
無料SSLと有料SSLの違いとは?メリット・デメリットや選び方を解説
Webサイトにアクセスしたユーザーの情報を守るために、SSLの導入は欠かせないものになっています。レンタルサーバーを利用している場合は、サーバー会社が設定している共用SSLになっているかもしれません。
ですが、企業が運営しているWebサイトの場合は、独自ドメインとなっているケースが多いです。そういうときはサイトごとに導入する「独自SSL」が必要です。
無料のものから有料のものまであるので、本記事ではどういった違いがあるのか解説していきます。無料SSLと有料SSLのメリット・デメリットや、選び方のポイントも紹介しています。ぜひ参考にしてください。
目次
そもそもSSLとはなにか

SSL(Secure Socket Layer)とは、Webサーバーやメールサーバーのデータを暗号化する技術です。データの改ざん・流出や、なりすましによるフィッシングサイトへの情報漏洩などを防ぐことができます。
SSL化したWebサイトは、SSLサーバー証明書というものが発行されます。アドレスバーの先頭に「鍵マーク」が表示され、サイトURLが「https」になっています。この2つで、SSL化された安全なサイトなのかを見分けられます。
SSL証明書は3種類ある
SSL証明書には3つのレベルが存在します。それぞれ、どういった内容なのか簡単に解説していきます。
ドメイン認証型(Domain Validation)
ドメイン認証型は、サイト運営元が誰かを確認せずに発行されるSSLです。ドメインを取得していれば、誰でも証明書を発行してもらえます。ただし、無料~安価なので、フィッシングサイトなどの悪意があるユーザーでも登録できてしまいます。
企業認証型(Organization Validation)
企業認証型は、実態する企業がドメインの所有者であることを確認してから発行されるSSLです。帝国データバンクなどの第三者データベースに登録されている組織なのかを確認します。企業代表番号に確認で電話がかかってきたり、申し込み意思の再確認を行うなど、きちんとした手続きを踏むため発行まで少し時間がかかることが難点です。
EV認証型(EV:Extended Validation)
EV認証型は、最もレベルが高いSSLで世界標準基準となっています。法人登記・第三者データベースなど複数の法的情報を確認したのち、厳格な審査をクリアしてから発行されるSSLです。費用も20万円ほどと高額になりますが、フィッシング詐欺を最も効果的に防止できます。
サイトのSSL化が必要な理由

サイトのSSL化が必要な理由は、主に3つあります。
- データ改ざん・なりすまし対策になる
- ユーザーが安心してサイトを利用できる
- SEOの指標の1つに含まれる
データを暗号化することで、第三者によるデータ改ざん・流出、なりすましによるフィッシング詐欺を防止できます。セキュリティが高いWebサイトと証明できるので、ユーザーも安心して利用できるでしょう。
また、Googleがランキング評価の1つとして「SSL化を推薦」しています。SSL化していないと検索順位が下がるリスクがあります。Webサイトを運営しているならSSL化は必須と言っても過言ではありません。
無料SSLと有料SSLの違い比較

SSLには、ドメイン認証型のように無料のものもあります。そこで気になるのが、無料SSLと有料SSLの違いです。一覧にまとめてみたので参考にしてください。
無料SSL | 有料SSL | |
---|---|---|
費用 | 0円 | 約4~20万円 |
セキュリティ強度 | 強い | 強い |
証明書レベル | DVのみ | DV・OV・EV |
有効期限/更新 | 90日/手動更新 | 1~2年/手動更新 |
サポート対応 | 基本なし | 専用窓口あり |
所有者確認 | なし | あり |
オプション | なし | 認証局ごとに独自のオプションあり |
無料SSLと有料SSLは、セキュリティの強度に関しては同じと言えるでしょう。どちらもデータを暗号がするので改ざんはできません。ただし、ドメインの所有者を確認するか否かにおいて、大きく違います。無料SSLはドメインの所有者確認を行わないので、フィッシング詐欺に利用されやすい懸念があります。
もう一つ大きな違いは、SSLの有効期限です。無料SSLは90日ほどで有効期限が切れるので、こまめに更新する必要があります。有料SSLの有効期限は1~2年で、手動更新の手間がやや減ります。
ほかにも、有料だからこそ、専用窓口が設置されていたり、認証局ごとに別途オプションが用意されているなど手厚いサポートがあります。
無料SSLのメリット・デメリット

あまりコストをかけたくない人におすすめなのが無料SSL。メリット・デメリットをまとめたので、自分に合うか確認してみてください。
無料SSLは何といっても費用が掛からないことが最大のメリットです。ドメイン所有者の確認が入らないので、スクリプトで自動更新設定ができることも魅力と言えます。
一方で、データの暗号化はされますが信用度が低い、なりすましを防げないなどのリスクもあります。個人情報を取り扱わない個人サイトであれば、無料SSLでも良いでしょう。
有料SSLのメリット・デメリット

有料SSLのメリット・デメリットも紹介していきます。
有料SSLはドメイン所有者を確認するため、なりすまし防止に効果的です。ECサイトのように、個人情報やクレジットカード番号を預かるサイトでも安心してユーザーが利用でます。なにより、有料SSLを取得している証にもなるサイトシールを利用できるので、目に見えてのアピールが可能です。
一方で、費用が発生しますし、確認事項が多いので発行まで時間がかかるのが難点です。企業がWebサイトを運営するのであれば、有料SSL一択になるでしょう。
SSLの選び方

SSLは「GMOグローバルサイン」や「JPRS」、「セコム」や「クラウドセキュア」など、様々な認証局が発行しています。どこでSSL認証すれば良いか迷う人のために、選び方を紹介していきます。
- 知名度・信頼性がある認証局か
- 取得したいレベルの証明書があるか
- 費用・運営コストは予算に収まるか
- ワイルドカード・マルチドメインに対応しているか
それぞれの選び方のポイントを簡単に解説していきます。
知名度・信頼性がある認証局か
先述した通り認証局は無数にあり、企業によっては知名度や実績が少ない可能性も捨てきれません。知名度や信頼性がある企業なのか、有名どころの企業の導入実績があるのかなどを確認しておきましょう。できれば、Webサーバーを提供している企業か、セキュリティ会社がおすすめです。
取得したいレベルの証明書があるか
SSL証明書は3種類のレベルがあります。企業によっては、最高レベルのEVのみ対応していないというケースも。取得したいレベルの証明書に対応しているのかも確認しておくと良いです。
費用・運営コストは予算に収まるか
SSL導入費用・更新費用は企業ごとに異なります。オプションを含むかによっても値段が変わってくるので、予算内に収まるかも重要な指標となるでしょう。なお、最高レベルのEV証明書は20万円を超えるところもあります。
ワイルドカード・マルチドメインに対応しているか
ワイルドカードは、「*.example.jp」のように顧問ネームの左側に「アスタリスク」を指定した証明書です。アスタリスクと同一階層のサブドメイン全てにもSSLを設定できます。
マルチドメインは、1つの証明書で複数のドメインをSSL化できます。
認証局によっては、並行可能な場合もありますし、どちらも対応していないケースもあります。自社に必要なほうに対応しているかどうかも併せて確認しておきましょう。
企業でWebサイトを運営するなら有料SSLがおすすめ

無料SSLと有料SSLの違いについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。企業でWebサイトを運営するなら、有料SSLが良いということがわかっていただけたはずです。
セキュリティを強固にするだけでなく、SEO対策としても重要な「SSL」。まだ対応していない、有効期限が切れるので、他に良いSSLはないか探しているという人は、ぜひ本記事を参考に、自社のビジネスに最適なSSLを選んでください。
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