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Cookie規制とは?広告・マーケティングへの影響や対策をわかりやすく解説

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Cookie規制は、ユーザーの個人情報を守ることを目的に、世界中で導入が進められているルールです。日本でも電気通信事業法の改正により、Cookie規制が強化されています。

一方で、Webマーケティングにとっては大きな影響を及ぼす可能性があり、パーソナライズの精度低下や広告運用の難化といった課題も懸念されています。

本記事では、Cookie規制に関する、具体的な影響や対策をわかりやすくまとめました。そもそもCookieとはなにかから、Cookie規制が強まる理由、ブラウザごとのCookie規制などを解説しています。ぜひ参考にしてください。

目次

Cookie規制とは

Cookie規制の要約図

Cookie規制とは、Web上のユーザーの行動や情報を収集してきたCookie技術に、制限をかける規制のことです。

今まではサイトの管理者はWebを訪れたユーザーの情報や行動を、Cookie技術で取得していました。ですが、規制が始まってからは、ユーザーの同意なしに情報を収集することができなくなっています。

そもそもCookieとは

Cookieとはの図解

Cookie(クッキー)とは、Webサイト・サーバーにアクセスしたユーザーの情報を保存しておく仕組みを指します。

初回のアクセス時に入力したログイン情報や閲覧履歴などがCookieに保存され、2回目以降の訪問時にはそれらの情報が自動的に読み込まれます。これにより、ログイン状態が保たれたり、住所や名前の入力が省略されたり、動画が前回の続きから再生されたりするのです。

Cookieの主な種類

Cookieの主な種類の説明図

Cookieには、発行元によって「ファーストパーティー」「セカンドパーティー」「サードパーティー」の3種類があります。それぞれどんな役割なのか、わかりやすく解説していきます。

ファーストパーティーCookie

ファーストパーティーCookieとは、訪問したWebサイトのドメインが発行しているCookieのことです。ほかのサイトやドメインには、ファーストパーティーCookieの情報が提供されることはありません。

ログイン情報の保持や、ECサイトでカートに商品が入ったままになっているものが当てはまります。

セカンドパーティーCookie

セカンドパーティーCookieとは、他社で発行されたファーストパーティーCookieのことです。特定のWebサイトを訪問した人のみを対象にマーケティングを行ったり、リアルタイムでユーザーの行動を取得できます。

あるECサイトで得られたCookie情報を提携企業に提供し、別のサイト上でパーソナライズされたバナー広告を表示するといった使い方ができます。

サードパーティーCookie

サードパーティーCookieとは、訪問したサイトではない別ドメインから発行される第三者によるCookieのことです。

ユーザーの行動を判別できるので、広告の効果測定で主に使われます。リターゲティング広告が表示される仕組みも、サードパーティーCookieを利用したものです。

Cookie規制が強まる理由

Cookie規制が強まる理由のイメージ

世界中でCookie規制が強まる理由は、以下の通りです。

  • 個人情報保護の意識向上
  • 不透明なデータ利用の問題
  • 各国のプライバシー法整備
  • 企業による規制強化の流れ
  • スキャンダルによる信頼喪失
  • 子ども保護への規制強化
  • AIによる追跡技術の進化

それぞれの理由について解説していきます。

個人情報保護の意識向上

Webサイトを利用するユーザーの情報が自動で保存されるため、自分の個人情報がどう扱われているのかを疑問視する声が増えました。とくに、SNSや通販サイトでのプライバシーへの配慮を求める声が強まっており、企業や政府がCookieの扱い方を見直す必要に駆られたことがきっかけとなります。

不透明なデータ利用の問題

ユーザーの同意を得ずにデータを収集し、どの企業にどう使われているか分からないという「見えない追跡」による不信感も、Cookie規制が強化された理由の1つです。

各国のプライバシー法整備

世界各国では、GDPR(EU一般データ保護規則)やCCPA(カリフォルニア消費者プライバシー法)など、Cookieを含む個人情報の取り扱いに関する法律が整備されつつあります。こうした国と取引する企業は、これらの法規制に対応したCookie管理が求められるようになっています。

企業による規制強化の流れ

AppleやMozillaなど、プライバシーを重視する企業が独自にCookieの制限を進めていることも、Cookie規制が強化されている理由です。後ほど詳しく紹介しますが、各種ブラウザでもサードパーティーCookieを自動でブロックする機能が導入されています。

スキャンダルによる信頼喪失

過去には、FacebookとCambridge Analyticaによる大規模な個人情報流出事件などが発生し、社会全体に衝撃を与えました。こうした事件は、ユーザーの不信感をさらに高め、Cookieを含むデータ利用の厳格なルール化の後押しとなったでしょう。

子ども保護への規制強化

未成年者のプライバシーを守る目的で、子どもを対象とするWebサービスでは特に厳しいCookie規制が求められています。たとえばアメリカの「COPPA(児童オンラインプライバシー保護法)」では、13歳未満の子どもへのターゲティング広告を禁じる動きが強まっています。

AIによる追跡技術の進化

AI技術の発展により、Cookieをもとにした個人の行動パターンや興味・関心のプロファイリングが、これまで以上に精密に行えるようになっています。こうした高度な追跡精度は、利便性と引き換えにプライバシー侵害のリスクを高めています。今後はAI技術の進化にともない、Cookie規制もさらに強化されていくと考えられるでしょう。

日本でのCookie規制はいつから始まったのか

個人関連情報に関する図

日本でのCookie規制は、2022年4月に行われた「改正個人情報保護法」の施行がきっかけです。

この法律で、新たに「個人関連情報」という概念が生まれました。個人関連情報とは、個人情報(氏名・生年月日・住所など)に含まれない個人に関する情報のことです。Webサイトの閲覧履歴や位置情報などが当てはまります。

改正個人情報保護法では、個人関連情報を取得する際に、同意が必要であると規定されています。Cookieも個人関連情報に該当するため、同意が必須となりました。これが、日本でのCookie規制の始まりです。

電気通信事業法の改正がCookie規制に影響

外部送信規律の図解

改正個人情報保護法に続き、2023年6月には「改正電気通信事業法」も施行され、Cookie規制がさらに強化されました。電気通信事業法とは、利用者が安心して電気通信事業を利用できるよう、事業者側に対して定めた法律のことです。

改正電気通信事業法では、「外部送信規律」の項目でCookie規制が新設されました。内容は、Webサイトがユーザーの情報を外部の事業者へ送信する際、どのような情報が、どの相手に、どんな目的で送られるのかを明示することが義務化されたというものです。

とくに、広告やアクセス解析などで使われるサードパーティCookieは、ユーザーの同意なしに外部へ情報が送信されるケースが多く、長年問題視されてきました。そのため、ユーザーが気づかないうちにデータが外部に渡ることを防ぐ目的で、この新しいルールが導入されたのです。

Cookie規制によるマーケティング業界への影響

Cookie規制によるマーケティング業界への影響のイメージ

Cookie規制は、Webマーケティング業界への影響が大きいです。特に以下の5つの影響があります。

  • リターゲティング広告が表示されにくい
  • 広告のパーソナライズ精度が下がる
  • コンバージョン計測の正確性が落ちる
  • アクセス解析ツールの取得データが減る
  • 広告施策の費用対効果が測りにくくなる

Cookie規制によるマーケティング業界への影響について、もう少し詳しく解説していきます。

リターゲティング広告が表示されにくい

Cookie規制によるリターゲティング広告の図解

リターゲティング広告には、サードパーティーCookieが活用されています。そのためCookie規制によって、リターゲティング広告の配信が難しくなりました。リターゲティング広告が表示されにくくなることで、ユーザーに再検討を促すアプローチが難しくなります。Webマーケティングにおいては、大きなデメリットと言えるでしょう。

広告のパーソナライズ精度が下がる

マーケティングにおけるパーソナライズとは、一人ひとりのユーザーに合った情報やサービスを提供することです。Cookieで収集した行動データをもとに広告をパーソナライズする仕組みですが、規制によってその精度が低下してしまいます。

ECサイトでよく見かける「あなたにおすすめ」などのレコメンドも、表示されにくくなるリスクがあります。

コンバージョン計測の正確性が落ちる

コンバージョン測定の図解

Cookie規制が進むと、広告を見たユーザーの行動を追跡することが難しくなり、ビュースルーコンバージョンの計測精度が低下します。ビュースルーコンバージョンとは、広告を見たもののクリックしなかったユーザーが、後ほど広告を検索してサイトを訪れて達成した成果のことです。

このように間接効果を計測できないと、本当に広告が成果につながっているのかを正しく判断するのが難しくなります。

アクセス解析ツールの取得データが減る

Cookieの制限により、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールでも取得できるデータが限られてきています。とくにサードパーティCookieを利用したユーザーの行動追跡が難しくなり、流入経路や滞在時間、CVまでの導線といった情報の可視化に支障をきたすケースも増えています。

広告施策の費用対効果が測りにくくなる

Cookie制限により広告のROIが測りにくくなる図解

広告のクリック数やコンバージョン率が正確に取得できないことで、施策ごとの成果を正しく把握するのが難しくなります。結果、どの広告が効果的だったのか、どこに予算をかけるべきなのかといった判断が困難になり、広告運用の最適化にも影響が出るでしょう。

企業が行うべきCookie規制への対応

企業が行うべきCookie規制への対応のイメージ

Cookie規制によりマーケティング活動がしづらくなっている今、企業としては以下のような対策を行っておくと良いでしょう。

  • Cookieの利用目的と送信先を開示する
  • 同意取得バナー(ポップアップ)の導入
  • プライバシーポリシーを最新の内容に見直す
  • Googleタグマネージャーなどの設定を確認
  • ファーストパーティデータを活用
  • Cookieを使わない広告手法を検討

優先度が高い順に並べています。順にどのようなことを行うのか紹介していきます。

Cookieの利用目的と送信先を開示する

Webサイトのプライバシーポリシーや利用規約ページなどで、Cookieの利用目的と送信先を明確に示しておきましょう。 電気通信事業法の「外部送信規律」への直接対応となります。Cookieで取得した情報の使い道がわかれば、ユーザーの不信感を和らげる効果を期待できるはずです。

同意取得バナー(ポップアップ)の導入

「改正個人情報保護法」への対応として、ユーザーにCookie使用の同意を求めることが重要です。初回訪問時にポップアップでCookie同意バナーを表示し、「すべて同意」「一部同意」「拒否」などの選択肢をユーザーに提示することをおすすめします。

プライバシーポリシーを最新の内容に見直す

Webサイトに掲載しているプライバシーポリシーの内容が、最新の法制度や実態に合っているかを確認することも大切です。とくに2023年6月以前から一度も修正していない場合は、できるだけ早めに見直しておきましょう。

また、記載内容が法律の根拠や実際の運用と矛盾していないかどうかも、あわせて確認しておくべきです。

Googleタグマネージャーなどの設定を確認

Googleタグマネージャーは、Webサイトに設置されたトラッキングタグやコンバージョンタグなどを一元管理できるツールです。

従来はブラウザ上(ユーザー側)で情報を管理していましたが、最近では「サーバーサイドタグ管理(サーバーサイドGTM)」に切り替える企業も増えています。 これにより、セキュリティが向上し、第三者がCookieデータにアクセスしづらくなります。

結果、ユーザーのデータはファーストパーティーCookieとして扱われるようになり、サードパーティーCookie規制の影響を受けにくくなるのです。

ファーストパーティデータを活用

ファーストパーティデータは、企業が自社のWebサイトやアプリを通じて直接取得したユーザー情報です。会員登録時の情報や購入履歴、サイトの閲覧履歴などが該当します。

サードパーティCookieが使いにくくなる中で、このファーストパーティデータは非常に重要な資産となります。 ユーザーの同意を得て収集した信頼性の高いデータをもとに、メール配信やレコメンド、広告配信の最適化など、個人情報保護に配慮したマーケティング施策を行うことが可能です。

Cookie規制時代の今、まずはファーストパーティデータを蓄積し、活用できる体制を整えておくことが重要となります。

Cookieを使わない広告手法を検討

Cookieが使いにくくなったことで、これまでのようにユーザーの行動を追いかけるマーケティングが難しくなってきました。そのため、Cookieに頼らずにユーザーの興味を知る新しいやり方が必要になっています。

たとえば、自社サイトで集めた「ファーストパーティデータ」や、今ユーザーが見ているページの内容に合った広告を表示する「コンテキストターゲティング」、ユーザー自身が答えてくれたアンケートやプロフィール情報などの「ゼロパーティデータ」が注目されています。

こうした手法は、Cookieによる追跡が制限されても、ユーザーの興味に合った広告を届ける方法として期待されています。 Cookie規制の影響を受けにくいこれらの施策は、早めに取り入れておくことで、今後のマーケティング施策に差が出るでしょう。

ブラウザごとのCookie規制への対応状況

ブラウザごとのCookie規制への対応イメージ

Cookieに対する規制が各国で進む中、ブラウザ側でもCookie規制を行う動きが出てきています。

SafariやGoogle Chromeといったブラウザ側で、Cookieをブロックしてしまえば、Cookieを利用することができなくなります。Cookieを利用したいと考えている人にとっては、大きな影響が出る動きでしょう。

ここからは、ブラウザごとにどのようなCookie規制の対応を行っているのか解説します。

Google Chrome

Googleは、2020年にプライバシー保護を強化する「Privacy Sandbox」構想のもと、サードパーティーCookieの廃止を計画していました。​しかし、2024年7月22日にこの方針を撤回し、サードパーティーCookieの廃止を取りやめることを発表しました。​

その後、2025年4月には、サードパーティーCookieに関する新たな選択プロンプトの導入も取りやめ、現在のアプローチを維持することを決定。​これにより、ユーザーは引き続きChromeの「プライバシーとセキュリティ設定」からCookieの管理を行うことになります。​

この方針転換の背景には、広告業界や規制当局からの反発、代替技術の開発の難航などがあるとされています。​今後もプライバシー保護と広告のバランスを取るための取り組みが求められるでしょう。

Safari

Safariでは、2017年にサードパーティーCookieの情報を30日間で削除するという仕組みを導入しました。その後、2020年3月には完全にサードパーティーCookieをブロックしています。ファーストパーティーCookieに関しても、2023年から付与状況に関わらず、最大7日間で削除するという制限を設けています。

プライバシーを重視する方針が強く、Cookie規制への対応が最も進んでいるブラウザのひとつと言えます。

Microsoft Edge

Microsoft Edgeは、2025年5月時点ではGoogle Chromeと同様に、ユーザー自身が設定でCookieを管理できる仕様となっています。

ただし、2024年3月には、Edgeでも将来的にサードパーティCookieを廃止する見通しがあることが発表されました。具体的な廃止時期は明らかにされていませんが、2025年中には何らかの動きがあると見られています。

将来的には、Cookie規制がさらに強化される可能性が高いブラウザのひとつとなるでしょう。

Firefox

Firefoxでは、「強化型トラッキング防止(Enhanced Tracking Protection)」と「包括的Cookie保護(Total Cookie Protection)」の機能が標準で有効になっており、サードパーティCookieは自動的にブロックされます。

ユーザーは「プライバシーとセキュリティ」の設定から、Cookieのブロックレベルをカスタマイズすることも可能です。 つまり、デフォルトで高いプライバシー保護が実装されている一方で、柔軟な管理もできる仕様となっています。

Cookie規制によるユーザーへの影響

Cookie規制によるユーザーへの影響のイメージ

Cookie規制は、インターネットを利用するすべてのユーザーに影響を与える規制です。ユーザーに対しては、以下のような影響があります。

  • Cookie取得の許可・拒否を選択できる
  • 個人情報の取扱いに対する安心感が高まる
  • ログインやカート情報の保持期間が短くなる
  • 興味ない広告が増える可能性がある

それぞれについて解説していきます。

Cookie取得の許可・拒否を選択できる

Cookie規制によって、ユーザー自身がCookieの取得を「許可する」「拒否する」といった選択ができるようになりました。 これは、運営者や企業が勝手に情報を取得することが、プライバシーの侵害につながると考えられているためです。

最近よく見かける「Cookieの使用を許可しますか?」というポップアップは、こうしたルールに基づいて表示されています。 なお、Cookieを拒否しても多くのサイトは閲覧可能なので、安心してください。

個人情報の取扱いに対する安心感が高まる

Cookie規制が強化されたことで、Webサイトがユーザーの情報をどのように扱うかが明確に示されるようになりました。 情報の収集・利用には、あらかじめユーザーの同意が必要とされるため、「知らないうちに勝手に使われていた」といった不安が減ってきています。

自分のデータがどう扱われるのかを確認できることで、プライバシーに対する安心感が高まっているユーザーも多いでしょう。

ログインやカート情報の保持期間が短くなる

SafariやFirefoxなど、Cookie規制が強化されているブラウザを利用している場合、ログイン状態やカートの中身が短期間でリセットされることがあります。これは、ファーストパーティCookieの保持期間に制限があるからです。

たとえば、「カートに商品を入れておいて、後日購入しよう」と考えていたのに、再訪時にはカートが空になっていたというケースもあります。一部のユーザーにとっては、使い勝手が悪いと感じる要因になり得るでしょう。

興味ない広告が増える可能性がある

サードパーティーCookieが活用されているリターゲティング広告が配信できなくなるうえ、一人ひとりに合ったパーソナライズの精度も下がります。 結果、関心のない商品やサービスの広告が表示されることが増える可能性があります。

従来のように「前に見た商品がまた表示される」「自分の興味に合った広告が出てくる」といった体験が減ることで、今まで以上に広告が邪魔と感じるかもしれません。

Cookie規制と行政処分事情

Cookie規制と行政処分事情のイメージ

ここでは、世界各国のCookie規制による行政処分の事例を3つ紹介します。行政処分になると多額の制裁金を払わなければいけなくなるので、事例を反面教師に対策しましょう。

日本:内定辞退率予測問題

2019年8月、リクルートキャリアが学生のCookie情報を利用して内定辞退率を予測し、企業に販売していたことが発覚しました。​アンケートでCookie利用の目的が明示されていなかったため、個人情報保護委員会から是正勧告を受けました。​この事例は、日本におけるCookie利用の透明性と同意取得の重要性を示すものとなっています。

▶参照:個人情報保護委員会(PPC)

アメリカ:消費者プライバシー法違反

2022年8月、アメリカの化粧品小売大手セフォラは、カリフォルニア州の消費者プライバシー法(CCPA)違反となりました。個人情報の販売に関する開示義務や「個人情報を売らない」ボタンの設置などを怠ったとして、カリフォルニア州司法省から120万ドル(約1億6,000万円)の制裁金を科されています。

CCPA違反に対する初の公的罰金として、アメリカだけではなく世界中で注目された事例です。

▶参照:アメリカ・カリフォルニア州司法長官公式

フランス:同意取得の不備による巨額制裁

2022年1月、フランスのデータ保護機関CNILは、GoogleとMetaに対し、Cookieの同意取得方法が不適切であるとして、合計2億1,000万ユーロ(約275億円)の制裁金を科しました。

内容は、「Google」「YouTube」「Facebook」において、Cookieの受け入れは1回のクリックで済む一方、拒否するには複数回のクリックが必要な仕様が、ユーザーにとって不公平であると判断されました。​

▶参照:日本経済新聞

Cookie規制に関するよくある質問

Cookie規制に関するよくある質問を精査するイメージ

Cookie規制に関するよくある質問を、ネット上から集めてみました。

  • Q1.日本の中小企業もCookie対応は必要?
  • Q2.ファーストパーティCookieは同意不要?
  • Q3.「外部送信規律」対象かはどう判断する?
  • Q4.Googleタグマネージャーは使い続けても平気?
  • Q5.Cookieの同意を拒否したらサイト閲覧はできない?

それぞれの質問について回答していきます。

Q1.日本の中小企業もCookie対応は必要?

企業の規模にかかわらず、WebサイトでCookieを使ってユーザーの情報を取得している場合は規制の対象になります。とくに、広告タグやアクセス解析ツールを導入している場合は要注意です。

ユーザーから同意を取る表示や、プライバシーポリシーの整備など、最低限の対応をしておきましょう。放置しているとトラブルや指導の対象になる可能性もあります。

Q2.ファーストパーティCookieは同意不要?

ファーストパーティCookieでも、取得する情報の内容によっては同意が必要となります。行動履歴や閲覧履歴を用いて広告配信などに活用する場合は、「個人関連情報」として扱われるからです。

一方、ログイン状態の維持など、ユーザーの利便性に直結する用途での利用は、同意なしでも問題はありません。

Q3.「外部送信規律」対象かはどう判断する?

サイト内のタグやスクリプトを通じて、ユーザー情報が外部の第三者(ブラウザやSNSなど)に送信される仕組みがある場合は、外部送信規律の対象になります。

判断が難しい場合は、Googleタグマネージャーの設定や利用している外部サービスを確認し、「誰に」「どんな情報を」「何の目的で」送っているかを整理してみましょう。

Q4.Googleタグマネージャーは使い続けても平気?

使い続けること自体は問題ありません。「ユーザーへの同意は必須」「プライバシーに配慮した設定を行う」ことが重要です。Cookie規制への強化を行う場合は「サーバーサイドGTM」への移行がおすすめです。

Q5.Cookieの同意を拒否したらサイト閲覧はできない?

基本的には、Cookieを拒否してもサイトの閲覧はできます。最近では「全て拒否」や「一部許可」を選べる同意バナーも増えており、ユーザーが自分の判断で情報提供をコントロールできるようになっています。

ただし、ログイン保持・カート情報・おすすめ表示などの一部機能が制限される可能性があります。

まとめ

Cookie規制のまとめイメージ

Cookie規制は、個人のプライバシー保護を重視する世界的な流れの中で、年々厳しさを増しています。日本国内でも法律の改正や外部送信規律の新設により、企業がCookieの使い方を見直す必要性は高まっています。

とくにWebマーケティングや広告運用では、リターゲティング広告やコンバージョン測定など、従来の手法が使いにくくなる影響も出ています。これからは、Cookieに依存しないデータ活用や、ユーザーとの信頼関係に基づいたマーケティング施策が求められるでしょう。

ユーザーからの同意取得、プライバシーポリシーの整備、外部送信の開示など、すぐに始められる対策もあります。まずは自社の現状を確認し、法令に対応した安心・安全なサイト運営を進めていきましょう。

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この記事を書いた人

ささき
2019年にサングローブに中途入社。入社前は音楽業界で営業、商品開発、SNS運用などに携わっていた。現在はSEO運用サポートを経て、メディア運営・執筆に取り組んでいる。

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