
にじジャーニー(niji・journey)とは?使い方や料金プラン、商用利用について解説!
「にじジャーニー( niji・journey )」というサービスをご存知でしょうか。近ごろ話題の画像生成AIの一種ですが、2次元のイラストに特化しており、操作画面が日本語で使いやすいという特徴があります。
本記事では、「にじジャーニー」の基本情報をはじめ、使い方や料金プラン、商用利用について解説しています。実際に使ってみた感想やプロンプト例もご紹介するので、にじジャーニーが気になっている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
にじジャーニー(niji・journey)とは

「にじジャーニー(niji・journey)」とは、アニメ・ゲーム調のイラストに特化した画像生成AIです。ジャーニーという名前のとおり、「Midjourney」をベースに設計されています。
また、スマホアプリやブラウザのほかに、コミュニケーションツールのDiscord上で操作できる点もMidjourneyと同じです。コメント入力画面にプロンプト(テキスト)を入力すれば、それに応じたイラストが生成されます。
Midjourneyの詳細についてはこちらで詳しく解説しています。
>>>Midjourney(ミッドジャーニー)の使い方を画像で解説!商用利用できる?無料版は?
AIとアニメ文化を融合させた画像生成AI
にじジャーニーの最大の特徴は、日本のアニメ・マンガ・ゲーム文化に特化したAI学習モデルを採用していることです。膨大なアニメ・マンガ・ゲームイラストを学習データとしており、キャラクターの大きな瞳や独特の髪の質感、デフォルメ体型、鮮やかな色彩、繊細な線画など、アニメ特有の表現を高精度で再現します。
ユーザーは、「ファンタジー世界の魔法使い少女」「学園もののツンデレキャラ」などのプロンプトを入力するだけで、日本のアニメーション業界で培われてきた表現技法を取り入れた画像を生成できます。
にじジャーニーとMidjourneyの違い
比較項目 | にじジャーニー | Midjourney |
---|---|---|
主な特徴 | アニメ・マンガ・ゲーム向け二次元イラストに特化 | 写実、油絵、抽象画など多様なアートスタイルに対応 |
アートスタイルの傾向 | 日本アニメ風(目・髪型・服装などに強み) | 写真風〜ファンタジー画まで幅広く生成可能 |
プロンプト対応 | 「ツンデレ」「制服」「桜」など日本文化固有のキーワードに強く反応 | アニメ風にも対応するが、特化していないためやや不安定 |
生成画像の一貫性 | アニメ調で一貫性のある高品質なビジュアル生成が可能 | スタイルの幅が広いため一貫性はプロンプト次第 |
商用利用 | 有料プランのみ商用利用可能 | 有料プランのみ商用利用可能 |
利用対象者 | アニメ・マンガ・ゲーム制作関係者、同人作家、日本のアニメファンなど | デザイナー、写真家、コンセプトアーティスト、幅広い業種 |
強み | アニメ・二次元特化の精度・安定感・日本文化理解力 | 多彩なアートスタイルへの汎用性・表現力 |
にじジャーニーとMidjourneyの違いは、出力される画像のアートスタイルと特化性です。Midjourneyは写真や油絵、抽象画など幅広い表現に対応する汎用AIですが、にじジャーニーは日本のアニメ・マンガ・ゲームなど二次元イラストに特化した画像生成AIとなっています。
操作面では、にじジャーニーはアニメ・マンガ関連のプロンプトキーワードに強く、「制服」「桜」「ツンデレ」などの日本文化特有の概念も正確に理解します。Midjourneyでもアニメ風の画像生成できますが、にじジャーニーはアニメ表現に最適化されたアルゴリズムを用いているため、より一貫性のあるアニメ風イラストが生成可能です。
にじジャーニーの料金プラン
「にじジャーニー」を利用するためには有料プランに加入する必要があります。具体的には以下のとおりです。
プラン名 | Basic | Standard | Pro | Mega |
---|---|---|---|---|
月額料金 | 10ドル | 30ドル | 60ドル | 120ドル |
高速生成 | × | 15時間 | 30時間 | 60時間 |
同時高速画像生成 | 3枚まで | 10枚まで | 12枚まで | 12枚まで |
同時高速ビデオ生成 | 1本まで | 3本まで | 6本まで | 12本まで |
画像エディタ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
「にじジャーニー」とMidjourneyは1つのDiscordアカウントで利用できます。つまり、料金プランも連動しているということです。
また、画像生成AIは「クレジット」「トークン」という単位を消費し、画像を生成する仕組みが一般的ですが、「にじジャーニー」では異なります。かわりに「GPU Time」という単位が使用されます。
にじジャーニーの無料期間は終了
以前の「にじジャーニー」には無料版が存在しました。約25枚ほどイラストを生成できたので、本サービスの使い心地を試すのにぴったりでしたが、無料トライアルは25年8月時点ではアプリ版のみで提供されており、ブラウザ版での提供はありません。
参考までに、有料の料金プランを契約しない状態でプロンプトを入力すると、以下のようなアナウンスが表示されます。

日本語で要約すると「有料プランに加入しよう」という内容です。にじジャーニーの無料トライアルは需要増加により廃止されたため、おそらく復活することはないでしょう。
無料の画像生成AIが知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
支払い方法
「にじジャーニー」の支払い方法は、決済代行プラットフォームのStripeです。StripeはMastercardやVISAなど主要国際ブランドに対応しているので、一般的なクレジットカードやデビットカードをお持ちなら問題ありません。
詳細はこちらを参考にしてください。
ちなみに、Stripeは「PCI サービス プロバイダー レベル 1」です。これは決済業界の最も厳しいレベル認定なので、セキュリティ面は安心していいでしょう。
残念ながら、PayPalや電子送金には対応していません。
にじジャーニーの始め方
ここでは、webサイトやブラウザにおける「にじジャーニー」の始め方を解説します。
まずは公式サイトにアクセスし、「Get Standard」をクリックしてください。

Googleまたはディスコードアカウントの連携が求められるので、いずれかを選択します。

ログインが完了するとホーム画面に入るので、「Create」から実際に作成できます。

【Discord編】にじジャーニーの使い方
にじジャーニーは、Discord上でも簡単に画像生成ができます。
まずは、にじジャーニーのDiscordコミュニティにアクセスし、ユーザー名を入力して「はい」を選択します。アカウントをお持ちなら「既にアカウントをお持ちですか?」からログインしてください。

「画像生成(-数字)」のスレッドに入室します。

コメントボックスに「/image」と入力してください。

プロンプトを入力します。今回は「ダンスバトルをする猫と犬」にしてみました。結果は以下のとおりです。

イラストは1度に4枚生成されます。「にじジャーニー」のDiscordにおける使い方はwebサイト版とスマホアプリ版で変わりません。画面の大きさがPCとスマホでは異なるので、そこだけ注意すれば大丈夫でしょう。
「U1」「V3」の使い方については、Midjourneyの記事で解説しているので参考にしてください。
>>>Midjourney(ミッドジャーニー)の使い方を画像で解説!商用利用できる?無料版は?
【スマホアプリ編】にじジャーニーの使い方
2023年10月18日、「にじジャーニー」の単体アプリがリリースされました。使い方は以下のとおりです。
- アカウント登録
- プロンプトを入力して画像を生成
- 画像のスタイル・アスペクト比・生成モードを選択
- 画像の生成を開始する
- スマホに画像を保存
手順に沿って解説します。
アカウント登録

まず、アプリをインストールし、「はじめる」をタップしてください。スマホ版では利用規約に同意後、20回分の無料クレジットが付与されます。
プロンプトを入力して画像を生成

ホーム画面が表示されます。コメントボックスにプロンプトを入力してください。今回は「右手に雷の魔法、左手に炎の魔法を発動している二足歩行の猫」にしてみます。
画像のスタイル・アスペクト比・生成モードを選択

プロンプト入力後、ツールバーから画像のスタイルやアスペクト比、生成モードの調整ができます。

また、L字ブロックのようなロゴではアスペクト比を変更できます。

ファイルマークのロゴでは、にじジャーニー内でプロファイルを作成できます。ファイルにまとめておけば、自分が作った画像を管理しやすくなります。

調整バーのロゴでは生成モード、視認性を調整可能です。

一番左のロゴは、画像をアップロードする機能なので今回は使用しません。生成結果は以下のとおりです。
画像の生成を開始する

各項目を選択したら、右端にある生成マークを押して生成を開始します。すると、4枚の画像が生成されます。

それぞれの写真をタップすれば、拡大表示されます。
生成結果は以下の通りです。4枚中2枚は雷・炎のいずれかしか反映されていません。ただ、全体的なクオリティはかなり高いです。

画像は再度プロンプトを調整して再生成することも可能です。ズームや配置など細かな設定を調整できるので、より理想に近い画像を作成できます。
スマホに画像を保存

スマホに保存する際は、右端のダウンロードボタンをクリックします。 そのままインスタグラムやTikTokなどのSNSにシェアすることも可能なので、作品の発信も手軽に行えます。
にじジャーニーを使って画像生成をしてみた

実際に、にじジャーニーを使って画像生成をしてみました!ビジネスシーンでの利用を想定した生成画像とプロンプトもご紹介しているので、参考にしてみてください。
IT企業の公式キャラクター

プロンプト例
クリーンな白背景に立つ、爽やかで信頼感のある20代の男女ペアキャラクター。スーツ姿、やわらかい表情、親しみやすいデザイン。アニメ調、企業マスコット風、明るい色使い
企業のWebサイトやパンフレット、動画コンテンツなどに活用できる公式キャラクターを想定して作成しました。
信頼感や爽やかさ、親しみやすさを意識したプロンプトにより、ビジネスシーンでも違和感なく活用できるキャラクターに仕上がっています。IT、金融、人材、教育など幅広い業種で導入しやすいビジュアルです。
ライフスタイル系インフルエンサーのビジュアル

プロンプト例
カフェのテラス席でラテを飲む、おしゃれな20代女性。自然光、ナチュラルな雰囲気、背景に観葉植物。現代日本の街並み、インスタ映えする構図、アニメ風
カフェやファッション、美容系ブランドのSNS投稿や広告ビジュアルに最適な女性キャラクターを生成しました。ナチュラルなライフスタイルを感じさせる構図に加え、アニメ調ながらリアルな描写も含むことで、視覚的な訴求力を高めています。
プロンプトに「自然光」や「観葉植物」などの要素を加えることで、日常に溶け込む自然な絵作りが可能になります。
未来の働き方を象徴するシーン

プロンプト例
広々とした近未来のオフィスで、ホログラムを操作する男女のビジネスパーソンたち。空間はガラス張り、ブルートーンの光、スタイリッシュなデザイン、アニメ風・SF風
新規事業のプレゼン資料や企業の未来ビジョンを示すスライドで使用しやすい、近未来的なビジュアルを生成しました。
ホログラムやガラス張りの空間演出により、テクノロジーの進化を象徴する表現となっています。ビジネスの革新性や先進性を伝えたい場面に適しており、資料の説得力を高める素材として活用できます。
にじジャーニーの活用例

にじジャーニーで生成したコンテンツは、広告制作や商品開発、社内外のコミュニケーションなどさまざまなビジネスシーンで活用できます。
ここでは、代表的な活用例5選を具体的にご紹介します。
マーケティング・プロモーション素材の制作

にじジャーニーで生成したアニメイラストは、SNS投稿やWeb広告、キャンペーンバナーなどのプロモーション素材として活用できます。新商品のイメージ画像や季節限定の特集ページ、イベント告知用のビジュアルにも使いやすいです。
キャラクターの表情やシチュエーションを細かく変えれば、ターゲットやキャンペーンごとに最適なイメージを短時間で用意できます。
ゲーム・エンターテインメント業界でのコンテンツ制作

キャラクターデザインや背景アート、プロトタイプ用のイメージボード制作も手軽に行えます。ゲーム内イベントやプロモーションのためのビジュアル案を複数パターン作成したり、世界観のイメージを早い段階で共有したりする場面で役立ちます。
開発スピードを落とさず、さまざまな構想をビジュアル化できるため、効率的な企画進行やチーム内の認識共有ツールとして活用することも可能です。
コンテンツ制作・メディア業界での挿絵・ビジュアル制作

記事や書籍、Webメディアの挿絵や表紙案、特集ページのイメージカットなどにも使えます。物語や記事の内容に合わせてテイストを変えたビジュアルをすぐに作成できるので、編集や校正時の差し替えや追加にも柔軟に対応できます。
また、複数の候補を短時間で出せることから、クリエイティブの方向性を決める上でも効率的です。制作コストの削減や納期の短縮に繋がり、より充実したコンテンツ制作ができるようになります。
商品デザイン・オリジナルキャラクターの立案

グッズやパッケージデザイン、ノベルティの試作イラストも素早く作成できます。オリジナルキャラクターや限定商品のデザイン案を複数出したり、販促用のビジュアルを設定したりする際も活用しやすいです。
短時間で多様なアイデアを出せるため、企画からデザイン決定までの流れをスムーズに進められます。
企業ブランディング・社内資料制作

企業やブランドのイメージキャラクターやマスコットの制作、Webサイトやパンフレットへの掲載、プレゼン資料や研修資料の挿絵としても利用可能です。親しみやすいアニメ調のビジュアルで、社内外のコミュニケーションやブランドイメージの印象付けがしやすくなります。
特に若年層の社員や顧客に対して、企業メッセージをより感覚的に伝えられるので、採用活動や社内研修にも役立てられます。
にじジャーニーは商用利用できる?著作権は?

「にじジャーニー」は、有料プランであれば商用利用できます。つまり、制作したイラストや画像をビジネス用途で活用することが可能です。
著作権に関しても、生成した作品の権利はユーザーに帰属します。サブスクリプションを終了した後であっても、著作権は引き続きユーザーのものとして保持されます。
公式でも、以下のように明示されています。
にじジャーニーまたは Midjourney のサブスクリプション購入者は、サブスクリプション期間が終了していても作成したすべての画像を所有し、自由に使用することができます。
引用:にじジャーニー
ただし、年間売上が100万米ドル以上ある企業が商用利用する場合は、「Pro」または「Mega」プランに加入する必要があります。
また、他者が作成した画像をアップスケール(画質向上)する場合、その画像の著作権は元の作成者に帰属します。アップスケールした画像はユーザーの個人ギャラリーではなくウェブ上の共有ギャラリーに表示され、商用利用などで使用したい場合は元の作成者の許可が必要となります。この点は利用時に特に注意が必要です。
にじジャーニーのまとめ
本記事では、画像生成AIのにじジャーニーについて解説しました。押さえておきたいポイントは以下のとおりです。
- 日本のアニメやゲーム調イラストに特化した画像生成AI。
- Midjourneyをベースにしており、Discord上での操作性が同じ。
- 有料プランのみ商用利用が認められている。
- 著作権はユーザーに帰属。サブスクリプション終了後も制作した画像は自由に活用可能。
Midjourneyとの違いは、「アニメやイラストの特化度」「日本語特有のキーワードへの対応力」という点です。にじジャーニーは、アニメ調のイラストを安定して生成できるため、アニメ・マンガ制作に最適です。一方、Midjourneyは多様な表現が可能なので、より幅広いクリエイティブニーズに応えられます。
なお、以前はウェブ版でも無料トライアルがありましたが、現在はアプリ版のみ無料クレジットが付与されます。料金プランは用途に応じて選べるので、制作したいイラストの量やスピード、商用利用の有無に合わせて最適なプランを選んでみてください。
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