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インタビュー記事に使う取材風景

インタビュー記事の書き方、取材のコツを質問例など交えて解説

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人物や企業の概要・魅力を伝えるインタビュー記事。その執筆に対して漠然と憧れ、挑戦しようと考えるライターは少なくないでしょう。一方で、ただテキストを綴るだけでなく、取材技術を要する点に、心理的ハードルが課され不安を抱く方もいらっしゃるようです。

そこで本記事では、インタビュー記事の書き方や取材のコツをレクチャー。基礎知識に加え、便利に使える質問例など初心者にとって役立つ情報をお届けします。ぜひ、参考にしてください。

インタビュー記事とは

インタビューを行う様子

インタビュー記事とは、記者やライターが行ったヒアリングをもとにテキスト化した原稿を指します。取材する側は「インタビュアー」と呼ばれ、受ける側は「インタビュイー」です。その場の対談を通じて引き出されたリアルな声(思い)が盛り込まれるため、読者に対しては近い距離感で内容を伝えられます。

インタビュー記事は、その独自性の高さからも人気のコンテンツです。書き手はやりがいを、読み手は興味を持ちやすい傾向にあります。そのため、多くの媒体で必ずといっていいほど企画の一つに組まれています。

インタビュー記事の役割と目的

インタビューの内容をメモする風景

前述のとおり、インタビュー記事はWeb、紙面問わず目にする機会が多いものです。では、一体どのような目的のもと作成されるのでしょうか。

信頼性の高さを伝える

商材販促において、対象の品を実際に利用したことのある取引先や顧客の意見は非常に貴重です。それらをまとめたインタビュー記事に需要があるのも容易にうなずけます。信頼を集めやすい性質は、導入や購入を検討するユーザーへの訴求にもうってつけです。

採用やブランディング活動の一環

自社の採用やブランディング活動においても、インタビュー記事が有効です。経営者はじめ従業員に対して、企業理念や実際の仕事場の雰囲気などを取材し伝えることで、外部へ魅力を訴求することになります。企業の実態はなかなか外側からは見えないものです。だからこそ、(企業の)リアルな日常を記事に盛り込むことが、求職者あるいは顧客との有効な接点につながります。

新商材の宣伝

企業が新規で開発したもの、あるいは売り込みたい商材の認知を高めるために、インタビュー記事を作ることがあります。もちろん、自社、顧客問いません。担当者に対して制作の過程や裏話を取材し、物語とセットでコンテンツを披露することで、ユーザーの関心を引きやすくなります。

取材、インタビューで必要な持ち物

ボイスレコーダーなど取材、インタビューで使うモノ

わざわざいうまでもありませんが、スムーズにインタビューできるよう取材に際しての準備を怠ってはいけません。以下、最低限必要な持ち物を列挙します。

名刺

取材場所は、ビジネスの現場です。当然、インタビュイーと初めて対面するケースでは名刺を渡すようにしましょう。お互い心を開けるように、あらかじめ簡単なコミュニケーションを取れると尚良いです。

ボイスレコーダー

録音はインタビューにて必須です。電池切れの懸念があるため、できればスマホアプリではなく、ボイスレコーダーをおすすめします。また、二人以上のインタビュイーが同席するケースや、距離が離れているなど取材環境を考慮すると、1台だけでは心許ないでしょう。数箇所から音声を拾えるように、インタビュイー側とインタビュアー側、予備でもう1台、計3台は用意しておけると安心です。

メモ帳、メモ機能

ボイスレコーダーに全幅の信頼を寄せるのはリスキーです。聞き取れない情報が出てくることも念頭に置いたうえで、取材内容を書き留められるメモ帳やメモ機能(パソコン、スマホ問いません)はしっかり用意しておきましょう。 なお、それらにはあらかじめ質問内容を書いておくのもおすすめです。台本として活用できるため、当日のスムーズな進行につなげられます。

カメラ

カメラマンが同席しない場合は、自身でカメラを持参しましょう。写真だけでなく記事に映像を残す予定であれば、録画機能が備わっているかどうかも事前のチェックが必要です。

インタビュー記事の作成で求められる企画力

インタビュー記事の企画作り

インタビュー記事を作成する際に重要なのが企画力です。

優れた企画があるからこそ、質の高いインタビューができあがります。

では、どのような姿勢で取り組むと良いのでしょうか。

意識すべきは以下のポイントです。

  • 取材の目的
  • 取材する相手
  • インタビュー記事を掲載する媒体
  • 記事の想定読者
  • 読後に促すことができるアクション

上記によって、企画は大きく変わります。

「目的を確認したか」「誰の話を聞くべきか」「媒体の特徴は何か」「誰に読んでほしいか」「読者の行動喚起につなげられるか」

これらは、企画着想のヒントになると同時に方向性がブレないためにも大切な要素です。

たとえば、新商品のプロモーションで行う「開発者インタビュー」と採用につなげるための「社員インタビュー」では、企画の出どころはまるで異なります。それゆえ、その企画は本当に今必要なのか。客観的にも説得力を帯びなければなりません。裏を返せば、そこをクリアすれば、自ずと良い企画が生まれるはずです。

特に想定読者が目を通した後の動きまで計算できていると、関係者への提案も通りやすいでしょう。

インタビュー記事作成の流れ

インタビュー記事の作成

以下、インタビュー記事作成にあたって、取材後の流れを説明します。

文字起こし

まずはボイスレコーダーの録音内容をもとに、文字を起こします。文字起こしの方法は大きく分けて「素起こし」「ケバ取り」「整文」の3つです。

それぞれ簡単に紹介します。

素起こし

素起こしは発言すべてのテキスト化を指します。言い間違いや「えーと」「あのー」といった場つなぎ音も対象です。

一字一句文字にすることで、取材時の雰囲気を思い出すのに役立ちます。

ケバ取り

ケバ取りは前述の場つなぎ音を含めた不要な言葉の除外を指します。ケバ取りの時点で、ある程度スッキリしたテキストへと仕上げていくことになります。

整文

整文はケバ取り後の文章をさらに読みやすくする作業です。単語の序列を変更するなど細かい点にも気を配っていくため、多くの時間を要する傾向にあります。

内容の振り返り

文字起こしの後は、取材時にとったメモなどをあらためて見返し、インタビューの内容を振り返りましょう。そのなかで、抜け落ちていた言葉や印象的なフレーズを洗い出し、記事の構想をより深く練っていきます。

構成の組み立て

続いて、記事の土台となる構成を固める作業です。大見出し、小見出しを設けてロジックを強化しながら、記事の全貌がよりクリアになる展開を意識しましょう。その際、必ずしも取材で聞いた順番通りに話を組み立てなくても構いません。あくまで読み手にとってわかりやすい文章を構築してください。

執筆

構成が決まったなら、記事の執筆です。気をつけたいのは過剰表現。虚偽の内容はもちろん、インタビュイーの話を必要以上に盛って書かないよう気をつけましょう。とはいえ、ありのままの事実をただ書き連ねるだけでは淡白です。やはり最低限、文章能力の高さや巧みなレトリックが求められます。

事実に反することなく、誇張せずに読者を惹きつけるためにも、日頃から書くことの鍛錬が重要です。

校正・校閲

執筆後の校正・校閲も当然大事です。誤字、脱字、文法マナーに誤りがないか、第三者にきちんとチェックしてもらいましょう。

原稿提出

校正・校閲後の編集も終えてひとまず完成した記事は、インタビュイーに提出し、最終的なチェックや擦り合わせ作業に入ります。その際、テキストだけでなく、写真や画像も含めて入稿すると、公開後の見え方がイメージしやすく相手にとっても親切でしょう。また、アイキャッチやサムネイルなどの周縁要素もあわせて提示できると効率的です。

もちろん、その際に修正の要望があれば適宜反映するようにします。両者納得のうえ内容が確定したなら、記事公開の準備は完了です。

インタビュー記事作成のセオリー

インタビューの様子を撮影中

インタビュー記事では書き方をはじめ、アイキャッチ画像や写真の使い方、レイアウトなど、いくつものセオリーが存在します。以下、具体的に紹介。いずれも作成に役立つポイントとして、知っておいて損はないでしょう。

タイトル

多くの読者はタイトルから咄嗟に内容を推察し、その記事を読むかどうかを判断する傾向にあります。つまり、タイトルは非常に重大な要素なのです。

大抵のインタビュー記事では、インタビュイーの名前に加え、インタビュー中に飛び出した印象的なフレーズがタイトルのなかで打ち出されています。まさにこの部分が惹句です。そのため、ユニークなタイトルありきでインタビューの方向性を決めるインタビュアーも少なくありません。あるいはインタビュー中、タイトルをフックとして捉え、そこで使えるキラーワードをいかに引き出せるかに腐心される方もいるようです。

これらは一見、偏屈なやり方にも思えますが、タイトルのインパクトが読まれるか否かの分岐点になる事実を考えれば、至極自然な方針ともいえます。

アイキャッチ画像

アイキャッチもまた、一瞥してその記事を読む判断につながるため、重視したいポイントです。いかにして見る者の興味を引くことができるか。こだわって画像を選ぶ必要があります。なお、インタビュー記事で比較的よく用いられる画像は、インタビュイーの顔やバストアップの写真です。

リード文

リード文すなわち記事の書き出しは、全体の内容を端的に伝えるものが望ましいです。インタビュー記事では、企画の概要とインタビュイーの簡単な紹介が盛り込まれる傾向にあります。

見出し

見出しを設けることで、記事の流れが明確になります。そのため、読者にとって親切だといえるでしょう。

インタビュー記事では、主に会話のテーマが変わるタイミングで次の見出しに移ります。また、一つのテーマを深掘りしている場合は、中見出しや小見出しを紐づけ展開することが一般的です。

本文

インタビュー記事では、目的に応じて本文の形式を変えていきます。具体的に使い分けられるのは「対談形式」「モノローグ形式」「ルポ形式」の3種類です。

対談形式は、まさに会話の体裁をとります。一貫して話し言葉を用いるため親しみやすく、インタビューの雰囲気が伝わりやすいことが特徴に挙げられるタイプです。

モノローグ形式は、インタビュイーが中心となり、一人称で話が進みます。インタビュイーの人柄やメッセージを重点的に伝えたいケースで推奨されるタイプです。

ルポ形式は、ほとんどの場合、語尾が「だ」「である」の常体でまとまっています。これは、第三者視点で描かれるインタビュー記事だからです。

写真

記事を魅力的に見せるには、写真の使いどころもカギを握ります。テキストばかりで読者を飽きさせないよう、要所で適度に盛り込みましょう。よくあるパターンは、見出し直下に1枚ずつ挿入されるものですが、当然、臨機応変に調整しても構いません。特にテキストの説明だけで本質を伝えきれないようなら、内容を補足すべく、図解も交えて積極的に写真を活用してください。

インタビュー、取材がうまくなるコツ

熱心に取材するインタビュアー

インタビューや取材に対して、なかなかうまくできず苦手意識を持っている方は少なくありません。しかし、そのほとんどがコツを知らないだけのようにも見受けられます。

いずれにしても、以下列挙する内容は大事なポイントです。これまで意識してこなかった方は、ぜひ取り入れることをおすすめします。

インタビュイーについての下調べは徹底的に!

取材対象のインタビュイーについての下調べは徹底的に行いましょう。ここを疎かにしてしまっては、話が広がらなくなるのも当然です。貴重なエピソードを引き出せないどころか、相手からも不信感を持たれかねません。Web、書籍、過去のテレビ出演、新聞掲載……等々、あらゆるソースから情報を引っ張り出してくる気概は、結果的に当日のパフォーマンスにもつながります。まずはできる限り相手のことを知っておくようにしましょう。

アイスブレイクの時間を設ける!

インタビューや取材は何も顔を合わせてすぐに行う必要はありません。むしろ、唐突に取材に入ってしまうと、相手も緊張してしまうはずです。そのため、適度な雑談で、少しでも信頼関係を築いてから開始することをおすすめします。いわゆるアイスブレイクの時間を設けるとスムーズです。その場が緩和した雰囲気のなかで相手が饒舌になれば、踏み込んだ取材も行いやすいでしょう。

メモ取りに集中しすぎない!

インタビューの最中、取材相手の話を聞き逃さないよう、必死でメモを取る人を見かけます。もちろん、その姿勢自体は殊勝といえますが、メモに集中しすぎるあまり話が途切れてしまうこともあるため注意が必要です。対話の中断によってボルテージが下がってしまうのは、やはり避けなければなりません。取材全体の流れをあらためて意識しながら、ヒアリングの合間には相槌を打ったり頷いたりするなど、雰囲気作り含めて自然なコミュニケーションを成立させることが肝心です。

内容はボイスレコーダーで後から確認できます。何よりインタビュイーに気持ちよく話してもらうことを大切にしてください。

インタビュー、取材で使える主な質問例

用意していた質問を取材でぶつける様子

以下、インタビュー記事を作るうえで使える質問を集めました。

取材時あるいは事前に質問の用意に悩まれる方は、ぜひお役立てください。

社長への質問例

創業者や事業継承者など、一口に社長といってもバックグラウンドはさまざまです。その辺りをいかにユニークなエピソードとともに引き出せるかがカギを握ります。

よくある質問例は以下のとおりです。

  • 起業を意識したのはいつですか?
  • 社長になった経緯を教えてください
  • 社長になって苦労されたことは何ですか?
  • 経営で意識されているポイントは何ですか?
  • どのような方に入社してほしいですか?
  • 社員とのコミュニケーションで気を付けていることは何ですか?
  • この会社の従業員として働くならどの業務を行いたいですか?

新入社員への質問例

採用ページを作る際、その企業の社員にインタビューをすることがあります。

よくある質問例は以下のとおりです。

  • 入社した理由を教えてください
  • 仕事内容を教えてください
  • 職場の特徴を教えてください
  • 入社にあたり努力したことを教えてください
  • 今後の目標を教えてください

アーティストへの質問例

アーティストへの質問はファン目線を意識しつつ、作品の魅力がどう伝わるかも考えていく必要があります。

よくある質問例は以下のとおりです。

  • 活動を始めたきっかけは何ですか?
  • グループを結成したきっかけは何ですか?
  • 今回の作品のこだわりを教えてください
  • 注目している新人はいますか?
  • 今後の展望や目標は何ですか?

学生への質問例

学生へインタビューする場合は、フレンドリーな雰囲気とともに質問もなるべくフランクなものが望ましいです。特に学校案内やホームページの掲載も考慮するなら、堅苦しさを避けるためにも、小難しくせずに、シンプルなやり取りを心がけましょう。

  • この学校を選んだ理由は何ですか?
  • 何を学んでいますか?
  • 部活やサークルには入っていますか?
  • 校内で流行っていることは何ですか?
  • 校内でおすすめのイベントは何ですか?
  • 将来の夢を教えてください

書き方、取材のコツを知り魅力的なインタビュー記事を作ろう!

インタビューが盛り上がる様子

あまねく質の高いインタビュー記事がそうであるように、実はその背景には周到な準備や下調べ、入念な構成の組み立て、セオリーに則った取材が存在します。特に取材は、相手の話をうまく引き出さなければならない難易度の高いミッションです。さらにはそこで得た情報をわかりやすく魅力的なテキストに落とし込む文章能力の高さも求められます。もちろん、読者の深層心理を捉える術も必要です。

とはいえ、ちょっとしたコツやテクニックが飛躍的に記事の精度を高めることも少なくありません。もちろん、一朝一夕ではなかなか習得するのは厳しいかもしれませんが、意識しながら経験を積むことで、成長スピードは大きく変わるでしょう。

たとえ今は未経験でも、この先インタビュー記事を書きたい意思のあるライターの方には、ぜひ尻込みせず果敢にチャンレンジしてほしいです。

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この記事を書いた人

ヒゴ
無知、無能、無粋、無才、無点法……。SEOやアクセス解析に腐心しつつも、それらはまるで逃げ水のように追いかけては遠く離れ、ようやく掴んだと思った矢先にはシビアな現実を突きつけられる有様です。あるいはライターとして名を連ねることに気後れしながら、日曜大工のスタンスで恣意的かつ箸にも棒にもかからない駄文をまき散らしています。隠し切れない底意地の悪さ。鼻持ちならない言い回し多数。どうかご容赦ください。

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