最先端のWebマーケティングを発信するメディア

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Web広告の種類とは?運用することで期待できる効果・メリットについても解説

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インターネットが広く浸透した現代において、Web広告は企業の発信力を高めるうえで欠かせない施策の1つといっても過言ではありません。

ただ、一口にWeb広告といってもさまざまな種類があるため、広告運用を始めて間もない企業やこれから運用したいと考えている企業の中には、「自社に合ったWeb広告がわからない」「どれを選べばいいの?」と頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか。

そんな方に向けて、今回はWeb広告の主な種類とその特徴について解説していきます。Web広告を出稿することで期待できる効果・メリットや懸念すべき注意点、効果的に運用するためのポイントについても確認していきましょう。

Web広告とは

Web広告とは、インターネット上で展開される広告の総称です。

似た言葉に「インターネット広告」「オンライン広告」「デジタル広告」といった言葉もありますが、いずれも呼び名が異なるだけでほとんど意味は変わりません。インターネットを介した広告全般を指す用語として用いられており、たとえば「Google」や「Yahoo!」の検索結果に表示される広告やニュースサイトやライフスタイルメディアといったWebメディアの広告枠に掲載される広告、SNSのタイムラインに流れてくる広告など、インターネット上で配信されるあらゆる広告がこれに該当します。

Web広告の主な課金方式

Web広告にはさまざまな課金方式があり、代表的なものとしては次の8つが挙げられます。

・クリック課金型(CPC)
・インプレッション課金型(CPM)
・インプレッション保証型
・エンゲージメント課金型(CPE)
・掲載期間保証型(CPD)
・視聴課金型(CPV、CPCV)
・配信数課金型
・成果報酬型(PPA)

それぞれ料金の発生するタイミングが異なるので、1つずつ確認していきましょう。

クリック課金型(CPC)

クリック課金型(CPC=Cost Per Click)とは、クリック数に応じて料金が加算される方式です。広告が表示された時点ではまだ費用は発生せず、広告がクリックされたタイミングではじめて課金されるため、比較的広告費の無駄を抑えやすい課金方式といえます。

インプレッション課金型(CPM)

インプレッション課金型(CPM=Cost Per Mille)とは、表示回数に応じて費用が発生する課金方式のことで、通常は広告が1,000回表示されるごとに料金が加算される仕組みになっています。

クリック課金型に比べて広告費が安定しやすく、クリック率が高くなればなるほど、1クリックあたりの広告費が割安になるため、運用次第では少ない費用で高い成果を得られるでしょう。

インプレッション保証型

インプレッション保証型とは、契約時に設定した表示回数を達成するまで掲載が保証されるもので、「ページビュー保証型」や「PV保証型」とも呼ばれています。契約期間中に広告の表示回数が一定数に満たない場合は、掲載期間を延長するのが一般的です。

エンゲージメント課金型

エンゲージメント課金型(CPE=Cost Per Engagement)とは、主にSNS広告で採用されている課金方式で、ユーザーが広告に対して何らかのアクションを起こしたときに料金が発生するというもの。

たとえば、SNS上で発生する「リプライ」「リツイート」「いいね」「シェア」「フォロー」といったアクションが該当します。

掲載期間保証型(CPD)

掲載期間保証型(CPD=Cost Per Day)とは、その名のとおり、指定された期間で広告の掲載が保証される課金方式です。主に純広告で用いられています。

視聴課金型(CPV、CPCV)

視聴課金型は、動画広告の再生回数に対して費用が発生する課金方式です。

1回の視聴に対して支払いが発生するタイプ(CPV=Cost Per View)と完全視聴された場合にのみ支払いが発生するタイプ(CPCV=Cost Per Completed View)の主に2種類があり、前者の場合はクリックされた時点でカウントされたり、30秒など規定秒数以上の視聴でカウントされたりと、媒体によってカウントの基準が異なります。

配信数課金型

配信数課金型とは、広告の配信数に応じて料金が加算される課金方式のこと。メール広告やSNS広告の1つとして知られる「LINE広告」などで用いられています。

成果報酬型(PPA)

成果報酬型(PPA=Pay Per Action)は主にアフィリエイト広告で採用されており、資料請求や申し込み、商品購入など、コンバージョンに至った場合のみ料金が発生します。

アフィリエイター(アフィリエイト広告を掲載するメディアの運営者)に支払う報酬のほか、広告主とアフィリエイターを仲介する「ASP」と呼ばれる業者にも手数料を支払う必要がありますが、成果対象として設定した条件を満たしてはじめて課金される仕組みになっているため、余計な広告費が発生しません。

Web広告の代表的な種類とその特徴

以上を踏まえたうえで、代表的なWeb広告を紹介していきます。

今回は、以下13種類の広告の特徴を確認してきましょう。

・純広告
・リスティング広告
・ディスプレイ広告
・リターゲティング広告
・アフィリエイト広告
・リワード広告
・SNS広告
・動画広告
・音声広告
・メール広告
・記事広告
・ネイティブ広告
・アドネットワーク広告

上から順に解説していきます。

純広告

【主なターゲット】
潜在層、顕在層

【主な課金方式】
インプレッション保証型、掲載期間保証型

【特徴】
純広告とは、特定の広告枠を買い取って配信する広告のことで、「予約型広告」や「リザベーション広告」とも呼ばれています。

最大の魅力は、狙った場所へ確実に広告を掲載できること。広告主側で配信する場所を選定し、契約満了までは必ず広告が掲載されるため、運用型広告(※1)のように、競合他社の出稿状況によって配信の有無や表示場所などが左右されることがありません。配信面や配信期間、配信費用などがあらかじめ定められており、掲載後の細かな運用も必要ないため、担当者にかかる負担も少なく済むでしょう。

ただし、契約期間中の広告掲載が確約されていることから、費用も高額になりやすいため要注意。運用型広告のように途中で内容を変更することもできないので、場合によっては、ただ費用がかかるばかりで、一向に成果が得られないなんてこともあり得ます。

※1 運用型広告:入札額やクリエイティブ、配信ターゲットなどをリアルタイムに調整しながら運用する広告のことで、現在のWeb広告の主流。オークション形式で広告枠を獲得する仕組みになっており、入札額や広告品質などをかけ合わせた「広告ランク」をもとに掲載順位が決定される。予算や配信頻度、配信内容などを広告主側で自由にコントロールできる点に魅力がある一方で、オークションに競り勝たなければ広告が掲載されないため、成果を上げるためには広告運用に関する専門的な知識とスキルが欠かせない。代表的なものとして、リスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告などが挙げられる。

リスティング広告

【主なターゲット】
顕在層

【主な課金方式】
クリック課金型

【特徴】
リスティング広告とは、「Google」や「Yahoo!」などの検索結果画面上部や下部に表示されるテキスト形式の広告です。ユーザーの検索キーワードに連動して広告が表示されることから「検索連動型広告」とも呼ばれており、すでに自身のニーズが顕在化しているユーザー(顕在層)に向けてピンポイントでアプローチできるため、高い訴求効果が期待できます。

しかし、その一方で、何らかの悩みを抱えており、特定のジャンルに対して興味関心は抱いているものの、具体的な解決手段をイメージできていないユーザー(潜在層)にはリーチできないため、認知拡大を狙って広告を出稿する場合は、あまり効果が見込めないかもしれません。

なお、リスティング広告では、主にクリック課金型の課金方式が採用されています。クリック単価は出稿するキーワードによって異なりますが、1クリックあたり数円~数千円と非常に幅広く、商材や競合の状況などによって大きく変動するため、成果を上げるためには、競合の状況や社会情勢なども踏まえたうえでキーワードを選定する必要があります。

※リスティング広告について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>リスティング広告とは?集客に効果的な広告文を作成する3つのコツ

ディスプレイ広告

【主なターゲット】
潜在層

【主な課金方式】
クリック課金型、インプレッション課金型

【特徴】
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリなどに設けられた広告枠に表示される広告のこと。バナー形式での表示が多いことから「バナー広告」とも呼ばれています。

先に挙げたリスティング広告と比較されるケースも多いですが、こちらが得意としているのは主に潜在層へのアプローチです。リスティング広告のように能動的に情報収集を行っているユーザーに対して広告を配信するのではなく、ユーザーが日ごろ何気なく閲覧しているWebサイトやアプリ上に広告が掲載されるため、まだ自身の課題や悩みに気づいていないユーザーや特定のジャンルに興味はあるものの具体的な行動には移そうと思っていないユーザーに対しても情報を届けることができます。

そこまで購買意欲の高くないユーザーを対象としているので、リスティング広告に比べるとコンバージョンにつながりにくい傾向にありますが、より多くの人に広告を配信できるため、認知拡大に効果的な広告といえるでしょう。

また、ディスプレイ広告は、画像や動画などを用いてビジュアルで訴求できるのも魅力の1つ。テキストだけでは伝えきれないような商材の魅力を視覚的に表現できるので、クリエイティブの内容次第では高い訴求効果が期待できます。

※ディスプレイ広告について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>ディスプレイ広告とは?リスティング広告との違いと出稿するメリット

リターゲティング広告

【主なターゲット】
顕在層

【主な課金方式】
クリック課金型、インプレッション課金型

【特徴】
リターゲティング広告とは、過去に接点のあるユーザーに対して配信する広告のことで、媒体によっては「リマーケティング広告」とも呼ばれています。

みなさんもWebサイトなどを閲覧している際に、同じような広告を繰り返し目にすることがあると思いますが、それはリターゲティング広告によるものです。

「Cookie(クッキー)」と呼ばれる仕組みを用いて、過去に自社サイトへ訪れたことのあるユーザーを追跡し、そのユーザーが別のWebサイトやアプリなどを見ているタイミングで、閲覧先の広告枠に自社の広告を表示させるため、1度離脱したユーザーを再度引き戻せる可能性があります。

訪問履歴があるということは、自社商材に対して少なからず興味を抱いていることが予想されるため、比較的コンバージョンにつながりやすい広告手法といえるでしょう。

※リターゲティング広告について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>リターゲティング広告(リマーケティング広告)とは?仕組みやメリットについて解説

アフィリエイト広告

【主なターゲット】
潜在層、顕在層

【主な課金方式】
成果報酬型

【特徴】
アフィリエイト広告とは、一般的に成果報酬型の広告を指します。

簡単に説明すると、アフィリエイターと呼ばれる第三者が運営するメディア(ブログやSNSなど)で自社の商品やサービスを紹介してもらうというもので、「Web広告の主な課金方式」でも触れたように、広告主が成果対象として設定した条件(資料請求や申し込み、商品購入など)を満たした場合にのみ報酬が発生するため、広告が掲載された時点では費用は発生しません。

Web広告に多く用いられているクリック課金型やインプレッション課金型は、誤クリックによって余計な費用が発生したり、広告が表示されるだけで一向にコンバージョンへつながらなかったり……と、成果に至らなくても費用が発生するため、運用方法を誤ってしまうと予算を無駄にしてしまう恐れがありますが、アフィリエイト広告は成果に対して報酬を支払う仕組みになっているため、そうした心配がありません。

前述のとおり、成果報酬とあわせてASPにも手数料を支払う必要がありますが、無駄な出費を抑えられるのは、広告を運用するうえで大きなメリットといえるのではないでしょうか。

※アフィリエイト広告について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>アフィリエイト広告とは?運用の流れと成功のポイント、注意点を解説

リワード広告

【主なターゲット】
潜在層、顕在層

【主な課金方式】
成果報酬型

【特徴】
リワード広告とは、一定の条件を満たしたユーザーに対して報酬(リワード)が支払われるというもの。たとえば、アプリのインストールや動画視聴、商品購入など、広告主があらかじめ成果対象として設定した行動をユーザーが起こしたときに広告費が発生します。

ただ、厳密には、広告主から直接ユーザーに報酬を支払うわけではありません。広告主は自社の広告を掲載してくれているメディアに対して報酬を支払い、その一部がユーザーに還元されるという仕組みになります。

アフィリエイト広告と同様に成果報酬型の課金方式になるので、クリック課金型やインプレッション課金型よりかは無駄の発生しにくい手法といえますが、ユーザーに対しては、ショッピングに使えるポイントやアプリ内で使えるアイテムなど、そのメディア内で使用できる特典が付与されるケースが多いため、これらの報酬を目的にアクションを起こす人も少なくありません。

認知拡大には有効な手段とされていますが、継続率は低い傾向にあるため、アプリのインストールなどを成果地点として設定している場合は、ユーザーを離脱させるための工夫も欠かせないでしょう。

SNS広告

【主なターゲット】
潜在層、顕在層

【主な課金方式】
クリック課金型、インプレッション課金型、エンゲージメント課金型、視聴課金型など

【特徴】
SNS広告とは、その名のとおり、SNSプラットフォーム(Twitter・Facebook・Instagram・LINEなど)に配信される広告のこと。ユーザーデータが豊富に蓄積されていることから、Web広告のなかでも特にターゲティングの精度が高く、訴求対象を細かく絞り込めるため、効率的かつ効果的な広告運用が実現できます。

また、通常の投稿と同じような体裁で掲載されるのも特徴の1つです。タイムラインやストーリーズに溶け込むように広告が配信されるので、ユーザーに嫌悪感を抱かれにくい傾向にあります。広告としての主張もそこまで強くないので、売り出したい商品やサービスを自然にアピールできるでしょう。

ただし、SNSは拡散性に優れていることから常に炎上のリスクを伴うため、運用時には細心の注意を払う必要があります。本人に悪気はなくとも、ネットリテラシーの欠如から予想外の炎上トラブルを招くケースも少なくないため、軽率な発言や投稿によってユーザーの反感を買うことがないよう、しっかりと知識を身につけてから運用するようにしましょう。

※ SNS広告について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>主要なSNS広告の特徴を徹底比較!効果的な運用方法についても解説

動画広告

【主なターゲット】
潜在層、顕在層

【主な課金方式】
視聴課金型

【特徴】
動画広告とは、WebサイトやSNSなどに動画コンテンツを配信して商品やサービスの魅力を発信するというもの。代表的なものとしては、「YouTube」で配信される動画の再生前後や再生中に表示される広告が挙げられます。

最大の魅力は、映像を用いることにより、短時間でより多くの情報を伝えられること。視覚と聴覚に訴えることができる動画広告は、テキストや静止画よりもユーザーに伝えられる情報量が多いため、自社商材の特徴を的確かつ魅力的に伝えられます。

ただし、動画広告には、他のWeb広告に比べて制作費が高くなりやすいというデメリットも。必ずしも最後まで視聴されるとは限らず、途中でスキップされてしまうケースも多いため、その点も考慮したうえでコンテンツを制作する必要があります。

※動画広告について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>5G時代に向けて!動画広告の市場と広告を出稿できる媒体一覧

音声広告

【主なターゲット】
潜在層、顕在層

【主な課金方式】
インプレッション課金型

【特徴】

音声広告とは、音楽配信サービス(Spotifyなど)やインターネットラジオ(radikoなど)といった音声メディアに出稿する広告です。主に楽曲と楽曲の間に最大30秒程度の広告が挿入されるようになっており、動画広告と違って途中でスキップされにくい仕組みになっているため、伝えたい情報を最後まで届けることができます。

課金方式は媒体によって異なりますが、代表的なメディアでは、広告が視聴されるごとに料金が加算されるシステムが採用されているケースが多いです。なかには最低出稿金額が設けられるものもあるため、気になる方は各メディアに問い合わせてみてはいかがでしょうか。

※音声広告について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>音声広告(オーディオアド)とは?知っておきたい効果・市場規模

メール広告

【主なターゲット】
顕在層

【主な課金方式】
クリック課金型、配信数課金型

【特徴】
メール広告とは、メールマガジンに掲載される広告のこと。既存のメルマガの力を借りることで、自社だけではリーチしきれない層にも情報を届けられる点に強みがあります。

メール広告には「テキスト形式」と「html形式」の主に2種類があり、まず「テキスト形式」とは、読んで字のごとく、テキストだけで構成された広告です。装飾がほとんどできないので、文字情報だけで自社商材の魅力を伝えなければなりませんが、次に紹介する「html形式」に比べて掲載費用が安い傾向にあります。

次に「html形式」とは、文字を装飾したり、画像や動画を挿入したりと、比較的自由にレイアウトできる広告です。視覚的に訴求できる点に魅力がありますが、この形式は受信者の環境に依存するため、必ずしも送信者が意図したとおりに表示されるとは限りません。また、「テキスト形式」よりも価格を高めに設定している媒体が多いため、費用面にも注意が必要です。

とはいえ、媒体によって掲載費用はさまざまで、ブランドや購読者数などによって掲載費用は大きく異なります。そのため、メール広告を出稿する場合は、自社商材との相性なども踏まえたうえで、納得のいく料金設定のものを選ぶようにしましょう。

記事広告

【主なターゲット】
潜在層、顕在層

【主な課金方式】
インプレッション保証型、掲載期間保証型

【特徴】
記事広告とは、ネットニュースやライフスタイルメディアといったWebメディアに通常の記事と同じような体裁で掲載される広告のことで、「タイアップ広告」とも呼ばれています。

その内容は、インタビュー形式だったり、体験レポート形式だったり、SEO対策形式だったり……と、実にさまざま。通常の記事に溶け込むように掲載されるので、ステマ(ステルスマーケティング)にならないか心配になるかもしれませんが、いずれも「広告」や「PR」または「Sponsored」といった表記とともに掲載することで、広告・宣伝活動であることを読者に示しているため、その心配はありません。とはいえ、他のWeb広告に比べると広告感が薄く、読み物としても楽しめるため、比較的ユーザーに受け入れられやすい手法といえるでしょう。

ただ、1つの記事を制作するにあたって、取材や撮影などが発生するケースもあるので、広告が掲載されるまでにそれなりの時間を要します。メディアの編集者やライター、カメラマンなど、多くの人が関わることから費用も高額になりやすいため、その点にも注意が必要です。

※記事広告について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>記事広告(タイアップ広告)とは?料金相場や出稿するメリットについて解説

ネイティブ広告

【主なターゲット】
潜在層、顕在層

【主な課金方式】
媒体によって異なる

【特徴】
ネイティブ広告とは、Web上のコンテンツに溶け込むように表示される広告のことで、「ネイティブアド」と呼ばれることもあります。

広告であることは明記しているものの、その主張は激しくなく、他のコンテンツになじむようなデザインで掲載されているため、ユーザーに過度なストレスを感じさせることがありません。近年では、広告に対して嫌悪感を抱いているユーザーも少なくないため、不快感を与えることなく、広告を掲載できるのは大きなメリットといえるでしょう。

なお、ネイティブ広告にはさまざまな形式があり、本記事で紹介したリスティング広告やSNS広告、記事広告などもその1つ。詳しくは以下の記事で説明しているので、興味のある方は、ぜひこちらもご覧ください。

※ネイティブ広告について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>ネイティブアドとは?活用法を知りWeb広告の効果を出そう!

アドネットワーク広告

【主なターゲット】
潜在層、顕在層

【主な課金方式】
媒体によって異なる

【特徴】
アドネットワーク広告とは、WebサイトやSNSといった複数の広告媒体を1つに集約した広告配信ネットワーク(アドネットワーク)を通して、そこに登録されている媒体にまとめて広告を配信する手法のこと。

本来は、媒体ごとに出稿手続きを行ったり運用したりする必要がありますが、アドネットワークを活用すれば、一括で複数の媒体に広告を配信できるため、個別に対応する必要がありません。出稿中の広告を一元管理することで、予算管理や効果測定もしやすくなるため、効率的に広告を運用することができるでしょう。

ただし、アドネットワーク広告は、広告主側で配信先を細かくコントロールすることができないので、意図しない媒体に掲載されるケースも多いです。大まかなジャンルが選べるとはいえ、広告媒体とのミスマッチが起こる恐れもあるため、その点はデメリットといえるでしょう。

なお、アドネットワークの代表的なサービスとしては「Googleディスプレイネットワーク」や「Yahoo! ディスプレイ広告(運用型)」などが挙げられます。

※ アドネットワーク広告について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>アドネットワークとは?広告配信の仕組みをわかりやすく解説

Web広告を運用することで期待できる効果・メリット

ここまで、Web広告の概要を踏まえたうえで、代表的な種類とその特徴について解説してきましたが、これまで主流となっていたマス広告ではなく、Web広告を用いることにより、企業はどのようなメリットを得られるのでしょうか。

媒体によって細かなメリット・デメリットは異なりますが、主に次のようなものが挙げられます。

①精度の高いターゲティングが可能
②広告費を抑えられる
③即効性が高い
④効果測定ができる
⑤広告の出稿中に内容を変更できる

詳しく見ていきましょう。

①精度の高いターゲティングが可能

まず1つ目のメリットは、配信先を細かく絞り込める点です。

不特定多数の消費者に向けた情報発信を得意とするマス広告では大まかな属性しか絞り込めませんが、Web広告では、年齢や性別といった基本情報から趣味嗜好まで、詳細にターゲットを絞り込めるため、アプローチしたい層に向けて確実に広告を届けることができます。

訴求対象を明確にすることで、より効果的なアプローチを仕掛けられるようになり、さらに広告の無駄打ちも減らせるため、効率的に成果を上げていくことができるでしょう。

②広告費を抑えられる

2つ目のメリットは、マス広告に比べて広告費を抑えやすい点です。

手法や媒体によっては高額な広告費が発生するケースもありますが、Web広告はマス広告よりも安価な価格設定になっているものが多く、特に運用型広告の場合は、広告主側で予算を設定できるため、少額から始めることができます。成果報酬型をはじめ、何らかの成果が生まれてから料金が発生する仕組みを採用している媒体も多いので、余計な出費を極力抑えながら広告を配信できるでしょう。

③即効性が高い

3つ目のメリットは、短期間で成果が出やすい点です。

必ずしもすべての広告で即効性が期待できるわけではありませんが、SEO対策をはじめとした他のWebマーケティング手法に比べ、Web広告は短期間でも比較的成果を上げやすい手法といえます。

特に、リスティング広告をはじめとした顕在層向けの広告は、すでに自身のニーズが明確になっているユーザーを訴求対象としているため、コンバージョンにつながる可能性が高いです。

※Webマーケティングの手法について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>Webマーケティングとは?施策の種類や始め方など基礎知識を徹底解説

④効果測定ができる

4つ目のメリットは、広告の効果を正しく測定できる点です。

マス広告はかねてより効果測定が難しい点が課題とされてきましたが、Web広告は配信後のパフォーマンスをデータとして可視化できるため、その効果を正確に把握できます。

配信期間中に集めたデータを分析することにより、改善すべき課題も明確になるため、PDCAを素早く回せるようになるでしょう。

⑤広告の出稿中に内容を変更できる

5つ目のメリットは、広告の出稿中でも内容を変更できる点です。

マス広告の場合は、公開した広告を途中で変更することは基本的にできませんが、Web広告(主に運用型広告)の場合は、出稿中に広告文やデザインなどを変えることができます。広告のパフォーマンスを確認しながら、リアルタイムに改善を加えることができるので、効率よく成果を伸ばしていけるでしょう。

Web広告の注意点・デメリット

上記のようにさまざまなメリットがある一方で、Web広告には次のようなデメリットもあります。

①専門的な知識やスキルが求められる
②高額な費用が発生するケースもある

運用を始めてから後悔することがないよう、しっかり把握しておきましょう。

①専門的な知識やスキルが求められる

Web広告は、配信したからといって必ずしも成果が得られるわけではありません。

特に、運用型広告は配信するにあたってオークションで競り勝つ必要があるため、予算の設定や入札額を見誤ってしまうと配信にすらたどり着けない可能性があります。

無事に配信できたとしても、そこから成果を上げるためには、現状を把握しながら必要に応じて適切な対処を講じる必要があり、広告運用に関する専門的な知識やスキルがなければ乗り越えられないような壁にぶつかるケースも多いため、社内に経験者がいない場合は軌道に乗るまで時間がかかるかもしれません。

②高額な費用が発生するケースもある

先ほど、Web広告はマス広告に比べて費用を抑えやすいとお伝えしましたが、それも絶対とは言いきれません。出稿する媒体によっては広告費が高く設定されていることもありますし、運用型広告の場合は競合の入札状況などによって単価が変動するため、場合によってはクリック単価やインプレッション単価が大幅に高騰するケースもあります。

また、なかには単価とは別に最低出稿金額が設けられているものもあるため、事前に必ず費用面を確認し、予算オーバーになることがないよう注意しましょう。

Web広告で成果を上げるためのポイント3つ

最後に、Web広告を効果的に運用するためのポイントを3つ紹介します。

①目的やターゲットに合わせて媒体を選ぶ
②あらかじめ成果指標を立てておく
③広告出稿後の効果測定と改善を欠かさない

それぞれ見ていきましょう。

①目的やターゲットに合わせて媒体を選ぶ

Web広告で成果を上げるためには、媒体選定が非常に重要です。

ここまで紹介してきたように、一口にWeb広告といってもその種類は多岐にわたり、それぞれ得意分野が異なります。そのため、まずは広告を出稿する目的とターゲットを明確にし、各手法やメディアの特性を理解したうえで、相性の良い媒体を選ぶようにしましょう。

②あらかじめ成果指標を立てておく

広告の成果を正しく判断するうえでは、目標設定も欠かせません。

ゴールが明確になっていない状態で運用を開始してしまうと、そのWeb広告がどれだけ成果を出しているのかを正確に判断できないため、あらかじめ「KGI(※2)」と、その過程の「KPI(※3)」を具体的に設定し、達成率を正しく把握できるようにしておきましょう。

※2 KGI:重要目標達成指標。事業やプロジェクトの最終的な目標を定量的に評価するための指標のこと。
※3 KPI;重要業績評価指標。ゴールに対する達成度を計測・管理・評価するもので、簡単にいえば、最終目標を達成するための中間目標のこと。

③広告出稿後の効果測定と改善を欠かさない

Web広告を運用するうえで、何よりも重要なことは出稿後の効果測定と改善を忘れないことです。

前述のとおり、Web広告は配信してすぐに成果が出るとは限りません。特に、運用して間もないころは勝手がわからず、なかなか成果につなげられないこともあります。

ただし、そこで諦めてしまってはいけません。定期的に効果測定を行い、課題に対する仮説を立てたうえで改善施策を講じることにより、徐々に成果が出てくる可能性があるため、1度の失敗で投げ出すことなく、PDCAを回しながら、広告効果の最大化を目指してみてください。

Web広告の特徴を理解して自社に合った手段を選ぼう

Web広告は、いまやマス広告を凌駕する存在といっても過言ではありません。

総務省が公表した「令和4年版情報通信白書」によれば、国内のデジタル広告市場は年々拡大しており、2021年にはマスコミ4媒体(TV・新聞・雑誌・ラジオ)の広告費をインターネット広告費がはじめて上回ったとされています。

(参照:総務省「令和4年版情報通信白書|広告」

こうした状況において、企業の発信力を強めるためには、Web広告の活用が欠かせません。

本記事でも紹介したように、Web広告にはさまざまな種類があり、その特徴も異なるため、初めて導入する際は何を選べばいいのか悩んでしまうかもしれませんが、最後にお伝えしたように、広告を出稿する目的とターゲットを明確にすることで、候補をある程度絞り込めるはずなので、まずは広告を出稿する目的およびターゲットの明確化と情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

ながた
編集プロダクションで旅行ガイドブックの取材・制作に携わった後、Webライターの道へ。お酒と激辛料理をこよなく愛するインドア派。シーズン中はもっぱら野球観戦。

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