Pinterest(ピンタレスト)のビジネスアカウントを徹底解説!
Pinterestとは、気になった画像や動画をブックマークできるwebサービスです。月間で4億5,000万人以上のユーザー数を誇り、近ごろはビジネスにも活用されています。興味のある方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、Pinterestのビジネスアカウントについて徹底解説します。活用方法をはじめ、開設方法、Instagramとの違いなどに触れているので参考にしてください。
目次
Pinterest(ピンタレスト)のビジネスアカウントとは
Pinterestのビジネスアカウントとは、文字通りPinterestが提供しているビジネス用のアカウントです。個人アカウントよりも多くの機能が搭載されており、webサイトへの流入をはじめ、企業のブランディングなどに活用されています。
「そもそもPinterestって何?」という方は、こちらの記事を参考にしてください。
Instagram(インスタグラム)との違い
PinterestとInstagramは似ているようで異なるサービスです。
|
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それぞれ詳細をチェックしていきましょう。
時間軸の違い
PinterestとInstagramでは、フォーカスしている時間軸が異なります。具体的には以下のとおりです。
- Pinterest:未来の事柄にフォーカス
- Instagram:過去の事柄にフォーカス
たとえばInstagramの場合、訪れた場所や食べた料理など、過去もしくは現在の事柄に焦点が当てられます。24時間で消える「ストーリーズ」など、ユーザー同士で思い出を共有する側面が強いでしょう。
一方Pinterestの場合、未来の事柄にフォーカスしやすい点が特徴といえます。具体例をあげると以下のとおりです。
- コーディネート画像をチェックしたあと、ECサイトで似ているアイテムを購入する
- リゾート地の画像をチェックしたあと、旅行の計画を立てる
- 料理の画像をチェックしたあと、夕食の献立を決定する など
画像をチェックして終わりではなく、そのあとに明確なアクションを起こすことが予想されます。
資産性の違い
PinterestとInstagramは資産性も異なります。まずは以下のデータをご覧ください。
サービスの種類 | 投稿の寿命 |
3ヶ月 | |
48時間以内 (ストーリーズは24時間) | |
5~6時間 | |
15~20分 |
(引用:「Lifespan of a Social Media Post」)
MtoM Consultingの上記データ(2019)によれば、Instagramの投稿における寿命は1~2日とされています。
一方、Pinterestなら2~3ヶ月前の投稿も比較的チェックされます。投稿をコツコツと続けていけば、高い資産性を期待できるストック型のwebサービスといえるでしょう。
外部リンクの違い
Pinterestでは、投稿ごとに外部リンクを設置可能です。自社サイトのURLを貼っておけば、画像に興味を持ってくれたユーザーの集客を期待できます。
一方Instagram(インスタグラム)の場合、投稿ごとの外部リンクには対応していません。URLを記載しても単なる文字列と認識されるのでご注意ください。
日本で導入している企業は少ない
日本でPinterestのビジネスアカウントを導入している企業は少ないです。
しかし、Pinterest自体の世界的な知名度は非常に高く、ユーザー数が月間4億5,000万人(※1)を突破しています。2020年12月のニールセン調べでは、日本国内の月間ユーザー数も870万人(※2)にのぼり、前年比1.6倍もの成長をとげています。
またZ世代と呼ばれる若年層ユーザーの増加が目立つ点もポイント。ファッションや美容など、トレンド性が重要になる業界と相性がいいです。
【Pinterestと相性のいい業界】
- インテリア
- アパレル
- 美容
- 料理
- 旅行 など
Pinterestのビジネスアカウントを活用すれば、年齢層の低い世代にもアプローチできる可能性があります。
※1 参考:PR TIMES 「春からの新生活、 Pinterest で新たな自分に挑戦するアイデアを探しましょう」
※2 参考:CNET Japan 「コロナ禍に「Pinterest」が急成長した理由–前年比で利用者1.6倍、料理レシピ探しにも」
Pinterest(ピンタレスト)のビジネスアカウントと個人アカウントの違い
Pinterestのビジネスアカウントと個人アカウント、両者の違いは以下のとおりです。
比較 | ビジネスアカウント | 個人アカウント |
目的 | webサイトへの流入 | ピンの収集 |
webサイト認証 | ◯ | ✕ |
アナリティクス | ◯ | ✕ |
それぞれ詳細をチェックしていきましょう。
目的
Pinterestのビジネスアカウント・個人アカウントは、それぞれ運用する目的が異なります。具体的には以下のとおりです。
- ビジネスアカウント:webサイトへの流入が目的
- 個人アカウント:ピンの収集が目的
個人アカウントの場合、ピンの収集目的でインストールしているユーザーが大半かと思います。服好きならファッションの画像、旅行好きならリゾート地の画像など、自分の趣味にマッチしたピンを集めている場合が多いでしょう。
一方ビジネスアカウントでは、webサイトへの流入が主な目的。テーマ別に分けられたボードを作成したり、「Pinterest Analytics」でピンの分析をしたり、自社の投稿に興味を持ったユーザーをwebサイトへと誘導できる可能性があります。
webサイト認証
webサイト認証は、Pinterestのビジネスアカウントにしかない機能です。アカウントのトップページに自社サイトのURLを表示できます。
webサイト認証の具体的な方法は以下のとおり。
【webサイト認証の流れ】
- 設定から「認証済みのアカウント」に進む
- 認証方法を選択
- HTMLタグの追加等
- 「続行する」を選択
- サイトURLを入力
- 完了
webサイト認証の方法は、「HTMLタグの追加」「HTMLファイルのアップロード」「TXTレコードの追加」の3種類が存在します。この中で最も簡単なのは「HTMLの追加」。WordPressを利用している方は、「外観」から「テーマエディター」へと進み、<head>内にHTMLタグを挿入すればOKです。
他のwebサイト認証方法に関しては、Pinterestの公式サイトを参考にしてください。
アナリティクス
Pinterestのビジネスアカウントには、「Pinterest Analytics」という機能が用意されています。ピンやボードのパフォーマンスを分析することができます。
上記画像は編集部で作成したビジネスアカウントのアナリティクスです。まだ投稿をしていないのでデータがありませんが、通常は薄緑のエリアに波形が表示されます。「インプレッション数」や「ピンクリック数」など、セクションごとにデータを区切ることも可能です。
また、「Pinterest Analytics」で押さえておきたい用語も合わせて解説しておきます。
- インプレッション数:Pinterestでピンが表示された回数
- エンゲージメント数:ピンの保存やフォローなど、ユーザーが行動を起こした回数
- ピンクリック数:ピンのクリックを経由して他サイトにアクセスした回数
- アウトバウンドクリック数:ピンに記載したURLがクリックされた回数
- 保存数:ピンが保存された回数
Pinterest(ピンタレスト)をビジネスで活用する方法
ここでは、Pinterestをビジネスで活用する方法を解説します。
- 企業のブランドイメージを共有する
- 潜在顧客へリーチする
それぞれ詳細をチェックしていきましょう。
企業のブランドイメージを共有する
Pinterestは、企業のブランドイメージをユーザーと共有することに長けています。画像の投稿をメイン機能に据えたwebサービスだからです。
テキスト中心のメディア媒体は情報へのアクセススピードに優れていますが、抽象的な概念を伝える力が弱く、企業のブランディングという観点では課題が残ります。
一方Pinterestのようなwebサービスの場合、ブランドイメージや世界観を確立しやすいといった特徴があります。テキストよりも画像のほうが視覚への訴求性が高いので、言葉で表現しにくいクリエイティブをひと目で伝えられるでしょう。
また、近ごろ話題のファンマーケティング(※3)とPinterestは相性がよく、ユーザーのLTV(※4)向上も期待できます。
「企業のブランドイメージを高めたい」「これからはファンマーケティングに注力したい」という方は、Pinterestのビジネスアカウントを活用してみてください。
※3 ファンマーケティングとは、商品・コンテンツに愛着を持つファン(消費者)を増やしていくマーケティング手法です。
※4 LTV(ライフタイムバリュー)とは、一人の顧客が生涯にわたって生み出す利益のことです。
潜在顧客へリーチする
Pinterestのビジネスアカウントを活用する際は、潜在顧客へリーチすることを意識しましょう。主な理由は以下のとおり。
- Pinterestは情報検索型のwebサービス
- AIがユーザーごとのホームフィードを作成
- 非名称検索するユーザーが多い
InstagramやTwitterのようなコミュニケーション型と異なり、Pinterestは情報検索型のwebサービスです。「冬に向けておしゃれなアウターを用意したい」「家族4人で座れるソファを探している」など明確な目的を持っているユーザーが多いので、購買行動につなげやすいといった特徴があります。
またホームフィードがAIによってパーソナライズされる点もポイントです。ユーザーの閲覧行動をベースに興味のあるジャンルを推測し、最適化されたピン(画像・動画コンテンツ)を表示してくれます。
「〇〇(ブランド名) 服」ではなく「スニーカー 黒」のような非名称検索を行うユーザーが目立ち、Pinterest上位の検索のうち97%(※5)にのぼります。知名度のない中小企業でも潜在顧客を発掘するチャンスが転がっているでしょう。
※5 参考:Pinterest Business 「Pinterestを利用するメリット」
Pinterest(ピンタレスト)のビジネスアカウントの活用事例
ここでは、Pinterestのビジネスアカウントを活用した企業例をご紹介します。
- FLYMEe
- レシピブログ
- UNIQLO
それぞれ詳細をチェックしていきましょう。
FLYMEe
FLYMEe(フライミー)は、家具・インテリアを販売する通販サイトです。国内・海外を問わず幅広い商品を取り扱っています。
ビジネスアカウントのフォロワー数は6,000人以上、1ヶ月あたりの表示回数は1,000万以上です。ピンの世界観が統一されているので、「こんな家具を買えばおしゃれな生活ができる」といったイメージを与えてくれます。
レシピブログ
「レシピブログ」は、アイランド株式会社が運営するレシピサイトです。Pinterestのビジネスアカウントは25万人にフォローされており、多くのユーザーが注目していることがわかります。
「レシピブログ」のような料理系のアカウントは、Pinterestと好相性です。他にもアパレル系、旅行系も相性がいいので、積極的に活用しましょう。
UNIQLO
Pinterestのビジネスアカウントを活用しているのは中小企業にとどまりません。世界的に知名度のある大企業、UNIQLOを例に見てみましょう。
投稿された画像では、UNIQLOの商品をモデルが着用しています。ユーザーがコーディネートをイメージしやすく、ECサイトへの訪問など購買行動を期待できるでしょう。
Pinterest(ピンタレスト)のビジネスアカウントを開設する方法
ここでは、Pinterestのビジネスアカウントを開設する方法を解説します。
まずは「メールアドレス」「パスワード」「年齢」を入力し、アカウントを作成しましょう。
次にプロフィール名やサイトURLを入力してください。
ビジネスで扱っているものや目的を選択すれば完了です。
また、登録した情報は後からでも変更できます。
Pinterest(ピンタレスト)のビジネスアカウントから切り替える方法
Pinterestのビジネスアカウントから、個人アカウントに切り替える方法は以下のとおりです。
まずはアカウントアイコン近くのリストを開きます。そこから「設定」を選択してください。
次に画面左の「アカウント管理」を選択します。
「アカウントの変更」から、「個人アカウントに切り替える」を選択してください。
赤く装飾された「個人アカウントに切り替える」を選択すれば完了です。
Pinterest(ピンタレスト)のビジネスアカウントを成功させるポイント
ここでは、Pinterestのビジネスアカウントを成功させるポイントを解説します。
- 運用目的を決める
- KPIを設定する
- 専門業者に外注する
それぞれ詳細をチェックしていきましょう。
運用目的を決める
Pinterestのビジネスアカウントでは、運用する目的を事前に決めておきましょう。たとえば以下のようなケースが考えられます。
- 企業のブランディング
- webサイトへの流入
- SNSマーケティングにおける差別化 など
「市場」「ターゲット」「商材・コンテンツ」といった基本的なものをはじめ、ブランディングの方向性にもこだわってみてください。
KPIを設定する
KPIの設定もPinterestのビジネスアカウントを成功させるポイントです。
KPIとは、Key Performance Indicator(重要業績評価指標)の略称で、目標を達成する際に重要となる定量的な指標を意味します。Pinterestのビジネスアカウントの場合、ピンの保存数、webサイトへの流入数などが挙げられるでしょう。
また、KPIを設定する際に役立つのが「SMART」という考え方。
- S:Specific(明確性)
- M:Measurable(測定可能)
- A:Achievable(達成可能)
- R:Reated(関連性)
- T:Time-bounded(適時性)
簡単にまとめると、「誰が見てもわかりやすく、達成可能な指標を数値化し、期限を定めて取り組む」ということです。KPIの設定がスムーズにいかない場合に参考にしてください。
専門業者に外注する
Pinterestのビジネスアカウントを上手に活用できないという方は、専門業者に運用を任せるのも一つの手です。外注費用は発生しますが、プロによるアドバイス・サポートを期待できます。
ただ、Pinterestのビジネスアカウントは、無料で活用できる点が大きな魅力。いきなり専門業者に依頼するのではなく、まずは自社で取り組んでみることをおすすめします。
Pinterest(ピンタレスト)のビジネスアカウントに関するまとめ
今回はPinterestのビジネスアカウントについて解説しました。世界的に知名度を伸ばしているwebサービスですが、日本で導入している企業は少ないです。今から始めれば他社にアドバンテージをつけられる可能性があります。
ただ、闇雲に取り組んでも良い結果には繋がりません。運用目標やKPIの設定、活用するポイントなどを押さえておくことが重要です。どうしても難しければ外注するという選択肢も存在するので、まずは気軽にアカウント開設から始めてみましょう。
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