インクルーシブマーケティングとは?注目される理由や実例をわかりやすく解説
マーケティングを勉強していると、「インクルーシブマーケティング」という言葉に出会うことがあります。「インクルーシブ」という単語自体、日常ではあまり使わないため、意味をつかみにくいと感じている方は多いのではないでしょうか。
本記事では、インクルーシブマーケティングとは何か、従来のマーケティングとの違いから、メリット・デメリット、実践方法、注意点、国内外の事例まで、初心者の方でも理解できるよう網羅的に解説します。ぜひ参考にしてください。
※「インクルーシブ・マーケティング」は、電通ダイバーシティ・ラボの登録商標です※-Web集客でお悩みの方へ-
低コスト◎Web集客の基礎知識を凝縮!
Webマーケティング支援26,000社以上の実績を持つ専門チームがノウハウを大公開!初心者向けの基本から競合に勝つための実践までを無料ダウンロード資料にまとめました。ぜひご活用ください。
目次
インクルーシブマーケティングとは?

インクルーシブマーケティングとは、性別・年齢・国籍・障がいの有無・ライフスタイルなど、あらゆる人の多様性を尊重し、マーケティング活動全体に反映していく考え方です。
特定の層だけに向けるのではなく、これまで見落とされてきた人々も含めて「誰一人排除しない」ことを前提に戦略を組み立てます。
単なる広告表現の話ではなく、商品開発・採用・組織づくりといった企業活動の川上から川下まで関わる、広義のマーケティング概念です。「社会に対してどんな価値を提供するか」を起点に置く点が、従来のアプローチとは大きく異なります。
そもそも「インクルーシブ」の意味とは何か
「インクルーシブ(inclusive)」は英語で「包括的な」「すべてを含む」という意味を持つ言葉です。語源となる「インクルージョン(inclusion)」は「包含・包括」を意味し、多様性を排除せずに互いを認め合う状態を指します。
日本語では「包括的」と訳されることが多いですが、マーケティングの文脈では「誰かを除外しない・すべての人が対象になり得る」というニュアンスで使われます。
「インクルーシブ教育」や「インクルーシブデザイン」など、近年は福祉・教育・デザインなど幅広い分野で使われるようになった言葉です。
インクルーシブマーケティングの定義
インクルーシブマーケティングは、一人ひとりの多様性を積極的に受け入れ、企業のマーケティング活動に反映・最適化していく手法です。
電通ダイバーシティ・ラボが2017年に打ち出したコンセプトとしても知られており、「ダイバーシティ(多様性)を前提に、インクルージョン(包含)によって事業を持続的に成長させる」ことを目的としています。
ここで押さえておきたいのは、インクルーシブマーケティングはマイノリティー(少数派)だけを対象にするものではないという点です。マス・マーケティングでは見落とされがちだった多様なニーズを拾い上げ、それを企業の強みとして活用していく発想です。
大企業だけでなく、中小企業や個人事業主にも取り組みやすいマーケティング手法といえます。
ダイバーシティ(多様性)との違い
「ダイバーシティ」と「インクルーシブマーケティング」は混同されやすい言葉ですが、両者には明確な違いがあります。
ダイバーシティとは「多様な人材や価値観が存在している状態」を指す概念です。一方、インクルーシブマーケティングは、そのダイバーシティを前提として「どう活かすか」という実践的なアプローチです。
わかりやすく言えば、ダイバーシティはインクルーシブマーケティングに内包される要素のひとつです。多様性を「認識する」だけにとどまらず、それをビジネス戦略や商品・サービス・広告表現にまで落とし込んでいく行動が、インクルーシブマーケティングの本質といえます。
従来のマーケティングとの違い
インクルーシブマーケティングと従来のマーケティングの最大の違いは、「誰を対象にするか」という視点にあります。
従来のマス・マーケティングは効率を重視し、多数派に向けて均一なメッセージを届けることを基本としてきました。インクルーシブマーケティングはその逆で、これまで除外されてきた層も含め、多様なニーズを戦略の中心に据えます。
以下の比較表で、両者の考え方の違いを整理しました。
| マス・マーケティング | インクルーシブマーケティング | |
|---|---|---|
| ターゲット | 多数派に絞る | 少数派も含めて広く捉える |
| アプローチ | 効率・均一化を優先 | 多様性を強みとして活用 |
| 顧客観 | 同質な集団として見る | 個々の違いを尊重する |
| 市場観 | 既存市場を深掘りする | 新市場を創造していく |
マス・マーケティングが「積み残し」を生みやすい構造であるのに対し、インクルーシブマーケティングはその積み残しを意図的に拾い上げることで、新たなビジネスチャンスを生み出します。「排除しないこと」が、結果として市場の拡大につながる考え方です。
インクルーシブマーケティングが注目される理由

インクルーシブマーケティングが近年急速に注目を集めている背景には、社会構造の変化と消費者意識の変容があります。
- 社会的な多様性・価値観の変化
- 企業のCSRからビジネス戦略への転換
- 消費者が「共感できる企業」を選ぶ時代に
企業が多様性に向き合うことは、もはや社会貢献の文脈だけでなく、ビジネスの競争力に直結する時代になっています。
社会的な多様性・価値観の変化
少子高齢化・グローバル化・ジェンダー意識の高まりなど、日本社会は急速に多様化しています。かつての「標準的な家族像」や「典型的な消費者像」は崩れ、ひとくくりにできない個人の価値観やライフスタイルが広がっています。
こうした変化の中で、従来のマス・マーケティングが想定してきた「平均的な顧客」は、もはや実態を反映していません。多様な背景を持つ人々それぞれのニーズに応えられる企業だけが、選ばれ続ける時代になっているといえます。
企業のCSRからビジネス戦略への転換
以前は、ダイバーシティへの取り組みは「CSR(企業の社会的責任)」として、本業とは切り離された文脈で語られることがほとんどでした。しかし現在は、多様性への配慮がそのまま売上・ブランド価値・採用力に直結するという認識が広まっています。
インクルーシブマーケティングの本質は、社会貢献と事業成長を両立させることにあります。特定のニーズを持つ人々に真剣に向き合い、それを満たす商品・サービスを作ることで、新たな顧客を生み出し、持続的な成長につなげる戦略です。
消費者が「共感できる企業」を選ぶ時代に
現代の消費者は、価格や機能だけで購買を決めるわけではありません。「この企業は自分たちのことを理解してくれているか」「自分が共感できる価値観を持っているか」が、ブランド選択の重要な基準になっています。
Amazon Adsの2024年調査によると、10人中7人の消費者が「さまざまな文化を反映した、もっとリアルなストーリーをメディアで見たい」と回答しています。
自分の存在や価値観が反映されていないと感じた消費者は、そのブランドから離れていきます。逆に、包括的な姿勢を示すブランドへの信頼・ロイヤルティは高まりやすいのです。
▶出典:Amazon Ads「広告から時代精神へ」2024年調査
インクルーシブマーケティングの主なメリット

インクルーシブマーケティングに取り組むことで、企業はさまざまな恩恵を受けられます。
- 新たな顧客層・市場を開拓できる
- ブランドイメージと信頼性が向上する
- イノベーションや新製品開発につながる
- 従業員エンゲージメントの向上にも波及する
社会的な意義にとどまらず、ビジネス面での具体的なリターンが期待できる点が、このアプローチの大きな魅力です。
新たな顧客層・市場を開拓できる
インクルーシブマーケティングの最大のメリットは、これまで「市場」として認識されていなかった層に価値を届けられることです。
障がいのある方、高齢者、外国人居住者、特定のライフスタイルを持つ人々など、既存のマーケティングでリーチできていなかった潜在顧客が顕在化します。世界では障がい者だけでも13兆ドル規模の可処分所得があるとされており、これまで見落とされてきた市場の大きさは無視できません。
特定のニーズに応えようとすることで生まれた機能や設計が、既存の顧客にとっても魅力になるという「副産物」が生まれやすいのも、このアプローチの特徴です。
ブランドイメージと信頼性が向上する
多様性を尊重する姿勢を企業として示すことは、ブランドイメージの向上に直結します。「自分たちのことを理解してくれている企業だ」という感覚を消費者に与えることで、ブランドへの共感・信頼・ロイヤルティが高まります。
特にSNSが普及した現代では、インクルーシブな取り組みがポジティブな口コミとして広がりやすい環境にあります。逆に言えば、不誠実な多様性表現はすぐに批判の的になるため、誠実に向き合う姿勢が問われます。
イノベーションや新製品開発につながる
多様なニーズに真剣に向き合う過程では、これまでの発想では生まれなかったアイデアや技術が生まれやすくなります。特定の制約を抱えたユーザーのために考えた設計が、全ユーザーにとっての利便性を高めることは珍しくありません。
このように、インクルーシブな発想は製品・サービスのイノベーションを促す起点になります。「誰かのための特別な機能」ではなく「みんなにとって使いやすいもの」へと進化していく過程で、企業の競争力そのものが高まっていきます。
従業員エンゲージメントの向上にも波及する
インクルーシブマーケティングは、社外に向けた取り組みであると同時に、社内文化にも影響を与えます。多様な視点を歓迎する組織風土は、従業員一人ひとりが「自分の意見が尊重されている」と感じやすい環境をつくります。
自分が働く企業の姿勢に共感できると、従業員のエンゲージメント(仕事への熱意・組織への帰属意識)は高まります。採用ブランディングにも好影響を与えるため、優秀な人材を引き付ける効果も期待できます。
インクルーシブマーケティングのデメリット・注意点

インクルーシブマーケティングはメリットが大きい一方で、取り組み方を誤るとブランドイメージを損なうリスクもあります。「やればいい」ではなく「どうやるか」が重要なアプローチです。
- 表面的な多様性表現は逆効果になる
- コスト・リソースが増大しやすい
- 文化的背景への理解不足はリスクになる
- 社内の理解・体制づくりが先決
導入前に、代表的な落とし穴を把握しておきましょう。
表面的な多様性表現は逆効果になる
インクルーシブマーケティングで最も避けるべきなのが、「見た目だけの多様性」です。
広告に多様な人物を登場させるだけで、実態が伴っていない場合、消費者からは「ポーズだけだ」と見抜かれます。これは「トークニズム(形ばかりの包括性)」と呼ばれ、むしろブランドへの不信感につながります。
誠実なインクルーシブマーケティングは、広告表現の変更だけでなく、商品設計・サービス設計・組織文化が一体となって初めて成立します。表層的な取り組みに終わらないよう、まず自社の実態と向き合うことが先決です。
コスト・リソースが増大しやすい
多様なニーズに対応しようとすると、リサーチ・制作・サポート体制など、あらゆる面でコストが増大しやすくなります。すべての多様性を一度に取り込もうとすると、リソースが分散して中途半端な結果になるリスクもあります。
取り組みの優先順位を明確にし、段階的に進めることが現実的です。「自社がまだ届けられていないのはどの層か」を絞り込み、一点突破で深く向き合うアプローチが、小規模なチームでも成果を出しやすいやり方です。
文化的背景への理解不足はリスクになる
グローバルな文脈でインクルーシブマーケティングを展開する際は、文化的背景への深い理解が不可欠です。ある文化では好意的に受け取られる表現でも、別の文化では侮辱や偏見として捉えられるケースがあります。
「多様性を取り入れた」つもりが、特定のコミュニティを傷つける結果になると、ブランドへの信頼は大きく損なわれます。文化の専門家への相談や、当事者コミュニティからのフィードバックを事前に取り入れるプロセスが重要です。
社内の理解・体制づくりが先決
インクルーシブマーケティングを機能させるには、社内全体の理解と協力が欠かせません。マーケティング担当者だけが旗を振っても、商品開発・人事・営業などの部門が連動しなければ、一貫したメッセージを社会に届けることはできません。
「ビジネスとしての成果につながるから取り組む」という共通認識を組織内で醸成することが、長期的な推進の鍵です。まずは小さなプロジェクトから始め、成果を社内に示しながら理解を広げていくアプローチが現実的です。
インクルーシブマーケティングの実践方法4ステップ

「概念はわかったけど、実際にどこから手をつければいいのか」という方に向けて、業務で活用できる実践ステップを紹介します。
- Step1:見落としている顧客層の洗い出し
- Step2:多様な視点をチームに取り込む
- Step3:コンテンツ・表現・アクセシビリティを見直す
- Step4:効果測定と改善をくり返す
完璧な体制を整えてから始めるのではなく、まず小さく動き出すことが重要です。
Step1:見落としている顧客層の洗い出し
最初のステップは、自社の商品・サービスが「届けられていない人」を具体的に把握することです。
障がいのある方・高齢者・外国にルーツを持つ方だけでなく、「お店に来られない人」「価格帯が合わない人」「このメディアに接点がない人」なども含まれます。
既存の顧客データや問い合わせ内容を分析するだけでも、見えていなかったニーズの手がかりが見つかることがあります。「誰が使えていないか」を意識するだけで、マーケティングの視野は大きく広がります。
Step2:多様な視点をチームに取り込む
インクルーシブなマーケティングをつくるには、制作・企画のチーム自体が多様である必要があります。同質なメンバーだけでコンテンツを作ると、気づかないうちに特定の偏見や固定観念が混入するリスクがあるからです。
社内での多様なメンバーの参画が難しい場合は、当事者へのヒアリングや外部専門家との協力も有効です。「この表現は誰かを傷つけないか」「見落としているニーズはないか」を複数の視点でチェックする仕組みをつくることが大切です。
Step3:コンテンツ・表現・アクセシビリティを見直す
実際のマーケティング素材を見直す段階です。広告・Webサイト・SNS投稿など、あらゆる接点でインクルーシブな視点が反映されているかを確認します。
具体的には、以下のような観点でチェックしてみましょう。
- 画像・動画に多様な人物が自然な形で登場しているか
- 特定の性別・年齢・体型を固定的に描いていないか
- 動画に字幕が付いているか
- 画像に代替テキスト(alt属性)が設定されているか
- 専門用語や難解な表現を避け、わかりやすい言葉を使っているか
- 色のコントラストは視認しやすいか
アクセシビリティ(さまざまな状況の人がコンテンツにアクセスできる状態)を担保することは、インクルーシブマーケティングの基本です。一度に全部対応しようとせず、できるところから着手することをおすすめします。
Step4:効果測定と改善をくり返す
インクルーシブマーケティングは、一度取り組めば完結するものではありません。施策を実施したあとは、多様な顧客セグメントごとにどのような反応があったかを継続的に計測し、改善につなげていくことが重要です。
定量データ(コンバージョン率・エンゲージメント率など)だけでなく、当事者コミュニティからのフィードバックや定性的な声も大切にしてください。「まだ届いていない人がいる」という前提で改善を続けることが、インクルーシブマーケティングを機能させ続ける鍵です。
インクルーシブマーケティングの成功事例

インクルーシブマーケティングの考え方は、すでに多くの企業が実践しています。国内外の事例を通じて、具体的なアプローチのイメージをつかんでみましょう。
【国内】温水洗浄便座の普及に見るインクルーシブ発想
インクルーシブマーケティングの先駆けとして語られることが多いのが、温水洗浄便座の普及です。もともとは医療・福祉用途として開発されたもので、おしりを拭くことが困難な方や介護が必要な方のための製品でした。高価格・特殊仕様で、一般家庭への普及は想定されていませんでした。
「この機能は一般の人にも価値があるのではないか」という発想の転換が、大衆向けへの再設計につながります。各社が参入したことで競争が生まれ、価格が下がり、デザインも進化しました。
医療・福祉用途から始まった製品が、今や日本の日常生活に欠かせないものとなっただけでなく、一大輸出産業にまで成長しています。ユーザー・メーカー・社会の三者すべてが恩恵を受けた、まさにインクルーシブ発想の成功モデルです。
▶参照:「UDはTOTOそのもの」利益より「どうしても親切が第一」|日本経済新聞
【国内】スマートフォンのアクセシビリティ機能
スマートフォンのアクセシビリティ機能も、インクルーシブマーケティングの好例です。視覚・聴覚・運動機能などに障がいを持つ方でも使えるよう、音声認識・画面読み上げ・加速度センサーによる操作など、独自の機能が継続的に開発・更新されています。
注目すべきは、こうした機能の多くが障がいのあるユーザーのフィードバックを起点として進化してきた点です。特定のユーザーに真剣に向き合うことで生まれた設計が、すべてのユーザーにとっての使いやすさを底上げしています。
ボタンを持たないシンプルなデザインは、文字を読めない人にも感覚的に操作できるという意味で、極めてインクルーシブな設計といえます。
【海外】Jeep「The Women Era」キャンペーン
2024年、Jeepはイタリアでイノベーションメディア企業FreedaおよびAmazon Adsと共同制作した5回シリーズ「The Women Era」を展開しました。
イタリア人女性が社会の障壁を打ち破るストーリーを紹介し、Jeepブランドの「挑戦する精神」と重ねて描いたドキュメンタリー形式の作品です。Prime VideoやFire TVなどのマルチチャネル戦略により、4万2,100回のユニークストリーミング、合計インプレッション9,630万回という成果を上げました。
女性を「描くべき対象」としてではなく「物語の主人公」として据えたことが、ブランドへの共感と高い視聴完了率につながっています。
▶参照:ジープが「The Women Era」と文化的なストーリーテリングでストリーミングオーディエンスにリーチした経緯|Amazon Ads
【海外】Nissan「Dare to Defy」キャンペーン
NissanのUKチームは、Amazon Ads Brand Innovation LabおよびDark Horses代理店と共同で「Dare to Defy」キャンペーンを展開しました。
パラリンピック金メダリストのRichard Whitehead氏やLGBTQ+支持者のAdele Roberts氏が出演する3部構成のドキュメンタリーで、スポーツ参加の障壁を乗り越えたアスリートのリアルな物語を紹介しています。
障がい者やLGBTQ+コミュニティのスポーツ参加を支援する「Nissan Possibilities Project」と連動したこのキャンペーンは、17の業界誌で取り上げられ大きな話題となりました。社会課題への本気の関与と、ブランドの価値観を一致させた点が、インクルーシブマーケティングの好事例として評価されています。
▶参照:英国日産自動車、ブランドバリューを最優先して、『Dare to Defy』キャンペーンで障壁を打ち破る |Amazon Ads
【初心者必見】よくある失敗パターンと回避策

インクルーシブマーケティングへの関心が高まる一方で、取り組み始めた企業が陥りやすい失敗パターンがあります。
- 「とりあえず多様性を入れた」広告
- 社内はそのままで広告だけ変えようとしている
- 特定グループへの過度なフォーカスになっている
「やろうとしていたのに逆効果になった」という事態を防ぐために、代表的な3つのパターンと回避策を確認しておきましょう。
「とりあえず多様性を入れた」広告
最も多い失敗が、広告に多様な人物を登場させただけで「インクルーシブマーケティングをやった」と捉えてしまうケースです。
人種・性別・障がいの有無などが表面的に「揃っている」だけで、ストーリーや商品設計に何も反映されていなければ、消費者には形式的なポーズとして受け取られます。回避策は、「なぜその人たちを登場させるのか」を言語化できるかどうかを確認することです。
表現の背後に、当事者のリアルな声や実態に基づいたインサイトがあるかどうかが問われます。広告制作の前段階で、当事者へのヒアリングやリサーチを行うプロセスを組み込みましょう。
社内はそのままで広告だけ変えようとしている
「広告でインクルーシブな表現を使いたい」という意欲はあっても、実際の商品・サービス・組織文化がまったく変わっていないケースがあります。外向けのメッセージと内側の実態が乖離していると、消費者や従業員からの信頼を失うリスクがあります。
インクルーシブマーケティングは、広告だけで完結するものではありません。商品開発・カスタマーサポート・採用・職場環境など、企業活動全体で一貫した姿勢を示せているかを定期的に見直すことが大切です。
特定グループへの過度なフォーカスになっている
「インクルーシブ」を意識するあまり、特定の属性グループだけを強調しすぎる表現になってしまうケースもあります。
これは意図と逆で、対象のグループを「特別視」することにつながり、インクルーシブの本質から外れてしまいます。インクルーシブマーケティングの目指すところは、特定の誰かを特別扱いすることではなく、「誰もが自然に含まれている状態」を当たり前にすることです。
「この表現は誰かを際立たせすぎていないか」という視点で、コンテンツを見直す習慣を持つようにしましょう。
まとめ|インクルーシブマーケティングは「排除しない」ことから始まる

インクルーシブマーケティングとは、多様な人々を排除せず、一人ひとりのニーズを尊重しながら企業活動全体に反映していくマーケティングの考え方です。広告表現の話にとどまらず、商品開発・組織づくり・顧客対応まで、幅広く関わる戦略的なアプローチです。
本記事で解説した内容を、改めて整理します。
- 「インクルーシブ」=すべてを包括する・排除しない
- ダイバーシティはインクルーシブの内包要素のひとつ
- 従来マーケとの違いは「見落としニーズを中心に据える」点
- 新市場開拓・ブランド信頼向上などのメリットがある
- 表面的な取り組みは逆効果になりやすい
- 実践は「見落とし顧客の洗い出し」から
「完璧な体制が整ってから」ではなく、まず自社が届けられていない人を見つけることから始めてみてください。小さな一歩が、新たな顧客との接点をつくるきっかけになります。
インクルーシブマーケティングも含め、Webを活用した集客全体の戦略について詳しく知りたい方は、以下の無料資料もあわせてご活用ください。
-Web集客でお悩みの方へ-
低コスト◎Web集客の基礎知識を凝縮!
Webマーケティング支援26,000社以上の実績を持つ専門チームがノウハウを大公開!初心者向けの基本から競合に勝つための実践までを無料ダウンロード資料にまとめました。ぜひご活用ください。
RANKING ランキング
- WEEKLY
- MONTHLY
UPDATE 更新情報
- ALL
- ARTICLE
- MOVIE
- FEATURE
- DOCUMENT