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クラウドソーシングとは?仕事内容を解説&主要サービスを徹底比較!

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クラウドソーシングとは「crowd(集団、群衆)」と「アウトソーシング」というふたつの言葉を合わせた造語で、「インターネットを介して、不特定多数に仕事内容と報酬を提示し、仕事を発注する手法」を意味します。

クラウドソーシングが生まれる以前のアウトソーシングは、発注者・受注者双方にとって適切な仕事相手を見つけるには時間がかかる、高いコストがかかるという難点がありました。今はクラウドソーシングサービスを活用することで、発注者と受注者のスムーズなマッチングが可能です。

日本では2010年前後に「ランサーズ」や「クラウドワークス」といった、現在では業界大手となったクラウドソーシングサービスが現れました。それ以来、さまざまな形態のものが登場しています。

サービスによって受発注の仕組みや依頼できる仕事内容、報酬体系などが異なります。代表的なサービスの特徴を知っておくことで、発注者・受注者とも、自身のニーズに合ったプラットフォームを選びやすくなるでしょう。

クラウドソーシングで時間・費用的コストを削減できる

ノマドワーカー

クラウドソーシングは、専門性の高い業務に対応できる人材を探したい発注者と、自身が持つ専門的な知識や技術を生かした業務を行いたい受注者が、効率よくマッチングできる仕組みです。クラウドソーシングサービスの登場以前は、専門性の高い業務を行いたい場合には、専門家を雇用するか単体業務のみを外部に依頼する方法(アウトソーシング)が一般的でした。

特定の個人へ業務を任せる従来の方法には、発注者・受注者双方に課題がありました。ひとつはコスト面の問題です。専門性の高い業務を特定の個人に発注する場合、納期に合わせてその人を拘束することになるため、どうしても単価は上がりがちです。また求められるスキルを発揮できるかどうか実際に業務を行ってみないと分かりません。さらに、発注者と受注者がお互いに信頼できる仕事相手を見つけるまでのハードルが高いということもあります。

クラウドソーシングは適切な人材・案件を見つけやすい

その一方でクラウドソーシングは、ひとつの案件を不特定多数の受注者に公開し、公募やコンペ形式で発注先を決める方式が一般的です。発注する側は技能・費用的に最も適切だと思える相手を選んで発注ができ、発注先が見つからず業務の進行が遅れるといった事態も避けられます。

受注者にとってのメリットは、第一に「空いている時間にできる仕事が手軽に見つけられること」が挙げられるでしょう。クラウドソーシングサービスはそれぞれのプラットフォームをインターネット上に整備しているため、ネット環境の整ったPCやスマートフォンさえ持っていれば「いつでもどこでも」仕事を探すことができます。たとえば企業に勤めている方が「副業をしてみたい」と思ったら、いずれかのサービスに登録するだけで即開始することが可能です。

また、発注者を探して直接営業をかける必要がないことや、発注履歴などのデータが閲覧できるため不審な案件を避けやすいことなども、受注者にとっては嬉しいポイントです。

質の低い案件・作業者が集まる可能性もある

クラウドソーシングサービスを利用する際には、気をつけておきたいポイントもあります。だれでも利用しやすいサービスであるということは、裏を返せば参入のハードルが低く悪質な発注者・受注者も流入しやすいということでもあります。

質の低い受発注者を排除することはサービスの信頼性にもつながるため、利用者同士の評価制度を導入しているものも珍しくありません。過去にどのような案件を発注・受注したか、その内容はどうだったか、納品物のクオリティはどうだったか、メッセージへの返答率はどの程度だったか、など複数の評価軸で利用者を見極めることが可能です。

「総合型」と「特化型」に分類してクラウドソーシングサービスを比較

クラウドソーシングサービスは大きく分けて「総合型」と「特化型」の2つに分類することができます。

「総合型」は比較的仕事内容に偏りがなく、簡単なアンケートモニターや短文ライティングといった小規模な案件から、長期に渡ってプロジェクトに参加するような大型案件まで広範囲をカバーしています。その分利用者も多く、受注者にとっては激戦区となりがちです。発注者は数多くの作業者から適性の高い相手を選ぶことができますが、初心者も多く登録しているため、専門性の高いスキルが求められる案件には適さないことも多いかもしれません。

「特化型」は、受発注できる仕事内容が特定のジャンルに偏っています。そのため、よりハイレベルな技能を持った受注者が集まりやすいことが特徴です。専門的な分野でハイクオリティな業務を求める場合には、特化型のクラウドソーシングサービスの利用を検討すると良いでしょう。

以下より、主要クラウドソーシングサービスの比較ができるよう各種紹介していきます。

【総合型】CrowdWorks(クラウドワークス)

クラウドワークス

クラウドワークスは300万人という業界ナンバーワンの受注者登録数を誇る、クラウドソーシングサービスの最大手サイトです(2021年4月時点)。全国70万社が利用しているため、案件数も非常に充実しています。「プロクラウドワーカー」という独自の認定システムを持っており、スキルのある作業者を探しやすいのも特徴です。プロクラウドワーカーとして認定されていない受注者も、過去の受注実績件数や5段階の評価、時間単価、稼働可能時間などが確認可能です。

仕事の依頼形式は「プロジェクト形式」「コンペ形式」「タスク形式」の3種類に分かれています。「プロジェクト形式」は発注者が出した依頼(プロジェクト)をもとに、受注者を公募する形式で、一定の報酬を支払う固定報酬式と、稼働時間に応じて報酬を支払う時間単価式が選べます。

「コンペ形式」は、発注者の依頼に当てはまる受注者を公募するのはプロジェクト形式と変わりませんが、応募時に指定した成果物を提出してもらうことになります。商品のロゴマークやキャッチコピーなど、制作物が明確かつ多数の案から検討したい場合に適しています。

タスク形式は、受注者の選定をせず、クラウドワークスのサイト上で作業を進めます。アンケートへの回答や、単純作業などを大量にこなす必要がある場合に適しています。

クラウドワークスでは、発注者には依頼報酬以外の料金は基本的に発生しませんが、自身の依頼を目立つ位置に表示したり、信頼性の高い作業者のみが応募できるようにしたりといった有料オプションをつけた場合、別途料金が発生します。

一方、受注者は報酬金額からシステム手数料が一定の割合で自動的に差し引かれます。手数料は以下の表のとおりです。報酬は発注時にクラウドワークスに対して仮払いされているため、「成果物を納品したのに報酬がいつまで経っても支払われない」といったトラブルを避けることができます。

報酬金額システム手数料
20万円超の部分5%
10万円超、20万円以下の部分10%
10万円以下の部分20%
タスク形式の場合20%

クラウドワークス(公式サイト)

【総合型】Lancers(ランサーズ)

【総合型】Lancers(ランサーズ)

ランサーズは40万社以上の利用実績を持つ総合型のクラウドソーシングサービスです。「コンサルティング」「ライティング・ネーミング」「デザイン制作」「翻訳・通訳」「タスク・作業」など9カテゴリに、約210万件の案件が常時登録されています。

依頼方式は「プロジェクト方式」「制作物コンペ方式」「求人募集形式」「タスク方式」の4種類から選択可能です。

「プロジェクト方式」は単発の依頼に対する提案を公募し、集まった中から発注先を選ぶ方式です。提案された金額や納期、プロフィールを確認した上で最適な受注者を選べます。

「制作物コンペ方式」はクラウドワークスと同様に、案件への応募時にロゴやデザインなどの実際の制作物を提出してもらう方式です。集まった多数の制作物から、採用するものをひとつ選びます。

「求人募集形式」は、雇用契約を結び、継続的に働ける人材を募集するものです。応募者のこれまでの実績や評価を見て採用を決めることが可能なため、特定のスキルを持った人材を探す場合は一般の求人サイトよりもマッチしやすいかもしれません。

「タスク方式」は主にデータ入力やアンケート回答といった単純作業を依頼するものです。発注者が任意に選んだ成果物がすべて納品されます。

また、受注者側が自身のスキルを「パッケージ」として出品できるのも、ランサーズの特徴です。パッケージに含まれる仕事内容や単価は受注者が自由に決められます。

ランサーズも発注者の場合、システム利用料はかからず、依頼報酬のみの負担で利用可能です。報酬は原則先払いですが、運営会社に仮払いをし、納品後に作業者へ振り込まれる仕組みなので、万が一作業未完了で作業者と連絡がつかなくなった場合でも、報酬を持ち逃げされる心配がありません。

受注者は、報酬金額からシステム手数料を差し引いた金額を受け取ります。案件への提案時には受注者自身が「手取りでいくら受け取りたいか」を記入することで、自動で報酬金額を計算する機能が備わっています。システム手数料は以下の表のとおりです。

報酬金額システム手数料
20万円超の部分5%
10万円超、20万円以下の部分10%
10万円以下の部分20%

ランサーズ公式サイト

【総合型】coconala(ココナラ)

ココナラ

ココナラは「ビジネスからプライベートまで、個人のスキルを気軽に売り買いできる日本最大級のスキルマーケット」です(公式サイトより)。ココナラではライティングやデザイン、データ入力といったデスクワークの他に、ビデオチャットや電話を通じたコンサルティングなどの案件も少なくありません。ゲームのレッスンや占いなど、趣味・プライベート分野の案件も充実していることが特徴のひとつです。

他のクラウドソーシングサービスに比べると受注者を主体としたサービスで、「出品者(受注者)が販売するサービスを購入者(発注者)が買う」という形態がメインの発注形式です。その他にも購入者が解決したい案件を公募に出したり、有料のブログコンテンツを配信したりと、さまざまな形で発注者と受注者のマッチングがしやすい環境を作っています。

サービスの購入者は、サービスとそれに付随する有料オプションの代金以外に支払いは発生しません。出品者は、一度の取引の総報酬額から一律22%の税込み手数料が差し引かれます(2021年4月12日AM12時以降開始の案件より適用)。手数料が改定される以前に開始された案件については、従来の手数料率が引き継がれます

(参照「販売時の手数料について(coconalaヘルプ)」)。

さらにココナラでは「おひねり」という形で本来のサービス代金に上乗せして支払うことが可能です。サービスに非常に満足した際の心付けとして使用されるのが一般的なため、出品者にとってはよりよいサービスを提供するモチベーションとして機能しているようです。

ココナラ(公式サイト)

【総合型】Bizseek(ビズシーク)

ビズシーク

ビズシークは「システムアプリ開発」「Webデザイン」「グラフィックデザイン」「ライティング」「軽作業」「ビジネスその他」という6カテゴリの案件が受発注できるクラウドソーシングサービスです。

案件の依頼方式には他のクラウドソーシングサービスと同様に、見積もり等を提案する「プロジェクト方式」と、成果物を提出する「コンペ方式」の2種類が設定されています。

ビズシークは「手数料業界最安」を看板に掲げているとおり、他のクラウドソーシングサービスに比べると安価であるのが特徴です。受注者にとっては報酬が目減りしにくいため、嬉しい特徴といえるでしょう。ビズシークのシステム利用料は以下の表のとおりです。

報酬金額システム手数料
10万円超の部分5%
10万円以下の部分10%

※発注者は手数料無料

登録されている案件数は40件~50件前後を推移しており、案件のカテゴリによっては0件の日もあります。メインのプラットフォームは別に持ちつつサブとして仕事を探したい場合や、システム手数料をなるべく抑えたいという方にはよいかもしれません。

ビズシーク(公式サイト)

【総合型】Craudia(クラウディア)

クラウディア

クラウディアは100万人以上の登録者数を誇る、総合型のクラウドソーシングサービスです。ライティングやデザイン制作、Webサイト運用、単純作業など、他のクラウドソーシングサービスと同様に幅広い案件が登録されています。

案件の取引方式も「タスク方式」「コンペ方式」「プロジェクト方式」「時間制方式」と一通り揃っており、発注する案件の種類に応じて適した方式を選択可能です。

システム利用料を支払うのは受注者のみという点も、他のサービスと同様です。システム利用料はクラウドワークスやランサーズに比べると低く設定されています(詳細は以下の表を参照)。

報酬金額システム手数料
100万1円以上の部分3%
10万1円~100万円の部分5%
5万1円~10万円の部分10%
1円~5万円の部分15%
時間制の場合一律10%

報酬金額が高額になればなるほど手数料は低くなりますが、報酬金額が5万円を超える案件はWebサイトシステム構築やアプリ開発、サービス運用などの専門性の高い案件がほとんどです。

また、タイミングにもよりますが、募集されている案件が全体で20件前後という場合もあり、ビズシークと同様にサブ的な活用が適していると考えられるでしょう。

クラウディア(公式サイト)

【特化型】サグーワークス:ライティング特化

サグーワークス

サグーワークスはライティング案件に特化したクラウドソーシングサービスです。簡単に回答できるアンケートから、本格的なSEOの知識が必要とされるWeb記事作成まで、ライティングに関するさまざまな案件が多数登録されています。登録ライター数は約28万人、募集中の記事数は800件以上と、豊富なリソースが集まっています(2021年4月現在)。

一般的なプラットフォーム型のクラウドソーシングサービスとは異なり、受託型の記事作成サービスであることが特徴です。プラットフォーム型サービスでは記事の発注者と受注者が直接やり取りを行いますが、サグーワークスは発注者と受注者の間をサグーワークスのディレクターが仲介します。

発注方法は「オンライン発注プラン」と「オーダーメイドプラン」に分かれています。「オンライン発注プラン」は、すでにある程度記事の構成が固まっている場合に有効です。1記事から発注でき、Webの発注フォームに必要事項を入力するだけで発注が完了します。

「オーダーメイドプラン」は、サグーワークスのディレクターと相談をしながら記事制作を進められるプランです。SEOへの配慮や専門家の監修、企画提案などのサービスが受けられます。

ライター(受注者)は書いた記事の本数やそのクオリティによって評価され、レギュラー・ゴールド・プラチナという3段階のライターランクに振り分けられています。ランクが上がれば文字単価も上昇し、より専門性が高く「稼げる」案件に挑戦することができる仕組みです。

発注料金は基本的に文字単価で決められ、プランによって以下のような違いがあります。

ライターランクオンライン発注オーダーメイド
レギュラー0.75円~1.2円~
ゴールド3.0円~4.5円~

サグーワークス(公式サイト)

【特化型】SAGOJO(サゴジョー):旅×ライティング特化

サゴジョー

サゴジョーは「すごい旅人求人サイト」と銘打たれているとおり、「旅」に特化したクラウドソーシングサービスです。たとえば「仕事ができるカフェ」「コワーキングスペース」といったテーマに沿って指定された地域の情報を集め、記事にまとめるような案件が募集されています。

日頃から旅行をする機会が多い人にとっては、自分の楽しみの「ついで」に仕事ができるという夢のようなサービスかもしれません。募集されている仕事は記事作成や写真撮影など様々です。また、旅行券やホテル無料宿泊券など、現金以外の「リターン」として仕事の報酬を受け取る選択ができるのも特徴のひとつです。

旅人として登録しているユーザーが一定の条件を満たすと、「すごい旅人」認定を受けることができます。「すごい旅人」認定を受けたユーザーは、サゴジョーによるマネジメントやサポートが得られたり、クライアントから直接スカウトが届く可能性もあります。

案件を発注したい場合、まずサゴジョーに相談をする必要があります。そのため他のクラウドソーシングサービスと異なり、発注者が自由に案件を登録できるわけではありませんが、その分コンテンツのディレクションや「旅人」の選定を任せることができ、クオリティの高いコンテンツ制作がしやすいといえます。

サゴジョー(公式サイト)

【特化型】MerryBiz(メリービズ):経理業務特化

メリービズ

メリービズでは企業の経理事務を外注できる「バーチャル経理アシスタント」というサービスを運営しており、経費精算や帳簿・仕訳入力、月次決算など、経理に関係する様々な業務を任せることができます。自社のリソースが不足している部分だけを切り出して発注するなど、必要な分だけ利用することが可能です。

また、経理業務を推進するシステム導入やコンサルティングを依頼することもできます。弥生会計やマネーフォワード、freeeといった代表的なシステムをはじめ、相談内容に応じてさまざまなシステムの導入支援が得られます。

経理業務の受注者は、日本国内外を問わず完全リモートワークで業務を受注できます。企業の経理業務を代行するという性格上、継続的に業務に携われる人材が適しているようです。メリービズでは、「『空き時間でお小遣い稼ぎ』『本業が暇な時期だけのアルバイト感覚』『ラクな仕事をしたい』と考えている方には向いていない」と明確に規定しています(メリービズ公式サイト「求める人物像」より)

経理業務スキルを活かして在宅で仕事がしたい人や、近くでは働き先が見つからない人、副業をしてスキルアップを図りたい人などに向いているサービスです。

メリービズ(公式サイト)

【特化型】GIKUTAS(ギクタス):イラスト特化

【特化型】GIKUTAS(ギクタス):イラスト特化

ギクタスは主にイラスト制作に特化したクラウドソーシングサービスです。これまでに累計1,000以上のプロジェクト実績を持ち、5,000名におよぶクリエイターを企業へマッチングしてきました。クリエイターの監修は作画監督クラスの技術力を持つアートディレクターが行うため、発注側にクリエイティブを評価できる仕組みがなくても品質を担保することができます。

プロジェクト単位で案件を発注でき、ヒアリングを通じて企画や仕様の詳細などのすり合わせが可能です。その内容にもとづいて最適と思われるクリエイターによるチームが編成されるため、発注者の意図と成果物の食い違いを防ぎやすいでしょう。

依頼可能な仕事内容は、オリジナルのキャラクターイラストをはじめ、背景イラストやゲームのUIデザイン、OPTPiX SpriteStudioを用いたアニメーション制作など。

また、ギクタスでは独自のイラストコンテストを定期的に開催しています。入賞することで実績が得られるだけでなく、賞金が出るものもあるため、今後イラストレーターとして活躍していきたい人は始めてみるとよいでしょう。

ギクタス(公式サイト)

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この記事を書いた人

イワタ ヨウスケ
大学時代は外国語、宗教関連の研究に従事。コーポレートサイトやWebメディアのライティング、書籍の出版に携わる。好きな動物は猫。ちゅ〜るは歌いながらあげる派。

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