【2025年版】Web接客ツールとは？選び方やおすすめツール10選を紹介！

インターネットによる情報収集や購買行動が常識になりつつある現代において、オンライン上でユーザーとコミュニケーションを図るツールは必要不可欠と言っても過言ではありません。

そこで今回は、Webサイト上で実店舗さながらの接客体験を可能にする「Web接客ツール」について解説していきます。導入するメリット・デメリットや、ツールの選び方はもちろん、おすすめWeb接客ツール10選も紹介しています。ぜひ参考にしてください。

Web接客ツールとは

Web接客ツールとは、オンライン上でユーザー1人ひとりに応じた接客ができるシステムのことです。

チャットツールやチャットボットを用いてリアルタイムで問い合わせに対応したり、各ユーザーの属性や閲覧・購買履歴、滞在時間などを分析して、その人に合った商品やキャンペーン広告を表示したりできます。パーソナライズされた接客により、購買意欲の促進や顧客満足度の向上を期待できるでしょう。

Web接客ツールは3種類に分類できる

Web接客ツールは、大きく分けて3種類に分類できます。

ポップアップ型	ユーザーの行動に応じて、画面上に情報を表示させるタイプ。効果的なタイミングで広告や情報を表示させるので、コンバージョンに繋げやすい。
チャット型	リアルタイムでユーザーと対話し、コミュニケーションを取るタイプ。疑問解決ができ、離脱防止や顧客満足度の向上に役立つ。自動化による業務負担軽減も可能。
ハイブリッド型	ポップアップとチャットの機能を組み合わせたタイプ。多機能で幅広い用途に活用できるが、運用コストも高い傾向にある。

どのタイプのWeb接客ツールを使うかは、目的や用途、運用体制など総合的な判断で決めたほうが良いです。後ほど、選び方を紹介するのであわせて参考にしてください。

Web接客ツールの主な機能

Web接客ツールには、以下のような機能が搭載されています。

これらの機能を活用することで、ユーザー一人ひとりに合わせた情報提供やサポートが可能となり、サイトの利便性と顧客満足度の向上が期待できます。

また、ユーザーの行動データを分析し、パーソナライズされたコンテンツや適切なタイミングでの情報提供が実現できるため、コンバージョン率の向上や離脱防止にも効果的です。

Web接客ツールを導入するメリット・デメリット

Web接客ツールを導入するメリット・デメリットを紹介していきます。まずは、メリットから見ていきましょう。

Web接客ツールの5つのメリット

Web接客ツールは、マーケティングを行う上で以下の5つのようなメリットがあります。

Web接客ツールは、ユーザーの行動や属性に合わせて最適な情報提供ができるため、サイト滞在時間の延長やコンバージョン率の向上に大きく貢献します。とくに、リアルタイムで対応可能なチャット機能や行動トリガーによるポップアップ表示は、ユーザーの疑問解消や購買促進に効果的です。

ツールから得られるデータを活用すれば、次の施策にも反映できます。業務の自動化や属人化の回避といった観点でも、マーケティング・カスタマーサポート部門の生産性を高める手段として注目されています。

Web接客ツールの4つのデメリット

ただし、デメリットも存在します。導入後に失敗しないためにも、事前にリスクを把握しておきましょう。

機能が豊富なツールほど初期設定や運用に時間がかかることもあります。顧客対応の自動化が裏目に出て「冷たい対応」と感じさせてしまうケースもあるため、活用にはユーザー目線での設計が不可欠です。

ツールによっては月額費用やサポートコストが高額になる場合もあり、十分な予算と社内体制が必要になります。導入時は、社内リソースや目的に合ったツールを選び、改善を前提とした体制づくりまで考えておくと安心です。

Web接客ツールの選び方

Web接客ツールは、自社に合ったものを導入しないと無意味です。最低でも、以下の5つの項目を元に選んでみてください。

それぞれについて解説していきます。

目的とマッチしているか

Web接客ツールには「ポップアップ型」「チャット型」「ハイブリッド型」のタイプがあり、各ツールの機能や特徴が異なります。目的にマッチしたツールにしないと、最大限の効果を得られないでしょう。そのため、現状の課題を洗い出したうえで、最適なタイプを選ぶようにしてください。

必要な機能が揃っているか

ツールによって備わっている機能が違います。とくにヒートマップやABテストなど、分析に関わる機能が違うケースが多いです。ツールを導入する前に、必要な機能が揃っているのかは確認しておきましょう。

予算内に収まる費用か

費用も、ツールや機能によって大きく変わってきます。予算内に収まるかどうかだけでなく、提供される機能やサポート体制に対して価格が見合っているかも重要な判断ポイントです。

無料プランがあるツールや、月額制・従量課金制など料金体系もさまざまなので、自社の利用頻度やサイト規模に合ったプランを選ぶことが大切です。コストを抑えるだけでなく、「価格に対して何が得られるか」を見極める視点も持っておきましょう。

自社の運用体制に合っているか

どれほど高機能なツールでも、実際に使いこなせなければ意味がありません。Web接客ツールは、定期的な設定変更や分析、改善施策の実行が前提となるため、日常的に運用できる体制があるかを確認しましょう。

とくに中小企業や少人数のチームでは、操作のしやすさや作業負担の少なさが重要です。ノーコードで使えるか、直感的なUIかなどもチェックし、自社のリソースでまかなえるツールを選ぶことが成功の鍵になります。

サポート体制が整っているか

導入初期や運用中に困ったとき、手厚いサポートがあるかどうかでツールの活用度は大きく変わります。FAQやチャットサポートだけでなく、専任担当や導入支援の有無なども確認しておくと良いです。

また、継続的なサポート体制があるツールであれば、改善提案や活用ノウハウの提供も期待できます。Web接客が初めての企業にとっては、運用ノウハウを共有してもらえる体制があるかどうかが重要な比較ポイントになるでしょう。

Web接客ツールおすすめ10選

どのWeb接客ツールが良いか迷っている人向けに、おすすめ10選を紹介します。Web接客ツールを比較する際に参考にしてください。

以降で、各ツールの特徴をもう少し解説していきます。

Sprocket：ポップアップ型

公式	https://www.sprocket.bz/
ツールタイプ	ポップアップ型
費用	要問合せ
特徴	・接客シナリオを自動最適化 ・コンサル支援でCV改善 ・ABテスト機能を標準搭載 ・分析＋改善をトータル支援

Sprocket（スプロケット）は、ユーザーの行動データを活用してコンバージョンを最適化するサービスです。2025年5月時点での導入実績数は400社以上で、損害保険ジャパン株式会社、株式会社ニッセン、野村不動産株式会社などの大企業も利用しています。

ページを見る、スクロールする、クリック・タップするなど、ユーザーがWebサイト上でとった行動を計測し、その分析結果をもとに接客シナリオ（いつ・誰に・どのような案内をするかという施策）を設計したり、Webサイトを改善したりできます。

コンサルティングにも注力しており、施策立案からシナリオの設定、データ分析、検証まで、知識・経験豊富なスタッフがトータルサポートもしてくれます。

Ptengine：ポップアップ型

公式	https://www.ptengine.jp/
ツールタイプ	ポップアップ型
費用	7,980円/月～
特徴	・ヒートマップで行動可視化 ・ノーコードで接客を実装 ・多彩な接客テンプレあり ・ID連携で出し分け可能

Ptengine（ピーティーエンジン）は、世界180ヵ国以上で利用されている、Web体験最適化プラットフォームです。ExperienceプランもしくはBundle Packプランで、Web接客機能が利用できます。月間3000万PV以内であれば、全機能利用可能な無料トライアルも可能です。

ノーコードでWeb接客機能を実装でき、用意されたテンプレートを使えばすぐに作成可能です。もちろん、CSSやJavaScriptでカスタマイズも可能なので、非常に自由度が高いと言えるでしょう。初心者からベテランまで幅広く活躍できるツールです。

また、ヒートマップ機能により、クリックやスクロールの傾向を可視化し、ユーザーの関心領域を把握できます。ABテスト機能も搭載されており、異なるバージョンのポップアップやページを比較して、最適なコンテンツを見つけ出すことが可能です。

ecコンシェル：ポップアップ型

公式	https://ec-concier.com/
ツールタイプ	ポップアップ型
費用	無料/有料 9,800円/月～
特徴	・AIで最適な訴求を自動表示 ・表示形式が豊富に選べる ・テンプレで簡単デザイン調整 ・ドコモ提供で信頼性も高い

ecコンシェルは、1サイト(接客数100回/月)なら無料で使える、AI搭載Web接客ツールです。NTTドコモと PKSHA Technology が共同開発したAIが搭載されていて、複数の施策を自動でA/Bテストしてくれます。管理画面が非常にシンプルで、誰が見ても使いやすい設計になっているのもおすすめな理由の1つです。

導入後のサポートも充実しています。操作方法などの簡単な質問から、サイトに合わせたタグ設置などの専門的な内容まで問合せ可能です。また、有料オプションでは、企業ごとの検証に対応した運用サポートも受けられます。

2025年5月時点では導入者数6,500社以上を突破しており実績もあります。とにかく低コストでWeb接客ツールを導入したいと考えてる人向きと言えるでしょう。

ChatPlus：チャット型

公式	https://chatplus.jp/
ツールタイプ	チャット型
費用	1,500円/月～
特徴	・初期費用ゼロ＆格安運用 ・ボット/有人対応を切替可 ・同時ログインで共有可能 ・非エンジニアでも設定簡単

ChatPlus（チャットプラス）は、高機能なチャット型Web接客ツールです。生成AIによる自動チャットや、あらかじめ回答を作成しておくシナリオ型はもちろん、有人チャットにまで対応しています。Webサイトだけではなく、社内ポータルサイトやLINEなどでも利用可能です。

機能に応じて選べる6種類のプランが用意されており、ニーズに合わせた導入ができます。1サイトのみの利用なら、月1,500円の一番安いプランでも十分でしょう。多言語対応もしているので、海外向けサービスでも活躍します。

大東建託やツムラ、星野リゾートなど業種関係なく、2万件以上の導入実績があります。Web接客関係の機能だけを導入したいという人におすすめです。

GENIEE CHAT（旧Chamo）：チャット型

公式	https://chamo-chat.com/
ツールタイプ	チャット型
費用	50,000円/月～
特徴	・顧客行動の見える化が得意 ・チャットボットで自動対応 ・行動履歴で訴求を最適化 ・UIが直感的で操作しやすい

GENIEE CHAT（ジーニーチャット）は、株式会社ジーニーが提供するチャット型Web接客ツールです。かつては「Chamo（チャモ）」として展開されていましたが、現在はブランドを統一し「GENIEE CHAT」として提供されています。

Webサイトに訪問したユーザーの行動をリアルタイムで可視化し、それに応じてチャットボットが自動応答する仕組みが特徴的です。過去の閲覧履歴や行動パターンを活用したパーソナライズにも対応しており、ユーザーごとに最適なメッセージを配信できます。有人チャットへの切り替えもスムーズで、スピーディな対応が可能です。

管理画面は直感的に操作できる設計となっており、専門的な知識がなくても導入・運用がしやすいのが魅力と言えます。ある程度の予算が取れる企業で、顧客接点を強化したい・サイト改善につなげたいというニーズがある場合におすすめです。

Zendesk Chat：チャット型

公式	https://www.zendesk.co.jp/
ツールタイプ	チャット型
費用	55ドル/月～
特徴	・顧客行動に合わせて対応 ・他ツール連携が豊富 ・対応ログを自動で記録 ・世界的に普及した安心ツール

Zendesk Chat（ゼンデスクチャット）は、統合型サービスソリューション「Zendesk」の中の、Web接客チャット機能のことです。Suite Teamプラン以上で利用できるようになります。

リアルタイムチャットを通じて、顧客の行動に応じたサポートが可能です。たとえば、カートに商品を入れたままのユーザーに声がけしたり、特定のページに長く滞在している訪問者に質問を投げかけたりといった活用ができます。また、チャット履歴が自動で保存されるため、サポート対応の引き継ぎや分析にも役立ちます。

さらに、CRMや問い合わせフォーム、メール配信ツールなど、他のZendesk製品や外部サービスとの連携性が非常に高い点も魅力です。サポート体制を包括的に強化したい企業や、グローバル対応を視野に入れている企業におすすめのツールです。

KARTE：ハイブリッド型

公式	https://karte.io/
ツールタイプ	ハイブリッド型
費用	要問合せ
特徴	・顧客ごとに訴求を自動表示 ・LINEなど多チャネルに対応 ・ノーコードで設定が簡単 ・行動分析を活かした接客が得意

KARTE（カルテ）は、ユーザーの行動や感情をリアルタイムで解析し、1人ひとりに合わせた顧客体験を提供するWeb接客ツールです。

チャットやポップアップ表示だけでなく、メールやLINE、アプリのプッシュ通知など、コミュニケーション機能が豊富に搭載されているため、ターゲットに合わせて適切なアプローチを仕掛けることができます。

また、KARTEは外部ツールとの連携にも優れており、CRMやMAとのデータ統合もスムーズです。分析機能も充実しているので、社内外の多種大量なデータを統合・分析することで、精度の高い仮説を立てられるでしょう。

Flipdesk：ハイブリッド型

公式	https://materialdigital.jp/
ツールタイプ	ハイブリッド型
費用	50,000円/月～（別途初期費用）
特徴	・タグ設置だけで導入OK ・カート放棄に効果的 ・スマホ表示にも最適対応 ・過去行動から訴求を出し分け

Flipdesk（フリップデスク）は、企業に合わせてフルオーダーできるハイブリッド型のWeb接客ツールです。初期費用5万円、月額利用料5万円と低コストで導入できるのが売りです。

属性や購買履歴、閲覧情報といった膨大なユーザーデータを自動で収集・分析し、1人ひとりの課題やニーズに応える接客アクションを行います。自社で保有する過去の会員データを活用することもできるので、ユーザーごとに最適化された接客体験を提供しやすいでしょう。

2025年5月時点では、導入実績1,500社以上・1,800サイト以上です。アイリスオーヤマ、弁護士ドットコム、湖池屋などの有名なWebサイトでも導入されています。

Repro：ハイブリッド型

公式	https://repro.io/
ツールタイプ	ハイブリッド型
費用	要問合せ
特徴	・Web/アプリの両方で使える ・行動連動のパーソナライズ ・施策提案もサポート付き ・通知やメール配信も対応

Repro（リプロ）は、Webサイトとアプリの両方で使えるWeb接客ツールです。ユーザーの行動データをもとに、1人ひとりに合わせた最適なメッセージを自動で表示するパーソナライズ機能が強みで、ポップアップやチャットだけでなく、プッシュ通知やメール配信なども行えます。

また、マーケティング施策の設計・改善も支援してくれるのが大きな特徴です。専任のカスタマーサクセス担当が付き、施策提案やデータ分析などをサポートしてくれるため、導入後も成果に結びつけやすい運用が可能です。

月間数百万PV規模の大手サイトから、成長途中のECサイトまで幅広く導入されており、柔軟なカスタマイズ性と支援体制の手厚さが評価されています。継続的に成果を出したいと考える企業におすすめです。

KUZEN：ハイブリッド型

公式	https://kuzen.io/
ツールタイプ	ハイブリッド型
費用	要問合せ
特徴	・ノーコードで簡単ボット作成 ・フロー型で直感操作が可能 ・専門知識不要で導入できる ・業務自動化で負担を軽減

KUZEN（クウゼン）は、ノーコードで誰でも簡単にチャットボットを構築できるWeb接客ツールです。チャット型のUIをベースにしながらも、選択肢付きの会話設計やフォーム機能、画像・カルーセル表示など、ポップアップ的な表現にも柔軟に対応できるハイブリッド型として活用できます。

特徴的なのは、直感的に操作できるビジュアルエディタ。専門的なスキルがなくても、チャットフローや質問分岐、条件設定などを視覚的に設計できます。社内ポータルでのFAQ対応や、企業の問い合わせ窓口としても導入しやすく、社内外のコミュニケーション業務を幅広く支援します。

とくに、サポートの自動化や営業プロセスの効率化に課題を感じている企業におすすめ。マーケティング施策との連携も可能で、Web接客だけでなく顧客管理やインサイドセールスにも応用しやすいのが魅力です。

まとめ

訪問ユーザー1人ひとりに合わせて適切なアクションを起こせるWeb接客ツールは、購入・申込率の向上や離脱の防止に効果的です。実店舗にも劣らない丁寧な接客を実現することで、顧客満足度アップにもつなげられるでしょう。

Web接客ツールは種類も多く、機能や費用、対応範囲もさまざまです。今回紹介したツールの中から、自社の課題や体制にマッチするものを見極めて選ぶことが、成果につながる第一歩になります。目的や予算、運用体制をふまえたうえで、最適なツールを導入し、ユーザーとのより良い関係構築に役立ててみてください。