鍼灸院の広告規制とは?掲載できる内容とNG表現をわかりやすく解説
鍼灸院の広告規制は、あはき法をはじめとする複数の法律によって厳しく定められています。
例えば、「腰痛に効果があります」「地域No.1の鍼灸院」といった表現は違反になることがあり、知らずに使い続けると30万円以下の罰金や行政指導を受けるリスクがあります。
本記事では、広告に掲載できる内容から、やりがちなNG表現の具体例、違反した場合のリスク、広告規制を守りながら最大限に魅力を伝えるコツまでわかりやすく解説します。
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目次
鍼灸院の広告規制とは?

鍼灸院の広告規制とは、広告に掲載できる内容を法律によって限定する仕組みのことです。自由に表現できるわけではなく、法律で認められた事項のみを広告に掲載できます。
広告規制は、患者が過度な宣伝や誤解を招く表現に惑わされることなく、適切な情報をもとに施術所を選べる環境を整えるために設けられています。そのため、効果を断定する表現や、根拠のない優位性を示す表示などは認められていません。
あはき法が定める広告制限の基本
鍼灸院の広告ルールの中心となるのが、あはき法(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律)です。
あはき法では、広告に書いてよい内容があらかじめ決められています。そのため、書いてよいとされている項目以外は、原則として広告に載せることができません。
制限されている理由は、鍼灸が人の身体に関わる施術だからです。誇大広告が許されると、患者が過度な期待を抱き、適切な医療機関を受診する機会を逃すおそれがあります。そのため、広告表現は法律によって厳しく制限されています。
また、内容によっては別の法律も関係します。
医師法・医療法
→ 医師しか行えない医療行為と誤解される表現は禁止されています。景品表示法
→ 「満足度98%」「No.1」など、客観的な根拠を示せない表示は違反になる可能性があります。
このように、鍼灸院の広告は1つの法律だけでなく、複数のルールによって支えられています。
広告規制が適用される3つの要件
鍼灸院が発信する情報のすべてが、広告性の対象となるわけではありません。
例えば、院内だけで配る資料や、患者からの問い合わせに個別で返信するメールなどは、原則として広告には該当しません。
では、どのような場合に広告と判断されるのでしょうか。法律上、次の3つの条件をすべて満たした場合に広告とみなされ、規制の対象になります。
要件① 誘引性
来院を促す目的があること。
「初回無料」「今すぐご予約ください」などの表現があれば該当します。要件② 特定性
どの鍼灸院の情報か分かること。
院名・住所・電話番号・ホームページURLなどがあれば認められます。要件③ 認知性
不特定多数が見られる状態にあること。
ホームページ、SNS投稿も広告に該当する場合があります。
※特定の患者に個別で送るメールやLINEは、広告にあたらない場合があります。
鍼灸院の広告に記載できること・できないこと一覧

ここまで、鍼灸院の広告には法律上のルールがあることを見てきました。では、具体的にどのような内容なら広告に記載できるのでしょうか。
知らずに違反してしまうことを防ぐためにも、書いてよい内容と禁止されている内容を整理しておきましょう。
広告に掲載できる項目
あはき法第7条第1項で認められている広告掲載項目は以下のとおりです。
| 項目 | 具体例・内容 |
|---|---|
| 業務の種類 | はり業・きゅう業 |
| 施術所の名称・ 電話番号・所在地 | ○○鍼灸院、TEL:xxx-xxxx 所在地:東京都○○区△△町 |
| 施術者の氏名 | 院長:山田太郎 |
| 施術日・施術時間 | 月〜土 9:00〜18:00 |
| 休日・夜間の施術実施 | 日曜・祝日も受付 |
| 予約制であること | 完全予約制 |
| 出張による施術 | 訪問施術対応 |
| 駐車場の有無 | 駐車場3台あり |
| 医療保険療養費 支給申請ができる旨 | ※医師の同意が必要な場合に申請可 |
広告に掲載できない項目
先ほど紹介した項目以外はすべて掲載不可です。特に見落としやすい禁止項目を以下に挙げます。
- 施術者の経歴・実績 例)「施術歴20年」「○○大学卒業」
- 独自手技を強調する施術方法の説明 例)「○○流の特別な手技で根本改善」
- 効果の断定表現 例)「効果がある」「必ず治る」
- ビフォーアフター写真
- 患者の体験談・口コミ
- 割引・キャンペーン価格の強調 例)「初回半額」「2回セット割引10%オフ」
- 「専門院」などの専門性を示す表現
参照:厚生労働省医政局医事課|あはき・柔整広告ガイドラインの概要
鍼灸院の広告でやりがちなNG表現例

ここでは、実際によく見かけるNG表現を3つのパターンに分けて解説します。自院の広告と照らし合わせながら確認してみてください。
効果・症状に関するNG表現
施術の効果や症状について記載する際は、「治る」「改善する」など、効能を断定する表現は避ける必要があります。
鍼灸院は医療機関ではないため、医療行為と誤認されるおそれのある表現は広告上認められていません。特に、特定の症状や疾患に対して効果を保証するような記載は、あはき法や関連法規に抵触する可能性があります。
NGな表現例
- 「腰痛・肩こりに効果的」
- 「慢性疲労が改善します」
- 「○回で痛みがなくなった」
- 「根本から治します」
- 「がん・アトピーにも対応」
- 「自律神経の乱れを整える」
症状名を挙げること自体が直ちに違反となるわけではありません。ただし、「効果がある」「治る」「改善する」といった断定的な表現と組み合わせることで、医療的な効能を保証していると受け取られる可能性が生じます。
実績・経歴・料金に関するNG表現
広告に掲載できるのは、施術者名・院名・施術日時など法律で定められた基本情報に限られます。法律に明記されていない実績や経歴の強調は、原則として広告には適さないとされています。
NGな表現例
- 「施術件数3万人突破」
- 「経験20年のベテラン施術者」
- 「○○大学卒業・○○学会会員」
- 「地域No.1の鍼灸院」
- 「患者満足度98%」
- 「初回限定1,980円」
- 「期間限定20%オフ」
「地域No.1」「満足度98%」などの表現は、客観的かつ合理的な根拠が示せない場合、景品表示法上の優良誤認表示に該当するおそれがあります。
ビフォーアフター・口コミに関するNG表現
ビフォーアフター写真や口コミは、内容によっては広告規制に抵触するおそれがあります。特に、「この施術を受ければ必ず良くなる」と思わせる表現は、広告としての使用を避けるべきです。
NGな表現例
- 施術前後の姿勢・体型を比較した写真
- 「一度の施術で腰がまっすぐに!」などのキャプション付き写真
- 患者から許可を得た体験談の掲載 例)○○さん・40代女性:肩こりが楽になりました
- 「医師も推薦する鍼灸院」などの第三者推薦の表現
ビフォーアフター写真は、医学的に根拠がある場合を除き、実際より効果が大きく見える見せ方は避けましょう。口コミに関しても、患者自身が自発的に投稿したものは広告規制の対象外です。ただし、院側がその内容を広告やチラシに引用・転載した場合は、広告として扱われNGになります。
鍼灸院の広告規制に違反した場合のリスク

鍼灸院の広告規制に違反した場合、行政からの指導や改善命令、罰金などのペナルティ、院の信頼低下といったリスクが生じる可能性があります。
以下では、具体的にどんなリスクがあるのか詳しく解説します。
あはき法違反の罰則
あはき法の広告規制に違反した場合、30万円以下の罰金が科せられます。違反が疑われると、まず保健所や地方厚生局から改善指導が入るケースが一般的です。
指導に従わない場合は改善命令へと進み、最終的には告発・刑事罰に至るケースもあります。初回は指導にとどまることが多いですが、違反を繰り返して業務停止処分を受けた事例も報告されています。
景品表示法違反の罰則
景品表示法に違反すると、行政から措置命令が下されます。措置命令では、一般消費者・従業員への周知徹底と再発防止策の実施が求められます。万が一、命令に従わなかった場合には刑事罰が科される可能性も否定できません。
また、違反内容は消費者庁のホームページで公表されるため、院の信用やイメージにも大きな影響が出るおそれがあります。
鍼灸院の広告規制を守りながら魅力を最大限に伝えるコツ

鍼灸院の広告規制を守りながら魅力を伝えるには、ホームページの情報を充実させたり、ポータルサイトや院内POPを上手に活用したりすることが大切です。
以下では、具体的なコツを分かりやすく解説します。
ホームページで情報を充実させる
ホームページも、誘引性・特定性・認知性を満たす場合は広告に該当する可能性があります。ただし、紙媒体に比べて詳細情報を整理して掲載できる媒体なため、以下のような情報はホームページに盛り込みましょう。
- 院長・スタッフの経歴や資格
- 施術内容・施術の流れの詳細説明
- 院の理念・特徴
- 料金表
- 院内の雰囲気を伝える写真・動画
- よくある質問(FAQ)
ただし、ホームページでも以下のような表現は避けましょう。
- 「必ず治る」「完治保証」など誇大・虚偽の表現
- 施術前後の加工・修正した写真の掲載
- 「口コミサイトで1位獲得」など比較優良表現
- 「初回0円」など施術費用を過度に強調する表現
上記の表現は、ホームページであっても景品表示法やガイドラインに抵触するおそれがあります。
患者の自発的な口コミを増やす
患者自身が書いた口コミは、広告規制の対象にならないので、Googleマップに投稿してもらったり、院内でさりげなくお願いしたりして増やすと良いです。広告では書けない、施術の感想や体験談、料金感なども患者目線で発信してもらえるため、鍼灸院が気になっている新規患者も集客しやすくなります。
ただし、「口コミを書いてくれたら割引します」「無料モニターになってください」といった見返りを条件にした口コミは、景品表示法違反になるため注意が必要です。
あくまで患者さんが自発的に書いてくれる口コミを増やして、院の信頼を地道に積み上げていきましょう。
※なお、患者の口コミをSNSやチラシに転載する場合は広告とみなされるため、注意が必要です。
ポータルサイトを戦略的に活用する
EPARKやホットペッパービューティーなどのポータルサイトは、料金・施術内容・特徴など、広告では載せられない情報も掲載できる仕組みになっています。また、ポータルサイト自体のSEOが強いため、自院のホームページより上位に表示されやすく、新規患者さんとの出会いを増やすことができます。
ポータルサイトに掲載する情報も広告として扱われる場合があるので、掲載内容に誇大表現や虚偽表示がないか確認することが大切です。
院内POPで来院患者へのアプローチを強化する
院内のPOPやパンフレットは、患者さんに直接手渡す・院内に掲示するものであれば、広告規制の対象外になることがあります。
※原則として院内掲示物は広告に該当しない場合が多いとされていますが、内容や掲示方法によっては広告と判断される可能性があります。
例えば、以下の内容であれば掲載が可能です。
- 施術内容の説明
- ツボの図解や鍼灸の仕組み
- 鍼灸で期待できる体の変化の解説
鍼灸院は整骨院と違って、慢性的な症状への対応も施術の範囲に含まれます。そのため、院内POPで「鍼施術ってこんな感じ」「どんな症状に対応しているか」といった内容をわかりやすく伝えると、患者さんの来院継続や紹介につながります。
ただし、「効果があります」「必ず治ります」のような断定的な表現は避けましょう。行きすぎた表現は、たとえ院内POPでも規制対象になる可能性があります。
鍼灸院の広告規制まとめ

鍼灸院の広告には、法律で定められたルールがあります。知らずに違反すると、罰金や行政指導といったリスクが生じる可能性があります。
しかし、広告で掲載できるのは院名・施術者名・施術日時・予約制の有無などの基本情報に限られます。ホームページやポータルサイト、院内POPを活用すれば、規制の範囲内で院の魅力を十分に伝えることが可能です。
具体的には、ホームページで施術内容や料金、スタッフ情報を丁寧に紹介したり、患者自身の自発的な口コミを増やしたり、院内POPで施術の流れや対応可能な症状をわかりやすく解説したりすることが効果的です。
広告におけるNG表現を避けることで、法律を遵守しながら集客力を高められるため、まずは自院の広告を確認し、適切に情報が掲載されているかチェックすることから始めましょう。
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