
サイトマップとは?作り方は?種類別(HTML、XML)に解説
Webサイトには、ユーザーあるいは検索エンジンに対して各ページへの導線整理の役割を果たすサイトマップが欠かせません。ユーザビリティやSEOに関わる大事な要素です。
本記事では、サイトマップについて、基本概要から作り方まで解説します。
HTMLサイトマップ、XMLサイトマップ、それぞれの違いはもちろん、具体的にどのように扱っていけば良いのか、理解を深めていただけますと幸いです。
サイトマップとは何か?

サイトマップとは、直訳通り、Webサイト全体のページ構成を地図のように一覧表示でまとめているページのことです。
冒頭でも触れた通り、ユーザーや検索エンジンに対して、内包する各ページへの導線整理、すなわちサイトの内容をわかりやすく提示する役割を担っています。
ディレクトリマップとの違い
サイトマップと混同しやすいのがディレクトリマップです。特に(後述する)HTMLサイトマップと比較すると、サイト全体を把握するために作られる点が両者共通するため、同じものと認識される方も少なくありません。しかし、実際はいくつか違いがあります。
以下、ご参照ください。
・図で表現される
・全体を俯瞰して、ページ同士のつながりまで確認できる
・必ずしも全ページを網羅しているわけではない
●ディレクトリマップ
・テキストで表現される
・ディレクトリ名、ファイル名がコーディングする際に必ず必要
・制作段階で進捗管理表として使用されることも多い
サイトマップを作るメリット
サイトマップを用意しておくことで、(後述するHTMLサイトマップの場合)ユーザーは目的のページを探しやすくなり、(同じく後述するXMLサイトマップの場合)検索エンジンはサイト内のページを認識しやすくなります。
前者に関してはたとえば、サイトを更新していくなかで情報量が膨れ上がっていくと、ページ誘導が複雑になりがちです。それゆえ、サイトマップによって全体像が俯瞰できるようになれば、ユーザーにとってありがたいのはもちろん、仕組み上、運用側も特に悩むことなく新規ページの追加を行えるでしょう。
後者に関してはSEOに大きく寄与します(実は前者もSEOに影響しますが、ここでは割愛します)。サイトマップを辿ることでページが見つけやすくなるため(逆に見つけにくくすることも可能)、評価してほしいコンテンツ(ページ)のインデックスの促進が可能です。そのうえで、成果につながる期待も持てます。
サイトマップ作成を推奨するケース
以下のようなケースでは、ぜひサイトマップを作ってほしいと思います。なお、該当するのはXMLサイトマップです。
内部リンクが少ない、または適切にリンクされていない
外部リンクが少ない、または適切にリンクされていない
サイト内でアニメーション、コンピューターグラフィックス、音楽コンテンツなど(リッチメディアコンテンツ)を使用している
サイトがGoogleニュースに表示されている
各デバイスに対応したURLがあり、アノテーションの設定が必要
上記、必ずしもサイトマップを作らなければならないわけではありません。が、そうはいってもやはり、そのコンテンツを求めている人との接点を構築する(検索結果に表示させる)ことが、Webサイト制作の本懐だとも考えます。
状況や制作側、クライアント側の意向にもよりますが、なるべくサイトマップは作ることをおすすめします。
HTMLサイトマップとXMLサイトマップ

(すでに触れている内容ではありますが)サイトマップには、HTMLサイトマップとXMLサイトマップの2種類が存在します。
両者、役割は異なり、前者は視覚的にリンク先をわかりやすくまとめたユーザーが利用するもの、後者は検索ページに情報を与えるためのものです。
以下、それぞれ詳しく説明します。
HTMLサイトマップとは?
HTMLサイトマップは各ページをリスト形式にして表示するのが一般的です。とはいえ、(サイト全体を空想上の建物や公園のように画像表示するなど)ユニークなデザインも所々でみられます。
いずれにしてもユーザビリティ向上を目的に作成されているものです。サイト内にどのようなコンテンツが存在しているのか、気になるユーザーはおそらく多いでしょう。そうしたニーズに応えるための案内板だと捉えてみてください。
加えて、内部リンクとしても機能するため、SEOにおいても少なからず影響を及ぼします。というのは、HTMLサイトマップのリンクは、Googlebot の通り道でもあるからです。その辺りも加味しながら作成できると良いでしょう。
HTMLサイトマップの作り方
HTMLサイトマップの作り方はさほど難しくありません。テキストエディタがあれば手動で作成できます。
まずは必要なページを取りこぼしのないよう洗い出しましょう。
次に各ページがどの配下に置かれているか、ディレクトリ(階層)構造を明確にしましょう。
各ページ、サイト内での位置づけまで整理できたなら、それぞれリンクを付与しましょう。
最後に(サイトマップとして)アップロードしましょう。
上記のやり方よりも手間を減らしたい場合は、WordPressのプラグインを使うのもおすすめです。たとえば、「Hierarchical HTML Sitemap」だと、規模の大きなサイトであっても容易にカテゴリー分けしてくれます。また、「PS Auto Sitemap」は、コンテンツ(ページ)追加の度にサイトマップを自動更新してくれるすぐれものです。
XMLサイトマップとは?
XMLサイトマップは、検索エンジンにサイトの内容(構造)を一挙に伝えることができます。ただし、作成後には(サイトマップの存在を認識してもらうため)データ送信が必要です。繰り返しますが、仕組み上SEOにも作用するため、確実におさえておきましょう。
XMLサイトマップの作り方
XMLサイトマップはツール(プラグイン)の活用で作成可能です。
2パターン紹介しましょう。
一つは、「sitemap.xml Editor」を使うケースです。対象URLや除外ディレクトリ、更新頻度、最終更新日、ページの優先度等々の各項目を設定することで作成できます。URLの取得数には上限が設けられていますが、基本無料で使える便利なツールです。サーバーとコンピュータの間でファイルをやり取りするために使われるソフトウェア「FTP」とあわせて活用してみてください。
また、WordPressのプラグイン「Google XML Sitemaps」でも手軽にXMLサイトマップは作れます。インストール後、投稿の優先順位やサイトマップを作成しないカテゴリーなど任意に設定可能です。簡単であるのに加えて、サーチコンソールと連動している点もおすすめできるポイントでしょう。
一方で注意点も抑えておく必要があります。
まず、XMLサイトマップのURLは、正規化した完全修飾URLを推奨します。そのうえで表記に揺れがあると、正しいサイトマップは作れません。よく見受けられるのは「http」と「https」の違い、「www」や「index.html」の有無などです。あらかじめ気をつけるようにしましょう。
サイズに関しては未圧縮状態のデータ量で上限は10MBです。かつURL数も50,000件までとなります。これ以上に及ぶ場合は、分割して送信するようにしてください。
検索エンジンにXMLサイトマップを送信する方法

Googleが提供する便利な無料ツールでお馴染みのサーチコンソールを使えば、手っ取り早くXMLサイトマップのデータを送信できます。サイトURLをサーチコンソールに登録したうえで、“サイトマップ”の項目から、XMLサイトマップのURLを追加し、送信ボタンをクリックするだけです。管理画面のステータスに「成功しました」と表示されれば、無事送られたことになります。
また、robots.txtにXMLサイトマップのURLを記述しても構いません。robots.txtとはクローラーを制御できるファイルです。サイト内の巡回促進あるいは禁止を指示する働きを持ちます。当然、データ送信に使う機能は前者です。
なお、robots.txtを使うには、Webサイト第一階層のディレクトリにアップロードしなければなりません(サブディレクトリや下位階層では認識されません)。ファイルサイズも500KBまでと制限があるため注意しましょう。
サイトマップはHTML、XMLの両方を用意しよう!

ユーザー目線、はたまた制作者目線においても、Webサイトをより使いやすくするためには、サイトマップが不可欠です。とりわけ運用するにあたってはユーザビリティの向上、検索エンジンの認識が大きく成果に影響します。
そして、ここまでお伝えしてきた内容からも、HTMLとXML、両方用意するに越したことはないでしょう(後者はデータ送信までお忘れなく!)。
デザイン、マーケティング、どちらの領域においても、基本的なこととはいえ蓄えておきたい知識です。デザイナー、マーケター初心者の場合、普段はあまり意識の向かない方も多いかもしれませんが、(拙稿を)ぜひ、今後のサイト制作、運用、集客に役立ててみてください。
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