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将棋教室の集客方法を紹介!局面を大きく変えるマーケティング戦略

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習いごとやカルチャー教室など、趣味や教養を身につけるための教室は、老若男女問わず「関心にもとづく交流の場」として長年親しまれています。とくに近年では、藤井聡太氏の躍進などを背景に「将棋教室」への関心が高まっているようです。

一方で現在では、新型コロナウイルス感染症拡大を契機とするオンライン教室の普及などもあり、「地域住民が交流するかたちの教室」とは異なるニーズも生まれています。

生徒を集め経営を安定させるうえでは、将棋教室においてもマーケティングの視点が重要です。この記事では、将棋教室の運営において大切な集客の考え方や、具体的な施策について解説していきます。

将棋教室の運営に「集客」の視点が必要な理由

将棋教室は他のカルチャー教室などと同様に、「興味をもった人が自発的に集まる場所」という側面が強く見られます。それゆえに、「特別な集客施策は必要ない」と考える向きもあるでしょう。

しかし、社会環境がさまざまに移り変わるなか、時宜にかなった集客施策が教室運営を大きく好転させるケースも考えられます。以下では具体的に、将棋教室を取り巻く環境的な変化をふまえ、集客施策の重要性について考察していきます。

オンライン教室への需要の高まり

上述のように、現在では新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、教育機関や学習塾などを中心にオンライン上で講座を提供する例が増えています。新型コロナウイルスが5類感染症に位置づけられてからも、「交通費や移動時間がかからない」といったメリットから、オンライン教室に対するニーズは続いているといえるでしょう。

将棋においても、オンライン上で指導を実施している教室が多く見られるようになりました。このように、「場所を問わずサービスを展開する教室」が増えていることは、これまで近隣住民を主な対象としてきた教室の運営にも影響を及ぼす可能性があります。

つまり地域密着型の教室であっても、「近くに住むターゲットがオンラインサービスを選択する可能性」が生じるため、他地域の教室と競合するケースが増えると考えられます。競争のなか生徒数を確保するうえで、集客に向けた対策は欠かせません。

将棋に対する子育て層の関心の高まり

近年では藤井聡太氏の活躍などを背景に、子どもをもつ世帯を中心に将棋関連商品のニーズが高まっています。たとえば2016年、藤井氏が史上最年少でのプロ入りを果たし、公式戦の連勝記録を積み重ねていった時期には、藤井氏が幼少期に遊んでいた知育玩具が注目され、入手困難に陥るなどの現象も見られました。

参照:産経ニュース「【トレンド日本】将棋の藤井聡太四段という天才を育んだ秘密は幼少期のこの玩具にあり?」

さらに、同時期には将棋教室に通う子どもの増加がさまざまなメディアで報じられ、また2023年に藤井氏が八冠を達成した際にも、生徒数が飛躍的に増加した将棋教室などが取り上げられています。

参照:産経ニュース「藤井四段、若手棋士映画で高まる将棋熱 教室で子供増加、「理性」鍛える効果も

参照:名古屋テレビ【メ~テレ】「子ども将棋教室、生徒数20倍以上に増加 藤井聡太八冠に憧れる生徒「八冠をとりたい」」

ここから、将棋という競技が注目されることで、将棋を通じて培われる思考力や集中力など、「将棋が子どもに与える好影響」に関心を寄せる子育て世代も増えていると考えられます。高まるニーズに対して適切にアプローチしていくうえでは、現状分析やターゲティングにもとづく集客施策が求められるでしょう。

シニア世代のインターネット利用率の上昇

現在ではシニア世代のインターネット利用率が上昇していることから、ターゲットの年齢層にかかわらず、「Webを通じた集客」の重要性が高まっています。

たとえば総務省が2023年に発表した「通信利用動向調査」によれば、インターネットの普及率は60代で85%以上に上り、70代においても65%以上と高い水準にあります。

参照:総務省情報通信データベース「統計調査データ:通信利用動向調査:報道発表資料(令和4年調査)」

つまり近隣に済むシニア世代を主なターゲットとする場合であっても、「ターゲットがWeb上で情報を収集する可能性」を考慮した対策が求められるでしょう。自治体施設の掲示板などにおける告知だけではなく、Web上での集客施策が必須になっているのです。

将棋教室の集客に欠かせない考え方

業界や業種を問わず、集客施策を展開する際には「現状分析」と「ターゲティング」が大切です。今の状況を整理し、「誰に対して、どのような方法でアプローチしていくか」を明確にすることで、集客の方針が定められるでしょう。

以下では将棋教室の運営において、現状分析やターゲティングを実施する際のポイントを解説していきます。

客観的な視点からの現状分析

現状分析においては、人口や地理的な要因などをめぐる「大局的な情報」と、競合との関係や自身の経営状況などに関する「ミクロな情報」を整理していくことが求められます。

たとえば将棋教室の場合、地域における人口の推移や年齢構成の変化、さらには将棋の競技人口の推移といった大局的なデータをしっかりとチェックしておきたいところです。

さらに、自身の教室の現状を見直し、今後の運営における課題を客観的に見定める必要があります。「生徒がシニア世代に集中している」などの雑感に留まるのではなく、「70代以上が40%以上、60代が20%……」と数値化することで、「地域全体と比べて自身の教室がどのような状態にあるか」が見通しやすくなるでしょう。

また、近隣エリアの将棋教室についても状況を把握しておくと、マーケティングの方針が立てやすくなります。競合がどのような層をターゲットとしているか、どのようなアプローチをしているかをチェックし、差別化の必要性や方法について検証しておきましょう。

ターゲティング

現状分析をふまえ、「誰に対して訴求するのが効果的か」という点を検討していきます。ターゲット設定においては、具体的な人物像としての「ペルソナ」を描き出すなど、なるべく対象のイメージを明確化しておくことが大切です。

たとえば同じ「子どもをもつ親」をターゲットにする場合でも、プロの棋士を目指している家庭と、知育の効果に期待している家庭とではアプローチの方法も異なります。上記の分析を通じて得られたデータを考慮しながら、「教育意識が高く、習いごとを通じて子どもの考える力を育てたいと考えている夫婦」など、ターゲットのイメージを具体化していきましょう。

その他、趣味として将棋を指したいと考えている人のなかにも、「交流の場がほしい」「集中力を鍛えたい」「将棋の中継を見てわかるようになりたい」などさまざまなニーズがあるはずです。自身の教室の特性や、周辺環境などを鑑みながら、「どんな人がこの教室に通いたいと思うか」を掘り下げていくとよいでしょう。

なお、ターゲティングについての基本的な考え方や、具体的な設定方法については、以下の記事で解説しております。あわせてご参照ください。

>>>ターゲット設定とは?中小企業こそ取り組むべき理由と決め方を解説

アプローチ方法の検討

次に、具体的なターゲットを想定しながら、「何をどのように訴求するのか」という点を検討していきましょう。たとえば「将棋を通じて交流の場を作りたい」と考えている人に対して「将棋の歴史」や「高レベルな講師陣」について強く訴求したとしても、当人には魅力として映らない可能性があります。

訴求ポイントを見定めるには、「ターゲットが将棋教室に何を求めているのか」というニーズをしっかり把握することが大切です。ニーズを理解することにより、訴求すべき事柄も明確になり、それを伝えるための方法も見通しやすくなるでしょう。

訴求方法にはWebサイトやSNS、Web広告やダイレクトメールなど、オンライン・オフラインを問わずさまざまな選択肢が考えられます。たとえば交流の場を求める人に対して親近感を与えたい場合には、SNSを通じて教室の日常的な風景を発信していくなど、目的に応じて手段を選択することが求められます。

将棋教室を運営する際に有効な集客方法

従来、地域密着型の将棋教室における集客方法としては、地方自治体施設の掲示板や近隣の商業施設におけるビラの配布など、主に「近隣住民の目に留まる場所」に教室の情報を掲げる方法が採用される傾向にありました。

一方で現在では、近隣住民をメインターゲットとする場合にも、Webを通じたアプローチが有効に機能するケースが見られます。以下では、将棋教室の集客において効果的なアプローチ方法について解説します。

Webサイトの見直し

Webサイトを構築する際には、メインターゲットとなる層に訴求できるよう、レイアウトやデザイン、導線を工夫していく必要があります。たとえば子ども向けの将棋教室であれば、小学生が将棋をしている場面をキービジュアルに採用したり、コンテンツとして将棋の知育効果を伝えるページを作成したりといった方法が考えられるでしょう。

さらに、料金プランやスケジュール、問い合わせ先などの形式的な部分についても、情報を整理して提示することが求められます。「よくある質問」のページを用意するなど、見る側の疑問点を先回りして解消するような工夫が大切です。

その他、教室のコンセプトとして「どのような人に適しているか」や「実際にどのような人が利用しているか」といった点を明確に打ち出すことで、将棋教室に通いたいと考えている人の「場違いになるのではないか」といった不安をなくしていくことも重要でしょう。

>>>集客に強いホームページとは?制作方法や効果検証についても解説

SEO対策

Webサイトを作る際には、SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)の観点も重要です。特定のキーワードによる検索に対して上位に表示されれば、それだけターゲットの目に留まる機会も増えていきます。

SEOにはさまざまな対策が考えられますが、どのような場合にも大切なのは「ターゲットが何を求めているのか」を理解し、ニーズに対して的確な内容をWebサイトに掲載していくことです。

具体的には、まず「どのようなキーワードで上位表示を目指すのか」を見定めていく必要があるでしょう。自身の教室の特性を考慮しながら、「将棋教室 初心者向け」など、ターゲットが検索すると想定される言葉を選定していきます。

そのうえで、競合となるページを参考にしつつ、「その言葉で調べている人はどんな情報を求めているのか」を把握し、掲載すべきコンテンツの選定へとつなげていきましょう。

さらに具体的なSEOの対策方法については、以下のページで詳述しておりますので、あわせてご参照ください。

>>>SEO対策の手法・具体的なやり方を基本から実践まで解説

MEO対策

将棋教室に通いたいと考えている人は、自宅や職場の周辺など「地理的な要素」から都合のよい教室を探すケースが多いと考えられます。

その際には、Web検索において「地名 将棋教室」といったキーワードの組み合わせで検索することが想定されます。このような検索に対して上位に表示されることで、確度の高いターゲットから認知を得られる可能性が高まるでしょう。

このように、「位置情報に紐づいた検索」に対して上位表示を目指すための対策を「MEO(Map Engine Optimization:マップエンジン最適化)」と呼びます。

たとえばGoogle上で「将棋教室」と検索するだけでも、検索したユーザーの位置情報をもとに近隣の教室情報が表示されますので、「将棋に関心のある近隣住民」に自身の教室情報を見つけてもらううえでMEOの考え方は欠かせません。

MEOの対策として、必須となるのが「Google ビジネス プロフィール(旧称: Google マイビジネス)」への登録です。これにより、自身の教室情報をGoogleマップ上に掲載でき、位置情報に紐づいた検索結果にも反映されるようになります。

その他、ビジネスプロフィールへの具体的な登録方法や、掲載すべき情報など、さらに詳しいMEO対策の方法については以下の記事で解説しております。

>>>MEOのアルゴリズム攻略法とは?重要な観点も含めて徹底解説!

Web広告への出稿

従来、マスメディアへの広告出稿は大きな予算を要することから、「広告出稿=大企業による施策」といったイメージが強かったといえます。一方で現在では、Web媒体において多様な広告プラットフォームが展開されており、スモールビジネスであっても予算に合わせて広告を出稿しやすい環境にあります。

とくに将棋教室のように特定の関心領域をめぐるビジネスの場合には、出稿時のターゲティング設定を限定しやすい傾向にあるため、効率的に「興味のある人だけに情報を届ける」ことも難しくないでしょう。

さらにエリア面でも配信先を限定することで、「将棋に興味のある近隣住民」に対してピンポイントにアプローチをかけることも可能です。このように、ビジネスの規模に応じて、費用対効果の高い広告施策を打ち出せるのがWeb広告のメリットだといえます。

その他、Web広告のターゲティング設定によっては「潜在的なニーズ」を発掘できる可能性もあるでしょう。たとえばYouTubeで教育系コンテンツを再生しているユーザーに、広告として将棋の知育効果を伝える動画を届けることで、「もともと将棋には関心がないけれども、子どもの知育には強く取り組んでいる子育て層」などに訴求できると考えられます。

なお、Web広告の種類や、それぞれの特徴については、以下の記事でまとめております。こちらもぜひご一読ください。

>>>Web広告の種類とは?運用することで期待できる効果・メリットについても解説

SNSを通じた情報発信

ターゲット層によっては、SNSを使って認知拡大を図る方法も有効といえます。とくにオンライン教室を展開している場合など、ターゲットがその教室の雰囲気を掴みにくいケースでは、日常的な投稿によって親近感を抱いてもらう取り組みも有意義でしょう。

ビジネスアカウントの活用方法はさまざまですが、日々の教室風景を投稿したり、体験教室などのイベント情報を発信したりといった使い方が一般に考えられます。

さらに、定期的に将棋に関連するコンテンツを提供していくことも効果的です。スタンダードな施策としては、YouTube上で棋譜解説を行ったり、X(旧Twitter)などで対局の見どころを説明したりといった内容が考えられるでしょう。たとえば日本将棋連盟の公式Xアカウント(URL:https://x.com/shogi_jsa?s=20)では、毎日「詰め将棋」の問題を投稿しています。

なお、SNSを通じたマーケティングの基本や、プラットフォームごとの特徴などについて、以下の記事で事例を交えながら解説しています。あわせてご参照ください。

>>>SNSマーケティングとは?メリットや始め方を成功事例も交えて解説

ポータルサイトへの登録

将棋教室を探している人にアプローチするうえでは、各地の教室情報を取りまとめたポータルサイトへの登録が有効です。企業などが運営する将棋教室の検索サイトや、地域のさまざまな教室情報を提供しているサイトなどに登録することで、ターゲットの目に触れる機会を増やせるでしょう。

また、日本将棋連盟公認の指導員であれば、日本将棋連盟のWebサイト上で「教室一覧」(URL:https://www.shogi.or.jp/school/)のページに教室情報を掲載できます。信頼性を高めるうえでも、ぜひ登録しておきたいところです。

その他、同サイトの「イベント」(URL:https://www.shogi.or.jp/event/)ページには、申請により将棋関連のイベントを掲載できますので、積極的に情報を発信していきましょう。

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この記事を書いた人

鹿嶋 祥馬
大学で経済学と哲学を専攻し、高校の公民科講師を経てWEB業界へ。CMSのライティングを300件ほど手掛けたのち、第一子が生まれる直前にフリーへ転身。赤子を背負いながらのライティングに挑む。

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