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Web検定(ウェブ検定)で力をつける!その仕組みや難易度とは

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現在のビジネスシーンにおいて、Webに関する知識はもはや欠かせないものとなりました。マーケティングを適正化するうえでも、普段の業務を効率化するうえでも、Web上のサービスやツールを適切に扱うことが求められます。

一方で、Webについての知識は個人間のバラツキが生じやすく、そのギャップが業務のネックになる場面もあるでしょう。そこで近年では、ビジネスに求められる知識を網羅的に学べる資格として「Web検定(ウェブ検定)」が注目されています。

この記事では、Web検定の概要をふまえ、試験の難易度や受験の流れについて解説していきます。

Web検定とは

Web検定は、「株式会社ボーンデジタル」が運営する民間の資格制度です。ビジネスシーンでWebサービスを利用する際の基礎的な知識から、Web上でビジネスを展開するための専門的な知識までを扱う検定であり、さまざまな目的・レベルにあわせた試験が用意されています。

Web検定の全般的な目的としては、Web上での適切なマーケティング戦略の導出や、チーム間・メンバー間における情報共有の円滑化が挙げられるでしょう。Webサイトの構築や運用、Webサービスの展開に関わるノウハウを網羅的に習得することで、プロジェクトをスムーズに進行できる土台を整えます。

Web検定は4つの認定資格から構成されており、業務内容や目指すレベルによって受験資格を選択できます。まず入り口となるのは、Web制作やマーケティングに関する基本的な知識を学ぶ「Webリテラシー試験」です。さらにそこから、それぞれの専門領域に応じて「Webデザイン試験」「Webディレクション試験」「Webプロデュース試験」の3つに枝分かれしていきます。

Web検定を取得するメリット

Webサービスが年々進歩する現在では、「Webとまったく無関係な業種」が考えにくくなっています。Webサービスを展開する企業はもちろん、そうではない企業においても、業務におけるインターネットの利用は当たり前のものとなりました。

つまり今では、あらゆるビジネスパーソンにとって、Webに関する基本的な知識は必須だといえます。もっとも基礎的なところでは、情報漏洩などのリスクや、Web上における著作権などの権利関係についての意識が欠けていると、経営上のトラブルに発展してしまう可能性もあるでしょう。

さらに、チーム間やメンバー間でコミュニケーションを図る際にも、Webに関する知識が前提とされる場面は数多くあります。たとえば典型的なトラブルとして、Web制作において標準化されている知識を営業職が把握していなかったために、実現の難しい案件を受注してしまうケースなどが考えられます。このように、「Webの基本的なしくみ」についての理解が共有されていないことで生じるトラブルは少なくありません。

Web検定は、ビジネスパーソンが自身のスキルアップを目的に受験するケースのほか、企業単位で新人研修などに導入されるケースも見られます。Webサービスを展開する企業や広告代理店はもちろん、大手百貨店のマーケティング部署などにも導入例があることから、検定で学べる内容が「働くうえで必須となる知識」と位置づけられていることが読み取れるでしょう。

(参照:Web検定(ウェブケン)「活用事例」)

Web検定における4資格の概要と難易度

Web検定は4つの資格から構成されており、それぞれ扱う内容や対象者が異なります。以下では、4つの資格の概要や、想定される受験者層、合格難易度について解説していきます。

Webリテラシー試験の概要と難易度

「Webリテラシー試験」は、Web検定のうちもっとも基礎的な知識を扱う検定試験です。この試験に合格することで、「Webアソシエイト」という資格が取得できます。

試験内容に含まれるのは、Webを利用するさまざまなビジネスパーソンにとって、「共通言語」とすべき前提知識の数々です。公式サイト上の記載では、Webデザイナー・Webディレクター・Webプロデューサーという「主要3職種の最重要知識」を集約した資格として位置づけられています。

具体的には、インターネットビジネスの基本的な構造や、Webサイト構築の流れ、Webマーケティングについての基礎知識などが中心的な試験範囲です。概して、Webを通じたビジネスのありようを全般的に学ぶことで、業務に幅広い観点を取り入れていくための資格だといえます。

対象となる受験者は、これからWeb関連の職種に就職することを検討している人や、Webサービスの発注側として専門職と仕事をする機会のある人などが想定されています。その他、Webサービスを利用する際のリスク管理や、業務におけるコミュニケーションの円滑化を図りたいビジネスパーソンにとっても有用な資格だといえるでしょう。

(参照:Web検定(ウェブケン)「Webリテラシー」)

なお、Webリテラシー試験の合格率は2021年度までの累計で「63.2%」であり、2021年度は「76.9%」と高い数値が記録されました。Web上のビジネスに関する基礎知識を学ぶ資格であることから、難易度も初学者向けに設定されていると考えられます。

(参照:「受験実績 | Web検定(ウェブケン)とは?」)

Webデザイン試験の概要と難易度

「Webデザイン試験」は、Webデザイナーとしての専門知識を偏りなく身につけるための検定制度です。この試験に合格することで、「Webデザイナー」という資格が発行されます。

ビジュアルデザインの基本的な知識のほか、HTMLやCSSの基礎、インターフェースの設計などを試験範囲としており、Webサイトのデザインや導線設計において必須となるノウハウが学べます。

対象となる受験者としては、Webデザイナーとして働いている人、あるいは働こうと考えている人が挙げられるでしょう。さらに、業務のなかでWebデザイナーと頻繁にやり取りをする機会がある人にも推奨される資格です。

たとえばディレクターやライター、カメラマンなどがWebデザインの知識をもっていれば、Webサイトを構築する際に完成イメージを共有しやすく、進行がスムーズになると考えられるでしょう。

(参照:Web検定(ウェブケン)「Webデザイン」)

先の受験実績によれば、Webデザイン試験の合格率は、2021年度までの累計で「62.3%」です。2010年代前半までは30%~40%と、やや低めの合格率が記録されていましたが、近年は70%~80%を記録する年もあり、難易度としては低下傾向が見られます。ただし、2021年度は62.4%と過去5年間でもっとも低い数字を記録しており、今後の動向についてはやや見通しにくい状況です。

Webディレクション試験の概要と難易度

「Webディレクション試験」は、Web制作やWeb上でのプロジェクトにおけるディレクション業務を手がけるうえで、円滑に進行を管理するノウハウを学ぶための検定試験です。この試験に合格することで、「Webディレクター」という資格が与えられます。

学習内容としては、プロジェクトを運用するうえでの現状分析や施策立案にまつわる知識や、Webサイトを企画・設計・運用するためのスキルなどが挙げられます。総じて、Web上の施策を進める際、「舵取り」を担当する人に向けた内容が中心になるでしょう。

具体的な対象者としては、Webコンテンツの制作ディレクターや、プロジェクトマネージャーなどが想定されています。その他、経営層などマネジメント全般に関わるポジションにとっても有用な資格です。

(参照:Web検定(ウェブケン)「Webディレクション」)

受験実績を参照すると、Webディレクション試験の合格率は、2021年度までの累計で「68.5%」です。先のWebデザイン試験と同様、近年の合格率は上昇傾向にあります。しっかりと対策をしておくことで、初学者からでも十分に取得を目指せる難易度だと考えられます。

Webプロデュース試験の概要と難易度

「Webプロデュース試験」は、公式サイト上で「企画・発注側と制作側の両者を統括してマネジメントを行うプロデュース機能」に焦点を当てた資格として位置づけられています。この試験に合格することで、「Webプロデューサー」の資格を取得可能です。

一般に、WebプロデューサーはWebディレクターと近い内容を扱うため、厳密に差別化されないことも多いでしょう。ただしWeb検定の制度上では、Webプロデューサーがより高度な判断を担当するものと想定されています。

つまり、ディレクターは「制作側を統括する役割」を担いますが、プロデューサーはさらに「発注側との折衝」をふまえた総合的なマネジメントを担当する役割として考えられているのです。

具体的な試験内容としては、Web施策における現状把握や戦略立案のほか、プロジェクトのマネジメントに関わる広範な知識が対象とされています。

より高度かつ幅広い内容を扱うため、企業でマーケティングを統括する立場にある人や、Webコンサルティングを業として扱う事業者、その他Web関連のサービスをマネジメントする層などが受験者として想定されています。

(参照:Web検定(ウェブケン)「Webプロデュース」)

受験実績についての公式発表を見ると、Webプロデュース試験は、2021年度までの累計合格率が「31.6%」であり、他の3つに比べて著しく低い数字が記録されています。組織における重要な意思決定を担う層が受験者として想定されていることから、難易度も高めに設定されているといえるでしょう。

Web検定を受験する流れ

Web検定は基本的に、事前の対策や試験の申し込み、受験までを自身で行う必要があります。以下ではWeb検定の学習方法や、試験の受け方について解説していきます。

公式テキストで学習

Web検定の学習方法としては、公式テキストおよび公式問題集での独学が推奨されています。テキストで一定の範囲を学習したのち、問題集で理解度を確認する、という方法が基本になるでしょう。

さらに、Web検定の公式YouTubeチャンネルでは、それぞれの試験についての対策講座が公開されていますので、これを参考にしながら学習を進めるのも有効です。

テキストと問題集は4つの試験ですべて異なるため、受験する資格にあわせて用意する必要があります。ただし、Webデザイン・Webディレクション・Webプロデュースの試験においては、その前段階であるWebリテラシー試験の内容も出題対象とされています。具体的には、問題の約2割がWebリテラシーの公式テキストから出題されるため、どの試験を受けるにも同テキストを用意することが望ましいでしょう。

それぞれのテキストと問題集については、公式のブックストアから詳細の確認および購入が可能です。

試験の申し込み

試験の申し込みは、資格試験の運用サイト「J-Testing」から行います。手続きはインターネット上からのみ受け付けており、電話やFAXによる申し込みには対応していません。

試験は毎日、全国に約200会場を展開するJ-Testingのテストセンターで実施されるほか、自宅などでのリモート受験も可能です。会場受験の場合には、会場ごとに休業日や受付時間が異なりますので注意しましょう。

リモート受験の場合には、日程や時間帯を問わず試験を受けることができます。ただし、Webカメラやマイク、回線などの条件を満たす必要があるので、J-Testingの該当ページを十分に確認しておきましょう。

試験形式について

4つの検定試験は、いずれもコンピューターを用いた「CBT形式」です。会場受験の場合には、会場に用意されたパソコンを利用し、案内に従って試験を進めていきます。リモート受験の場合は、自身で用意したパソコンを使い、環境チェックや本人確認手続きを指示通りに進めたうえで、試験を開始します。

試験時間は4つの試験のいずれも90分です。問題数は試験の種類によって異なりますが、どれも正答率70%以上が合格ラインとして設定されています。受験問題については、公式サイト上で問題集の一部がサンプルとしてダウンロードできますので、傾向を知りたい方はチェックしておくとよいでしょう。

なお、各試験の受験料は税別10,000円で統一されています。

(参照:Web検定(ウェブケン)「お申し込みから受験まで | Web検定(ウェブケン)とは?」)

資格の発行と更新

試験の合否は、会場受験であれば試験後すぐに確認可能です。リモート受験の場合は、1週間後にJ-Testingのアカウント上で確認できます。合格したあとは、登録先のメールアドレスに資格登録証書としてPDFファイルが送付されます。

なお、資格の有効期限は2年間であり、更新には「資格継続試験」の受験が必要です。有効期限が切れる前の段階で、検定事務局から試験の案内が送付されますので、更新を希望する場合にはその案内に従い、継続試験に申し込みましょう。

継続試験はオンライン上で実施され、受験料は税別4,400円です。申し込み手続き後、事務局から送付される専用ページにアクセスし、問題に解答していきます。なお、もし不合格となった場合でも、期間内であれば一度だけ再受験が可能です。継続試験に合格すると、それから2年分の更新が認められ、また新たに資格登録証書が発行されます。

万が一資格の有効期間が過ぎてしまった場合でも、期限から2年以内であれば、継続試験に合格することで資格を再び有効にすることができます。

(参照:Web検定(ウェブケン)「資格の正式名称と更新 | Web検定(ウェブケン)とは?」)

Webに関する一般常識は、技術の進歩とともに少しずつ変化していく面があります。一度資格を取得したあとでも、継続試験を機に知識を学びなおす意義は小さくないでしょう。

もちろん、Webにおける常識の変化は、それまでの知識を無意味にするのではありません。資格の勉強を通じて得たノウハウは、その後の知的な土台となり、アップデートを繰り返すことでより洗練されていくと考えられます。

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この記事を書いた人

鹿嶋 祥馬
大学で経済学と哲学を専攻し、高校の公民科講師を経てWEB業界へ。CMSのライティングを300件ほど手掛けたのち、第一子が生まれる直前にフリーへ転身。赤子を背負いながらのライティングに挑む。

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