイトの名前」「キャッチコピー」「ドメイン名」などもこの段階で決めておくと安心です。

なかでも「サイト名」や「キャッチコピー」は、いうなればお店の“店名”や“看板”です。途中から変更することも可能ではありますが、一度ブレが生じてしまうと間違いなくタイムロスです。集客や顧客育成までの道のりは遠ざかってしまいます。そのため、ターゲットや実際に作成するコンテンツとブレが生じないように、しっかりと戦略的なネーミングを心掛けましょう。

>>キャッチコピーの作り方についてもっと詳しく知る

オウンドメディアの構築

CMSとは、「Contents Management System(コンテンツマネジメントシステム)の略で、文字通りコンテンツを管理するのに最適なシステムです。代表的なCMSとしてはWordPressMovable Typeが挙げられますが、他にもオンラインで利用するクラウド型やWebサイト内に設置するインストール型など、さまざまなタイプがありますWordPressのように無料で利用できるCMSを活用すれば、比較的コストをかけずにオウンドメディアを構築することが可能です。

CMSを導入する最大のメリットは、Webサイトのコンテンツを管理画面から簡単に投稿・編集できる点にあります。HTMLやCSSなど、Webサイトに関する知識やスキルも必要ありません。そのため、社内でコンテンツを作成すれば、外部に依頼する必要もないので、コストを抑えてコンテンツマーケティングを行うことができます。また、CMSならでは強みである「テンプレートを変えるだけでデザインを変更できる」「SEOに強い」「プラグインを使って簡単に機能を拡張できる」といった点も非常に魅力的です。

各CMSの特長を踏まえて検討し、自社に最適なCMSを選んでオウンドメディアを構築しましょう。デザイン性や操作性に優れ、導入実績多数のWordPressであれば、「①レンタルサーバーを契約する」「②ドメインを取得する」「③WordPressをインストールする」という3ステップで始めることできます。

目標の設定

コンテンツを配信することで、自社にどのような効果を期待できるかを想定し、具体的な目標(KPI)を定めましょう。KPIとは、企業の目標を達成するために行う“日々の活動の具体的な行動指標”のことです。「Key Performance Indicator」の頭文字を取った言葉で、「重要業績評価指標」を指します。一般的な営業活動においては商談数や受注率を設定することが多いでしょう。コンテンツマーケティングにおいては、検索エンジンでの順位、PV数、トラフィックなどが追跡・分析がしやすいため、初期のKPIとしてはおすすめです。検索順位やPV数が上がれば、おのずと集客や収益向上へつなげやすくなります。SNSと連携させて運用するのなら、「一定数のフォロワーを獲得する」なども目標として考えられるでしょう。

また、KPIを設定するにあたり、最終的な目標であるKGI(重要目標達成指標)も意識しておく必要があります。KGIとは、最終目標について、何を・どれくらい・どの期間に達成するか、数値で指標化したもので、一般的には売上・利益・顧客数などが設定されます。KGIを設定→具体的なKPIを設定という逆算的な戦略を立てておくことで、より綿密な計画のもと、コンテンツマーケティングを進めることができるでしょう。

いずれにせよ、大切なのは現実的な数字を目標に置くことです。コンテンツマーケティングは、継続していくことで資産が増えます。高すぎる目標を立てて、挫折しないように高すぎず低すぎない、いい塩梅の目標設定を意識しましょう。目標達成までの期間をコンテンツ製作期間も鑑みながら、事前に決めておくことをおすすめします。計画的なコンテンツマーケティングが結果に結びつくということを忘れてはなりません。

ターゲットの明確化

コンテンツマーケティングでは、誰にコンテンツ(価値ある情報)を届けるのか、そのターゲットを明確にすることが重要です。ターゲットがあいまいなまま進めてしまうと、提供するコンテンツもぶれがちになり、効果が期待できません。ターゲットを明確にするための効果的な手法としてペルソナの設定があります。ペルソナとは、自社にとって象徴的な顧客像を詳細に設定したものです。年齢や性別はもちろんのこと、勤務先や収入、住所、生活パターン、家族構成、趣味や嗜好、テレビの視聴時間、インターネットやスマホの利用状況など、まるで実在する人物のように具体的に設定するのがポイントです。ペルソナを設定するメリットとして、ユーザー目線で考えられるようになる点が挙げられます。

ユーザーはどんな情報を求めているのか、どのタイミングで情報提供すれば効果的なのかなどもみえてきます。また、ペルソナを通してターゲット像が社内で共有できるため、担当者によって提供するコンテンツのズレもなくなり、統一性のあるコンテンツマーケティングを行うことが可能になるでしょう。オウンドメディアのコンセプトを定める際に設定したターゲットを、もう何歩も踏み込んで、具体的な人物像にまで落とし込んでいくイメージです。以下の項目まで細かく設定しておけば、コンテンツの内容、配信先を決める際にスムーズでしょう。

人物の属性「性別」「年齢」「居住地」「職業・役職」「家族構成」「年収」
人物のパーソナリティ「性格」「価値観」「口癖」「悩み」
人物のライフスタイル「よく読んでいる雑誌」「休日の過ごし方」「使っているデバイス」
人物の人間関係「仲の良い友人の人数」「使っているSNS」「所属しているコミュニティ」

ターゲットがしっかりと定まっていないと良質なコンテンツ=“刺さるコンテンツ”を作成することはできません。「誰でもいいから見てほしい」「誰でもいいから読んでほしい」といった気持ちでコンテンツマーケティングを始めるのは危険といえます。「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」はコンテンツマーケティングにおいて通用しないと考えておいたほうが無難です。ターゲットの具体化につまずいたら、身の回りの人や実際に関わりある人物像を思い返してみると、ヒントがみえてくることがあります。「社内でアンケートをとる」というのも、「どのような人物が、どのような情報が知りたがっているか」を明確にするうえで効果的な手法です。

>>ペルソナについてもっと詳しく知る

コンテンツの作成

ペルソナを設定してターゲット像が明確になったら、次にそのターゲットとした人にどんなコンテンツを提供するのかを決めていきます。コンテンツの内容を決めるにあたっては、ターゲットの悩みや欲求にとことん寄り添う必要があります。そこで効果的なのがコンテンツマップの作成です。コンテンツマップとは、どんな内容・構成にするかを可視化したものです。マインドマップを使用すれば、アイデアを簡単に可視化できるのでおすすめです。

たとえば、スキンケア商品のメーカーが30代の女性をターゲットにしたコンテンツを配信するとしましょう。まず、「トラブル肌のケア方法」「10歳若く見せるメイク法」「ユーザー体験談」のような大カテゴリーを決めていきます。そのうえで、「トラブル肌のケア方法」には「アダルトニキビ」「乾燥肌」「オイリー肌」のような小さいカテゴリーを作っていくと、どんな内容のコンテンツを配信すべきかもみえてきます。コンテンツマップを作成すると、コンテンツ全体を俯瞰することが可能になるのです。

マインドマップツールを利用したコンテンツマップの例

コンテンツマップがないと特定のカテゴリーに記事が集中したり、行き当たりばったりでテーマを決めてコンテンツを作ったりすることにもなりかねません。成果につながるコンテンツマーケティングにするためには、どのタイミングでどんなコンテンツを提供するのかを計画的に行うことが重要です。コンテンツマップを作成すれば、コンテンツ全体を計画的に管理できるようになるので、効果的なコンテンツマーケティングにつながるでしょう。

検索エンジンで人々がどのようなキーワードで検索しているのかを知ることも、ターゲットのニーズをつかむうえで大きなヒントになります。サジェストキーワードツールを使用し、効率的に情報収集しましょう。方向性が決まったら、実際にコンテンツとなるブログ記事の作成に入ります。ターゲットの悩みを解決できる情報を形にするのです。ブログ記事の分量の目安としては、5分程度で読み終わるものが理想です。大体、1500~3000文字くらいに収めるのがおすすめです。検索結果の上位を狙う場合、SEOを意識したコンテンツ(コンテンツSEO)が重要です。適切なキーワードを入れ込んだタイトルや見出しを作成しましょう。

効果測定・改善

コンテンツマーケティングは短期決戦ではなく、中長期的にコンテンツを作り続けることで、はじめて効果を実感できる取り組みです。事前に定めた目標(KPI)達成への進捗を確認しつつ、改善を施しましょう。Googleアナリティクスなどの効果測定ツールを導入しておけば、効率的にPDCAサイクルを回していけます。

コンテンツマーケティングに役立つツール

コンテンツマーケティングでビジネスを拡大させていくのなら、「CMS(コンテンツマネジメントシステム)」「キーワードツール」「アクセス解析ツール」などのマーケティングツールが役立ちます。各ツールの説明とおすすめのツールをここで紹介しますので、必要に応じて、導入を検討してみてください。

CMS(コンテンツマネジメントシステム)

CMSは、「コンテンツマネジメントシステム」の名の通り、Webサイトのコンテンツを構成するテキストや画像、デザイン・レイアウト情報(テンプレート)などを一元的に保存・管理できるシステムです。CMSを導入していないWebサイトの場合、HTMLやCSSといったマークアップ言語・Java ScriptやPHPといったプログラミング言語を用いて、1ページずつ作成、保存・管理する必要があります。一方で、CMSを導入していれば、元々データベース上に個別に保存されている複数の画像やテキスト、テンプレートなどのデータを、CMSが必要に応じて取り出して、Webページを自動的に生成、保存・管理してくれます。

>>CMSについてもっと詳しく知る

おすすめのCMS:WordPress

CMSとしての導入のしやすさ、コスト、扱いやすさを踏まえると、初心者には「WordPress」がおすすめです。世界で最も利用されているCMSの一つであり、WordPress.comをホームとするユーザーは数百万人におよび、実にWebサイトの42%がWordPressで構築されているとされています。企業の好みに合ったサイトを構築できる他、プロ仕様の美しいレイアウトも実現可能。簡単にインストールできるアドオンは数千個用意されているため、サイトに必要なものは全て組み込めますし、セキュリティ面でも優れているが魅力です。無料プランがありますが、企業として導入するのであれば、ライブチャットサポートやGoogleアナリティクスの統合、高度なSEO(検索エンジン最適化)ツールなどのオプションが豊富な有料のビジネスプラン(月額2900円)で始めると安心です。

公式サイト:WordPress

>>WordPressについてもっと詳しく知る

キーワードツール

キーワードツールとは、検索エンジンの検索結果ページで上位表示させ、トラフィックを増やすための重要なキーワードについて、詳しく調査するツールのことです。コンテンツマーケティングにおいて、検索エンジンから自社サイトのコンテンツへ、多くのユーザーを誘導するには、ある程度検索数(検索ボリューム)=需要があるキーワードで上位表示させる必要があります。キーワードツールを利用すれば、「多くの人々に需要のあるキーワード」や「トレンド・話題のキーワード」、「キーワードに関連するワード(関連語)」などが一括で分かるため、キーワード選定やコンテンツの方向性を決める際に必要不可欠といえます。

おすすめのキーワードツール①:ラッコキーワード

無料ツールとしておすすめなのは、「ラッコキーワード」です。各種キーワード調査が50回/日、見出し抽出/共起語取得が15回/日と制限はあるものの、キーワードを軸にしたあらゆる情報を無料で取得することができます。

ラッコキーワードでは主に以下のようなデータを一括取得可能です。

  • 一緒に検索されるキーワードはどんなものがあるか?
  • どんな疑問が存在している?
  • 最新のニュースや話題の記事は?
  • 周辺語や連想語はどんなものがある?
  • 検索上位サイトでよく使われる単語、記事構成、文字数はどんなもの?

また、検索上位サイトの文字数をチェックし、SEO競合サイトの強さを確認するために、「ラッコツールズ」の見出し(hタグ)抽出を併用するのもおすすめです。ラッコツールズも無料で利用できるため、コンテンツマーケティング初心者には嬉しいツールといえます。

公式サイト:ラッコキーワード

公式サイト:ラッコツールズ:見出し(hタグ)抽出

おすすめのキーワードツール②:KEYWORD FINDER

ある程度、CMSの扱いや記事作成に慣れてきたら、より検索ボリュームのあるキーワードで、より検索結果上位に食い込むような、コンテンツマーケティングが視野に入ってくるでしょう。そんな時におすすめなのが、有料のキーワードツールです。なかでも、「KEYWORD FINDER(キーワードファインダー)」は、一度キーワードや自社サイト・競合サイトのurlを登録すれば、毎日自動で関連語を取得し、各キーワードの検索ボリュームや検索順位、コンテンツのSEOスコアなど、さまざまな情報をチェックできる、コンテンツSEO特化型の強力なツールです。

キーワードファインダーでは、月間検索数が多いキーワード、サイトと関連性のあるキーワード、難易度が低いキーワードなどを調査することが可能です。想定流入キーワードも容易に調査できるため、効率良くトラフィックを増やすためにはもってこいのツールといえます。コンテンツマーケティングにさらなる勢いをつけたい企業だけでなく、「コンテンツ作成に注力するために、コンテンツ企画はなるべく効率化させたい」といった企業にも検討の価値がある有料ツールです。

公式サイト:KEYWORD FINDER

アクセス解析ツール

コンテンツマーケティングに欠かせないのが、オウンドメディアやコンテンツの効果測定および改善です。そのうえで、アクセス解析ツールは、必要不可欠なツールといえます。アクセス解析とは、webサイトへアクセスしている訪問者の環境(デバイス)や属性、行動を分析すること。 アクセス解析ツール を上手く使いこなせば、サイト全体の課題認識や改善に役立てることができるでしょう。

アクセス解析ツールでは、以下のようなデータを自動で追跡・分析できます。

  • 使用デバイス(環境)
  • 訪問者の性別や年齢(属性)
  • 流入経路(行動)
  • どのページが多く見られているのか(行動)
  • どのページで多く離脱しているのか(行動)
  • どのぐらい成約したのか(行動)

おすすめのアクセス解析ツール①:Googleアナリティクス

Google アナリティクスは、Googleから無料で提供されているアクセス解析ツールです。主に以下のような「Webサイトを訪れた後のユーザーデータ」を計測することができます。

  • サイトへの流入(検索以外も含む)
  • セッション・PV等アクセスデータ
  • CVデータ
  • サイト内のユーザー行動

また、前項のおすすめのキーワードツールで紹介した有料ツール「KEYWORD FINDER」と連携可能で、売上につながったCVキーワードがチェックできるようになるのも魅力です。Googleアナリティクスには、無料プランと有料プランが用意されており、有料のほうは、ページ数が多い通販サイトやツールへのリクエストが多いサイトといった、大規模サイト向けのサービスです。(なお、有料プランの料金は公表されていません。)小~中規模サイトであれば、無料プランでも十分な機能が搭載されているため、コンテンツマーケティングビギナーにとって心強い味方になるでしょう。

公式サイト:Googleアナリティクス

おすすめのアクセス解析ツール②:Googleサーチコンソール

GoogleサーチコンソールもGoogleが提供しているインターネット検索の解析・分析ツールです。Googleサーチコンソールは、検索エンジン(Google検索)における検索の状況とサイトの問題点など「ユーザーがWebサイトに訪問する前の問題」をチェックできます。

Googleサーチコンソールでは、主に以下のようなデータを計測可能です。

  • 具体的な検索キーワード
  • Google検索でのクリック数・クリック率
  • Google検索での平均掲載順位・表示回数
  • 他サイトからのリンク状況
  • 検索上でサイトが抱えている問題点

Google検索キーワードの表示回数・順位の推移だけでなく、サイトが抱えている問題点などを確認できるため、コンテンツおよびサイト改善に大いに役立ちます。Googleサーチコンソールは無料で利用できます。また、「Webサイトを訪れた後のユーザーデータ」を分析できるGoogleアナリティクスと連携が可能。連携させれば、検索結果~Webサイト内の問題まで網羅的に解析することができます。

公式サイト:Googleサーチコンソール

コンテンツマーケティングでよくある落とし穴

コンテンツマーケティングは、新しいオーディエンスを獲得し、売上を伸ばすための素晴らしい方法ですが、落とし穴がないわけではありません。ここでは、コンテンツマーケティングを始める際に避けるべき一般的な間違いをいくつか紹介します。

売り手が主体になっている

コンテンツでリーチしようとしているユーザーを理解することは、大変重要です。「うちの会社はこれを伝えたい!」という気持ちが強いがあまり、“売り手よがりなコンテンツ”を配信してしまうのは、こだわりの強い企業に多い、成果の出づらいコンテンツマーケティングの悪い例といえます。ターゲットであるユーザーを理解せずにコンテンツを作成すると、彼ら彼女らの心に響かない不要なコンテンツになる恐れがあることを胸に止めておきましょう。

一貫性がない

コンテンツマーケティングでは、一貫性が重要です。たとえば、Webサイトは長く運用すればするほど、「どこに向かっているのか」が曖昧になりがちで、コンテンツの配信も滞りがちです。しかしながら、方向性がブレたコンテンツ、更新頻度が遅くて不定期なメディアでは、一度ついたユーザーが離れてしまいかねません。「誰のためのコンテンツなのか」を忘れず、定期的に一貫性のあるコンテンツを作成し、宣伝し続けなければ、視聴者の関心を失う危険性があるのです。

成果を測定しない

コンテンツマーケティングの成果を測定することは重要です。そうすることで、何がうまくいき、何がうまくいっていないのか、そして今後の戦略をどのように調整すればよいのかを理解することができます。良質なコンテンツ、有益なコンテンツを作ることに、始めのうちはかなりの労力を費やすことがほとんどでしょう。しかし「記事を投稿して終わり」の一方的なコンテンツ配信では、コンテンツマーケティングとは呼べません。軽視されがちな「効果測定」ですが、コンテンツマーケティングにおける重要な業務の一つとして位置づけておくことが大切です。

コミュニケーションを大切にしない

「深い関わり合いや関係性」を育んでこそのコンテンツマーケティングだということを忘れてはなりません。ただ配信して終わりではなく、口コミや問い合わせには誠意を持って対応し、ユーザーの動きや分析したデータから、「さらにより良いコンテンツを追求する姿勢」を大事にしましょう。良質なコンテンツを通して、企業とユーザーとがコミュニケージョンを図ることで、初めて関係性やロイヤリティが生まれ、最終的に売上アップにつながるのです。

コンテンツマーケティングの成功事例

大企業はもちろんのこと、中小企業や個人事業主でもコンテンツマーケティングを取り入れる動きが加速しています。実際にどのようなコンテンツで人々を魅了しているのかを見ていきましょう。

トヨタ自動車株式会社

誰もが知る大手自動車会社であるトヨタが運営するオウンドメディアに「トヨタイムズ」があります。テレビCMで目にした方も少なくないでしょう。トヨタイムズは、主に以下の2つの点で他のオウンドメディアと差別化を図っています。

  1. 社内向け情報を社外にも発信
  2. 複数のメディアと連携

「トヨタがどこへ向かっているのか」という共通認識を社員へ浸透させるだけでなく、それを記事として社外へ発信することで「同じ温度感」を作り出していることが分かります。包み隠さない、正直な姿勢というのはファンを生み出すのです。また、トヨタイムズと連動した「トヨタイムズチャンネル」をYouTube上で運営。それだけにとどまらず、テレビCMも活用し、あらゆる層の人々に対してアプローチしています。

テレビCMの続きをYouTubeチャンネルで配信するなどして、視聴者を楽しませ、飽きさせない工夫もされています。トヨタの資産や人的リソースがあるからこそ、ここまで手広いコンテンツマーケティングを実現している一面もたしかにあるでしょう。しかし、さまざまな媒体を有効活用し、価値ある情報を発信することは、たとえ規模が小さいオウンドメディアだとしても、参考にしたい手法です。

公式サイト:トヨタイムズ

mimiyoga教室

企業への出張ヨガをメインに事業を展開するmimiyoga教室。以前はオウンドメディアを保有しておらず集客面で伸び悩んでいましたが、CMSでWebサイトを構築して、ブログ記事を配信し始めてから、着実にファンを増やしています。「レッスン開催情報」の継続的な発信に加え、「ホットヨガの効能・効果」を紹介する記事が検索結果の上位に入ったこともあり、サイト経由でインスタをフォローしてくれるユーザーが増え、地域施設からの「ホットヨガを取り入れさせてほしい」という依頼もあるとのこと。CMSでWebサイトを構築・公開してから、約3か月で前年比120%の成果に繋がるほどの好調さです。

このように、しっかりと専門性や地域性を意識したオウンドメディアやコンテンツを制作すれば、想像以上の結果に繋がることもあるのがコンテンツマーケティング。とはいえ、一番大切なのは継続することです。焦らずに資産の蓄積が大事だということを、忘れないようにしましょう。

公式サイト:mimiyoga教室

まとめ

コンテンツマーケティングには、コストを抑えて見込み客を育成し、顧客をファン化できるというメリットがあります。自社のファンが増えれば、指名買いやリピート購入も期待でき、競合他社と大きく差別化することにもつながります。不毛な価格競争に巻き込まれることもなくなり、収益性も大きく高まるでしょう。

コンテンツマーケティングを成功させるためには、まずユーザー像を明確にし、そのユーザーにとって価値のあるコンテンツを継続して提供することが大切です。ユーザーに有益なコンテンツであればSNSで拡散される可能性も高まります。CMSを活用してオウンドメディアを構築し、計画的にコンテンツマーケティングを進めていきましょう。

大切なのは「すぐに結果が出なくても諦めないこと」です。結果が出ない期間も「ターゲットの設計が甘かったのか」「伝え方をもっと工夫したほうがいいのか」など考え抜き、試行錯誤しながら良質なコンテンツを追い求めることが肝心です。その努力の先にあなたの企業のファンとなってくれる人々は、まさに優良顧客。大切なお客さんとして、長い付き合いになるはず。正しい計画と継続的な努力で行うコンテンツマーケティングは、あなたのビジネスを次のレベルに引き上げてくれるでしょう。

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この記事を書いた人

いけだ
占いライターやエンタメコンテンツ大手のディレクター経験を経て、サングローブへ入社。前職ではメールマーケティングにて、月1億円以上の売上達成に貢献。現在は、SEOとダイレクトマーケティングの間で揺れている。

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