ローカル検索広告とは？設定方法や費用相場・運用のコツを解説！

「地域名＋業種」で検索したとき、検索結果の最上部やGoogleマップにお店の情報が広告として表示されているのを見たことはありませんか？それが、「ローカル検索広告（Local Search Ads）」です。

たとえば、「近くのカフェ」「駅前の歯医者」など、地域性の高いキーワードで検索したときに表示される広告で、Googleマップや検索結果の地図（ローカルパック）に目立つかたちで店舗情報を掲載できるのが最大の特徴です。

この記事では、ローカル検索広告の基本から、Googleマップ広告・リスティング広告・MEOとの違い、活用のメリット、設定方法、費用相場までをわかりやすく解説します。

実店舗の集客を強化したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

ローカル検索広告とは

ローカル検索広告とは、Google検索やGoogleマップ上で「地域名 × サービス」などのローカル意図を持つ検索に連動して表示される広告です。

Google広告の住所表示オプションやローカルキャンペーン機能を活用することで、自社のビジネス情報を検索結果の目立つ位置に優先表示させることができます。

広告が表示される主な場所は以下の通りです。

• Google検索結果の地図枠（ローカルパック）
• GoogleマップアプリやWeb版の検索結果
• スマートフォンのナビ画面やGoogleナレッジパネル内

特に、スマートフォンで「近くの◯◯」と検索するような今すぐ行動したいユーザーに対して、来店・電話・ルート案内などにつながる導線をつくれるのが、ローカル検索広告の大きな魅力です。

ローカル検索広告とGoogleマップ広告の違い

「Googleマップ広告」と「ローカル検索広告」は混同されやすい言葉ですが、表示される場所は似ていても、その意味や概念が違います。

つまり、ローカル検索広告はGoogleマップ広告の「機能的なカテゴリ」の1つであり、特に「近くで探している人」に対して検索連動で広告が表示される点が特徴です。

ローカル検索広告とリスティング広告の違い

ローカル検索広告とリスティング広告（検索連動型広告）も混同しやすい広告の一つですが、配信面やユーザーの行動段階が違います。

ローカル検索広告は、実店舗型のビジネスに特化し、地図で見つけてもらい、来店につなげる広告設計がされており、即時性・地域性の高いサービスに適しています。

ローカル検索広告とMEOの違い

MEO（Map Engine Optimization）は、Googleビジネスプロフィールを最適化することで、自然検索における上位表示を目指す集客施策です。一方、ローカル検索広告は広告費をかけて地図枠に優先的に表示される仕組みです。

MEOは時間をかけて評価を高めていく施策、ローカル検索広告は即効性を持って集客導線を作れる施策です。併用することで、無料表示と有料表示の両面から集客効果を高めることができます。

ローカル検索広告を活用するメリット

ローカル検索広告は、Google検索やGoogleマップで地域名とともに検索された際、ユーザーの目に留まりやすい場所に自社情報を掲載できる広告手法です。特に地域密着型のビジネスにとって、近隣の潜在顧客に対してダイレクトにアプローチできる点が最大の魅力です。

• ユーザーに見つけてもらいやすくなる
• 来店数や問い合わせ数の増加を期待できる
• 店舗やサービスを認知してもらえる

ここでは、ローカル検索広告を活用することで得られる3つの代表的なメリットを解説します。

ユーザーに見つけてもらいやすくなる

ローカル検索広告を活用することで、ユーザーに自社を見つけてもらいやすくなるという大きなメリットがあります。

検索結果ページの地図枠（ローカルパック）やGoogleマップ上で、視覚的に目立つ場所に広告が表示されるため、ユーザーに見つけられる確率が大きく高まります。

たとえば、「渋谷 美容室」や「新宿 カフェ」といったキーワードで検索された場合、近隣にいるユーザーの画面に自社が最上部の広告として表示される可能性があります。その結果、まだ認知されていない店舗でも、多くの検索ユーザーにアプローチすることができます。

このように、ローカル検索広告は、ユーザーの「今、探している」というニーズに直接応えることができるため、視認性の高さと即効性に優れているのです。

来店数や問い合わせ数の増加を期待できる

来店数や問い合わせ数を増やしたい場合も、ローカル検索広告は非常に有効です。広告内には、ルート案内・電話・営業時間の表示など、ユーザーの行動を促す項目が組み込まれており、店舗への導線として強力な役割を果たします。

特にスマートフォンでの検索では、ユーザーが「今すぐ行ける場所」や「すぐ連絡できる店舗」を探しているケースが多く、広告をクリックしてそのまま電話予約や来店につながることも珍しくありません。

このように、ユーザーがすぐにアクションを起こせる仕組みを整えることで、来店数や問い合わせ数の増加が期待できます。

店舗やサービスを認知してもらえる

ローカル検索広告は、来店や問い合わせを促すだけでなく、店舗やサービスの「認知拡大」にも効果が期待できます。広告の表示回数が増えることで、まだ来店したことのないユーザーにも、店舗名や業種、サービス内容を知ってもらう機会が広がります。

また、Googleビジネスプロフィールと連携することで、口コミ評価・写真・投稿などの補足情報が表示されるため、広告を見たユーザーに対して、より信頼性の高い印象を与えることができます。

競合が多い地域でも、検索結果画面上での「露出機会」を戦略的に増やせるのが、ローカル検索広告の大きな強みです。

ローカル検索広告のデメリット・注意点

ローカル検索広告は、地域密着型のビジネスにとって、近隣の潜在顧客に素早くアプローチできるという大きなメリットがあります。一方で、いくつかのデメリットや注意点も存在します。

ここでは、知っておくべき重要な2つのポイントをご紹介します。

配信に費用がかかる

ローカル検索広告は、Google広告の一種であり、クリックされるたびに費用が発生する「クリック課金制（CPC）」が基本です。無料で上位表示を目指すMEOとは異なり、広告を出稿し続ける限りコストがかかる点は押さえておくべきポイントです。

特に、競合が多いエリア（例：都心部や駅周辺）や人気業種（美容、飲食、整骨院など）では、1クリックあたりの単価が数百円〜1,000円を超えることもあり、広告予算が限られている場合、継続的な配信が難しくなるケースもあります。

費用対効果を高めるためには、ターゲットエリア・配信時間帯・広告文・表示キーワードの最適化が不可欠です。出稿前に、しっかりと広告戦略を立てておくことが成功のカギとなります。

ローカル検索広告のみでは配信できない

ローカル検索広告は、単独の広告タイプではなく、Google広告の他のキャンペーンと連携して配信される仕組みです。

たとえば、ローカル検索広告を配信するには、以下のような前提条件が必要です。

• Googleビジネスプロフィールの登録とオーナー確認
• Google広告アカウントとビジネスプロフィールのリンク設定
• 住所表示オプションの有効化

このように、Google広告とGoogleビジネスプロフィールの両方を正しく運用できる体制が求められます。初めて広告運用に取り組む方にとっては、やや複雑に感じられるかもしれません。

キャンペーン設定時には、「検索キャンペーン」や「パフォーマンス最大化キャンペーン」などの広告タイプを利用し、その中にローカル検索広告枠を含める形で配信されるため、ある程度の事前知識と設定スキルが必要です。

ローカル検索広告の課金方式

ローカル検索広告の課金方式は、Google広告と同様に、クリック課金（CPC＝Cost Per Click）が主流です。つまり、広告が表示されるだけでは費用は発生せず、ユーザーが以下のようなアクションを起こした場合にのみ課金されます。

• ビジネス名のクリック（詳細情報の表示）
• 電話ボタンのタップ
• ナビ案内の開始
• Webサイトへのリンククリック

このように、実際に何らかのアクションにつながったときだけ費用が発生する仕組みのため、広告費の無駄が出にくいのが特徴です。

また、広告の掲載順位は、Google独自のオークションシステムに基づいて決定され、ユーザーの検索意図とのマッチ度や、Googleビジネスプロフィールの情報充実度などが影響を与えることも、Google公式ヘルプで明示されています。

ローカル検索広告の料金相場

ローカル検索広告の料金は、「クリック単価 × クリック数」に応じて変動するため、明確な定額料金は設定されていません。

1クリックあたりの単価は、キーワードの競合状況によって異なり、100円前後のものもあれば、1,000円を超える場合もあります。キーワードごとのクリック単価の目安は、Google広告の「キーワードプランナー」で確認することが可能です。

といったように、キーワードやエリアによって大きく差が出ることがあります（※金額は調査日によって変動します）。

そのため、競合が多いエリアやキーワードほど単価が高くなる傾向があり、どのエリアで・どのキーワードに広告を出すかを戦略的に決めることが重要です。

ローカル検索広告の設定方法

ローカル検索広告には、Googleの「ビジネスプロフィール」で設定した情報が表示されます。一方で、広告の管理は「Google広告」のアカウントから行うため、出稿にあたっては「ビジネスプロフィール」と「Google広告」の両方に登録しなければいけません。

以下ではローカル検索広告を出稿するうえで、必要になる登録や設定の方法を解説していきます。

Googleの「ビジネスプロフィール」を登録

自身の店舗をビジネスプロフィール上に登録していない場合は、まずは必要な情報を登録しましょう。なお、登録に料金はかかりません。

Googleのビジネスプロフィールのページから、画面の案内に従って店舗名やカテゴリ、電話番号や住所など基本的な内容を入力していけば登録が可能です。これらの情報は、あとから編集することもできます。

ユーザーが知りたいと思う情報には、基本の店舗情報のほかメニューや店舗の写真などが挙げられます。こうした判断材料を十分に提供することで、問い合わせや来店といったコンバージョンにつながりやすくなるでしょう。「登録して終わり」とするのではなく、メニューや写真を随時追加・編集をしていくことが求められます。

Google広告への登録

Google広告のアカウントを持っていない場合には、こちらも開設しておきましょう。登録そのものに料金はかからず、出稿後、ユーザー側のアクションが生じるごとに料金が加算されます。

Google広告には「スマートモード」と「エキスパートモード」があり、初期設定はスマートモードです。ただし、スマートモードでは出稿する広告の内容や予算の設定（キャンペーンの作成）を登録時に行わなければいけません。簡易的にリスティング広告を作成できますが、ローカル検索広告を出稿するうえではエキスパートモードがスムーズです。

Google広告のページから、「今すぐ開始」をクリックすると、上のような画面が表示されます。赤枠部分をクリックしてエキスパートモードに切り替え、まずはキャンペーンなしで登録を進めるとよいでしょう。

エキスパートモードに移行すると、次の画面が表示されます。

実際に出稿するためのキャンペーン作成画面が表示されますが、設定に考慮すべき点も多いので、赤枠部分の「キャンペーンなしでアカウントを作成」を選択し、先に登録を済ませておくことをおすすめします。次に国や通貨を選択すれば、登録は完了です。

アカウントを開設したら、キャンペーン作成前に「ツールと設定」の「料金」から下画像内赤枠部分の「設定」に進み、支払い情報を入力しておきましょう。

住所表示オプションの設定

Google広告においては、ローカル検索広告のみを作成することはできず、リスティング広告も同時に作ることになります。この際、自店舗の住所や発信可能な電話番号を広告に記載するには、「住所表示オプション」を設定しておく必要があります。

管理画面の左メニューにある「広告と広告表示オプション」から、「広告表示オプション」を選択し、設定画面で自身のビジネスプロフィールと同期すれば設定は完了です。

Google広告でキャンペーンを作成

実際にローカル検索広告を出稿するには、Google広告の管理画面から「キャンペーン」を作成する必要があります。

新しいキャンペーンの作成画面から、まずは目的を設定しましょう。ローカル検索からの直接的な来店を促す場合には、「来店数と店舗売り上げの向上」を選択します。

その後、キャンペーンタイプの選択画面で「ローカル」を選ぶと、宣伝する店舗の情報を選択するカードが表示されるので、「このキャンペーンの地域を選択する」をクリック。下の画面が表示されたら、広告に用いる自身のビジネスプロフィールを赤枠部分で選択してください。

その後、画面の案内に従い、予算や期間などを設定していきます。ローカル検索広告は、電話発信やルート検索といったアクションに対する価格を設定することで、全体の予算内でコンバージョンが最大化されるよう自動的に設定される仕組みです。

広告作成画面では、マップ上に表示される広告のほか、リスティング広告もセットで作成することになります。

上の画面でキャッチとなる短文やサービスの説明文、広告に表示する画像などを設定すれば、ローカル検索のほか通常の検索結果画面、さらにYouTube上に表示される広告なども自動的にまとめて作成されます。

ローカル検索広告で効果を出す運用のコツ

ローカル検索広告を出稿し、ユーザーの目に留まる機会が増えても、実際の来店や問い合わせにつながらなければ広告費の意義が薄れてしまいます。広告を運用するにあたっては、広告効果を適宜分析しながら施策を最適化していく必要があります。

広告効果を分析する

Google広告のメリットとして、管理画面上からさまざまな成果指標を簡単に確認できることが挙げられます。これを参照しながら、積極的に分析の材料としていくことが広告効果を高めるポイントです。

出稿した広告が「どのようなコンバージョンに、どの程度つながっているのか」という観点から、望む成果が得られているかを検討し、改善につなげていきましょう。たとえば「詳細画面への移行は多いのに、ルート検索や問い合わせにつながっていない」という場合には、詳細画面上に写真やメニューといった判断材料を十分に提供できていない、などの原因が考えられます。

予算設定を見直す

広告の費用対効果を考えるうえでは、問い合わせやルート検索などユーザーのアクションが「どれだけの売り上げにつながりうるか」という期待値を考慮する必要があります。

Google広告ではコンバージョンの種別ごとにバリューを設定できるため、「電話発信1回分にどれだけの価値があるか」を適切に見積もることが大切です。問い合わせからの来店率や、顧客単価といった観点から、1つのアクションに対する価値を判断していきましょう。

ビジネスプロフィールを充実させる

ローカル検索広告のランディング地点はビジネスプロフィールとなるため、ここに掲載する情報を明確に整理しておくことが重要です。営業時間や休業日といった基本情報はもちろん、口コミや写真も大きな意味を持ちます。

ビジネスプロフィールを最適化し、ユーザーの行動分析や口コミ管理を行う必要がありますが、場合によってはツールの導入や代行業者への外注も検討するとよいでしょう。

ローカル検索広告でよくある質問

ローカル検索広告を検討・運用する中で「広告が表示されないのはなぜ？」「どんな業種に向いているの？」「個人事業主でも利用できる？」といった疑問を抱える方は多いでしょう。

ここでは、初心者の方がつまずきやすいポイントを中心に、よくある質問とその答えをわかりやすく解説します。

広告が表示されない

ローカル検索広告を配信したにもかかわらず表示されない原因として、以下のような要素が考えられます。

定期的に広告のパフォーマンスレポートを確認し、ターゲティング設定や入札単価を見直すことが重要です。

向いている業種は？

ローカル検索広告は、特に以下のような「店舗型ビジネス」や「地域密着型サービス」に適しています。

• 飲食店、美容室、ネイルサロン
• 接骨院、歯科医院、クリニック
• 学習塾、パーソナルジム、英会話教室
• 不動産会社、住宅設備業者、リフォーム業者
• 自動車の整備・販売店、カーシェア店舗
• 花屋、クリーニング店、ペットサロンなどの生活密着型サービス

このような業種は、「今すぐ近くで利用したい」「通いやすい場所で探したい」というユーザーの検索ニーズと相性が良く、ローカル検索広告が機能します。

また、地域性・即時性が高いサービスほど効果を実感しやすいため、キャンペーンの告知や新規開店の周知などにも有効です。

個人事業主でも広告を出せる？

個人事業主でもローカル検索広告を出稿することが可能です。

Googleビジネスプロフィールに正確な事業情報を登録し、Google広告アカウントを開設すれば、誰でも利用を始められます。実際に、個人経営の整体院やカフェなどがローカル検索広告で成果を上げている事例も多く、限られた予算でも効率的な集客が期待できます。

ただし、広告の出稿や運用には、ある程度の知識やスキルが必要になるため、初めての方は、専門業者や広告代理店に相談して進めると安心です。

ローカル検索広告を活用して集客を強化しよう

ローカル検索広告は、「地域密着型」や「実店舗型」の事業者にとって、今や欠かせない集客手段のひとつです。Googleマップやローカルパックなど、ユーザーの行動導線に自然に溶け込みながら、高い訴求力を持つ広告を表示できます。

料金はクリック課金制（CPC）で、費用対効果の高い集客が可能です。特に、Googleビジネスプロフィールとの連携が重要で、MEO対策と組み合わせることで、さらに強力な施策となります。

この記事を参考に、ローカル検索広告の仕組み・設定方法・料金相場をしっかり理解し、貴社の集客施策にぜひ取り入れてみてください。