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α世代(アルファ世代・ジェネレーションα)とは?特徴・Z世代との違いを解説

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近年、これまでにはない独自の価値観をもち、社会や経済に大きな変化をもたらす世代として、「Z世代」が取り沙汰されています。「デジタルネイティブ」や「環境意識の高さ」といった傾向を研究し、マーケティングに活かそうとする企業も少なくありません。

さらに、社会に出はじめているZ世代に後続する世代として、昨今は「α世代」と呼ばれる層にも注目が寄せられています。AIやメタバースをはじめ、社会変革のさなかで成長していくと見込まれるα世代は、一体どのような特徴をもつのでしょうか。

今回はα世代について、概要や特徴、Z世代との違いについて解説していきます。

α世代(アルファ世代)とは

親子

α世代(アルファ世代、ジェネレーションα)は、2010年~2024年頃に生まれた世代を指す言葉です。1990年代中頃~2010年頃に生まれた「Z世代」に続く世代として、オーストラリアのマーク・マクリンドル氏が命名したとされています。

世代の名称として「α」というギリシャ文字を用いているのは、前世代の「Z」においてアルファベットが終わりに至り、そこから始まっていく新たな局面を表現するためだと考えられるでしょう。

マクリンドル氏によれば、α世代は1980年代~1990年代中頃に生まれたY世代(ミレニアル世代)の子世代にあたり、「Z世代の弟分」として位置づけられています。2025年の段階で、α世代の人口は世界で20億人に上ると予想され、これは「世界の歴史において最大の世代」にあたるボリュームです。

α世代は2020年代の終わり頃から社会に出はじめ、大きな消費者層となっていくと見込まれますが、それ以前の段階からSNSなどを通じて文化面での影響力を発揮していくことが想定されています。

(参照:McCrindle “Understanding Generation Alpha”

世代によって人々を区分する意義

時代とともに経済動向や技術、文化は変化し、人々の価値観も移り変わっていきます。こうした世代ごとの特徴を表すために、これまでにも「団塊の世代」や「バブル世代」をはじめ、さまざまなカテゴライズが用いられてきました。

こうした言葉はもちろん、世代の成員すべてに当てはまるわけではありません。一方で、「ジェネレーションギャップ」という言葉に見られるように、世代間で共有される「大きな物語」には少なからず差が生じるものです。たとえば「バブル世代」と「氷河期世代」の間には、国内経済に対する期待感といった面でギャップが生じるものと考えられます。

このように、世代による区分は大きな時代の流れを把握するうえで有用な面もあるでしょう。とりわけ近年では、インターネット普及の前後で社会環境が大きく変化していることから、「デジタルネイティブ」たるZ世代への関心が高まっているのだといえます。

さらに今後は、政府が「Society 5.0」を標榜するように、仮想空間の拡張や、AI・ロボット技術の進展を通じて、インターネット普及時に匹敵する社会変革が生じていくと予想されています。こうした変化のなかで生育し、社会に出ていくα世代がどのような特性をもつのかは、経済的な観点はもちろん、人類史的な観点からも興味深いテーマだといえるかもしれません。

α世代の特徴

α世代

先のマクリンドル氏はα世代について、これまででもっとも「物質的に恵まれた」世代であり、また「テクノロジーに精通」しており、「より長い寿命を楽しむ」世代であると述べています。以下では日本の教育環境もふまえながら、α世代の具体的な特徴について考察していきます。

家庭内におけるデジタル環境の変化

α世代が誕生しはじめた2010年代は、ちょうどスマートフォンが急速に普及した期間と重なります。総務省の情報通信白書によれば、2010年に10%に満たなかったスマートフォン保有率は、2013年には60%を超え、2019年には80%以上に。ここから、多くのα世代は「幼い頃からスマホがある環境」に置かれているといえるでしょう。

(参照:総務省「令和3年版 情報通信白書|デジタル活用の現状」

スマートフォンの普及は、人々が日常的に触れるコンテンツにも大きな変化を及ぼしています。2010年の段階では、20代・30代における平日の平均テレビ視聴時間はそれぞれ「2時間12分」「2時間25分」であったのに対し、2020年には「1時間22分」「1時間32分」と4割近く減少しています。

(参照:NHK放送文化研究所「放送メディア研究14」PDF資料「世論調査でたどる「テレビ」視聴の長期推移」

このように、α世代の親にあたる世代を中心にテレビ離れが進んでいる一方で、勢いを増しているのがYouTubeや動画配信サービスなど、「自分の趣味嗜好に合わせたコンテンツ」を視聴する傾向です。

こうした動向は「スマホ育児」という言葉に見られるように、子育ての面にも反映されると考えられます。換言すれば、α世代は「好きなときに、好きなコンテンツに触れられる環境」のなかで生育していく世代ともいえるでしょう。

加えて、Web上でのコンテンツ視聴が一般化していくとともに、ユーザーの視聴履歴などから自動的に「おすすめのコンテンツ」をピックアップするプラットフォームも増えており、特定のジャンルや専門性を突き詰めていく傾向が加速していくかもしれません。

教育課程におけるICT環境の変化

α世代の特徴を考えるうえで、上述のような技術的環境の変化に対する視点は欠かせません。こうした変化は家庭内だけではなく、教育現場においても推し進められています。

たとえば2020年からは、小学校においてプログラミング教育が必修化され、また2021年からは中学校においても必修となりました。これによりα世代の多くは、義務教育課程でプログラミングを学ぶことになるでしょう。

さらに近年では、文部科学省を主導とし、学校現場におけるICT環境の整備が急ピッチで進められており、タブレットなど情報通信機器を利用した授業なども順次取り入れられています。

実際に、学研教育総合研究所が小学生を対象に実施した調査によれば、PC・タブレットを学校や塾から貸与される児童の割合は、2020年度から2021年度にかけて大幅に増加しています。

(参照:学研教育総合研究所「小学生白書Web版」

このような行政面からのアプローチもあり、低い年齢から情報通信機器に触れ、操作に精通する傾向は今後も加速していくでしょう。スマートフォンやタブレットを「好きなものを見る道具」として扱うだけではなく、学習や情報処理など「タスクを効率的に遂行するツール」として捉える向きが強まっていくとも考えられます。

「将来の夢」から見る変化

実際に、α世代の価値観はどのように変化しているのでしょうか。現状のところ、α世代のほとんどは未就学児や小学生であり、価値観を見定めるための資料はそう多くありません。

わずかな資料として、日本FP協会が発表している「小学生の「将来なりたい職業」ランキング」の推移を参照してみましょう。例年、男子児童の場合にはスポーツ選手や医師、建築士など、「好きな分野を突き詰めた職業」が人気であり、女子児童の場合には医師や教師、保育士など「人を助ける職業」が人気を集める傾向が見られます。

この傾向は最新の2022年度においても変わりありませんが、近年の変化として注目すべきポイントもあります。男子において2017年度に「ユーチューバー」が、2018年度に「会社員・事務員」がトップ10に入り、それ以来ランキング上位の常連となっているのです。

興味深いのは、安定した人気を集めているユーチューバーに対し、「芸能関連」の職業は2012年度に女子の10位にランクインしたのみだという点です。いわゆる「テレビ離れ」の影響とも考えられますが、「偶像への憧れ」よりも「身近なものへの親近感」が強くランキングに反映されています。「趣味嗜好に合わせたコンテンツ」のなかで、いつも目にしている人物に対して信頼感や親近感を強く抱いていることが窺えます。

また、特定の専門性を表していない「会社員・事務員」が上位に入っていることからは、「今あるような生活を維持していくための安定した地盤」を求める性向が読み取れるでしょう。

(参照:日本FP協会「小学生の「将来なりたい職業」集計結果」PDF資料「過去16年分 ランキングトップ10」

スクリーン上でのコンテンツ視聴の影響

先のマクリンドル氏は、α世代がこれまで以上にスマートフォンなどの「スクリーン」を見ながら育っていく世代であることに言及し、これを「意図せず生じた世界規模の実験」と表現しています。

育児や教育のプロセスで長い時間スクリーンを見つめることが、その後どのような影響を与えるのかについては、現在さまざまな研究がなされている段階です。

1つの研究事例としては、浜松医大の西村倫子特任講師が行ったスマホ視聴時間と発達状況との関連性についての調査があります。2歳の時点で視聴時間が1日1時間以上であった子どもは、4歳の時点で手伝いや片付けなどの「日常生活機能」と、他者の言っていることを理解する「コミュニケーション機能」のスコアがやや低くなる傾向が見られたといいます。

一方で、視聴時間が1時間を超えても、週6回以上の頻度で30分以上の外遊びを行っていた子どもについては、同様の傾向が抑えられていたことが報告されました。

(参照:読売新聞「「スマホ育児」の悪影響 外遊びで軽減…大阪大などが調査」

もちろんこれは研究の一例であり、スクリーン視聴時間が及ぼす影響は多岐にわたると考えられます。情報処理や思考様式などの面に影響があるのか、またその影響はα世代の全体を描写する特徴として適切なのかなど、今後の研究成果を待つ必要があるでしょう。

α世代とZ世代の違い

VR

幼い頃からインターネット環境に触れてきたZ世代は、「デジタルネイティブ」と呼ばれており、これに後続するα世代も同様の特性をもつと考えられます。

ただし、α世代は2023年の時点で最年長が13歳であり、現時点で生まれていない層も含まれています。人格形成のさなかにあるα世代については、依然として特徴が不明瞭な点も多く、Z世代との違いも徐々に明らかになっていくでしょう。

以下では今後予想される技術や環境の変化、また近年生じている大きな社会的変化の面から、α世代とZ世代の違いを考えるための観点を解説していきます。

さらに新しい技術への適性

小中学校からプログラミング教育に触れ、生まれたときからスマートフォンやタブレットが当たり前にある環境で育ったα世代は、今後スタンダードになっていく技術群にも慣れ親しんだ状態で社会に出ていくと考えられます。

たとえばIoTやAI、メタバースなど、これから社会に劇的な変化をもたらしていくと予想される技術について、成長過程とともに発展の経緯を目にすることができるでしょう。これにより、新時代の技術をさらに活用する素地が形成されるなど、さまざまな適応のかたちが期待されます。

社会問題に対する考え方

Z世代の特徴として、環境やジェンダーをはじめとする「社会問題への関心の高さ」がしばしば指摘されています。SNSの発展にともない、さまざまな問題について考えを共有する場が増えていることが一因と考えられますが、この傾向はα世代にも引き継がれていくと予想されるでしょう。

こと日本においても、共働き世帯が2010年から2019年にかけて1.2倍に増加するなど、家庭内の役割を見直す機運は年々高まっています。また一部自治体による同性パートナーシップ制度や、同性婚不受理に対する地裁の違憲判決など、制度面・環境面からジェンダーをめぐる意識がフラット化していく可能性も考えられるでしょう。

(参照:厚生労働省「共働き等世帯数の年次推移|令和2年版厚生労働白書」

ジェンダーに関する意識のほかにも、たとえば電気自動車の普及にともなう環境意識の変化など、これまで「先進的」「グローバル基準」などと見なされる傾向にあった価値観が、「当たり前のもの」として根付いていくことも十分に考えられます。

コミュニケーションに対する価値観

α世代の多くは幼少期から児童期において新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けており、とりわけ日本においては「周囲の人が皆マスク」という環境を長く経験しています。マスク着用によって相手の表情の変化がわかりにくくなり、感情が伝播しにくくなるといった研究も見られるなど、幼少期の経験が今後の対人コミュニケーションをめぐる姿勢に影響を及ぼす可能性も考えられるでしょう。

(参照:ニッセイ基礎研究所「マスク着用が周りの人の感情に与える影響-ポジティブな感情の伝染を弱める可能性」

技術的な面から見ると、コロナ禍とともに普及したリモートワークやリモート授業など、「コミュニケーション=対面で行うもの」という構図に大きな変化が生じています。義務教育課程を「ポストコロナ」の状況下で過ごすなか、コミュニケーションに対する価値観が変化していき、たとえばメタバース環境に大きな親和性を示す、などの状況もありうるかもしれません。

このようにα世代は、テクノロジーや文化、生活様式などの面で、幼少期から大きな社会の変化を経験し、その受容とともに成長していく世代だといえます。人類史に例を見ない環境のなか、α世代がどのような適応を遂げ、どのような特性をもつことになるのかは、今後の社会動向を左右する大きな要因となるでしょう。

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この記事を書いた人

鹿嶋 祥馬
大学で経済学と哲学を専攻し、高校の公民科講師を経てWEB業界へ。CMSのライティングを300件ほど手掛けたのち、第一子が生まれる直前にフリーへ転身。赤子を背負いながらのライティングに挑む。

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