ビデオフィルターで美肌加工!Zoomの外見補正機能の使い方
テレワークによって通勤の必要性がなくなったことにより、労働者にはさまざまなメリットが生じています。なかでも「外見に気を遣うことなく仕事に集中できる」というポイントは大きなものでしょう。
しかし、オンライン会議の際には自分の顔を他の人に見せなくてはならず、「メイクや服装をどうすべきか」といったことに悩まされることもあるかと思います。そこで便利なのが、ビデオ会議ツールのZoomに搭載されている機能の数々です。
Zoomには、外見を補正するための美肌加工やビデオフィルターなど、オンライン会議に参加する際の「悩みどころ」に応える機能が追加されています。うまく活用することで、会議前にかかる準備の手間を減らせるかもしれません。
とはいえ、現在では面接や企業間の打ち合わせなどもオンライン会議で実施される機会が増えており、対外的な場でこうした補正機能を利用することに対して不安を抱く方も多いでしょう。あるいは組織内の会議においても、「ビジネスの場面で外見を加工するのは失礼かも……」と考える方もいると思われます。
この記事では、Zoomの外見補正機能の使い方を紹介したうえで、「これらの機能はビジネスの場面でどれくらい使えるのか」という点に留意しながら、オンライン会議を円滑に進めていくためのポイントを解説していきます。
目次
Zoomで外見を補正するには
Zoomの外見補正機能は、現在パソコンおよびiOSのスマートフォン・タブレットで利用可能です。簡単な設定で、補正の強度も調整できるようになっています。
パソコンの場合
事前に補正機能を設定しておく場合には、Zoomのデスクトップクライアントから操作する必要があります。
トップ画面から、右上のプロフィール写真(画面赤枠部分)をクリックし、表示されたメニューから「設定」に進みましょう。
「ビデオ」の欄をクリックすると、実際にカメラからの映像を見ながら効果を設定できます。
「外見を補正する」にチェックを入れると、スライダーが表示されます。これを操作することで、効果の強弱を調整することが可能です。設定は次回以降も保存されます。
また、会議中の画面からも設定が行えます。
画面下のビデオアイコンの横にある矢印(画像の赤枠部分)をクリックし、「ビデオ設定」(画像の青枠部分)へと進みます。先と同様の設定画面が表示されるので、「外見を補正する」にチェックを入れ、スライダーで補正効果を調整しましょう。
スマートフォンの場合
スマートフォン版のZoomでは、現在iOSのみ外見補正機能に対応しています。
Zoomアプリを開き、下部メニューの「設定」から、「ミーティング」をタップし、設定画面に進みましょう。
設定画面で「外見を補正する」をタップしてください。
補正をオンにすると、画面上のスライダーで効果の強弱を調整できます。
以上で設定は完了です。次回以降にも設定は引き継がれますので、毎回調整する必要はありません。
美肌補正やビデオフィルターの使い道
上記の美肌加工のほかにも、Zoomには複数のビデオフィルターが用意されています。ここでは、それぞれの効果をふまえ、どのような場面で活用しうるかについて紹介していきます。
美肌加工が活用できる場面
Zoomの外見補正機能は、一部の加工アプリのように輪郭や目の形が大きく変わる、ということはなく、あくまで肌色のムラをぼかすようなナチュラルな補正です。スライダーで強度も調整できるため、ビジネスシーンにおいても活用の場が見出せる機能となっています。
突然の会議で「メイクする時間がない」といったケースはもちろんですが、調光やカメラの関係で顔色が悪く見える、といった場合にも有効に利用できるでしょう。ただし、髪型や服装を加工することはできないので、この点は自身で整える必要があります。
さらに、外見補正に加え、逆光状態を調整する機能も便利です。外見補正と調光機能を組み合わせて使うことで、明るい印象を与えやすくなるでしょう。
調光機能は、外見補正と同様に、プロフィール写真から「設定」「ビデオ」と進み、以下の画面から設定できます。
「低照度に対して調整」にチェックを入れると、自動でライティングが調整されます。自身で調整したい場合には、「自動」から「手動」に切り替え、スライダーを操作して違和感のないポイントを見つけましょう。
ビデオフィルターについて
「ビデオフィルター」は、動物の耳や鼻、帽子や眼鏡などのアイテムを自分の顔に投影する機能です。ポップなデザインが多いため、基本的には飲み会などのプライベートな場面での利用が想定されます。
ビジネスの場面において活用の可能性を感じさせる機能として、ビデオフィルター機能の一環である「スタジオエフェクト」が挙げられます。眉毛の形や色、リップの色などを選択し、自身の顔に投影できるため、機能が充実すれば「メイクした状態の顔」をいつでも映し出せるようになるかもしれません。
現状では、静止状態であればある程度気付かれにくいものの、動くとやや違和感が生じることもあり、オンライン会議などでの活用は難しいところがあります。今後の機能充実に期待したいところです。
スタジオエフェクトは、設定画面の「背景とフィルター」から操作することができます。
画面右下の「スタジオエフェクト」をクリックしましょう。
眉毛やひげ、リップを操作できる画面が表示されるので、それぞれの色や形、透明度を設定してください。
なお、この「背景とフィルター」からは、映っている人物以外の部分を背景で覆う「バーチャル背景」についても設定が可能です。バーチャル背景の設定方法や活用法については、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
オンライン会議を円滑に進めるための環境整備
オンライン会議を円滑に進めるためには、従業員個人の工夫だけでなく、組織としての環境整備が重要になります。
ネット回線やWebカメラといった備品面はもちろん、「どの程度しっかりした格好をしておけばいいのか」などマナー面についても、大まかな共通認識をつくっておくことで、従業員の負担を軽減できるでしょう。ルールやマナーを厳しく制限する必要はなく、むしろある程度寛容な雰囲気をつくることが参加者の負担を減らすことにつながると考えられます。
以下では、オンライン会議をスムーズに行うにあたり、組織として留意しておきたいポイントを解説します。
従業員間の設備や環境差をなくす
オンライン会議でよくあるトラブルは、パソコン性能や回線状況の差によって生じるさまざまな「ラグ」です。音声が聞こえにくかったり、画面がコマ送りのようになったりと、視覚・聴覚の情報がバラバラな状況では、会議そのものへの注意力が乱れてしまうことも考えられます。
環境差をなくすうえでは、会社側からPCやモバイルルーターを貸与することが望ましいですが、コストや管理面の問題から現実的ではないケースもあるでしょう。その場合、個別に必要な備品を貸与するなどの対策が求められます。
マイク付きのイヤホンやWebカメラなどを支給したり、購入を補助したりすることで、画質・音質をある程度統一でき、「一人だけ画質が悪い」といった違和感も軽減できるでしょう。
メイクなど身だしなみ面で共通認識をつくる
メイクや身だしなみを整えなくてもよい点は、テレワークにおける大きなメリットです。オンライン会議の際には「メイクをどの程度すべきか、そもそもメイクは必要なのか」といったところで迷いが生じることもあるでしょう。
チームや組織内で、「身だしなみはいつも通り」という共通了解をつくってしまうことも一つの手ではあります。一方で、組織の文化やチームの雰囲気によっては、テレワークのメリットを十分に享受できるよう、外見補正機能を積極的に推奨することも有効でしょう。
「補正機能を気軽に使おう」という方針を共有する際には、それが「形だけの呼びかけ」と見なされないようにすることが大切です。なるべく大々的に、たとえば上長が率先して補正機能を自ら使いながら利用方法を共有する、といった形で許容感を形成するとよいでしょう。
オンライン面接や打ち合わせで留意すべきマナー
オンラインでの面接や打ち合わせに参加する際、相手に好ましい印象を与え、円滑なコミュニケーションを進めるためにはどのような点に注意すべきでしょうか。ここでは、とくに対外的な場面で気をつけたいマナーを解説していきます。
自分の表情を見えるように
オンラインの面接や打ち合わせにおいても、「表情がその人の印象を左右する」という点に変わりはありません。お互いの表情がはっきり見える状況であれば、相手によい印象を与えられるでしょう。
オンライン会議においては「逆光で顔が見えにくい」というケースも見られますので、なるべく照明との位置関係を工夫し、自身の顔や表情が明るく映るようにしておきましょう。Zoomを使うのであれば、調光機能で明るさを整えておくことも有効です。
相手に反応を伝える
オンラインの対話においては相手の反応が読み取りにくく、話していて「伝わっているのか」がわかりにくいこともあります。そのため相手の話に理解や共感を示す際には、実際に対面している時よりもやや大きめに、頷く動作などを示すとよいでしょう。
自分が発言する時には、なるべく画面よりもカメラの方に目線がいくよう意識することも重要です。画面で相手の反応を窺うことも必要ですが、目線が画面に固定されてしまうと「やや俯いた角度」が続いてしまうため、印象が暗くなるケースも考えられます。
映り込みやノイズをチェック
面接や打ち合わせにおいては、話す内容に関係のない情報が入ってこないよう配慮したいところです。背景に他の人が映り込んだり、外の音が拾われたり、といった状況を極力避けるため、端末を配置する場所に留意しましょう。
あらかじめ共通認識ができている組織内の会議であれば「バーチャル背景」の機能も有効ですが、対外的な場においては違和感につながることもあるため、部屋の壁面が自然に背景となるような形が望ましいと考えられます。
参加者の多い打ち合わせなどの場面では、余計なノイズが入らないよう、発言時以外にはマイクをミュートにしておく、といった配慮も必要になるでしょう。
まとめ
Zoomをはじめとするオンライン会議ツールは、テレワークになくてはならないものとなっています。一方で、普及からまだ日が浅く、「当たり前の使い方」が浸透していないために、細かい部分で利用者の戸惑いにつながることもあるでしょう。使用PCの環境差などにより、オンライン会議が期待通りに進まないケースも見られます。
オンライン会議に参加する際には、通信環境やカメラ・マイクといった備品を揃えたうえで、コミュニケーションの阻害要因となる音や視覚情報が入り込まないよう配慮することが必要です。表情を明るく見せるために、Zoomの調光機能なども活用していくとよいでしょう。
企業側の取り組みとしては、「環境面」と「制度・マナー面」についての指針を定め、共通認識を形成しておくことが望まれます。とくに今回紹介したZoomの外見補正機能などを活用できれば、テレワークのメリットを損なうことなくオンライン会議に参加できるため、従業員の負担を減らせると考えられます。組織やチーム全体の方針として積極的に推奨することで、業務効率化にもつながるでしょう。
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