
GitHub Copilotとは?使い方や料金プラン・注意点を分かりやすく解説!
GitHub Copilotとは、AIがコードの自動生成や補完を行うサポートツールです。
導入により、AIがデータに基づく最適なコード提案をしてくれるので、コーディングの効率化や品質向上が期待できます。GitHub Copilot内には初めての方でも安心のチュートリアルも備わっていて、開発初心者の学習ツールとしてもおすすめです。
この記事では、GitHub Copilotの特徴や使い方、料金プランについて解説します。活用事例も含めてお伝えするので、これからプログラミングを始めたい方や、開発業務を効率化したい方はぜひ参考にしてみてください。
目次
GitHub Copilotとは

公式サイト:GitHub Copilot
GitHub Copilotとは、Microsoft・OpenAI・GitHubが共同開発したAIコーディング支援ツールです。
ユーザーが入力したプログラミングコードや関数名をもとに、AIがコードを自動で提案・生成してくれることが特徴で、活用によりコーディング作業にかかる時間を短縮できます。
GitHub Copilotでは、コードの生成のみならず、関数やクラスの自動生成、複雑なアルゴリズムの最適化、コード補完なども可能でコーディングの品質向上も期待できます。
また、「○○を作成して」などの自然言語による指示にも対応していることから、開発初心者でも使いやすく、コーディングに対する理解を深めるきっかけになるでしょう。
GitHub Copilotの特徴

ここでは、GitHub Copilotの特徴を解説します。
- AIがコードを自動生成する
- 次のコードを予測・提案してくれる
- 日本語での指示出しが可能
では早速、ひとつずつみていきましょう。
AIがコードを自動生成する
GitHub Copilotでは、ユーザーが入力した情報をAIが自動でくみ取り、最適なコードを提案してくれます。AI技術には、OpenAIの強力な言語モデル(大規模言語モデル/LLM)が活用されていて、多様なソースコードから学習した知識をもとにコード生成を行うので、高品質なコードが短時間で出力されることも特徴です。
また、学習データが蓄えられたAIを生かし、文脈に応じたコード提案を自動生成することで、複雑なアルゴリズムやフレームワークが必要なコーディング作業でも時間をかけずに実用的な構築が行えるようになっています。
次のコードを予測・提案してくれる
GitHub Copilotには、コードの次の行を予測し提案する機能が備わっています。開発者がコードの一部を入力すると、AIはその前後の文脈を理解して、最も適切と思われるコード行をリアルタイムで提案します。コードの補完作業をAIが行うので、開発者はAIが提案したコードを確認・修正するだけで済むようになるのです。
また、AIが一貫性のあるコード構造を維持したままコード補完をするため、エラーやバグの発生リスクも抑えられ、安定した開発環境を構築しやすくなることも特徴です。
日本語での指示出しが可能
GitHub Copilotは、プログラミング言語を使用しない日本語の指示出しにも対応しています。例えば、「ログイン画面を作って」「グラフを表示する処理を書いて」とAIに指示するだけで、コードが自動的にできあがるので、プログラミング初心者の開発に対するハードルを下げられます。
また、「この関数でデータをフィルタリングして、結果をソートする」といった具体的な指示への対応も可能です。GitHub Copilotを使うと処理内容に応じたコードが自動生成されるため、手書き作業によるミスの軽減も期待できます。
GitHub Copilotのメリット

GitHub Copilotを使うことで、開発の効率化や生産性向上といったメリットが得られます。以下では、代表的な3つのメリットについて解説します。
- コーディング時間を大幅に短縮できる
- コード品質を向上できる
- 慣れない開発言語に対応できる
それぞれみていきましょう。
コーディング時間を大幅に短縮できる
GitHub CopilotではAIがコードを自動生成することで、従来のように一行一行コードを書く必要がなく、コーディング時間を大幅に短縮できます。たとえば、APIの設定やデータベース接続処理といった定型的な処理をする場合、GitHub Copilot側から自動でコードが提案されるので、よりスピーディーで無駄のない開発が可能になります。
また、拡張機能として様々なアプリが用意されているほか、OpenAIやマイクロソフトの様々なAIモデルも選択でき、プロジェクト内容に応じた最適なAIサポートを受けられます。
コード品質を向上できる
GitHub Copilotを活用することで、AI学習に基づくコード提案を受けられるため、開発者のスキルレベルに関わらず、構造的に優れたコードを書きやすくなります。また、AIは莫大なコードデータから最善の回答を導き出しているため、不明瞭な命名、過剰な入れ子、冗長な処理といった読みづらくする要因も自動的に回避できます。GitHub Copilotは、品質と生産性の両方を高めるAIアシスタントとして、コーディング時の心強い存在となるでしょう。
慣れない開発言語に対応できる
GitHub Copilotは、JavaScriptやPythonなどのWeb開発で多く使われる主要言語だけでなく、Go、Rust、Rubyといった幅広いプログラミング言語に対応しています。慣れない開発言語を使う必要がある場合でも、GitHub Copilotであれば対象言語ごとにコード提案を受けられるので、マニュアルなどを調べる手間を減らしながら実装を進めやすくできます。
GitHub Copilotが対応している開発言語は以下のとおりです。
- C
- C++
- C#
- Go
- Java
- JavaScript
- Kotlin
- PHP
- Python
- Ruby
- Rust
- Scala
- Swift
- TypeScript
GitHub Copilotの料金プラン
GitHub Copilotには、無料プランを含めた5つの料金プランが用意されています。
プラン名 | Copilot Free | Copilot Pro | Copilot Pro+ | Copilot Business |
Copilot Enterprise |
---|---|---|---|---|---|
価格 | 無料 | 月額 $10 または 年額 $100 | 月額 $39 または 年額 $390 | 月額 $19 (1ユーザーあたり) |
月額 $39 (1ユーザーあたり) |
対象 | 個人向け | 個人向け | 個人向け | 企業向け | 企業向け |
Premium リクエスト |
50/月 | 300/月 | 1,500/月 | 300/月 (1 ユーザーあたり) |
1,500/月 (1 ユーザーあたり) |
チャット型AI アシスタントへの メッセージ数 |
50 メッセージ/月 | 無制限 (基本モデルの場合) |
無制限 (基本モデルの場合) |
無制限 (基本モデルの場合) |
無制限 (基本モデルの場合) |
コード補完 (基本モデル) |
最大2,000回/月 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
無料プランでは、Copilot Chatへのメッセージ数やコード補完の回数、その他の機能に制限があります。一方、有料プランではより多くの機能を使えて開発の自由度が上がるため、頻繁にコーディングを行う機会のある人は検討してみると良いでしょう。
また、企業向けには「Copilot Business」「Copilot Enterprise」が用意されています。組織内のユーザー管理や高度なセキュリティ保護など、企業運用に必要な機能が使えるようになるので、チーム開発に導入したい場合は企業向けプランを選ぶとよいです。
GitHub Copilotの始め方
GitHub Copilotはブラウザ上で始めることができます。以下では、始め方を手順に沿って説明します。
始める際は、アカウント登録を行う必要があるので、まずは公式HPにアクセスし、右上の「サインアップ」をクリックしましょう。

次に、アカウント作成画面が表示されるので、必要情報を入力し、「続く」をタップします。

指定したメールアドレス宛にコードが届くので入力し、認証が終わると下記画像の画面に移動します。先ほど設定したメールアドレスとパスワードを入力して「sign in」をクリックします。

ログインが完了すると、ホームに移動します。下記画面から操作を行えるので実際に使用してみましょう。

GitHub Copilotの使い方

ここでは、GitHub Copilotの基本的な使い方をご紹介します。チュートリアルやチャット型アシスタントを活用することで、日々のコーディング作業を効率化できるので、実際に操作しながら試してみてください。
使い方①チュートリアルを始める
GitHub Copilotでは、チュートリアルとしてコードを書く方法などの操作方法を知れる学習コンテンツが用意されています。初心者でもステップごとに操作を確認しながら進められる構成になっているので、ぜひ試してみてください。
「その他のチュートリアルプロジェクトを見る」をクリックすると、ワークフローの自動化やセキュリティ分析といった幅広いチュートリアルを確認できます。今回は、「Copilotでコードを書く」を選択します。

チュートリアルを選択すると、GitHub Copilot の使い方を学べるプロジェクト用フォルダに移動します。学べる内容の詳細が書かれているので、チュートリアルを開始する際はスクロールして、緑ボタンの「start course」を選択します。
※25年04月現在、「Copilotでコードを書く」コースは廃止されているので、画像内にも案内がある「GitHub Copilot 入門」に移動してください。

緑ボタンの「start course」を選択すると、新しいリポジトリの作成画面に移動するので、必要な情報を入力して「リポジトリを作成する」を選択します。
基本的に設定内容はそのままで問題ないですが、一番下にある「公共」「プライベート」は自身の作成するリポジトリの公開範囲を設定する欄なので、「プライベート」にチェックを付けて自分だけが見られるようにしておくと良いです。

設定が完了すると、下記画像のようなチュートリアル開始画面に変化するので、「GO TO EXERCISE」を選択します。リポジトリを作成しても画面が変わらない場合は、何度かページをリロード又は再度リポジトリを作成してみてください。

実際にチュートリアルが始まるので、ロボットの指示に従って画面を操作してみましょう。操作が完了するごとに、「問題」ページへ戻ると次の指示が表示されるので、チュートリアルを進めてみてください。

使い方②AIチャットで質問する
AIチャットに、コードの書き方やエラーの原因などを質問したい場合は、ホーム画面上部にある「コパイロットに聞く」から質問できます。

質問を入力すると、AIが即座に回答を返してくれます。たとえば、「for文の書き方」や「このエラーはなぜ発生しているのか」といった具体的な質問に対して、解説やコード例を提示してくれるので、学習ツールとしても役立ちます。

応用編として、右上の「…」から「個人指導」を選択すると、AIに「初心者向けに説明してください」「このプロジェクトはReactを使っています」などと指示を出せるようになります。指示を追加しておくことで、より欲しい回答に近づけるので、スキルレベルやプロジェクト内容に合わせて活用してみてください。

使い方③拡張機能を追加する
GitHub Copilotの機能性を高めるためには、拡張機能として用意されているアプリをインストールすると良いです。
拡張機能にアクセスする際は、左上のダッシュボード左隣にある三本線をクリックし、「市場」を選択します。

拡張機能一覧が表示されるので、欲しい機能をダウンロードしてみましょう。今回は、「バーブレキシティAI」を実際にダウンロードしてみます。

クリックすると詳細画面に移動するので、「無料でインストール」を選択します。

問題がなければ、「インストール」を選択します。

するとアカウントにアプリが追加されました。追加されたアプリは、右上のアイコンの「設定」→「アプリケーション」から確認でき、有効・無効を切り替えられます。

使い方④コードの補完機能を使う
実際にコードを書く際は、「New」から新しく始めます。

リポジトリ作成画面に進むので、リポジトリ名(なんでも可)を入力し、公開範囲を設定したら下にスクロールして「リポジトリを作成する」をクリックします。管理画面に進むので、「コードスペース」を作成するを選択します。

「新しいコードスペースを作成する」をクリック

するとコードスペース編集画面に入ります。初期状態では、GitHub Copilotの自動生成機能が使えないので、左バーの「拡張機能」をクリックし、検索バーから「GitHub Copilot」を検索してインストールします。
インストールボタンを押せば、コード編集画面内でGitHub Copilotの機能が自動で追加され、コード補完が行える状態になります。

インストールしたら、左バー上部のファイルボタンから新しいファイルを開きます。

新しいコード編集スペースが作成されるので、実際にコードを入力してみましょう。今回は、「// 配列の平均を求める関数」と日本語で入力してエンターを押します。

下記画像のように自動でコードが生成されました。コード補完に問題がなければ、「Tab」キーを押すと反映されます。

上記の手順でコメントや関数名を入力することで、GitHub Copilotが自動でコードを補完してくれます。指示内容が思いつかない場合や0からコードを作ってほしい場合は、「○○の指示を教えて」「○○のコードを作って」とチャットに聞き、出力されたものを反映させると良いです。
GitHub Copilotの活用事例

ここでは、ビジネスシーンにおけるGitHub Copilotの活用事例を紹介します。
- 社内ツールの開発を効率化
- データ分析用スクリプトを素早く作成
- チームのコーディング標準を学習・統一
GitHub Copilotの活用により、チームの生産性を上げたり開発体制を強化できたりするので、導入時の参考にしてみてください。
社内ツールの開発を効率化
社内業務に対応するツール開発では、柔軟性とスピードが重視されることが多く、限られたリソースでの成果が求められます。GitHub Copilotを活用すれば、関数やAPIのひな型が即座に生成されるため、実装にかかる時間の大幅短縮が可能です。
たとえば、勤怠管理ツールの日付操作やファイル処理などの定型的なロジックを構築する際、GitHub Copilotを用いることでコードが自動提案されて、手動入力が不要になります。開発負荷を軽減しつつ、短期間かつ高品質なアウトプットが可能になるので、開発現場の生産性向上を図れるでしょう。
データ分析用スクリプトを素早く作成
データ分析業務では、前処理や可視化など、共通のコードパターンを頻繁に記述する必要があります。そのような繰り返し作業においてGitHub Copilotを活用することで、定型的な処理を素早く自動生成できるようになります。
また、PandasやNumPyといったライブラリを扱う際も、必要な構文をAIが提示してくれるため、データ分析にかかる時間が削減されるでしょう。GitHub Copilotはコードの記述ミスの発見にも活用でき、作業の安定化にもつながります。
チームのコーディング標準を学習・統一
開発チーム内でコードスタイルにばらつきがあると、保守性や品質に影響を与えることがあります。GitHub Copilotは、プロジェクト内での書き方や実装傾向を学習し、結果に基づくコード補完を提供するため、チーム全体のコーディング標準に沿った実装が可能になります。標準化された記述を用意することで、チーム内の技術の差を埋めやすくなるので、品質の平準化にもつながります。
GitHub Copilotの注意点

ここでは、GitHub Copilotを使う際の注意点を解説します。
- セキュリティ的に安全性の高いコードか確認する
- 著作権やライセンス条件に気を付ける
注意点を理解しておくことでトラブルを未然に防げるので、事前に確認した上で導入を進めてみてください。
セキュリティ的に安全性の高いコードか確認する
GitHub Copilotを使用する際は、自動生成されたコードがセキュリティ的に安全か確認することが大切です。
AIの学習には、オープンソースの公開リポジトリを使用しています。学習元となる公開リポジトリの中に攻撃性の高いコードがあると、外部に情報を流出されるようなコードが作られてしまう可能性があるのです。
そのため、コードを本番環境で使用する際はエンジニアによる最終確認を行い、脆弱性や不審な挙動が含まれていないかチェックするようにしましょう。
著作権やライセンス条件に気を付ける
GitHub Copilotは、多くのソースコードを学習してコード提案を行います。そのため、生成されたコードの一部が既存のオープンソースコードと類似している場合があり、著作権侵害にあたる可能性があります。トラブルを未然に防ぐためには、公開コードに一致する提案の無効化などの対策を講じておくことが大切です。
入力した情報については、公式HPでAIモデルのトレーニングには使用しないと明言されています。ユーザーが入力したプロンプトやコードによる情報漏洩リスクはないといえますが、機密情報を含むデータを扱う際は、慎重に利用するようにしましょう。
既定では、GitHub、その関連会社、サード パーティは、お客様のデータ (プロンプト、提案、コード スニペットなど) を AI モデルのトレーニングに使いません。 これは、GitHub Copilot のお客様の個人設定に反映され、有効にすることはできません。
GitHub Copilotを使いこなして開発負担を減らそう
今回は、GitHub Copilotの特徴や使い方、料金プランについて解説しました。押さえておきたいポイントは以下の通りです。
- GitHub Copilotを活用により開発作業が楽になる
- AIがコードを自動で補完してくれる
- 拡張機能でアプリを追加することも可能
- 日本語で指示できる
- 本番環境で使用する際はエンジニアによる最終確認を行う
GitHub Copilotは、AIによるコーディング支援ツールとして自動でコードを生成したり、ユーザーが書いたコードを補完したりします。幅広いプログラミング言語に対応していることも特徴で、さまざまな開発現場で導入しやすいです。また、チュートリアルも用意されているので、開発初心者向けの学習ツールとしても活用できます。
利用時は、セキュリティ対策やライセンス確認を行う必要がありますが、使い方を理解し、適切に活用すれば作業効率向上に役立ちます。無料で使えるプランもあるので、ぜひ一度試してみてください。
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