バイラルマーケティングとは?戦略や成功事例を学び低予算で認知拡大を目指そう!
SNSが普及した現代では、企業が発信する広告よりも「友人や知人からの口コミ」のほうが信頼される傾向にあります。実際、商品購入を迷ったときに家族や友人の意見を参考にする人が最も多いというデータもあるほどです。
このような消費者心理を活用したマーケティング手法が「バイラルマーケティング」になります。
本記事では、バイラルマーケティングの基本から、類似手法との違い、実践方法、成功事例まで網羅的に解説します。低コストで認知拡大を狙いたいマーケティング担当者は、ぜひ参考にしてください。
目次
バイラルマーケティングとは?他手法との違いも解説

バイラルマーケティング(Viral Marketing)とは、消費者の自発的な情報共有を促し、ウイルスが広がるように口コミで拡散させるマーケティング手法です。「Viral(バイラル)」は「ウイルス性の」という意味を持ち、情報が人から人へと急速に伝わっていく様子を表しています。
従来の広告は企業が一方的に情報を発信するものでしたが、バイラルマーケティングではSNSやブログ、口コミサイトなどを通じて消費者自身が情報を広めてくれます。「誰かに教えたい」「シェアしたい」と思わせるコンテンツを企業が用意し、自然な拡散を促す仕組みが特徴です。
バイラルマーケティングは口コミを活用する点で、バズマーケティングやインフルエンサーマーケティングと似ています。各手法の違いを理解することで、自社に最適な戦略を選べるようになります。
バズマーケティングとの違い
バイラルマーケティングとバズマーケティングの最大の違いは、情報拡散が「自然発生的か」「人為的か」という点です。バイラルマーケティングは、魅力的なコンテンツを用意して消費者の自発的な共有を促します。
一方、バズマーケティングは企業が積極的に介入し、意図的に話題を作り出す手法です。たとえば、インフルエンサーを起用したキャンペーンや、ハッシュタグを使った拡散施策などが該当します。「バズらせる(話題にする)」ことが目的であり、拡散のスピードや話題の総量を重視するのが特徴です。
どちらも口コミを活用しますが、バイラルマーケティングは「良い情報を自然に広めてもらう」、バズマーケティングは「計画的に話題を作る」という違いがあります。
口コミマーケティングとの違い
口コミマーケティングは、消費者の口コミ全般を活用するマーケティング手法の総称です。レビューサイトへの投稿促進や、SNSでの感想シェア、店頭での評判など、あらゆる口コミが対象になります。
バイラルマーケティングは、口コミマーケティングの一種と捉えることができます。ただし、バイラルマーケティングは「情報が連鎖的に広がる仕組み」を重視している点が特徴です。一人が共有した情報が、さらに別の人へと伝わり、ネズミ算式に拡散していくことを目指します。
口コミマーケティングが「評判を作る」ことに重点を置くのに対し、バイラルマーケティングは「拡散される仕組み」を設計することに重点を置いているといえます。
インフルエンサーマーケティングとの違い
インフルエンサーマーケティングは、影響力のあるインフルエンサーに商品やサービスを紹介してもらい、フォロワーへ情報を届ける手法です。インフルエンサーの信頼性や発信力を活用して、ターゲット層にピンポイントでアプローチできます。
バイラルマーケティングとの違いは、「誰が情報を広めるか」です。インフルエンサーマーケティングは特定の個人の影響力に依存しますが、バイラルマーケティングは不特定多数の消費者が情報を広めてくれることを期待します。
インフルエンサーマーケティングはバズマーケティングの一種とも考えられ、意図的に拡散を狙う点でバイラルマーケティングとは性質が異なります。
ステルスマーケティング(ステマ)との違い
ステルスマーケティング(ステマ)とは、宣伝であることを隠して商品やサービスを紹介する手法です。一般消費者を装ったり、広告表示を省略したりして、あたかも自然な口コミのように見せかけます。
バイラルマーケティングとの決定的な違いは「透明性」です。バイラルマーケティングは消費者の自発的な共有を促すものであり、宣伝であることを隠す意図はありません。一方、ステマは消費者を欺く行為であり、2023年10月から景品表示法で規制対象となっています。
インセンティブを付与する2次的バイラルマーケティングを実施する際は、広告であることを明示しなければステマと見なされる可能性があります。法令遵守は必須です。
バイラルマーケティングが注目される理由

近年、バイラルマーケティングが多くの企業から注目を集めています。主な理由は以下のようなものがあります。
- SNSの普及で情報拡散が容易になった
- 消費者は企業広告より口コミを信頼する
- 広告コストの高騰で費用対効果が重視されている
デジタル技術の進化と消費者行動の変化があります。SNSの普及により情報拡散が容易になったこと、広告よりも口コミが信頼される傾向が強まったこと、そして広告コストの高騰で費用対効果が重視されるようになったことが理由と言えます。
SNSの普及で情報拡散が容易になった
FacebookやX(旧Twitter)、Instagram、TikTokなどのSNSが普及したことで、個人が簡単に情報を共有できる環境が整いました。魅力的なコンテンツであれば、ボタン一つで数千人、数万人に情報が届く可能性があります。
SNS上では「いいね」や「リポスト」といった機能により、情報が連鎖的に広がっていきます。一人のユーザーがシェアした投稿が、そのフォロワーにも表示され、さらにフォロワーのフォロワーへと伝わっていく仕組みです。この拡散スピードと到達範囲の広さが、バイラルマーケティングを効果的にしています。
動画コンテンツの台頭も大きな要因です。YouTubeやTikTokでは、面白い動画や感動的な動画が瞬く間に拡散され、数百万回再生されることも珍しくありません。
消費者は企業広告より口コミを信頼する
消費者の購買行動において、企業が発信する広告よりも「知人からの推奨」や「ユーザーレビュー」のほうが信頼される傾向が強まっています。2022年のバニッシュ・スタンダード調査では、商品購入を迷った際に最も参考にするのは家族や友人の意見であることが示されました。
企業の広告は「売りたい」という意図が明確なため、消費者は情報を鵜呑みにしません。一方、友人や知人からの口コミは利害関係がなく、純粋な感想として受け取られやすいのです。
バイラルマーケティングは、この信頼性の高い口コミを活用できる点で優れています。消費者が自発的にシェアした情報は、広告よりも説得力があり、購買意欲を高める効果が期待できます。
広告コストの高騰で費用対効果が重視されている
テレビCMやWeb広告の費用は年々高騰しており、中小企業にとっては大きな負担となっています。リスティング広告のクリック単価も競争激化により上昇し、広告費に見合った成果を得るのが難しくなってきました。
バイラルマーケティングは、質の高いコンテンツを一つ作れば、広告費をかけずに多くの人に情報が届く可能性があります。拡散された情報は半永久的にインターネット上に残り、継続的な集客効果も期待できます。
費用対効果の高さは、予算が限られているスタートアップ企業や中小企業にとって大きな魅力です。成功すれば少ない投資で大きなリターンを得られるため、多くの企業がバイラルマーケティングに注目しています。
バイラルマーケティングの種類と特徴

バイラルマーケティングには、大きく分けて3つの種類があります。
- 1次的バイラルマーケティング
- 2次的バイラルマーケティング
- 紹介埋め込み型
それぞれ拡散の仕組みや適した場面が異なるため、目的に応じて使い分けることが重要です。
1次的バイラルマーケティング(自然発生型)
1次的バイラルマーケティングは、消費者が純粋に「面白い」「役に立つ」「感動した」と感じたコンテンツを自発的に共有する形式です。企業はインセンティブを用意せず、コンテンツの質そのもので拡散を狙います。
たとえば、心温まるストーリーを描いた動画や、思わず笑ってしまう面白い広告、実用的な情報をまとめた記事などが該当します。ユーザーは「誰かに教えたい」という気持ちから自然にシェアするため、強制感がなく好意的に受け取られやすいのが特徴です。
最もピュアな形のバイラルマーケティングといえますが、コンテンツ制作の難易度は高くなります。拡散されるかどうかは消費者の反応次第であり、確実性が低い点がデメリットです。
2次的バイラルマーケティング(インセンティブ型)
2次的バイラルマーケティングは、情報を共有したユーザーに報酬(インセンティブ)を提供する形式です。「友達紹介で割引」「シェアでクーポン獲得」といったキャンペーンが代表例になります。
インセンティブがあることで、ユーザーは積極的に情報を拡散してくれます。拡散スピードが速く、短期間で多くの人にリーチできるのがメリットです。新規顧客獲得やアプリダウンロード促進などに効果的とされています。
注意点として、インセンティブ目当てのユーザーが増えると、商品やサービスへの関心が薄い層にも情報が届いてしまいます。また、広告であることを明示しないと景品表示法違反(ステマ)と見なされる可能性があるため、法令遵守が必須です。
紹介埋め込み型(ウォーターマーク型)
紹介埋め込み型は、製品やサービスの利用過程で自動的にブランド情報が表示される仕組みです。代表例としては、画像や動画に企業ロゴを透かし文字(ウォーターマーク)として埋め込む手法があります。
無料の画像編集アプリで作成した画像に自動的にアプリ名が入ったり、動画の最後に「〇〇で作成」とクレジットが表示されたりするのがこのタイプです。ユーザーが意識しなくても情報が拡散されるため、自然な認知拡大が期待できます。
メリットは、ユーザーの積極的な行動を必要としない点です。コンテンツが共有されるたびにブランド名が露出するため、継続的な宣伝効果があります。ただし、過度な表示はユーザー体験を損なう可能性があるため、バランスが重要です。
バイラルマーケティングを実施するメリット

バイラルマーケティングには、従来の広告手法にはない多くのメリットがあります。
- 低コストで広範囲にリーチできる
- ターゲット外の潜在層にも届く
- 信頼性の高い情報として伝わる
- ブランド認知度を短期間で向上できる
それぞれのメリットについて、もう少し詳しく解説していきます。
低コストで広範囲にリーチできる
バイラルマーケティング最大のメリットは、費用対効果の高さです。テレビCMや新聞広告には数百万円から数千万円のコストがかかりますが、バイラルマーケティングはコンテンツ制作費のみで実施できます。
一度作成したコンテンツが多くの人に共有されれば、追加の広告費をかけずに数万人、数十万人にリーチできる可能性があります。SNSでのシェアは無料ですし、ユーザーが自主的に拡散してくれるため、広告配信費も不要です。
中小企業やスタートアップにとって、限られた予算で最大限の効果を狙えるのは大きな魅力といえます。成功すれば、大企業が巨額の広告費を投じた場合と同等か、それ以上の認知拡大も可能です。
ターゲット外の潜在層にも届く
通常の広告では、ターゲットを絞って配信するため、想定した層以外には情報が届きにくくなります。バイラルマーケティングは、ユーザーの自発的な共有により、企業が想定していなかった層にも情報が広がる可能性があります。
たとえば、20代女性向けに作ったコンテンツが、その友人である30代男性にも共有されるといったケースです。SNS上では、似た興味や関心を持つ人同士がつながっているため、自然とターゲットに近い層へ情報が伝わりやすくなります。
新しい顧客層の発見や、潜在的なニーズの掘り起こしにもつながります。予想外の反響から新たなマーケティング戦略が生まれることもあるでしょう。
信頼性の高い情報として伝わる
企業が発信する広告は「売りたい意図がある」と認識されるため、消費者は警戒心を持ちます。一方、友人や知人から共有された情報は、利害関係のない純粋な推奨として受け取られやすいのが特徴です。
バイラルマーケティングで拡散される情報は、ユーザーが自発的にシェアしたものであるため、広告よりも信頼性が高くなります。「〇〇さんがおすすめしていた」という文脈で情報が伝わるため、購買意欲を高める効果が期待できます。
口コミの影響力は非常に大きく、商品購入の最終的な決め手になることも少なくありません。信頼できる人からの推奨は、何よりも説得力があります。
ブランド認知度を短期間で向上できる
情報がバイラル(ウイルス的)に拡散すれば、短期間で爆発的な認知拡大が可能です。数日で数百万人にリーチしたり、テレビニュースで取り上げられたりすることもあります。
新商品の発売時やブランドリニューアル時など、一気に認知度を高めたい場面で効果的です。とくに、これまで知名度が低かった企業やブランドにとっては、一気に市場でのポジションを確立するチャンスです。
拡散されたコンテンツはインターネット上に残り続けるため、継続的な認知効果も期待できます。後から検索して見つける人もいるため、長期的な資産にもなります。
バイラルマーケティングのデメリットと注意点

バイラルマーケティングには多くのメリットがある一方で、デメリットや注意すべき点もあります。
- コントロールが難しく炎上リスクがある
- 再現性が低く成功の保証がない
- ネガティブな情報も拡散されやすい
- 景品表示法違反(ステマ)のリスクに注意
法律違反になる可能性もあるので、事前にデメリットを把握しておいたほうが安心できます。
コントロールが難しく炎上リスクがある
バイラルマーケティングは、消費者の自発的な行動に依存するため、企業側で情報の拡散をコントロールできません。想定外の形で情報が広がったり、意図しない解釈をされたりする可能性があります。
最も怖いのは炎上リスクです。批判的な意見が一度拡散し始めると、あっという間に広がってしまいます。不適切な表現や配慮に欠けた内容があった場合、企業イメージを大きく損なう可能性があります。
ポジティブな反応であっても、需要が急増しすぎて供給が追いつかず、機会損失や顧客満足度の低下を招くケースもあります。拡散の影響を事前に想定し、リスク管理体制を整えておくことが重要です。
再現性が低く成功の保証がない
どれだけ時間とコストをかけてコンテンツを作っても、必ず拡散されるとは限りません。消費者の興味やトレンドは常に変化しており、一度成功した手法が次回も通用するとは限らないのです。
過去にバズった動画と同じコンセプトで制作しても、二番煎じと見なされて反応が得られないことも少なくありません。新鮮味や驚きがなければ、人々の心を動かすことは難しくなります。
バイラルマーケティングは「狙って成功させる」のが難しい手法です。他のマーケティング施策と組み合わせ、リスク分散しながら取り組むことが推奨されます。
ネガティブな情報も拡散されやすい
ポジティブな情報だけでなく、ネガティブな情報も同じように拡散されます。むしろ、批判や不満といったネガティブな内容のほうが注目を集めやすく、拡散スピードが速い傾向があります。
商品の不具合や接客トラブル、不適切な発言などが一度SNSで話題になると、瞬く間に広がってしまいます。誤った情報であっても、訂正が追いつかないまま拡散され続けるケースも珍しくありません。
ネガティブな口コミが広がった場合、迅速かつ誠実な対応が求められます。放置すればさらに炎上が拡大し、ブランドイメージの回復に長い時間がかかることになってしまいます。
景品表示法違反のリスクに注意
2次的バイラルマーケティング(インセンティブ型)を実施する際は、景品表示法に注意が必要です。インセンティブを付与して情報共有を促す場合、それは実質的に「広告」となります。
広告であることを明示せずに実施すると、ステルスマーケティング(ステマ)と見なされ、法令違反となる可能性があります。2023年10月の景品表示法改正により、ステマは明確に規制対象となりました。
「このコンテンツにはプロモーションが含まれます」「PR」といった表記を、わかりやすい形で明示することが必須です。表記が小さすぎたり、見つけにくい場所にあったりする場合も違法と判断される可能性があります。
バイラルマーケティングの実践方法

バイラルマーケティングを成功させるには、戦略的なアプローチが必要です。明確な目標設定から効果測定まで、5つのステップを踏んで実践してみてください。
- Step1:明確な目標とターゲットを設定する
- Step2:共有したくなるコンテンツを企画する
- Step3:最適な配信チャネルを選定する
- Step4:シェアの仕組みを設計する
- Step5:効果測定と改善を繰り返す
やみくもにコンテンツを作っても拡散される可能性は低いので、きちんとした戦略を立てるべきです。
Step1:明確な目標とターゲットを設定する
まず最初に、バイラルマーケティングで何を達成したいのかを明確にします。「ブランド認知度を30%向上させる」「新商品の購入者を1万人増やす」など、具体的な数値目標を設定しましょう。
ターゲット層の特定も重要です。年齢、性別、興味関心、ライフスタイル、よく使うSNSなどを詳細に設定します。ターゲットが明確になれば、どのようなコンテンツが刺さるのか、どのチャネルで配信すべきかが見えてきます。
目標とターゲットが曖昧なまま進めると、誰の心にも響かないコンテンツになってしまいます。最初の設計が成否を分けるといっても過言ではありません。
Step2:共有したくなるコンテンツを企画する
ユーザーが「誰かに教えたい」と思うコンテンツを企画します。ポイントは、感情を動かすことです。笑い、感動、驚き、共感といった感情が、シェア行動を促します。
実用的な情報も拡散されやすい要素です。「知らなかった豆知識」「生活に役立つノウハウ」「お得な情報」などは、多くの人が「これは役に立つ」と感じてシェアしてくれます。
企業の宣伝色は極力抑えたほうが良いです。あからさまな広告は敬遠されます。ストーリー性のある動画や、ユーザー参加型のキャンペーンなど、エンターテインメント性を持たせることが成功の鍵です。
Step3:最適な配信チャネルを選定する
ターゲット層が最もアクティブなチャネルを選びます。若年層ならInstagramやTikTok、ビジネスパーソンならX(旧Twitter)やLinkedIn、主婦層ならFacebookやLINEといった具合です。
各SNSの特性も考慮しましょう。YouTubeは長尺の動画に適していますが、TikTokは短い動画が主流です。Instagramはビジュアル重視、Xはテキストベースのコミュニケーションが中心になります。
複数のチャネルを組み合わせることで、相乗効果が生まれる場合もあります。YouTubeで動画を公開し、XやInstagramで拡散を促すといった連携が効果的です。
Step4:シェアの仕組みを設計する
ユーザーがシェアしやすい仕組みを作ります。SNSのシェアボタンを目立つ位置に配置したり、「#〇〇」といったハッシュタグを用意したりするのが基本です。
2次的バイラルマーケティングを実施する場合は、インセンティブ設計も重要になります。「友達紹介で500円クーポン」「投稿でプレゼント抽選」など、ユーザーがシェアしたくなる動機を提供してあげると良いです。
シェアの際に、自動的にテキストやハッシュタグが入力される仕組みもおすすめです。ユーザーの手間を減らすことで、シェアのハードルが下がります。
Step5:効果測定と改善を繰り返す
実施後は、必ず効果を測定します。シェア数、リーチ数、エンゲージメント率、サイトへの流入数、コンバージョン数などを確認しましょう。どの部分が反応を得られたのか、逆に反応が薄かった部分はどこかを分析します。
コメントやリプライの内容も重要なデータです。ユーザーがどのように感じたのか、どんな文脈で共有されたのかを読み解くことで、次回の企画に活かせます。
バイラルマーケティングは一度で完璧に成功することは稀です。トライアンドエラーを繰り返し、自社に最適な手法を見つけていくことが重要になります。
バイラルマーケティングの成功事例3選

実際にバイラルマーケティングで成功を収めた企業の事例を紹介します。どのような戦略を取り、なぜ拡散されたのかを分析することで、自社の施策に活かせるヒントが得られるはずです。
ユニクロ「UNIQLO CALENDAR」|コーディネート提案で自然な拡散
ユニクロは、毎日異なるコーディネートを提案するカレンダーアプリ「UNIQLO CALENDAR」をリリースしました。ユーザーの性別や好みに合わせて、その日のおすすめコーデを自動で提案してくれる機能が特徴です。
アプリ内のコーディネートが実用的でおしゃれだったため、ユーザーは自発的にSNSでシェアするようになりました。「今日のユニクロコーデ」というハッシュタグとともに、Instagram や Xで多くの投稿が生まれます。
ユニクロは直接的な宣伝をせず、あくまで「便利なファッションツール」として価値を提供しました。実用性とシェアのしやすさを両立させたことで、自然な形でブランド認知が広がった好例です。アプリダウンロード数も急増し、マーケティング施策として大きな成功を収めています。
日清食品「どん兵衛」×星野源|恋ダンス風CMで参加型拡散
日清食品は、人気アーティスト星野源とコラボレーションした「どん兵衛」のCMを制作しました。2016年に社会現象となった星野源の「恋ダンス」を彷彿とさせる振り付けが特徴です。
CMが公開されると、ファンの間で「踊ってみた」動画が次々と投稿されます。星野源本人のファンだけでなく、どん兵衛ファンや一般ユーザーも参加し、SNS上で大きな話題となりました。
成功のポイントは、当時のトレンドを的確に捉えたことです。恋ダンスブームの熱が冷めないタイミングで、親しみやすい振り付けのCMを投入し、ユーザー参加を促しました。商品の宣伝というよりも、エンターテインメントコンテンツとして楽しまれたことが、自然な拡散につながっています。
スターバックス「#RedCupContest」|顧客の創造性を引き出すキャンペーン
スターバックスは、ホリデーシーズンに登場する赤いカップをテーマにした写真コンテスト「#RedCupContest」を開催しました。顧客が赤いカップを使った写真を撮影し、ハッシュタグをつけてInstagramに投稿する仕組みです。
このキャンペーンの優れた点は、顧客の創造性を最大限に引き出したことです。カップをデコレーションしたり、おしゃれな背景で撮影したり、ユニークなアイデアで競い合う形となりました。優秀作品は公式アカウントで紹介されるため、参加意欲も高まります。
UGC(ユーザー生成コンテンツ)の成功例として知られており、企業が大々的に広告を打たなくても、顧客自身がブランドの宣伝をしてくれる仕組みを作り上げました。スターバックスのブランドイメージ向上と、ホリデーシーズンの売上増加に大きく貢献しています。
バイラルマーケティングを成功させる3つのコツ

バイラルマーケティングを成功させるには、単にコンテンツを作って配信するだけでは不十分です。以下の3つのコツを把握しておくことで、成功させやすくなります。
- 感情を動かすストーリー設計
- シェアボタンの最適配置
- インフルエンサーとの初動連携
消費者の心を動かす仕掛けや、シェアしやすい環境作り、そして初動での認知拡大が重要です。
感情を動かすストーリー設計
人がコンテンツをシェアする最大の理由は、感情が動かされたからです。笑える、泣ける、驚く、共感できる、といった感情体験が、シェア行動を促します。
ストーリー性のあるコンテンツは、感情を動かしやすくなります。単なる商品紹介ではなく、その商品がどのように人々の生活を変えたのか、開発者の想いはどうだったのかといった物語を描くことで、視聴者の心に響きます。
感動系のストーリーは拡散されやすい傾向がありますが、ユーモア要素も効果的です。思わず笑ってしまう動画や、クスッとするような仕掛けは、友人と共有したくなる要素になります。
シェアボタンの最適配置
どれだけ素晴らしいコンテンツでも、シェアしにくければ拡散されません。SNSのシェアボタンを目立つ位置に配置し、ワンクリックで共有できる環境を整えましょう。
スマートフォンでの視聴を考慮し、ボタンの大きさや配置を最適化することも重要です。画面上部や下部の固定位置に配置すれば、スクロールしても常に表示されます。
ハッシュタグや定型文を自動挿入する仕組みも有効です。ユーザーが何を書けばいいか迷わずに済み、シェアのハードルが下がります。企業側としても、統一されたハッシュタグで拡散状況を追跡しやすくなるメリットがあります。
インフルエンサーとの初動連携
バイラルマーケティングの成否は、初動で決まることが多くあります。最初の数時間〜数日でどれだけ拡散されるかが、その後の展開を左右するのです。
初動を加速させるために、インフルエンサーとの連携が効果的とされています。フォロワー数の多いインフルエンサーにコンテンツをシェアしてもらうことで、一気に認知が広がります。そこから一般ユーザーへの二次拡散、三次拡散が起こりやすくなります。
ただし、インフルエンサーマーケティングとバイラルマーケティングは別物です。あくまで初動のきっかけとして活用し、その後は自然な拡散に任せる形が理想的といえます。
バイラルマーケティングでよくある失敗

バイラルマーケティングは成功すれば大きな効果が得られますが、失敗するケースも少なくありません。よくある失敗パターンを知っておくことで、同じ轍を踏まずに済みます。
- 宣伝色が強すぎて共有されない
- ターゲット設定のミスマッチ
- タイミングとトレンドの見誤り
よくある失敗についてもう少し詳しく解説します。
宣伝色が強すぎて共有されない
最もよくある失敗が、企業の宣伝色が強すぎるコンテンツです。商品の機能や特徴を前面に押し出したり、「今すぐ購入」といったセールス色の強いメッセージを入れたりすると、ユーザーは敬遠します。
人は広告を共有したいとは思いません。共有したいのは、面白いコンテンツ、役立つ情報、感動するストーリーです。商品はあくまで脇役として登場させ、コンテンツそのものの価値で勝負する姿勢が求められます。
ブランド名やロゴの露出を最小限に抑え、エンターテインメント性や情報価値を最優先にすることが成功への近道です。
ターゲット設定のミスマッチ
ターゲット設定を誤ると、どれだけ良いコンテンツでも拡散されません。20代向けのノリで作ったコンテンツを40代に届けても、響かないのは当然です。
ターゲット層が普段使っていないSNSで配信するのも失敗要因になります。若年層にリーチしたいのにFacebookで展開したり、ビジネスパーソンに届けたいのにTikTokを選んだりすると、効果は期待できません。
コンテンツの内容、トーン、配信チャネルすべてがターゲットに合致していることが重要です。ペルソナを詳細に設定し、その人物が喜ぶコンテンツを作ることを心がけましょう。
タイミングとトレンドの見誤り
どれだけ優れたコンテンツでも、タイミングを間違えると拡散されません。世の中のトレンドや季節感、社会情勢などを考慮せずに配信すると、スルーされてしまいます。
たとえば、夏に冬物商品のキャンペーンを打っても反応は薄いでしょう。また、社会的に大きな事件が起きているタイミングで、能天気なコンテンツを配信すると炎上リスクもあります。
トレンドを取り入れすぎて、流行が過ぎてしまうケースも失敗例です。企画から実施までに時間がかかりすぎると、公開時にはすでに古い話題になっている可能性があります。スピード感を持って実行することが大切です。
まとめ|バイラルマーケティングで認知拡大を実現しよう

バイラルマーケティングは、消費者の自発的な情報共有を促し、口コミで拡散させるマーケティング手法です。低コストで広範囲にリーチでき、信頼性の高い情報として伝わるメリットがある一方で、コントロールが難しく炎上リスクや再現性の低さといったデメリットも存在します。
成功させるには、明確な目標設定とターゲット選定、共有したくなるコンテンツ企画、最適なチャネル選定が重要です。感情を動かすストーリー設計や、シェアしやすい仕組み作り、インフルエンサーとの初動連携なども効果的とされています。
本記事で紹介した手法や事例を参考に、自社のマーケティング戦略に取り入れてみてください。
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