
WordPressのマルチサイトとは?メリット・デメリットや設定方法を解説!
WordPressで複数のサイトを制作・運用している場合、管理を一括で済ませられたら便利ですよね。そういう時におすすめしたいのが「WordPressのマルチサイト化」です。
WordPressのマルチサイトは、1つのWordPressで複数のWebサイトを作成・運用することを指します。サーバーやドメインを複数用意する必要がないうえ、全てのサイトを一元管理できることが魅力と言えるでしょう。
本記事では、WordPressのマルチサイトについて初心者向けにわかりやすく解説しています。マルチサイト化するメリット・デメリットや、種類別のマルチサイト設定方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
WordPressのマルチサイトとは

WordPressのマルチサイトとは、1つのWordPressで複数のWebサイトを作成・運用することを指します。サーバーやドメインを複数用意する必要がないうえ、全てのサイトを一元管理できることが魅力と言えるでしょう。
一般的なマルチサイトの用途
WordPressでマルチサイトを作成する際は、主に以下のようなケースが多いです。
- ブログコンテンツや採用ページを独立させる
- 商品ごとにブランドサイトを立ち上げる
- ジャンル別に異なるサイトを運営
- 複数顧客のサイトを制作・運営
他にも、複数のアフィリエイトサイトを運用したり、イベントごとの特設サイトを開設することもできます。もとになるドメインに紐づけて、別サイトを運用したいというときはマルチサイト化すると良いでしょう。
マルチサイトの種類
WordPressのマルチサイトは「サブディレクトリ型」「サブドメイン型」「別ドメイン型」の3種類あります。それぞれ、どういうものなのかもう少し解説していきます。
サブディレクトリ型
サブディレクトリ型は、URLが「https://www.abcdefg.com/サブディレクトリ/」となります。1つのテーマを分割して配置し、サイトを複数表示させる仕組みです。
従来のドメイン直下にサイトを持てるので、ドメインパワーを引き継げるというメリットがあります。
サブドメイン型
サブディレクトリ型は、URLが「https://サブドメイン.abcdefg.com/」となります。それぞれのサイトを別々に見せる仕様なので、親サイトと関連性が低い別サイトを作成する際に用いると良いでしょう。
GoogleやYahooなどのポータルサイトで使用されているのも、このサブドメイン型マルチサイトとなります。
別ドメイン型
別ドメイン型は、Webサイトごとに全く違うドメインを使用できます。マルチサイトに、別々のドメインを割り当てていく「ドメインマッチング」という高度な手法となります。
親サイトと関連性を持たせたくない、別ドメインを使いたいが、WordPressを1つに集約して一元管理したいというときにおすすめです。
WordPressでマルチサイト化するメリット

WordPressでマルチサイト化するメリットは、主に以下のようなものがあります。
- 複数のサイトを一元管理できる
- サーバー費用を抑えられる
- サブディレクトリ型はSEOで有利になりやすい
それぞれのメリットについて、もう少し見ていきましょう。
複数のサイトを一元管理できる
1つのWordPressで、複数のWebサイトを一括管理できるのが最大の魅力と言えるでしょう。テーマやプラグインの更新、セキュリティ強化、バックアップなども、すべて一括できるので工数の削減に繋がります。
また、マルチサイト化するとネットワーク管理者の権限が与えられます。どこで何が起きているのかが確認しやすくなるので、トラブルシューティングも容易でしょう。
サーバー費用を抑えられる
マルチサイトは、1つのサーバー・1つのドメインで複数のWebサイトを運営できます。サイトごとに別々で用意する必要がないので、その分コストを抑えられます。サーバー管理やSSL化も、まとめでできます。
サブディレクトリ型はSEOで有利になりやすい
サブディレクトリ型マルチサイトは、ドメインに付随して別サイトを作成できます。そのため、ドメインパワーを引き継いだまま新規のサイトを立ち上げられるので、SEOで有利になりやすいというメリットがあります。
ただし、逆のことも然りです。ペナルティを受けた場合は、ドメインに付随している全てのサイトに影響が出るリスクも付きまといます。
WordPressでマルチサイト化するデメリット

WordPressでマルチサイト化するデメリットも覚えておきましょう。
- テーマやプラグインによってはマルチサイト化できない
- エラーが発生すると全サイトに影響
それぞれのデメリットについて、もう少し解説していきます。
テーマやプラグインによってはマルチサイト化できない
WordPressのテーマやプラグインの中には、マルチサイトに対応していないものがあります。とくに無料のプラグインが対応していないケースが多いので、導入前に確認しておきましょう。
エラーが発生すると全サイトに影響
マルチサイトは、同一のサーバーとドメインを使用しています。どこかのサイトでエラーが発生すると、全てのサイトに同じく影響が出る可能性が高いです。リスクが分散できないという点に注意が必要なので、定期的にバックアップをとるなどの対策はしておいたほうが良いです。
WordPressのマルチサイト設定方法

ここでは、WordPressのマルチサイトの設定方法を種類別に解説します。
【共通】事前準備
マルチサイト化は既存のWordPress構造を大幅に変更する作業のため、全ての設定方法で共通して必要な事前準備があります。この準備を怠ると、サイトが正常に動作しなくなるリスクがあるため、必ず実行してください。
- Step1:データベースとファイルのバックアップ
- Step2:全プラグインの無効化
- Step3:管理者権限とアクセス権限の確認
とくにバックアップの取得は、問題が発生した際の復旧手段として重要となります。絶対に忘れないようにしましょう。
Step1:データベースとファイルのバックアップ
マルチサイト化では、データベース構造とWordPressファイルの両方が変更されます。
phpMyAdminやレンタルサーバーの管理画面からデータベースをエクスポートし、FTPでWordPressファイル全体をダウンロードしてください。バックアップファイルは、作業日時を含むファイル名で保存し、安全な場所に保管します。
Step2:全プラグインの無効化
マルチサイト化の過程で、既存のプラグインが予期しない動作を引き起こす可能性があります。
WordPress管理画面の「プラグイン」から「インストール済みプラグイン」を表示し、「一括操作」で「無効化」を選択して全プラグインを無効化してください。マルチサイト設定完了後に、マルチサイト対応を確認しながら順次再有効化します。
Step3:管理者権限とアクセス権限の確認
マルチサイト化にはwp-config.phpや.htaccessファイルの編集が必要です。
FTPソフトやレンタルサーバーのファイルマネージャーでこれらのファイルにアクセスし、編集・アップロードが可能であることを確認してください。また、データベース管理画面(phpMyAdminなど)へのアクセスも事前に確認しておきましょう。
サブディレクトリ型マルチサイト化の手順
サブディレクトリ型は最も設定が簡単で、https://example.com/blog/のようにメインサイトのディレクトリ以下にサブサイトを作成する方法です。DNS設定の変更が不要で、初心者にも推奨される方式です。
- Step1:wp-config.phpにマルチサイト許可設定を追加
- Step2:管理画面でネットワーク設定を実行
- Step3:wp-config.phpにマルチサイト設定を追加
- Step4:.htaccessファイルを更新
- Step5:再ログインしてネットワーク管理者機能を確認
サブディレクトリ型の特徴は、既存のドメイン設定をそのまま活用できる点です。SEO的にもドメインの権威性を分散させずに済むメリットがあります。
Step1:wp-config.phpにマルチサイト許可設定を追加
FTPでサーバーにアクセスし、WordPressのルートディレクトリにあるwp-config.phpファイルをダウンロードします。テキストエディタで開き、「/* That’s all, stop editing! Happy publishing. */」の行を見つけて、直前に以下のPHPコードを追加してください。
define('WP_ALLOW_MULTISITE', true);
コードを追加したら、ファイルを保存してサーバーにアップロードします。この設定により、WordPress管理画面にマルチサイト設定メニューが表示されるようになります。
Step2:管理画面でネットワーク設定を実行
WordPress管理画面にログインすると、「ツール」メニューに「ネットワークの設定」が追加されています。この項目をクリックし、ネットワーク設定画面で「サブディレクトリ」を選択します。
ネットワークタイトル(管理しやすい名前)と管理者メールアドレスを入力し、「インストール」ボタンをクリックしてください。
Step3:wp-config.phpにマルチサイト設定を追加
「インストール」をクリックすると、追加すべき設定コードが表示されます。再度wp-config.phpファイルを編集し、表示されたPHPコードを追加します。
define('MULTISITE', true);
define('SUBDOMAIN_INSTALL', false);
define('DOMAIN_CURRENT_SITE', 'example.com');
define('PATH_CURRENT_SITE', '/');
define('SITE_ID_CURRENT_SITE', 1);
define('BLOG_ID_CURRENT_SITE', 1);
「DOMAIN_CURRENT_SITE」の値は、実際のドメイン名に変更してください。WordPressがサブディレクトリにインストールされている場合は、「PATH_CURRENT_SITE」の値も適切に調整します。
Step4:.htaccessファイルを更新
WordPressのルートディレクトリにある.htaccessファイルを開き、既存の内容を以下のマルチサイト用ルールに置き換えましょう。
RewriteEngine On
RewriteRule ^index\.php$ - [L]
# add a trailing slash to /wp-admin
RewriteRule ^([_0-9a-zA-Z-]+/)?wp-admin$ $1wp-admin/ [R=301,L]
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} -f [OR]
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} -d
RewriteRule ^ - [L]
RewriteRule ^([_0-9a-zA-Z-]+/)?(wp-(content|admin|includes).*) $2 [L]
RewriteRule ^([_0-9a-zA-Z-]+/)?(.*\.php)$ $2 [L]
RewriteRule . index.php [L]
このルールにより、サブディレクトリへのアクセスが適切にWordPressに転送されるようになります。
Step5:再ログインしてネットワーク管理者機能を確認
設定完了後はWordPress管理画面から一度ログアウトし、再度ログインしてください。
正常に設定されていれば、管理バー(画面上部)に「参加サイト」メニューが追加され、その中に「サイトネットワーク管理者」が表示されます。このメニューから新しいサイトの追加やネットワーク全体の管理が可能になります。
サブドメイン型マルチサイト化の手順
サブドメイン型はhttps://blog.example.com/のように、各サイトを独立したサブドメインで運営する方法です。ブランディングやSEOの観点でサイトを明確に分離したい場合に適しています。
- Step1:DNS設定でワイルドカードサブドメインを設定
- Step2:wp-config.phpにマルチサイト許可設定を追加
- Step3:管理画面でサブドメイン型ネットワーク設定を実行
- Step4:wp-config.phpにサブドメイン型マルチサイト設定を追加
- Step5:.htaccessファイルをサブドメイン用に更新
- Step6:レンタルサーバーのサブドメイン設定を確認
サブドメイン型は、各サイトが独立したドメインを持つため、サイト間の明確な区別ができます。ただし、DNS設定やサーバー設定が必要になるため、やや上級者向けの設定方法です。
Step1:DNS設定でワイルドカードサブドメインを設定
ドメイン管理画面またはDNS設定画面にアクセスし、ワイルドカード(*)を使用したAレコードを追加します。以下は設定例です。
ホスト名: *.example.com
タイプ: A
値: [サーバーのIPアドレス]
この設定により、blog.example.comやshop.example.comなど、任意のサブドメインが自動的にメインサーバーに向けられるようになります。DNSの反映には時間がかかる場合があるため、設定後は反映を待ってから次のステップに進んでください。
Step2:wp-config.phpにマルチサイト許可設定を追加
サブディレクトリ型と同様に、wp-config.phpファイルに以下の設定を追加しましょう。
define('WP_ALLOW_MULTISITE', true);
この設定により、WordPress管理画面にネットワーク設定メニューが表示されます。
Step3:管理画面でサブドメイン型ネットワーク設定を実行
WordPress管理画面の「ツール」→「ネットワークの設定」にアクセスし、今度は「サブドメイン」を選択します。ネットワークタイトルと管理者メールアドレスを入力し、「インストール」をクリックしてください。
表示される設定コードは、サブドメイン型とサブディレクトリ型で異なるので使いまわしはできません。
Step4:wp-config.phpにサブドメイン型マルチサイト設定を追加
画面に表示される設定コードをwp-config.phpに追加しましょう。
define('MULTISITE', true);
define('SUBDOMAIN_INSTALL', true);
define('DOMAIN_CURRENT_SITE', 'example.com');
define('PATH_CURRENT_SITE', '/');
define('SITE_ID_CURRENT_SITE', 1);
define('BLOG_ID_CURRENT_SITE', 1);
重要な点はSUBDOMAIN_INSTALLが「true」になっていることです。これがサブディレクトリ型との違いを示しています。
Step5:.htaccessファイルをサブドメイン用に更新
次は、サブドメイン型専用の.htaccessルールに更新します。
RewriteEngine On
RewriteRule ^index\.php$ - [L]
# add a trailing slash to /wp-admin
RewriteRule ^wp-admin$ wp-admin/ [R=301,L]
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} -f [OR]
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} -d
RewriteRule ^ - [L]
RewriteRule ^(wp-(content|admin|includes).*) $1 [L]
RewriteRule ^(.*\.php)$ $1 [L]
RewriteRule . index.php [L]
サブドメイン型では、各サブドメインからのアクセスを適切に処理するため、サブディレクトリ型とは異なる.htaccessルールが必要となります。
Step6:レンタルサーバーのサブドメイン設定を確認
多くのレンタルサーバーでは、サブドメインの動作に追加設定が必要な場合があります。サーバーの管理画面でサブドメイン設定やワイルドカードサブドメインの対応状況を確認し、必要に応じて「サブドメイン設定」や「DNS設定」で追加の設定を行ってください。
一部のサーバーでは手動でのサブドメイン登録が必要な場合もあります。
別ドメイン型マルチサイト化の手順
別ドメイン型はhttps://another-site.com/のように、完全に異なる独自ドメインで各サイトを運営する方法です。複数のドメインを所有している場合や、全く異なるブランドでサイトを運営したい場合に最適といえます。
- Step1:基本のマルチサイト設定
- Step2:各独自ドメインのDNS設定
- Step3:wp-config.phpにSUNRISE設定を追加
- Step4:wp-content/sunrise.phpファイルを作成
- Step5:ネットワーク管理者でサイトのドメインを変更
- Step6:各ドメインのSSL証明書設定
別ドメイン型は最も高度な設定方法で、複数の独自ドメインを1つのWordPressで統合管理できる強力な機能です。ただし、DNS設定・サーバー設定・SSL証明書の管理など、技術的な作業が多く発生します。
Step1:基本のマルチサイト設定
まずは、先に紹介したサブディレクトリ型またはサブドメイン型のマルチサイト設定を完了させましょう。
別ドメイン型は基本マルチサイト機能の拡張として実装されるため、ベースとなるマルチサイト環境が必要となります。どちらの方式を選択しても構いませんが、管理のしやすさを考慮するとサブディレクトリ型がおすすめです。
Step2:各独自ドメインのDNS設定
使用したい独自ドメインそれぞれについて、DNS設定でAレコードをメインサイトと同じサーバーIPアドレスに向けます。以下は、設定例です。
another-site.com A [メインサーバーのIPアドレス]
third-site.net A [メインサーバーのIPアドレス]
複数ドメインを管理している場合は、それぞれのドメイン管理画面で設定が必要です。DNS反映には時間がかかるため、全ドメインの設定完了後は反映を待ってから次のステップに進んでください。
Step3:wp-config.phpにSUNRISE設定を追加
ドメインマッピング機能を有効化するため、wp-config.phpに以下の設定を追加しましょう。
define('SUNRISE', 'on');
この設定により、WordPressは起動時にsunrise.phpファイルを読み込み、ドメインに応じてサイトを振り分けるようになります。
Step4:wp-content/sunrise.phpファイルを作成
wp-contentフォルダ内にsunrise.phpファイルを新規作成し、以下のドメインマッピング用コードを記述してください。
<?php
$domain = $_SERVER['HTTP_HOST'];
switch($domain) {
case 'another-site.com':
$current_site = 'example.com';
$current_blog = 2; // サイトIDを指定
break;
case 'third-site.net':
$current_site = 'example.com';
$current_blog = 3; // サイトIDを指定
break;
}
「$current_blog」の数値は、ネットワーク管理者で確認できる実際のサイトIDに合わせて調整してください。
Step5:ネットワーク管理者でサイトのドメインを変更
WordPress管理画面で「参加サイト」→「サイトネットワーク管理者」→「サイト」から該当サイトの「編集」をクリック。
「設定」タブを選択し、「サイトアドレス (URL)」フィールドを独自ドメインのURL(例:https://another-site.com)に変更して「変更を保存」をクリックします。この作業を使用する独自ドメインの数だけ繰り返し行います。
Step6:各ドメインのSSL証明書設定
各独自ドメインにSSL証明書を設定します。Let’s Encryptなどの無料SSL証明書を使用する場合は、レンタルサーバーの管理画面から各ドメインごとに証明書を取得・設定してください。
有料のSSL証明書を使用する場合は、ドメインごとに個別に購入・設定が必要です。全ドメインでSSL化を完了させることで、安全なマルチサイト環境が構築できます。
WordPressのマルチサイト化でよくあるトラブル

WordPressのマルチサイト化は複雑な設定を伴うため、設定中や設定後にさまざまなトラブルが発生する可能性があります。ここでは、最も頻繁に報告される3つのトラブルとその解決方法を詳しく解説します。
- 404エラーが発生する
- サブドメインにアクセスできない
- プラグインが正常に動作しない
これらのトラブルは、設定手順の見落としや環境固有の問題によって発生することが多く、適切な対処法を知っていれば比較的簡単に解決できます。問題が発生した際は、慌てずに以下の解決手順を試してください。
404エラーが発生する
マルチサイト設定後に最も多く報告されるトラブルが404エラーです。メインサイトにはアクセスできるものの、サブサイトや管理画面にアクセスしようとすると「お探しのページが見つかりませんでした」というエラーが表示されます。
原因①:.htaccessファイルの設定不備
マルチサイト用の.htaccessルールが正しく設定されていない場合に発生します。WordPress管理画面の「設定」→「パーマリンク設定」で何も変更せずに「変更を保存」をクリックしてください。これにより.htaccessファイルが自動的に再生成されます。
原因②:ファイルアップロードの失敗
FTPでファイルをアップロードする際にエラーが発生している可能性があります。.htaccessファイルを再度確認し、正しい内容が記述されているか確認してください。必要に応じて手動で正しい内容に修正します。
原因③:サーバーの権限設定
.htaccessファイルやWordPressディレクトリの権限設定が不適切な場合があります。.htaccessファイルの権限を644、ディレクトリの権限を755に設定してください。
サブドメインにアクセスできない
サブドメイン型マルチサイトで、作成したサブドメインにアクセスしても「サーバーが見つかりません」「接続できません」などのエラーが発生する場合があります。
原因①:DNS設定の反映待ち
DNSの設定変更は反映に時間がかかります。通常24-48時間程度で完全に反映されますが、場合によってはそれ以上かかることもあります。nslookupコマンドやオンラインのDNS確認ツールで、サブドメインが正しいIPアドレスを指しているか確認してください。
原因②:ワイルドカード設定の不備
ワイルドカード()の設定が正しく行われていない可能性があります。DNS設定画面で.yourdomain.comの設定を再確認し、正しいIPアドレスが設定されているか確認してください。
原因③:レンタルサーバーの制限
一部のレンタルサーバーでは、ワイルドカードサブドメインが制限されている場合があります。サーバーの管理画面でサブドメイン設定を確認し、必要に応じて個別にサブドメインを登録してください。
共有サーバーの場合は、サポートに連絡してワイルドカードサブドメインの対応状況を確認することをおすすめします。
プラグインが正常に動作しない
マルチサイト化後に既存のプラグインが動作しなくなったり、新しくインストールしたプラグインが正常に機能しない場合があります。
原因①:マルチサイト非対応プラグイン
全てのプラグインがマルチサイトに対応しているわけではありません。プラグインの説明ページや開発者サイトで「Multisite Compatible」や「Network Admin」などの表記を確認してください。非対応プラグインの場合は、代替プラグインを探すか、各サイトで個別に有効化できるかテストしてください。
原因②:ネットワーク有効化の設定ミス
プラグインの有効化方法には「ネットワーク有効化」と「個別サイト有効化」があります。ネットワーク管理者で「プラグイン」を選択し、必要なプラグインが適切に有効化されているか確認してください。
全サイトで使用する場合は「ネットワーク有効化」、特定サイトのみで使用する場合は各サイトの管理画面で個別に有効化します。
原因③:プラグイン設定のリセット
マルチサイト化によってプラグインの設定がリセットされる場合があります。重要なプラグインについては、設定内容を再確認し、必要に応じて再設定を行ってください。データベースレベルでの設定変更が必要な場合もあるため、複雑なプラグインについては開発者のドキュメントを参照することをおすすめします。
マルチサイト化は専門知識が必要なので外注を検討するのもあり

WordPressでマルチサイト設定を行う際は、サーバーやWebサイトに関する専門知識が必要です。社内に専属のエンジニアがいない場合は、無理に内製化せず外部の専門家に依頼したほうが良いでしょう。マルチサイト化が失敗すれば、元のシングルサイトを復元するなどのトラブルシューティングも発生します。マルチサイト化だけを外注し、運用自体は内製化するなどの切り分けも可能です。
ただし、外注する際は依頼先の選定を慎重に行いましょう。外注先によって、得意分野や価格が異なるからです。複数の業者を比較しながら、自社に合った外注先を見つけることが大切となります。
まとめ|WordPressマルチサイト化は事前準備とバックアップが成功の鍵

WordPressのマルチサイト機能は、1つのWordPressインストールで複数のサイトを効率的に管理できる強力な機能です。サブディレクトリ型、サブドメイン型、別ドメイン型の3つの方式から、用途に応じて最適な方法を選択することが重要です。
マルチサイト化成功のポイント
- 事前準備の徹底:データベースとファイルの完全バックアップ
- 適切な方式選択:用途に応じたマルチサイト型の選定
- 段階的な設定:手順通りの慎重な作業進行
- トラブル対策:よくあるエラーへの対処法の把握
とくに重要なのは、マルチサイト化前の「完全なバックアップ取得」です。設定に失敗した場合でも、バックアップがあれば元の状態に復旧できるため、この作業は絶対に省略してはいけません。
また、初心者の場合はサブディレクトリ型から始めることをおすすめします。DNS設定が不要で比較的簡単に設定でき、SEO的にもドメインパワーを活用できるメリットがあります。
WordPressマルチサイトを正しく設定することで、複数サイトの一元管理、コスト削減、効率的な運用が実現できます。社内に専任がいない場合は、無理に内製化を行わず、外部の専門業者に依頼するのも成功の近道と言えるでしょう。
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