最先端のWebマーケティングを発信するメディア

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Webマーケティングとは?施策の種類や始め方など基礎知識を徹底解説

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インターネットが広く普及し、一連の購買行動をオンラインで完結できるようになった今、ビジネスを拡大するためには、Webマーケティングへの取り組みが欠かせません。

ただ、これまでWebマーケティングに注力してこなかった企業や、初めてWebマーケティングを担当する方の中には、「何から手をつければいいか分からない」と頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか。

そんな方に向けて、本記事では、Webマーケティングの基礎知識をたっぷり紹介していきます。

目次

Webマーケティングとは

Webマーケティングとは、その名のとおり、Webを活用したマーケティングです。一般的には、Webサイトを軸に行われるマーケティングを総称して、Webマーケティングと呼びます。

ちなみに、マーケティングとは、一言で表すと、商品・サービスが売れる仕組みを作ること。顧客のニーズを正しく読み取り、顧客に合ったプロダクトを提供することで、無理して売り込まなくても自然に売れるような仕組みを作るのが理想とされています。

そこには、市場調査、商品開発、広告宣伝、販売促進、営業、販売など、商品・サービスを生み出し、伝達し、提供するまでのすべての活動・プロセスが含まれていますが、これらの活動をWebベースで行うのが、Webマーケティングです。

代表的な施策としては、SEO対策やWeb広告などがあり、Webを通じて企業もしくは商材の存在を認知させたり、購入や契約につなげたりすることが主な目的となります。

Webマーケティングを行う目的・重要性

いまやスマートフォンやパソコンは生活から切り離せない存在といっても過言ではありません。

総務省が公表した「令和4年版情報通信白書」によれば、インターネットの利用率(個人)は2021年時点で82.9%にまで上っており、多少の変動はあるものの、ここ数年は7割台後半~8割台と高い水準で推移しています。

また、インターネットの利用時間も年々増加しており、全世代(調査対象となった10~60代の平均)では、平日の「インターネット利用」が「テレビ(リアルタイム)視聴」を上回るという結果に。加えて、「インターネット利用」の行為者率は、平日・休日ともに「テレビ(リアルタイム)視聴」の行為者率を上回っており、年代別にみると、10~40代の各年齢層で、その割合が9割を超えています。

これらのデータからもわかるように、現在は幅広い世代でインターネットの利用が進んでいるため、積極的にWebを活用していかなければ、競合他社との厳しい競争から取り残されてしまう可能性が高いです。

もちろん、世代によっては、従来のようにマスメディアを中心としたアプローチが向いているケースもありますが、年齢が下がるにつれて、インターネット以外のメディア(テレビ、新聞、ラジオ)の利用時間は減少傾向にあり、マスメディアだけでは情報が届きづらい世代も出てきているため、機会損失を防ぐためにも、Webマーケティングへの取り組みは必要不可欠といえるでしょう。

(参照:総務省「令和4年版情報通信白書|国民生活におけるデジタル活用の動向」

Webマーケティングとデジタルマーケティングの違い

Webマーケティングと混同されがちな言葉に、デジタルマーケティングという言葉がありますが、双方には扱う領域に違いがあります。

前述のとおり、Webマーケティングは、Webサイトを軸に考えるため、SEO対策・Web広告・SNS・メールなど、基本的にはWeb上で完結する施策しか含まれません。

一方、デジタルマーケティングは、あらゆるデジタルテクノロジーを活用するため、AI・AR・VR・IoT・デジタルサイネージ・フィンテック・ビッグデータなど、Webマーケティングよりも扱う領域が広がります。Web上での施策もその一部に含まれるため、デジタルマーケティングは、Webマーケティングを包括する概念といえるでしょう。

※デジタルマーケティングについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>デジタルマーケティングとは?施策や企業のメリットが丸わかり!

Webマーケティングに取り組むメリット・デメリット

ここで、Webマーケティングに取り組むメリットとデメリットを紹介します。

メリット

Webマーケティングを行うメリットとしては、主に次の4つが挙げられます。

・広範囲にアプローチできる
・ターゲットを絞り込める
・施策を素早く実行・改善できる
・費用を抑えられる

詳しく見ていきましょう。

広範囲にアプローチできる

Webマーケティングは、インターネットを通じて世界規模で情報を発信できるため、新聞や雑誌をはじめとした紙媒体よりも広範囲にアプローチできます。

地理的・時間的な制約を受けることなく、幅広い地域かつ多くの人に情報を届けられるので、ビジネスの可能性を大きく広げられるでしょう。

ターゲットを絞り込める

インターネットの普及に伴い、人々のニーズが多様化している今、不特定多数に向けた画一的なアプローチだけでは、高い成果が見込めません。

日頃から大量の情報に触れている現代の消費者は、当たり前のように情報の取捨選択を行っており、彼らの共感を得られないコンテンツはスルーされやすい傾向にあるため、着実に成果を上げていくためには、特定のターゲットに向けて適切なアプローチを仕掛ける必要があります。

その点、Webマーケティングでは、自社サイトへ訪れたユーザーの行動履歴や購買履歴などから、顧客に関するさまざまなデータを取得し、詳細に分析することができるので、精度の高いターゲティングを実現することが可能です。

細かくターゲットを絞り込み、そのターゲットに合わせて訴求内容を決めたり、広告媒体を選定したりすることができるので、少ない投資で高い効果が期待できるでしょう。

施策を素早く実行・改善できる

Web上ですべてが完結するWebマーケティングは、施策を素早く実行・改善できる点にも魅力があります。

たとえば、新聞や雑誌など、紙媒体に広告を出稿する場合は、入稿データの作成に加え、印刷や発送といった工程も発生するため、世に出るまでにどうしても時間がかかってしまいますが、Webの場合は、申し込みから配信の手続きまで、ほぼすべての工程がオンラインで完結するため、紙媒体に比べて時間がかかりません。

ユーザーの反応をリアルタイムで確認しながら、出稿中に広告の内容を変更することもできるので、高速でPDCAを回しながら、効率よく成果を上げていけるでしょう。

費用を抑えられる

Webマーケティングは、インターネットを活用せずに行うマーケティングに比べて、費用を抑えやすい傾向にあります。

たとえば、マス広告(テレビ・ラジオ・雑誌・新聞など)の場合は、広告費が数十万円~数百万円かかることも珍しくありませんが、Web広告の場合は、1クリックあたり数円~数百円と少額で配信できるものもあるので、媒体によっては少ない予算で運用できます。

施策の内容によっては高額な費用が発生するケースもあるため、必ずしも低コストで済ませられるとは限りませんが、うまく運用できれば、低予算でも高い成果を得ることが可能です。

デメリット

Webマーケティングには以上のようなメリットがある一方で、次のようなデメリットもあります。

・専門的な知識やスキルが求められる
・成果が出るまでに時間がかかる

それぞれ解説していきます。

専門的な知識やスキルが求められる

前述のとおり、Webマーケティングは低予算でも取り組めることから、外部へ委託せずに内製化するパターンもよく見られます。

ただ、むやみに運用しても、期待するほどの成果は得られないため要注意。

費用に見合った効果を得るためには、Webに関する専門的な知識やスキルが不可欠であり、加えて、Webマーケティングの世界はトレンドの移り変わりも早いため、常に情報をアップデートしながら施策を改善し続ける必要があります。

ネットリテラシーが低いと、炎上や情報漏洩といったトラブルのリスクも高まるため、Webに精通した人材が社内にいない場合は、外注も視野に入れたほうがよいかもしれません。

成果が出るまでに時間がかかる

Webマーケティングは、何か行動を起こしたからといって、すぐに成果が出るとは限りません。

たとえば、Webサイトを構築したからといって、すぐにインターネット経由での問い合わせが増えるわけではなく、公開後しばらくは自社サイトを検索結果の上位に表示させるための施策「SEO対策」を地道に続ける必要があります。一般的にSEO対策は、効果が出るまでに最短でも3カ月程度を要するといわれてますが、場合によっては年単位で時間がかかることもあり、こればかりはやってみなければわかりません。

施策によっては即効性の期待できるものもありますが、例に挙げたSEO対策をはじめ、効果が出るまでにそれなりの時間を要する施策も多いため、中長期的な運用を見据えて取り組むようにしましょう。

Webマーケティングの始め方と基本的な流れ

ここからは、Webマーケティングの基本的な手順を紹介していきます。

Step1.目的を設定する
Step2.ゴールを設定する
Step3.ターゲットを明確にする
Step4.カスタマージャーニーを設定する
Step5.KPIを設定する
Step6.施策を検討する
Step7.データの収集・分析を行う
Step8.課題に対して仮説検証を行う

上から順に確認していきましょう。

Step1.目的を設定する

まずは、Webマーケティングの目的を明確にしましょう。

たとえば、ブランド認知を目的とするのか、販売促進を目的とするのかによって、適切な施策が変わってきます。軸が定まっていないと施策全体にブレが生じてしまうため、具体的な施策の立案に入る前に方向性を固めておきましょう。

Step2.ゴールを設定する

次に、ゴールを設定していきます。

ここで重要なのは、具体的な数値目標を立てること。「ブランド認知を高める」「売上を伸ばす」といった漠然とした目標では、達成率を正しく判断できないため、「ブランド認知度を〇%向上させる」「年間売上〇%アップ」など、具体的な数値を含めて実現可能な目標を設定するようにしましょう。

Step3.ターゲットを明確にする

目的とゴールが決まったら、ターゲットを設定します。

訴求対象を明確にすることで、ユーザー視点で物事が考えられるようになり、より効果的な施策を打ち出せるようになるため、年齢や性別だけではなく、職業・居住形態・年収・家族構成なども細かく設定したリアルな人物像(ペルソナ)を設定してみてください。

ただし、憶測や思い込みでペルソナを設定するのは危険です。自分たちにとって都合の良いユーザー像にしてしまうと、現実と乖離してしまう恐れがあるので、MA・SFA・CRMなどに蓄積された既存顧客のデータやアンケート調査もしくはインタビュー調査によって取得したデータなど、実際のデータをもとにペルソナを設定するようにしましょう。

※ペルソナについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>ペルソナとは?意味からマーケティングでの戦略、設定まで解説

Step4.カスタマージャーニーを設定する

ターゲットが明確になったら、カスタマージャーニーを設定します。

ちなみに、カスタマージャーニーとは、顧客が商品・サービスを認知してから最終的なアクションを起こすまでの流れを旅になぞらえた概念のこと。顧客の行動や思考・感情の変化を時系列で可視化した「カスタマージャーニーマップ」を作成することにより、顧客視点で施策を立案できるようになります。

※カスタマージャーニーについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>カスタマージャーニーとは?基本的な作り方をわかりやすく解説

Step5.KPIを設定する

KPIとは「Key Performance Indicator(キー・パフォーマンス・インジケーター)」の頭文字をとった略称で、日本語で「重要業績評価指標」とも呼ばれています。

簡単にいえば、最終目標を達成するための中間目標のことで、ゴールに対する達成度を計測・管理・評価するものです。たとえば、ECサイトの売上を伸ばしたい場合は、訪問者数(PV数、UU数、セッション数など)やコンバージョン率(CVR)、顧客単価などがこれに該当します。

KPIを設定することにより、改善すべきポイントを特定しやすくなるので、施策を展開する前に必ず設計しておきましょう。

※KPIについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>ECサイトのKPIツリー設計~検証ポイントまで解説~

Step6.施策を検討する

KPIを設計できたら、それをもとに具体的な施策を検討していきます。

たとえば、訪問者数は悪くないものの、思うように売上が伸びないECサイトに対して、売上アップを目標に「CVRを〇%改善する」「顧客単価を〇円に引き上げる」というKPIを設定したとしましょう。

この場合、検討しなければならない施策は主に2つあります。

まず1つ目は、CVRを高めるための施策です。たとえば、TOPページを改善したり、導線設計を見直したり、決済手段を増やしたりといった手段が考えられます。

2つ目は、顧客単価を上げるための施策です。ただ値上げする以外にも、クロスセルやアップセルの戦略を立てたり、送料無料の閾値を設定したりと、さまざまな手段が考えられます。

その時々の課題によって適切な施策が変わってくるため、現状の課題を把握したうえで「ゴールを達成するためには何が必要か」をじっくり考えてみましょう。

Step7.データの収集・分析を行う

Webマーケティングは、施策を実行して終わりではありません。成果を高めていくためには、施策実施後もデータを収集し、目標達成に向けて歩みを進められているかどうか、しっかり分析する必要があります。

なお、その際に扱うデータは、大きく分けて2つ。

まず1つ目は、明確な数値で表せる「定量データ」です。アクセス解析ツールや選択式のアンケートなどで取得できる数値データが該当し、これらを用いて行う分析を「定量分析」と呼びます。

2つ目は「定性データ」と呼ばれる、数値化するのが難しい、主に言葉で表現されたデータです。記述式のアンケートもしくはインタビューなどで得られる回答やSNSの口コミなどが該当し、これらのデータを用いて行う分析を「定性分析」と呼びます。

定量分析と定性分析は、それぞれにメリットとデメリットがあり、お互いに補完しあう関係性にあるため、どちらかのみを行うのではなく、双方を組み合わせて分析してみましょう。

Step8.課題に対して仮説検証を行う

データ分析によって施策の効果や課題を明らかにすることができたら、課題に対する仮説を立てたうえで、改善施策を検討していきます。

Webマーケティングの成果を最大化するためには定期的な効果検証と改善が欠かせないため、必要に応じて目標やKPIを見直しながら、根気強く取り組んでみてください。

Webマーケティングの主な集客手法・種類

続いて、Webマーケティングの具体的な手法を紹介していきます。本項では、代表的な集客手法を9つ確認していきましょう。

・SEO対策
・MEO対策
・Web広告
・インバウンドマーケティング
・コンテンツマーケティング
・メールマーケティング
・SNSマーケティング
・インフルエンサーマーケティング
・ウェビナー

1つずつ解説していきます。

SEO対策

SEOとは「Search Engine Optimization(サーチ・エンジン・オプティマイゼーション)」の略称です。日本語では「検索エンジン最適化」とも呼ばれており、その名のとおり、「Google」や「Yahoo!」といった検索エンジンから正当な評価を得られるように、Webサイトを最適化することを指します。

主な目的は、狙ったキーワードで検索結果の上位に表示させて、自然検索(オーガニック検索)からの流入を増やすこと。掲載順位が上がるにつれて、クリック率も高くなる傾向にあるため、インターネット経由で集客したいのであれば、SEO対策への取り組みが欠かせません。

※SEOについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>SEO対策の手法・具体的なやり方を基本から実践まで解説

MEO対策

MEOとは「Map Engine Optimization(マップ・エンジン・オプティマイゼーション)」を略した言葉で、日本語では「マップエンジン最適化」と訳されます。

主に「Google マップ」の検索結果において上位表示させるための施策を指し、実施することで、店舗周辺にいる来店確度の高いユーザーに対して自社の存在をアピールできるようになるため、特に実店舗を運営している企業にとって重要な施策といえるでしょう。

※MEOについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>MEOのアルゴリズム攻略法とは?重要な観点も含めて徹底解説!

なお、MEOは、実施するにあたって、Googleが提供する「Google ビジネス プロフィール(旧称:Google マイビジネス)」というサービスを利用する必要があります。登録方法については、以下の記事で詳しく説明しているので、まだ始めていない方は、ぜひこちらをご覧ください。

※MEO対策のやり方について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>自分でできるMEO対策のやり方!具体的な方法をやさしく解説

Web広告

Web広告もWebマーケティングの代表的な手法といえます。ただ、一口にWeb広告といっても、その種類は多岐にわたり、媒体によって表示形態や料金体系、期待できる効果などが異なるため、それぞれの特徴を比較したうえで、目的に合ったものを選択するようにしましょう。

なお、今回は、主要なWeb広告を7つピックアップして紹介します。

・リスティング広告
・ディスプレイ広告
・リターゲティング広告
・アフィリエイト広告
・記事広告
・SNS広告
・アドネットワーク広告

それぞれの特徴を確認していきましょう。

※Web広告について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>Web広告の種類とは?運用することで期待できる効果・メリットについても解説

リスティング広告

リスティング広告とは、主に検索結果画面の上部または下部に表示されるテキスト型の広告で、「検索連動型広告」や「PPC(Pay Per Click)」とも呼ばれています。

みなさんも「Google」や「Yahoo!」などで何かを検索した際に、「広告」や「AD」と表記されたWebサイトが検索結果の一覧に含まれているのを見たことがあると思いますが、それがリスティング広告です。

ユーザーの検索キーワードに応じて表示される仕組みになっており、すでにその事柄に対して興味・関心を抱いているユーザーに対して広告が表示されるため、高いクリック率が期待できます。

なお、リスティング広告の多くは、ユーザーがクリックしたタイミングで初めて費用が発生する「クリック課金型」の料金体系が採用されているため、クリックされなければ、料金は発生しません。誤クリックなどにより、余計な費用が発生するケースもありますが、比較的広告費の無駄を抑えやすい手法といえるでしょう。

※リスティング広告について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>リスティング広告とは?集客に効果的な広告文を作成する3つのコツ

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリ内に設置された広告枠に表示される広告です。テキスト、画像、動画など、複数の広告フォーマットで掲載できるようになっていますが、比較的バナー形式での表示が多いことから、「バナー広告」とも呼ばれています。

この広告の魅力は、自社の商品・サービスを認知していない潜在層へのアプローチができること。ユーザーが何気なく閲覧しているWebサイトやアプリ上に広告が表示されるため、認知拡大の効果が期待できます。

また、画像や動画を用いることで、テキストだけでは伝わりにくい商材の魅力を分かりやすく伝えられるのも魅力の1つです。ユーザーの目にも留まりやすくなるので、効果的に訴求できるでしょう。

※ディスプレイ広告について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>ディスプレイ広告とは?リスティング広告との違いと出稿するメリット

リターゲティング広告

リターゲティング広告とは、自社サイトへの訪問履歴があるユーザーに絞って配信できる広告のこと。具体的には「Cookie(クッキー)」と呼ばれる仕組みを用いて離脱ユーザーを追跡し、そのユーザーが別のWebサイトなどを閲覧しているタイミングで、訪問先の広告枠に自社広告を表示させる手法を指します。

1度でも来訪したことのあるユーザーは、多少なりとも自社の商品サービスに興味・関心を抱いていると考えられるため、再度アプローチし、自社サイトへ呼び戻すことができれば、コンバージョンへつなげられる可能性が高いです。

SNSや動画コンテンツなど、Webサイトに限らず、さまざまな広告媒体で配信できるので、自社商材と相性の良い媒体を選ぶことで、より高い成果を得ることができるでしょう。

なお、よく似た言葉に「リマーケティング広告」という言葉もありますが、これはメディアによって名称が異なるだけで、基本的な仕組みは変わらないため、基本的にリターゲティング広告と同じものを指していると思って問題ありません。

※リターゲティング広告について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>リターゲティング広告(リマーケティング広告)とは?仕組みやメリットについて解説

アフィリエイト広告

アフィリエイト広告とは、一般的に成果報酬型の広告を指します。

端的に説明すると、アフィリエイターと呼ばれる人たちが運営するメディア(WebサイトやSNSなど)に広告を設置してもらい、そこから自社サイトへの流入を図る手法になりますが、前述のとおり、成果報酬型の課金体系がメインとなるため、広告が設置された時点では費用は発生しません。

資料請求や申し込み、商品購入など、広告主があらかじめ設定した成果地点にユーザーが至った場合にのみ報酬が発生するため、費用対効果の高い広告といえるでしょう。

※アフィリエイト広告について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>アフィリエイト広告とは?運用の流れと成功のポイント、注意点を解説

記事広告

記事広告とは、Webメディアなどに載っている通常の編集記事と同じような体裁で掲載される広告のことで、タイアップ広告とも呼ばれています。

たとえば、ネットニュースやライフスタイルメディアなどで「広告」「PR」「Sponsored」と表記された記事を見かけることがあると思いますが、それが記事広告です。

最大の魅力は、第三者の目線で自社の商品・サービスの魅力を伝えられること。インタビュー形式、対談形式、体験レポート形式、SEO対策形式など、さまざまな形式がありますが、いずれも掲載先のメディアがコンテンツを制作することで第三者の視点が加わるため、客観的で説得力のある訴求が可能になります。

※記事広告について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>記事広告(タイアップ広告)とは?料金相場や出稿するメリットについて解説

SNS広告

SNS広告とは、その名のとおり、Facebook・Twitter・Instagram・TikTok・LINEといったSNSに配信する広告のこと。

ユーザー情報に基づいて細かくターゲティングできるようになっているため、自社の商材とマッチする層にピンポイントで訴求できます。

また、拡散性にも優れており、「シェア」「リツイート」「いいね」といった機能で広告が共有されたり、拡散されたりするケースもあるので、ユーザーの興味を引けるような広告を配信することができれば、より高い成果を上げることができるでしょう。

※SNS広告について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>主要なSNS広告の特徴を徹底比較!効果的な運用方法についても解説

アドネットワーク広告

アドネットワーク広告とは、複数の広告媒体(WebサイトやSNSなど)にまとめて広告を配信できる手法を指します。

本来は、それぞれの広告媒体に個別で広告出稿を依頼する必要がありますが、アドネットワーク広告では、さまざまな広告媒体を1つに集約した広告配信ネットワークを作り、それぞれの媒体に広告を一括配信できるため、媒体ごとに契約する必要がありません。

複数の広告媒体を一元管理することで、予算管理や効果測定もしやすくなるので、効率的かつ効果的な広告運用を実現できるでしょう。

※ アドネットワーク広告について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>アドネットワークとは?広告配信の仕組みをわかりやすく解説

インバウンドマーケティング

インバウンドマーケティングとは、消費者にとって有益な情報を提供し、相手の興味を引きつけることで、自発的な購買へと促す、顧客主導型のマーケティング手法のこと。簡単にいえば、顧客に自社の存在を見つけてもらうための手法となります。

TVCMやDM(ダイレクトメール)、テレマーケティングなど、企業側から積極的に売り込むプッシュ型のマーケティング手法(アウトバウンドマーケティング)は広範囲にアピールできる一方で、受け手の意思に関係なく強制的に情報を押し付けることになるため、相手にネガティブな印象を与える恐れがありますが、インバウンドマーケティングは、買い手自身が行動を起こすため、その心配がありません。押し売り感もないので、比較的ユーザーに受け入れられやすい手法といえるでしょう。

※ インバウンドマーケティングについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>インバウンドマーケティングとは?アウトバウンドマーケティングとの違いについても解説

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングは、1つ前に挙げたインバウンドマーケティングの1種で、消費者にとって価値のあるコンテンツを提供することにより、見込み顧客を獲得・育成し、最終的には利益に結びつく行動へとつなげることを目的とした手法を指します。

成果を上げるためには、質の高いコンテンツを発信しつづけなければならないので、運用するにあたって、継続的にコンテンツを制作・配信できる体制を整える必要がありますが、インターネット上で公開されたコンテンツは企業の資産として半永久的に残り続けますし、ユーザーに役立つ有益な情報を発信し続けることで顧客のファン化も促進できるため、長期的に見て費用対効果の高い施策といえるでしょう。

※コンテンツマーケティングについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>コンテンツマーケティングとは?初心者向けに始め方や「よくある落とし穴」を解説

メールマーケティング

最近は顧客とのコミュニケーション手段にSNSを活用する企業も増えてきていますが、メールの有用性もいまだに健在です。

総務省が公表した「令和3年版情報通信白書」によれば、調査対象となった10~60代の全年代で「メール利用」および「ソーシャルメディア利用」の平均利用時間が多くなっており、平日に限っては「メール利用」の平均利用時間がもっとも長くなっています。

また、行為者率も平均利用時間と同様に、平日は「メール利用」が「ソーシャルメディア利用」を上回っており、これらの結果を踏まえると、SNSが浸透した現代においても、メールマーケティングは有効な手法の1つといえるのでしょうか。

(参照:総務省「令和3年版情報通信白書|コミュニケーション手段としてのインターネット利用時間、行為者率」

※メールマーケティングについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>今こそ始めたい!メールマーケティングとは?メリットや成果の出し方をやさしく解説

SNSマーケティング

前項でメールの有用性についてお伝えしましたが、その中で紹介した「令和3年版情報通信白書」を見てもわかるように、ソーシャルメディアの平均利用時間および行為者率は年々増えているため、事業拡大を図るうえでは、SNSの活用も欠かせません。

その拡散性の高さゆえに「炎上」というリスクがつきまとうため、運用する際には細心の注意を払う必要がありますが、ポジティブな投稿が一気に拡散されて、企業の認知度が飛躍的に高まるケースも珍しくないため、チャンスを広げるためにも積極的に取り組みたい施策といえます。

※SNSマーケティングについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>SNSマーケティングとは?メリットや始め方を成功事例も交えて解説

インフルエンサーマーケティング

SNSマーケティングの手法の1つとされるインフルエンサーマーケティングは、InstagramやYouTubeなど、主にソーシャルメディアで大きな影響力を持つ「インフルエンサー」に商品・サービスの宣伝を依頼し、彼らの発信力を借りて、認知度の向上や購買意欲の促進を狙うマーケティング手法です。

インフルエンサーを起用することにより、特定のターゲット層に対して効率よくアプローチでき、さらに第三者の意見が加わった情報は企業発信の情報よりも説得力が高く、ユーザーに受け入れられやすい傾向にあるため、高い訴求力が期待できます。

インフルエンサーによって発信された情報がファンによって拡散されるケースも多いので、うまくいけば、自社の存在を広くアピールできるでしょう。

※インフルエンサーマーケティングについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>インフルエンサーマーケティングって何?失敗しないコツも解説!

ウェビナー

オンライン形式で実施するセミナー「ウェビナー」もWebマーケティングの代表的な手法の1つ。

対面ではなく、インターネット上で配信することにより、主催者はコストを削減しながら、全国規模または世界規模で参加者を募集できるようになり、参加者は時間や場所の制約を受けることなく、気軽に参加することができます。

対面に比べて参加者の温度感を掴みづらいといったデメリットもありますが、双方にとってメリットの大きい手法といえるので、状況に応じて、対面とオンラインを使い分けてみてはいかがでしょうか。

※ウェビナーについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>今さら聞けない「ウェビナー」とは?成功させるコツやおすすめの配信ツールを紹介!

集客後の対応も重要!Webマーケティングの成約率改善施策

ここまで、代表的な集客手法・種類を紹介してきましたが、Webマーケティングにおいて大切なのは集客だけではありません。成果を上げるためには、Webサイトに訪れたユーザーを成約に導くための施策も非常に重要になります。

そこで本項では、集客施策とともに取り入れたいWebマーケティングの成約率改善施策を3つ紹介します。

・CRO(コンバージョン率最適化)
・LPO(ランディングページ最適化)
・EFO(入力フォーム最適化)

それぞれ簡単に確認しておきましょう。

CRO(コンバージョン率最適化)

CROとは「Conversion Rate Optimization(コンバージョン・レート・オプティマイゼーション)」の略称です。WebサイトのCVRを高めることを目的とした施策で、日本語では「コンバージョン率最適化」と訳されます。

その内容は多岐にわたりますが、この後に紹介する「LPO(ランディングページ最適化)」や「EFO(入力フォーム最適化)」などがその1つ。

せっかく集客に成功しても、Webサイトに何かしらの問題があれば、CV(コンバージョン)に至る前に離脱されてしまうため、CROはWebサイトの収益を最大化するうえで欠かせない施策といえるでしょう。

※CROについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>CRO(コンバージョン率最適化)とは?対策方法やCVR・LPO・EFOとの違いを解説

LPO(ランディングページ最適化)

LPOは「Landing Page Optimization(ランディングページ・オプティマイゼーション)」の略で、「ランディングページ最適化」とも呼ばれています。

主な目的は、LP(ランディングページ)のCVRを改善すること。ファーストビューを見直したり、ページの読み込み速度を上げたり、CTAボタンの配置やデザインを変更したりして、Web広告などからLPに誘導したユーザーを途中で離脱させることなく、資料請求や申し込み、商品購入といったゴールまで到達させられるよう、ページ全体を改善していきます。

※LPOについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>LPOとは?具体的な対策方法とおすすめツール3選

EFO(入力フォーム最適化)

EFOとは「Entry Form Optimization(エントリー・フォーム・オプティマイゼーション)」を略した言葉で、日本語では「入力フォーム最適化」と訳されます。

1つ前に挙げたLPOはページ全体の最適化を図るのに対し、EFOが改善の対象としているのは申し込みフォームやお問い合わせフォームといったエントリーフォームのみ。フォーム内の離脱ポイントを特定し、入力完了率を高めるためのさまざまな施策を行います。

※EFOについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>EFOとは?離脱率を下げるためのポイントとおすすめツール5選

Webマーケティング戦略における代表的なフレームワーク4選

このように、Webマーケティングにはさまざまな手法がありますが、手当たり次第に試しても、期待するほどの成果は得られません。着実に成果を上げていくためには、事前にしっかりと戦略を立てる必要があります。

その際に役立つのが、以下のフレームワークです。

①3C分析
②4P分析
③4C分析
④カスタマージャーニー分析

これらを活用することにより、要点を明確にしながら効率よく戦略を立てられるようになるので、ぜひ試してみてください。

※フレームワークついて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>Webマーケティング戦略はどう立てる?大切な考え方やフレームワークを解説!

①3C分析

3C分析は、自社を取り巻く環境を把握するためのフレームワークです。以下3つの観点から分析を行い、市場の動きや自社の競合優位性などを探ることで、事業の成功要因を導き出します。

  • Customer(顧客)
  • Competitor(競合)
  • Company(自社)

外部要因である「Customer(顧客)」と「Competitor(競合)」、そして内部要因である「Company(自社)」を照らし合わせて現状を客観的に把握し、そこから事業の成功要因を探れるようになるので、効果的な戦略を効率よく打ち出すことができます。

※3C分析について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>【わかりやすく解説】3C分析とは?やり方や例、SWOT分析との違いまで

②4P分析

4P分析は、以下4つの要素を分析し、売り手側の視点で戦略を考えるためのフレームワークです。

  • Product(製品)
  • Price(価格)
  • Place(流通)
  • Promotion(販促)

わかりやすく説明すると、「何を」「いくらで」「どこで」「どのように販売するか」を、企業目線で検討するためのもので、これを活用することにより、施策の有効性や潜在的なリスクなどを漏れなく慎重に検討することができます。

③4C分析

4P分析は売り手側の視点で分析するのに対し、4C分析は買い手側の視点で以下4つの要素を分析する手法になります。

  • Customer Value(顧客価値)
  • Cost(経費)
  • Communication(コミュニケーション)
  • Convenience(利便性)

4P分析の構成要素を買い手側の視点から捉えたもので、4P分析と併用することにより、売り手側と買い側手、双方の視点から自社商品・サービスを深く分析できるようになり、整合性のとれた戦略を考案できるようになります。

※4P分析、4C分析について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>マーケティングミックスとは?4P、4C分析と活用事例

④カスタマージャーニー分析

カスタマージャーニー分析とは、顧客の購買プロセスを可視化し、顧客の行動やその裏に隠れた思考や感情を分析する手法のこと。

以下の表のように、消費者が商品・サービスを認知してから購買決定に至るまでのプロセスをいくつかの段階に分解し(横軸)、想定される行動や思考・感情などを洗い出すことで(縦軸)、顧客視点に立って戦略を考えられるようになります。

認知 情報収集 比較・検討 購入
タッチポイント
行動
思考・感情
課題
施策

全体を俯瞰して見ることで、現状の課題も浮き彫りになるので、緊急度の高い施策から優先的に取り組めるようになるでしょう。

※カスタマージャーニー分析について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>カスタマージャーニーとは?基本的な作り方をわかりやすく解説

実務で活用したい!Webマーケティングに役立つツール

Webマーケティングは、以下のようなツールを活用することで、業務効率を大幅に上げることができます。

・MA(マーケティングオートメーション)
・CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)
・アクセス解析ツール・ヒートマップツール
・ABテストツール

それぞれの特徴を確認していきましょう。

※マーケティングツールについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>マーケティングツールとは?種類や選び方、運用方法までやさしく解説

MA(マーケティングオートメーション)

MA(Marketing Automation=マーケティングオートメーション)とは、マーケティング活動全般を自動化、効率化するための仕組み、またはそれらを実現するためのツールの総称です。

マーケティング部門では、見込み顧客の獲得(リードジェネレーション)から育成(リードナーチャリング)、絞り込み(リードクオリフィケーション)まで、営業部門に引き渡すまでにさまざまな業務をこなす必要がありますが、MAツールにはこれらを支援するための機能が豊富に備わっているため、人的リソースを削減しながら、業務の効率化を果たすことができます。

顧客ニーズが多様化している現代においては、画一的なアプローチだけでは通用しなくなりつつありますが、MAツールでは、パーソナライズされた情報発信も可能になるため、顧客との信頼関係構築にも役立てられるでしょう。

※MAについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>マーケティングオートメーション(MA)ツールとは?目的別に機能を比較!

CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)

CMS(Contents Management System=コンテンツ・マネジメント・システム)とは、一言でまとめると、Webサイトを簡単に構築・管理・運用できるシステムのこと。

CMSが誕生する前は、HTMLやCSSといったプログラミングの知識が必要不可欠でしたが、CMSを導入すれば、これらの知識を持たなくとも簡単にWebサイトを開設することができます。

SEO対策をはじめ、Webサイトの効果を最大化させるためには、定期的な更新や改善が欠かせませんが、CMSを導入すれば、エンジニアに限らず、だれでも手軽に編集できるようになるので、必要な対策を素早く実施することができるでしょう。

※CMSについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>CMSの種類~導入に役立つサービスの比較やおすすめの紹介~

アクセス解析ツール

アクセス解析ツールとは、Webサイトに訪れたユーザーの行動データを分析するためのツールのことで、代表的なツールとしては「Google Analytics」などが挙げられます。

取得できるデータは製品によって異なりますが、これらのツールを導入することで、Webサイトのアクセス数やユーザーの属性、流入経路、各ページの閲覧数や滞在時間などが明らかになり、訪問ユーザーの傾向や自社サイトの欠点などが特定できるようになるため、Webマーケティングを行ううえで、必須のツールといっても過言ではありません。

ヒートマップツール

ヒートマップツールとは、Webページ内でのユーザーの動きを色の濃淡で表現し、視覚的に把握しやすくするためのツールです。

アクセス解析ツールでは、ページ内でのユーザーの細かな動きまでは把握しきれませんが、ヒートマップツールを導入することにより、各ページの熟読エリアや離脱ポイント、クリック位置などが可視化されるため、ユーザーがとった行動をページ単位で細かく把握することができます。

現状の課題をより具体的に知ることができるので、効率よく改善を進めていけるでしょう。

※ヒートマップツールについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>日本語で利用可!使いやすいと評判のヒートマップツール比較7選

ABテストツール

ABテストとは、構成要素を一部変更したWebサイトやWeb広告などを2パターン用意し、それぞれの反応の違いをチェックすることで、どちらがより高い成果を出せるかを検証するテストのこと。

たとえば、Webサイトの場合、掲載されている文章や画像、ボタンの位置などによって、得られる成果が変わってくるため、設計する際には、あらゆる選択肢の中からベストなものを選び出す必要がありますが、百発百中で最適解を導き出すのはそう簡単なことではありません。

そこで、実施したいのがABテストです。Webサイトを構成する各要素を1つずつテストすることにより、実際の反応を見ながら適切なパターンを選択できるようになるため、最短ルートで「勝ちパターン」を掴むことができます。

専用のツールを活用することで手軽に実施することができるので、ABテストを検討している方は、ぜひツールの導入も検討してみてください。

※ABテストについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>ABテストとは?やり方、有意差、母数などWebサイト運用に役立つ知識

Webマーケティングを成功へ導くための3つのポイント

それでは、実際にWebマーケティングを行う場合、担当者は何を意識すべきなのでしょうか。

本項では、Webマーケティングを成功させるためのポイントを3つ紹介します。

①無謀な目標を立てない
②長期的な視点を持つ
③PDCAを回し続ける

1つずつ見ていきましょう。

①無謀な目標を立てない

Webマーケティングを実施するにあたって、まず避けなければならないのが無謀な目標設定です。

挑戦的な目標を掲げることも大切かもしれませんが、達成困難な目標を設定してしまうと「戦略をうまく立てられず、何も成果を得られないままに終わってしまった……」なんてことにもなりかねません。

たとえそれが理想的なゴールだとしても、達成できなければ意味がないため、実現可能な目標を段階的に設定し、着実に成果を積み重ねていくようにしましょう。

②長期的な視点を持つ

繰り返しになりますが、Webマーケティングは施策を実行してすぐに効果が出るとは限りません。

Web広告など、中には即効性の期待できるものもありますが、基本的にはどれも地道にコツコツとデータを積み上げ、分析し、改善し続けることが1番の近道となるため、短期的な成果を求めて一喜一憂するのではなく、長期的な視点をもって取り組むようにしましょう。

③PDCAを回し続ける

Webマーケティングを成功させるうえで、何よりも重要なことは、PDCAを回し続けることです。

何の気なしに実行した施策がたまたまうまくいくケースもあるかもしれませんが、やみくもに新たな施策を試すだけでは、無駄が生まれやすく効率的とはいえないため、必ず仮説検証を繰り返し、必要に応じて戦略を修正しながら、目標の達成を目指していきましょう。

※PDCAについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>PDCAサイクルとは?古いといわれる理由・代わるものまで紹介

未経験からWebマーケターになるには?

ここまで、Webマーケティング初心者の方に向けて、担当者として最低限押さえておくべき知識をお伝えしてきましたが、実務経験のない人がWebマーケターとしてのキャリアをスタートさせたい場合、その道を目指すことは可能なのでしょうか。

結論からお伝えすると、未経験からでもWebマーケターになることは可能です。

ただし、前半の「Webマーケティングに取り組むメリット・デメリット」でもお伝えしたように、Webマーケティングで成果を出すためには、専門的な知識やスキルが欠かせないため、何も知らない状態でいきなり実務に取り掛かるのはあまり現実的とはいえません。

また、他業種からの転職を考えている場合、応募者の中に経験者がいればそちらを優遇される可能性が高いため、アピールできるような武器が何もないと、転職へのハードルが高くなってしまうでしょう。

そのため、未経験からWebマーケターになりたいと考えている場合は、まず、Webマーケティングに関する知識やスキルを身につけることから始めてみてください。たとえば、スクールに通ったり、オンライン講座を受講したり、個人ブログを運営して実戦経験を積んだり。

学ぶ姿勢さえあれば、未経験からでも十分に活躍できる可能性があるので、実務経験がないからといって諦めることなく、できることから始めて、Webマーケターとして活動する際にアピールできるような経験を積んでみてください。

Webマーケティングに活かせる資格5選

最後に、Webマーケティングに活かせる資格を5つ紹介します。

①Web検定
②ウェブ解析士
③ネットマーケティング検定
④マーケティング・ビジネス実務検定
⑤IMA(Internet Marketing Analyst)検定

資格がなくてもWebマーケターとして働けるので、必ずしも取得する必要はありませんが、資格を取得する過程で身につけた知識は実務にも活かせますし、転職の際のアピールポイントにもなるので、気になるものがあれば、ぜひ挑戦してみてください。

※マーケティング系の資格について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>おすすめのWebマーケティング系資格とは?検定の難易度も分析!

①Web検定

「株式会社ボーンデジタル」が運営する「Web検定」は以下4つの認定資格で構成されており、担当業務や目指すキャリアに応じて受験資格を選べるようになっています。

  • Webアソシエイト(試験名:Webリテラシー試験)
  • Webデザイナー(試験名:Webデザイン試験)
  • Webディレクター(試験名:Webディレクション試験)
  • Webプロデューサー(試験名:Webプロデュース試験)

「Webデザイン試験」「Webディレクション試験」「Webプロデュース試験」の3つは専門性の高い分野となるため、Webマーケティング初心者の方はまず、Webに携わるうえで押さえておくべき必須知識をまとめた「Webリテラシー試験」に挑戦してみてはいかがでしょうか。

公式サイト:Web検定

※Web検定について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>Web検定(ウェブ検定)で力をつける!その仕組みや難易度とは

②ウェブ解析士

「ウェブ解析士」は、Webマーケティングに必要な知識やスキルを幅広く習得できる資格です。

「一般社団法人 ウェブ解析士協会(WACA)」が運営するもので、Webマーケティングにおいて必須とされるWeb解析の知識やスキルを身につけ、実務においてWebデータを正確に活用できる人材になることを目的としています。

「ウェブ解析士」「上級ウェブ解析士」「ウェブ解析士マスター」と3つのレベルがあり、段階的にステップアップできるようになっているので、まずはWeb解析やマーケティングの知識習得を目指す「ウェブ解析士」からスタートし、さらなるスキルアップを目指したい場合は上位資格にも挑戦してみてください。

公式サイト:一般社団法人ウェブ解析士協会

※ウェブ解析士について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>ウェブ解析士ってどんな資格?試験の難易度から勉強時間、合格率まで解説!

③ネットマーケティング検定

「株式会社サーティファイ」が主催する民間の検定試験「ネットマーケティング検定」では、試験の学習を通じて、Webマーケターとして実務に携わるうえで必要不可欠なWebマーケティングの基本知識を網羅的に学ぶことができます。

2021年度の平均合格率は73.1%と受験者の半数以上が合格していることから、比較的難易度の易しい試験といえるため、Webマーケティング初心者にとって挑戦しやすい試験といえるかもしれません。

平均学習時間(初学者が合格ラインに達するまでの目安)15時間と短期間で合格を目指せる内容になっているので、Webマーケティングに関する知識を基礎から学びたい方は、ぜひ挑んでみてはいかがでしょうか。

公式サイト:ネットマーケティング検定

※ネットマーケティング検定について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>ネットマーケティング検定について解説!過去問や難易度、最適な勉強方法とは?

④マーケティング・ビジネス実務検定

「国際実務マーケティング協会」が運営する「マーケティング・ビジネス実務検定」の特徴は、業種・業界を問わず、どこでも通用するマーケティング知識を身につけられること。

実務知識や時事情報、実務時例など、実践に役立つ知識を幅広く身につけられるため、Webマーケティングに限らず、マーケティング全般の知識を習得したい人に向いている資格検定試験といえるでしょう。

なお、マーケティング・ビジネス実務検定は、A級・B級・C級と3つのレベルに分けられており、基礎レベルのC級から応用レベルのB級、そしてマーケティング・戦略レベルのA級と1つずつステップアップすることで、実践的な知識を着実に習得できるようになっています。

A級の合格者は「IMSSA認定マーケティング実務士」の認定を受けられるので、マーケターとして本格的に活動したい方は、本資格の取得を狙ってみてはいかがでしょうか。

公式サイト:マーケティング・ビジネス実務検定

※マーケティング・ビジネス実務検定について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>マーケティング・ビジネス実務検定について解説!難易度は?マーケティング検定との違いは?

⑤IMA(Internet Marketing Analyst)検定

「IMA(Internet Marketing Analyst)検定」は、「一般社団法人IMA研究所」が立ち上げた資格制度です。

リスティング広告およびサイト分析の運用プロセスといったWebマーケティングの実践的な基礎を学ぶ「Standardコース」と、そこで習得したスキルをベースに応用的なスキルを習得できる「Professionalコース」の2種類が用意されており、受講から試験までをすべてオンラインで完結できるようになっています。

最大の特徴は、Webマーケティング全般の知識やスキルを実務に近い形で習得できること。実践的なWebマーケティングスキルの習得を目的としていることから、暗記不要の試験制度でその習熟度を問われるため、現場に活かせる知識やスキルを効率よく身につけることができます。

公式サイト:IMA(Internet Marketing Analyst)検定

※IMA検定について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>IMA(Internet Marketing Analyst)検定とは?気になる特徴や難易度について解説

Webマーケティングの基礎を押さえて事業拡大を目指そう

いまやWebマーケティングは、あらゆるビジネスにおいて欠かせない取り組みといっても過言ではありません。インターネットによる情報収集が主流となった現代において、ビジネスを拡大するためにはWebの活用が不可欠であり、オフラインに固執していては大きな機会損失を生み出してしまう恐れがあるため、積極的にWeb施策を取り入れていきましょう。

ただし、手当たり次第に取り組むのはNGです。専門的な知識とスキルを要するうえにトレンドの移り変わりも早いため、基本的な知識を身につけたうえで、社会の変化に対して常にアンテナを張り、最先端のWeb知識も仕入れながら、その時々に応じて適切な施策を考案し、戦略的な運用を意識してみてください。

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この記事を書いた人

ながた
編集プロダクションで旅行ガイドブックの取材・制作に携わった後、Webライターの道へ。お酒と激辛料理をこよなく愛するインドア派。シーズン中はもっぱら野球観戦。

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