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オフィスカー(モバイルオフィスカー)とは?業務効率化を可能にする新しいオフィスのカタチ

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テレワークが普及し、勤務形態が多様化している昨今、「移動するワークスペース」としてオフィスカーの需要が高まっています。

1BOX車などをベースに事務所としての環境を備え、さまざまな場所で作業空間を展開できるオフィスカー。これを導入することで、勤務形態を柔軟にしたり、現場での作業を効率化したりといった効果が期待できるでしょう。

この記事では、オフィスカーの概要や種類、具体的なサービス例をふまえ、実際の選び方のポイントについても解説していきます。

オフィスカーとは

オフィスカーは、モバイルオフィスカー(移動式事務所車)とも呼ばれ、1BOX車などをベースとしたカスタマイズ車両の一種です。

一般的には、デスクワークに必要なテーブルや椅子、ソファなどのほか、家庭用コンセントや通信環境といった装備を搭載することで、「動く仕事場」として運用できる車両のことを指しています。

さらに、オフィスカーの多くは、エンジン停止時にも使える「サブバッテリー」や「外部給電システム」などを搭載しています。このように、車内でのさまざまな活動に対応する環境を備えている点で、オフィスカーは従来の「キャンピングカー」と共通しているといえるでしょう。

現状のところ、オフィスカーというジャンルは注目されはじめてから日が浅く、そのためキャンピングカーと厳密に区分されるわけではありません。実際に、キャンピングカーとして売り出されている車両でも、オフィスカーとして運用されているケースが見られます。

総じて、移動式の多目的空間として制作された車両のうち、とくに「オフィス向け」という名目で作られたもの、あるいは実際にオフィスとして運用されているものをオフィスカーと呼びます。

オフィスカーの種類と価格帯

オフィスカーとして販売されている車両には、ハイエースなどの1BOXをベースにしたものや、商用の軽自動車(軽バン・軽トラック)をベースにしたものが多く見られます。

なかにはトラックやトレーラー、大型バスなど、大型キャンピングカーと同等のサイズを誇る車両も展開されており、広大なスペースや充実した水回りの設備など、用途の幅広さが特徴です。

価格帯はベース車両や装備品によって異なりますが、大まかな目安として「ベース車両プラス100万円~200万円」がボリュームゾーンだといえます。軽自動車ベースであれば250万円~、ハイエースベースであれば600万円~といった価格帯のモデルが多くラインナップされており、ニーズや予算に応じてさまざまな仕様を選択可能です。

オフィスカーを導入するメリット

上述のように、オフィスカーには多種多様なモデルがあり、装備やオプションなどの仕様も異なります。しかしどのようなモデルでも、「移動式のオフィス」があることによるメリットは大きなものでしょう。

以下では具体的に、オフィスカーを導入するメリットについて解説していきます。

現場作業で動きやすくなる

営業や現場作業など、外回りの仕事の場合、「会社の事務所に大きな用事がなくとも帰社しなければいけない」という状況もあるでしょう。しかし、業務日報の提出や、仕様書の確認など、細かな作業のためにわざわざ移動するのは効率的ではありません。

オフィスカーによって場所を問わずPCや通信環境を利用できれば、出先で済ませられる作業の範囲が広がり、「現場から直帰」など労働時間を削減できる状況も増えると考えられます。

さらにオフィスカーは、現場での休憩や簡単な打ち合わせなど、さまざまな用途で活用可能です。パソコン画面を見ながら商談をしたり、その際生じた確認事項をすぐさま調べたりと、リアルタイム性を失うことなくコミュニケーションを進めていけるでしょう。

その他、時期によって商圏が変化する業種など、需要に応じて柔軟に拠点を移していける点もメリットです。

個人事業主やスタートアップの事務所として

個人事業主をはじめ、ごく小規模の作業空間さえあればよい場合、必要なスペースに対してあまりに多くの家賃がかかってしまう状況も考えられます。

オフィスカーは不動産物件に比べ購入しやすく、さらにレンタルやリースといったサービスも展開されており、個々のニーズに合わせて運用しやすい特徴があります。そのため、オフィスを間借りする余裕がない状況でも、手の届きやすい予算感でオフィススペースを設けることが可能です。

カスタマイズの柔軟性

多くのオフィスカービルダーは、用途に合わせてさまざまな車両タイプやオプションを用意しています。同じ車種をベースにしていても、作業スペースを重視したり、休憩スペースを重視したりと、働き方に合わせてカスタマイズが可能です。

たとえば個人事業主の場合であれば、ワーケーションにも使えるよう簡易ベッドやキッチンなどを設置したり、デイリーユースを考慮して多人数乗車が可能なモデルを選んだりと、働き方はもちろんライフスタイルにも合わせた選び方ができると考えられます。

災害対策としても活用可能

オフィスカーはキャンピングカーと同様、災害時に「移動式のシェルター」としての役割を担うことができます。一般的なオフィスカーに搭載されるサブバッテリーのほか、ソーラーパネルをオプションで搭載できるモデルもあり、スマートフォンの充電や照明、冷蔵庫など電力消費量が高くない家電であれば、数日分の電力を賄える車両も少なくありません。

キッチンや簡易式のトイレなど、水回りの設備を充実させるカスタマイズも可能なため、万が一の際の避難場所として活躍が期待できるでしょう。

オフィスカーに関するサービス事例

現在オフィスカーというジャンルは発展段階にあり、サービス形態の多様化・充実化に期待が寄せられています。現在でも、オフィスカーを制作・販売するビルダーのほか、レンタカー事業者、さらには地方自治体を巻き込む実証実験など、さまざまな角度からオフィスカーのあり方が検討されている状況です。

ハイエースなどのオフィスカー制作を手がけるモバイルワークス

キャンピングカーを手がける株式会社ケイワークスは、オフィス向けの車両ブランドとして「モバイルワークス」を展開し、軽自動車やハイエースなど豊富なカスタマイズの選択肢を用意しています。

たとえば同社のハイエースをベースにした車両は、2~3人の作業スペースを確保しながら、走行時には5人までの乗車が可能です。

上の動画にあるように、多彩なシートアレンジが特徴であり、走行中には後部座席を前向きにしたまま収納テーブルを使った作業ができ、一方の停車状態ではシートを回転させて打ち合わせスペースとしても活用できます。シートを倒してベッドとしても利用できるので、休憩の際にもリラックスしやすいでしょう。

サブバッテリーによる電気系統も充実しており、エンジン停止中のエアコン作動はもちろん、18Lの冷蔵庫など、ゲストにとって快適な空間を提供できる機能も用意されています。外部電源にも対応しているので、周囲に100Vの家庭用電源があれば、給電面の不安も少なくなるでしょう。

同社のオフィスカーにはキャンピングカーのノウハウが活かされており、ラインナップされる車両には、さまざまな場面を想定したオールラウンドな機能が備えられています。

(参照:株式会社ケイワークス「オフグリッドシステム搭載のオフィスカー|モバイルワークス」)

株式会社アクティオによるレンタルオフィスカー

建設機械のレンタル事業を手がける株式会社アクティオは、軽バンやハイエース、さらには大型バスなどをベースとしたオフィスカーを開発し、レンタルサービスの一環として貸し出しを行っています。

軽バンのN-VANをベースにした車両は、同車の特徴である広い荷室を活かしながら、簡単な操作で作業用のテーブルと椅子を展開できる機構を備えています。

さらに、一般的なキャンピングカーと同等の大容量サブバッテリーを搭載し、コンセントやUSB端子などオフィス用途には欠かせない装備を揃えるほか、外部からの給電にも対応。乗車定員は3名であり、シンプルな機能を備えたモデルとして、「低コストで移動式オフィスを試用したい」というニーズに応えています。

(参照:株式会社アクティオ「オフグリッドシステム搭載移動オフィスカー・レストカー」)

浜松テレワークパークにおけるオフィスカーレンタル

テレワークのさまざまなモデルに関する実証実験を行っている浜松テレワークパークでは、軽自動車のエブリィワゴンやハスラーといった車種をオフィスカーとして貸し出しています。浜松駅前の事務所で車両を借り、浜松城公園など指定の公園内の駐車場に停めて作業を行うモデルです。

景観のよい公園で、電源やWi-Fi環境の整ったワークスペースを展開できるため、それまでオフィスカーを使ったことがなくとも、その魅力の一端を垣間見ることができるでしょう。現在は今後の事業化を目的に、企業単位での試験運用が行われています。

(参照:「浜松テレワークパーク 総合案内」)

オフィスカーを選ぶ際のポイント

オフィスカーを導入する際には、目的に合わせて事前に装備内容などを十分に検討しておく必要があります。とくにボディタイプや駆動方式は後から変更できないため、たとえば後々「4WDが必要だった」と思っても、カスタマイズで対応することは不可能になってしまうのです。

以下ではオフィスカーを選ぶ際、注意すべきポイントについて解説していきます。

車両タイプや装備を決める

まずは使用目的に照らし、車両のサイズを選んでいきましょう。主に1人分の作業スペースがあればよい場合なら、軽自動車ベースの車両でも十分実用に耐えうると考えられます。

その他、打ち合わせスペースや休憩スペース、荷台スペースをどの程度求めるかによって、適切な選択肢は変わってくるでしょう。

トラックやバスなどをベースとした車両であれば、シャワーやトイレを装備したり、大型のサブバッテリーにより電子レンジなど消費電力の高い家電を置いたりと、スペースをさまざまな形で活用できます。一方で、免許種別により運転できる従業員が限られ、駐車スペースにも配慮する必要があるなど、注意すべき点も多くなります。

購入かリースかを決める

想定する用途や使用期間から、車両を購入するか、リースやレンタルなどで一時的に利用するかを決めましょう。

車両を購入する場合には自社・自身の固定資産となり、経費計上において減価償却を考慮しなければいけません。リースであれば資産とならず、経費計上をシンプルにできるメリットがあります。

短期のレンタルサービスもあるため、実際の使用感や必要な装備を取捨選択するために、一度借りてみることも有効です。

キャンピングカーをオフィスカーとして運用する方法も

長年キャンピングカーの制作を手がけてきたビルダーは、車内のスペースの活かし方や、搭載すべき装備の特性などについて豊富なノウハウを持っています。そのため「オフィスカー」という名称に囚われず、キャンピングカービルダーに「オフィス向けにカスタマイズしてほしい」と依頼する選択肢もありうるでしょう。

大々的に「オフィスカー」を手がける事業者はまだ少なく、近隣に店舗が見つからないケースも十分にありえます。一方、キャンピングカービルダーは各地に点在しており、またキャンピングカーの展示イベントなどで多くの車両を確認し、仕様変更の可否についてスタッフに直接質問することも可能です。

どのようなケースでも、まずは実車を確認したり、レンタルで使ってみたりすることで、「オフィスカーを導入することの具体的なメリット」を実際に感じてみることが重要だといえます。

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この記事を書いた人

鹿嶋 祥馬
大学で経済学と哲学を専攻し、高校の公民科講師を経てWEB業界へ。CMSのライティングを300件ほど手掛けたのち、第一子が生まれる直前にフリーへ転身。赤子を背負いながらのライティングに挑む。

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