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【2021年最新版】医療広告ガイドラインについて
2021/02/15

医療関係者
企業にとって広報活動が重要であるように、医療機関にとっても、自身が提供している医療サービスの内容を正しく周知する意義は大きなものです。
とりわけ医療広告は、そこに記載された情報が住民の生命・健康を守ることにつながりうるという意味で、公益性の高い情報であるといえるでしょう。

医療機関が広告を打ち出す際に念頭に置かなければならないのが、「一般のユーザーは必ずしも十分な医療の知識を持っているわけではない」ということです。自院の設備や治療法などについて、ことさらに強調することは、治療効果に関して誤認させることにつながるかもしれません。

このような観点から制定されたのが「医療広告ガイドライン」ですが、その広範かつ細部にわたる規制内容に、「何をどこまで掲載できるのか」を即座に把握することは難しいと考えられます。許容されるラインが判然とせず、自院の特徴を周知させられずにいる方も多いのではないでしょうか。

2020年には医療広告に関する領域で、薬機法違反での逮捕者も出ており、今一度「医療広告には何が掲載でき、どこからが掲載できないのか」を確認しておく意義は小さくないでしょう。
この記事では、医療広告ガイドラインの概要と、規制対象となる表現や記載内容について解説し、公益性の高い情報を的確に発信するために留意すべきポイントをお伝えします。

目次

医療広告ガイドラインの基本的な考え方

考える

医療サービスは生命・健康に直接的な影響を及ぼすものですが、提供する側・される側の知識には大きなギャップが存在しています。そのため診療内容や効果について誤解を招く記載があれば、患者側にとって著しい被害につながるリスクも考えなくてはなりません。

医療広告ガイドラインは、医療機関による客観的で正確な情報伝達を目的に、広告可能な内容を厳格に制限するものです。
大原則として、治療の効果に関する記載は広告に掲載することができません。基本的に掲載できる内容は、「医療法第6条の5第3項」に定められる事項に限られ、たとえば病院の名称や所在地、診療時間などの基本情報や、設備や人員についての客観的な情報(病床数や資格など)、患者からの相談窓口の案内などがこれにあたります。

つまり、医療機関の広告には「そこで治療を受ければどんなメリットがあるか」「そこでの診療は他院とどう異なるか」といったポイントについて記載することが難しい、ということです。

とはいえ、どの病院で治療を受ければよいか迷っている患者にとって、客観情報のみで意思決定を行うことは困難と考えられます。そこで、検索プラットフォームを通じて表示されるウェブサイトなど、患者自身が進んで得ようとする情報に関しては、広告できる事項の幅を広げられる「広告可能事項の限定解除」という措置が条件付きで認められています

広告可能事項の限定解除要件

広告可能事項の限定解除要件として、ガイドラインに掲げられているのは以下の4点です。それぞれについて、簡単な解説を付記します。

1. 医療に関する適切な選択に資する情報であって患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトその他これに準じる広告であること
すなわち、街頭のポスターなどとは異なり、患者自身が「この情報を知りたい」という形でたどり着ける広告がこれに該当します。具体的には、ウェブサイトやユーザー側の申請によって配信されるメルマガ、パンフレットなどです。ただし、バナー広告や、検索プラットフォームの事業者に費用を支払うことで上位に表示されているサイトなどは、「自ら求めて入手する情報」に該当しないため、限定解除の対象外となります。

2. 表示される情報の内容について、患者等が容易に照会ができるよう、問い合わせ先を記載することその他の方法により明示すること
広告に記載されている内容について、直接ユーザーが問い合わせられるメールアドレスや電話番号などの記載が必要です。電話番号があっても、それが「予約専用」などと記載され、問い合わせ可能であることが明確でない場合には、限定解除の対象外となりうるので注意しましょう。

3. 自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供すること
自由診療について記載する場合の条件です。保険診療とは異なる内容について表記する場合には、「通常必要とされる治療内容、標準的な費用、治療期間及び回数を掲載」する必要があります。なお費用について、明確な額を記載することが難しい場合には、「最低金額から最高金額の範囲」を示すなど、生じうる可能性のある費用について患者側が把握できる方法で記載する必要があります。「○○円~」など、費用の下限のみを示す記載はNGです。

4. 自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること
患者の意思決定に対して適正な検討材料を提示しうるよう、治療のメリットだけではなく、リスクや副作用についても明記する必要があります。副作用についての注釈を小さな文字で記載したり、メインのページと異なるページにリスクを記載したりと、デメリットを目立たなくさせるような記載方法はガイドライン違反と見なされます。

これらの4点(自由診療を行わない場合には1と2の2点)を満たす場合には、広告できる事項の範囲が広がりますが、当然「どのような内容も掲載できる」というわけではありません。依然として治療効果について広告することはできず、また「医療法第6条の5第2項」にある虚偽広告や誇大広告、「医療法施行規則第1条の9」にある「治療内容や効果に関する患者の主観的な体験談」や「誤解につながる治療前後の写真(ビフォーアフター)」は限定解除された場合でも規制対象となります。

規制対象となる機関と媒体

医療広告ガイドラインにおいて、「広告」という言葉は2つの要素によって定義づけられています。1つは「特定性」であり、「記載されている内容が、どこの機関で行われているかがわかる」ということです。もう1つは「誘引性」であって、「そこを訪れることを促している」ことを意味します。

具体的に、「広告」として規制の対象となる媒体には、院のホームページやSNS、バナー広告、メール、一般の目に触れる看板や、院外で配布するチラシ・パンフレットなどが挙げられます。
広告とは見なされない媒体としては、院内で配布するパンフレットや院内の掲示物、患者が自身のウェブサイトなどに掲載する体験談、学術的な論文・雑誌、求人広告などです。

規制の対象となる機関としては、「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所」となりますが、違反があった場合にはそれを手掛けた広告代理店なども指導や罰則の対象となりえます。

医療広告に掲載してはいけない事項

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ガイドライン上、医療広告として掲載できない内容や、規制の対象となる表現について解説します。
なお、限定解除要件を満たす場合であっても、これらの内容や表現は原則として掲載することができません。

虚偽広告

まず避けなくてはならないのは、「100%の効果」「絶対に安全な手術」など、医学的にありえない記載です。虚偽と見なされる広告に関しては、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金と、罰則つきで制限をかけられていますので、事実に反する内容や証明しえない効果を記載することは避けましょう。

「満足度○○%」といったデータを表記する場合にも、具体的な調査方法などの根拠を併記しなければ虚偽広告として扱われます。

比較優良広告

他の医療機関との比較の要素が含まれる表現は、具体的な比較対象を明示しているかどうかにかかわらず規制の対象となります。たとえば、「世界最高峰の技術」「国内有数の設備」「エリアNo.1の実績」など、自院の優越性を示す表現は避けなくてはいけません。とりわけ、最上級表現は客観的事実であったとしても認められないため注意が必要です。

最上級表現や、著しく誤解を与えるような比較表現でなければ、客観的事実を掲示することは可能ですが、行政から根拠を開示するよう要請された場合には、事実の裏付けとなる資料などを提示する必要があります。

その他、著名人を引き合いに出すなどして誘引性を高める広告も「比較優良広告」に該当するものとして扱われます。

誇大広告

広告として記載する内容が事実であったとしても、それがあたかも特別であるかのように表現することは避けましょう。たとえば、「○○県知事認定!」など法的義務となっている許認可をことさらに強調する記述や、「○○学会認定」など活動実態のない団体による認定をめぐる記述は、ガイドライン上の「誇大広告」として規制の対象となります。

科学的根拠を明示できないまま、治療の効果や有効性について「○○の症状には当院の××療法が有効です」などと記載することも、誇大広告の範疇として扱われるため注意が必要です。

ビフォーアフター

治療前後の写真によってその効果を示す「ビフォーアフター」のコンテンツも、原則として掲載不可です。同様の症状であっても個々の患者により条件が異なり、また撮影環境も同一に保つことが難しいため、純粋な比較資料として掲載するのは困難であることがその理由として挙げられています。

ただし、限定解除の要件に該当する場合は、一定の条件下でビフォーアフターの掲載が可能となります。「通常必要とされる治療内容、費用等に関する事項や、治療等の主なリスク、副作用等に関する事項等の詳細な説明」がその条件として提示されており、これらの説明が画像とともにわかりやすく明示されていることが必要です。

なお、撮影条件や被写体の条件を変えるなどして、治療の効果を強調するような写真は、先の「誇大広告」に該当します。さらに、作為的な画像の加工や修正が見られる場合には、「虚偽広告」として罰則の対象となるため絶対に避けなくてはいけません。

治療内容や効果についての体験談

院のホームページなどに、患者自身の体験談や伝聞によるレビューなどを掲載することは基本的に認められません。
医療法上で禁止されているのは「患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告」です。そのため、限定解除要件を満たしていれば「治療に関係のない体験談」については掲載が可能となります。

たとえば「駅から近くて便利」「夜もやっていて助かる」など、施設の環境をめぐる内容は記載可能です。ただし、「治療内容・効果とそれ以外」の線引きも難しく、掲載時にチェックが必要となることなどを考えると、「体験談」というコンテンツ自体を避けた方が無難といえるでしょう。

公序良俗や、その他法令に反する事項

医療の公益性を損なうような表現や、キャンペーンなど商業的な側面を強調するような記載についても、ガイドラインの規制対象です。
具体的には、「期間限定で○○円」など価格を強調した表現や、「○○円→××円!!」といった二重価格表記、「初回相談で○○プレゼント」など診療内容と関係のない情報による誘引などがこれにあたります。

医療広告ガイドラインに関連する法律として、「医薬品医療機器等法(薬機法)」「健康増進法」「景表法」「不正競争防止法」にも違反しないよう留意する必要があります。
たとえば薬機法においては、「○○錠を処方可能」など、具体的な薬品名を広告に記載することは認められていません。

とくに注意すべきNG表現

特にNG

上記の原則に加え、見落としがちなNG表現について紹介します。一見問題ないような表現であっても、ガイドラインの上では規制の対象となるケースも多いため、細かなニュアンスにも注意が必要です。

暗示的・間接的な広告表現

医療広告において治療の効果について言及することは認められていませんが、直接文言で言及していなくとも、暗示的・間接的に効果を示唆するような表現も規制の対象となります。
たとえば、写真やイラストで「病気の人が元気になる姿」などを描き、いかにもその治療が有効であるかのように表現することもNGです。

さらに、「アンチエイジング」という言葉も、それがあたかも「老化を防ぐ治療」として有効な診療内容であるかの印象を与えかねないため、ガイドライン上で明確に禁じられています。施設や診療科の名称として記載することも、あるいはキャッチコピーやその他テキストで用いることもできません。

その他、自院の医師がメディアで取り上げられたり、テレビなどで有効な治療法として紹介されたりしたことを引き合いに出すことで、診療内容が優れているような印象を与えることも禁じられています。
ただし、広告上で治療法を説明するにあたり、読む側の理解を促すために新聞記事の特集を引用するなど、客観的な根拠を適切に用いることは可能です。
また、医師の略歴として著書や論文、学会発表の事実を掲示することも認められています。

診療科名の表記

診療科の表記は、法的に広告が可能な診療科名のみを広告上に記すことができます。法的に認められない診療名のほか、「○○外来」など法的に認められた診療科名と混同されうる名称は記載できないため注意が必要です。

ただし、「糖尿病」や「花粉症」、「乳腺検査」など広告可能な保険診療や健康診査については、それを外来にて受け付けている旨を記載できます。

データがあっても掲載できないもの

医療を提供した結果についてのデータは、医療機能情報提供制度(医療情報ネット)上で報告が義務づけられている事項以外には掲載することができません。
治療や手術における死亡率や、術後生存率などは、自院で明確なデータとして記録されている場合にも、広告への記載は不可とされています。

主観的な表現

「医療広告としてどこまで記載が可能か」ということを判断するときに、重要になるのが「客観性」という観点です。つい使ってしまうような表現のうちにも、ガイドライン上では客観性を欠く表現として規制対象となるものもあるため、治療の内容などについて記載する際には細かな言葉遣いにも配慮しなくてはなりません。
「理想的な治療環境」「万全な安全管理体制」「比較的安全な治療」など、具体的に何を基準としているのかを明示できない表現は避ける必要があります。

違反した場合の罰則など

レッドカード

医療広告ガイドラインに違反した医療機関や広告代理店に対しては、各都道府県や保健所の設置されている市又は特別区から、ケースに応じて行政指導などがなされます。ガイドライン上に記載されている「広告指導の体制及び手順」においては、各行政機関に向け、概ね以下の措置を取るよう周知されています。

・違反の疑いがある場合には、行政指導の一環として、該当箇所に関する報告命令や立ち入り調査などを検討
・違反が明確となった場合には中止又は是正命令を下すことを検討
・上記の行政指導に従わない場合、司法上での処分を検討(中止や是正命令に従わない場合には6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金、調査の妨害などに対しては20万円以下の罰金)
・悪質な違反に対しては、管理者変更命令や、開設許可の取り消し、期間を定めての施設閉鎖命令といった行政処分も可能

すなわち、ガイドラインに違反し、行政からの指導に従わない場合には、実際の罰則や厳格な行政処分も十分考えられるということです。
なお、違反の内容が「虚偽広告にあたる場合」あるいは「麻酔科について記載する際に許可を受けた医師名を明示していなかった場合」には、直接的に罰則の対象となり、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科されます。

まとめ

医療サービスを提供される側の人々は、医療機関を選ぶ際に適切な判断基準を持てずにいることも少なくありません。生命や健康をめぐる不安は、心に大きな負担をかけるがゆえに、それを「解消できる」とする情報があれば、真偽の判断は二の次となってしまうことも考えられます。

医療広告ガイドラインを遵守し、客観的に正しい情報を掲載することは、医療機関としての信頼性を守るということ以上に、健康に悩む多くの人にフラットな判断材料を提供するという公益に資することとなるでしょう。

もちろん、患者側が「どこで治療を受けるか」を判断するにあたっては、「その病院の特徴を知りたい」と考えるのは自然なことです。そのため、ガイドラインは医療機関がこのような情報を提供すること自体を禁じるものではありません。
とはいえやはり、比較表現などを用いることなく特徴を示すためには、細部にわたり注意を欠かさない必要があります。

ガイドラインを遵守しながら、有益な情報をできる限り掲載しようとするのであれば、医療機関の広告に強みを持つ事業者などに相談することも検討すべきかもしれません。とはいえ罰則の対象となるのは自院でもあるため、信頼できる相手を見つけ、自身でも確認を怠らないことが重要でしょう。


(本文・鹿嶋祥馬)

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