Manus（マヌス）とは？使い方や活用事例、注意点を徹底解説

Manus とは、中国のスタートアップMonica社が開発した完全自律型AIエージェントです。

指示を出すだけでAIが情報収集から情報処理、アウトプットの作成まで行うことが特徴で、ユーザーは最小限の指示を出すだけで効率的に業務を進められます。

また、Manusでは複数タスクの同時進行も可能。複雑なファイルの処理やレポート作成などが手軽に作成でき、ビジネスシーンでも活躍します。

この記事では、Manusの特徴や使い方、活用事例について解説します。注意点も含めてお伝えするので、「Manusで何ができるかよく分からない」「他のAIとの違いは？」とManusについて知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

Manus（マヌス）とは

公式サイト：Manus

Manusとは、中国のスタートアップ企業Monicaが開発した、次世代型の汎用型AIエージェントです。

従来のチャットボット型AIが質問に答えるだけなのに対し、Manusは与えられた目標に対して自律的に計画を立て、判断し、作業を進める能力を持っています。まるで有能なアシスタントが24時間働いてくれるような感覚で、ユーザーがオフラインの間も作業を続け、完了すると通知してくれます。

また、Manusは幅広い学習能力と知識を持ち合わせているため、市場調査やデータ分析、コンテンツ作成といった多様な業務タスクを自律的にこなします。ユーザーは思考を文字に起こすだけでよく、「必要な情報の収集」「タスクの計画立案」など手動で行わなければいけない部分もManusが処理してくれるため、作業負担がより軽減されるのです。

Manusと従来のAIとの違い

従来のAI（ChatGPT等）はユーザーの質問に答えるだけですが、Manusは指示を受けた上で自律的に考え、具体的な成果物を作成します。

例えば「旅行プランを作って」と指示すると、従来のAIは提案のみを行いますが、Manusは京都の観光情報を自動収集、季節・天気・イベント情報を調査、予算に応じた宿泊施設を検索、詳細な旅程表をPDF自動作成、予約リンクまで完了します。

また、従来のAIは継続的な対話を重ねた上で最終的な成果物を作成できますが、Manusは初回指示のみで作業をAI自ら実行・完成させます。初回の指示のみでしっかりと情報をまとめた資料を生み出すので、人間の関与が最小限に抑えられます。

比較項目	従来のAI（ChatGPT等）	Manus
基本動作	・質問に対して回答のみ ・提案や情報提供で終了 ・ユーザーが次の行動を決定 ・受動的な対話システム	・指示を受けて自動実行 ・情報収集から成果物作成まで完遂 ・最終的な結果物を自動生成 ・能動的なタスク実行システム
人間の関与	・継続的な対話が必要 ・段階ごとに指示が必要 ・作業の進行管理が必要 ・常時モニタリングが必要	・初回指示のみで完了 ・途中の指示は不要 ・自動で作業進行管理 ・完了まで放置可能

Manusの特徴

Manusの特徴としては、完全自律型のタスク実行能力やAIによる作業過程の可視化、様々なファイル形式への対応、オフラインでも作業が続くクラウドベース処理があげられます。

以下では、7つの特徴がどのように連携して動作し、ユーザーの業務効率化に貢献するかを詳しく解説します。

どれもManusを活用する上で大切なポイントとなるので、ひとつずつみていきましょう。

完全自律型のタスク実行能力がある

Manusは、従来のチャットボットのように聞かれたことに答えるだけではなく、何が必要なのか考えて主体的に行動してくれます。たとえば、「○○についてリサーチをして」と指示すると、目的に応じて要約・分析まで行い、レポートを完成させます。

全てを自律的に処理するので、ユーザーは都度「追加で○○の情報を説明して」と指示する必要がありません。情報を調べる際も、Manusが自動でブラウザ操作やファイル編集を実行するので、よりスムーズかつ効率的に業務を進められます。

複数のAIによる高度な問題解決・情報収集力

Manus は、複数のAIが役割分担をしながらタスクを進めるマルチエージェントシステムを採用しています。情報収集を専門とするAI、データ分析を担当するAI、結果をまとめるAIなど専門性の異なるAIが協力することで、従来のAIでは実現できない高い精度とスピードでタスクを処理します。

また、複数のAIが同時に動くことにより、複雑な作業でもスムーズな処理が可能です。限られた時間でも高品質な資料を作れるので、情報収集・分析に時間を割けない人でも効率的に業務を進められます。

AIの処理状況をリアルタイムで確認できる

Manusの操作画面ではAIが何を考え、どのような判断を下しているかの過程や、現在参照中のウェブサイトを別ウィンドウで確認できます。処理内容が完全に可視化されるため、AIの行動を詳細に把握でき、ユーザーは常に安心してAIに重要な作業を任せられる点は大きな特徴です。

また、Manusの処理状況をリアルタイムで把握しながら追加の指示を出せるので、より柔軟で正確なタスク遂行が実現できます。Manusはこのような透明性により、従来のブラックボックス的なAIとは一線を画す信頼性の高いAIツールとして評価されています。

ユーザーがオフラインでもタスクを処理

Manusはクラウドベースで稼働するため、ユーザーがデバイスをオフにしたり、インターネットに接続していなかったりする間でもタスク処理を行います。処理が完了すると、メールなどで通知が自動送信されるため、重要な作業を見逃すことはありません。

また、クラウドベースでの稼働により、AIに処理を任せながら別の作業を同時並行で進めることが可能です。長時間かかるデータ分析を依頼した場合でも、ユーザーは他の作業をこなしつつ都度進捗を確認できるので、作業の効率化を図れます。

マルチモーダル機能で幅広いデータ形式を扱える

Manusは、画像・表・コードなどさまざまなデータ形式を同時に扱えるマルチモーダル機能を搭載しています。画像認識を行いながらテキストデータを解析したり、表データを読み取って統計分析を行ったりするので、より正確で説得力のあるレポートを作れます。

複数の情報を組み合わせた総合的な見解を知れるため、ビジネスシーンや研究分野など幅広い場面においてManusの分析が役立ちます。

タスクの自動スケジューリングが可能

Manusでは、複数のタスクを同時並行で依頼した場合、各タスクの重要度をAIが自動判断し、優先順位付けをする自動スケジューリング機能を備えています。Manusの自動スケジューリング機能により、作業の実行タイミングを適切に判断してスケジュール化するので、プロジェクトを複数抱えている場合でも効率的に管理できます。

依頼したタスクはホーム画面からアクセスでき、進捗や期限を見落とす心配もありません。各タスクの進捗も分かりやすくまとめられているので、何かあった際もスムーズな対応が可能です。

外部ツールを用いた処理を行う

Manusは、自らExcelやブラウザの検索といったツールを操作しながら、情報を検索・抽出していきます。ウェブブラウザを利用した情報収集、Excelを用いたデータを加工、コードエディタを使ったプログラムの自動生成などを自動で処理するので、ユーザー自身でツールを操作する必要がありません。

作業の様子は、Manusの画面上でリアルタイムで確認可能です。途中で指示を追加することもできるので、従来のAIでは不可能だった柔軟で高精度な業務自動化が実現されます。

Manusの始め方

Manusは、2025年5月から招待制が解除され、誰でも無料で利用開始できるようになりました。以前は招待コードが必要でしたが、現在は公式サイトから直接アカウント作成が可能です。

Manusを始める際は、以下の手順で行います。

まずは、Manus公式サイトにアクセスし、右上の「登録」をクリックします。

登録画面にて、必要な情報を入力して「登録」をクリックします。Manusは、Googleアカウント又はAppleアカウントで登録することも可能です。

必要情報入力後、メールが届くので、リンクをクリックすれば登録完了です。

Manusの使い方

ここでは、Manusの基本的な使い方を解説します。

手順に沿って一つずつ見ていきましょう。

①タスク依頼

Manusにタスク依頼をする際は、ホーム画面のボックスに指示を出します。ボックス内では、「適応型：回答に合わせて生成方法」「Agent：じっくり考えた上で回答生成」「Chat：回答を素早く回答生成」の3つの回答生成方法を選べます。

今回は、Agentモードに設定して、「カフェラテメーカーの競合分析資料作り」と入力し実行してみます。

②実行開始・進捗確認

指示を送信すると、資料作りが開始されます。生成中は、下の「Manusが稼働中です」をクリックすれば、Manusが自律的にブラウザ等を使って情報収集している様子が確認できます。

生成途中でも、「Manusにメッセージを送る」から追加で指示を出せます。進捗状況を見ながら、必要に応じて軌道修正や詳細指示を加えられるので、より効率的なタスク遂行が可能です。

③結果受取

生成が完了すると、上記画像のようにファイルが添付されるので、クリックして詳細を確認しましょう。

添付されたファイルは、右上のダウンロードボタンから指定の形式でダウンロードできます。追加で情報が欲しい場合は、「○○の情報を追加して」「グラフを作って」などと指示を出せば、情報が更新されます。

作られたスライドは、右上の修正から文章を手動で修正することも可能です。

Manus料金プラン

Manusは、無料プラン又は3つの有料プランから選択可能です。

プラン	Free	Basic	Plus	Pro
料金	無料	＄19/月	＄39/月	＄199/月
初回登録 クレジット	1,000	1,900	3,900	19,900
毎月付与 クレジット	0	1,900	3,900	19,900
毎日付与 クレジット	300	300	300	300
同時可能タスク数	1	2	2	5

Manusの有料プランでは、チャットモード・Agentモードへの無制限アクセスや、独占データソースの利用が可能です。プランごとに使えるクレジット数が増えるため、本格的にManusを活用したい方は有料プランがおすすめです。

無料プランでも、毎日300クレジットが付与されますが、複雑なタスク処理ではクレジットが不足する場合もあるので、目的に合わせてプランを選択しましょう。

Manusの活用事例

Manusは、ただ情報収集をするだけでなく、市場調査をした上で資料をまとめたり、ストアの売り上げを読み込ませて分析したりと様々な活用方法があります。

ここでは、Manusの活用事例をいくつかご紹介するので、利用時の参考にしてみてください。

新製品開発時の市場分析

Manusを活用すれば、新製品開発時にターゲット市場の動向や競合他社の製品情報を自律的に収集・分析することができます。たとえば、スマートウォッチを開発したい場合、Manusは人気のモデルや機能、価格帯、ユーザー評価などをリサーチし、競合分析レポートとしてまとめます。

商品自体の情報だけでなく、SNS上での口コミ動向や最新技術のトレンド調査も自動で行い、どの機能に需要が高まっているかを具体的なデータとともに提示するので、開発コンセプトを決めたり、搭載する機能を取捨選択したりする際にも活用可能です。

ECサイトの運営分析

ManusにECサイトの売り上げデータなどを読み込ませると、購入率・離脱率・平均注文単価などのKPIを自動でモニタリングし、改善すべきポイントを明確にレポートしてくれます。

たとえば、特定の商品ページで離脱率が高い場合、原因分析を行い、画像改善・価格改定といった具体策の提案を受けられます。リピーターの購買傾向の分析により、ターゲット別のプロモーション施策の自動立案もできるので、Manusの活用により予算を抑えながら効率的なECサイト運営を行えるでしょう。

組織図の作成

Manusに社員情報を読み込ませることで、所属部署や役職、担当業務などのデータを整理し、最適な組織図を自動的に生成してくれます。

海外拠点を含む大規模な企業でも、各地域・各担当の役割分担を明確に示しながら社員情報を整理するので、組織の全体像を一目で把握でき、スムーズな人員配置や連携が可能になります。スキル情報や稼働状況も併せて登録しておけば、AIによるプロジェクトごとの担当者の割り振りも可能で、管理者の負担軽減につながります。

プレゼン資料の作成

複数の情報源から集めたデータをManusに読み込ませることで、情報を自動的に整理し、最適なプレゼン資料を生成できます。たとえば、営業チームがクライアント向けに新サービスを提案する場合、「情報をもとに資料を作って」と指示することで、サービス概要・市場データ・導入効果などを章立てし、必要に応じてグラフも自動で生成します。

追加で指示を出せば、プレゼン対象者（経営層向け・現場担当者向けなど）に合わせたトーン調整も行えるため、手間をかけずに説得力のあるプレゼン資料作りができるでしょう。

スケジュール調整

Manusでは、対象者の予定をダウンロードするだけで、最適なスケジュールを自動で調整してくれます。手動でのスケジュール調整では、空き時間を確認したり連絡を取り合ったりする手間が発生しますが、Manusなら一度の指示で完了できるので、調整にかかる時間と労力を削減できます。

スケジュール調整できる上限人数はなく、メンバーが10人以上いる場合でも、全員の予定を整理し、最適な日程を素早く提案可能です。また、急な予定変更が生じた場合、すぐにスケジュールを再調整し、複数の候補日を自動で提示するので、ビジネスシーンやイベント開催など幅広いシーンでスケジュール調整を楽にできます。

Manusの注意点

Manusを利用する際は、以下の注意点に気を付けるようにしましょう。

それぞれの注意点を分かりやすく解説します。

機密情報は入力しない

Manusでは、個人情報（氏名、メールアドレス、パスワードなど）、入力内容、ファイルアップロード、フィードバック、出力情報、AIとのコミュニケーション内容を収集しています。情報は、サービス向上や新機能開発、安全性確保のために使用するものであり、正当な理由なく第三者に渡されることはありませんが、万が一の情報漏洩リスクに備えて機密性の高い情報は入力しないように注意すると良いです。

また、公式では、削除要求があった場合には速やかに対応するという記載もされているので、何らかのトラブルが生じた際は相談窓口に連絡するようにしましょう。

誤情報が出力される可能性がある

Manusは、マルチエージェント機能を備えた正確性の高いAIツールですが、必ずしもすべて正確な情報だけを出力するわけではありません。特に、データが少なかったり情報の更新頻度が高かったりする情報では、不正確な解釈をしている可能性があります。

ビジネスシーンなどでManusを活用する場合、そのまま使うと誤情報を世の中に流してしまうケースもあるので、複数の情報源と照合し内容の正確性を確認しておくと良いです。

Manusに危険性はある？

基本的にManusは危険性は少ないですが、情報の取り扱いには注意が必要です。Manusは、クラウド上でデータを処理する仕組みであるため、万が一のサーバー障害や外部からのサイバー攻撃を受ける可能性もゼロではありません。

Manusに限らず、どのツールにおいても起こり得ることですが、危険性を正しく理解し、適切に利用していくことで安全性を高められるので、機密情報は入力しない、アップロードするファイルの中身を確認するなどの注意点を意識しながら活用しましょう。

Manusの安全性に関する規約

Manusのプライバシーポリシーでは、以下のように記されています。

私たちは、お客様の個人情報の安全性を包括的に保護することを目的として、合理的な技術的、管理的、組織的対策を講じています。これらの保護措置は、オンラインおよびオフラインの両方の環境を対象としており、個人情報の紛失、誤用、不正アクセス、漏洩、改ざん、または破壊を防止することを目的としています。（ChatGPTによる翻訳）

引用：Manusプライバシーポリシー

要約すると、Manusは利用者の個人情報を保護するために、セキュリティリスクを最小限に抑える体制が整えられているということです。また、収集されたデータにおいても、安全に管理し利用目的に応じてのみ使用されることが明示されています。

ターゲティング広告目的で第三者に販売・共有することはないともはっきり記載されていて、Manusではユーザーのプライバシーを尊重されています。

Manusまとめ

今回は、Manusの特徴や使い方、活用事例、料金プラン、注意点について解説しました。押さえておきたいポイントは以下のとおりです。

Manusは中国発の完全自律型AIエージェントで、AIが指示に応じて自ら資料作成やデータ分析、スケジュール調整などを幅広く対応できる点が特徴です。スマホアプリでの利用や外部ツールとの連携も可能で、外出先からタスクを依頼したり、Manusから外部ツールにアクセスしたりと、手動で作業をこなす手間がなくなり作業効率を高められます。

Manusは「自分で考えて動く」という点で他のAIとは一線を画す存在であり、その実行力と柔軟性の高さが他のツールとの違いを生み出しています。ビジネスシーンから日常業務の効率化まで幅広く活用できるAIツールなので、興味がある方はぜひ試してみてください。