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Z世代

Z世代のトレンドY2Kファッションや昭和レトロブームに見る消費行動

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Z世代とは、明確に定義づけされていないため媒体によって多少前後しますが、だいたい1996年ごろから2010年ごろに生まれた世代のこと。その呼称はアメリカ由来で、上の世代をミレニアル世代(Y世代)、下の世代をα世代といいます。

デジタルネイティブ、スマホネイティブと呼ばれるように、生まれたときからインターネットが存在し、物心つくころにはSNSの普及が広まる環境で育った年代であるため、文化や考え方などにもその影響を強く受けているといわれています。

近年の彼らのトレンドはレトロ回帰といえる特徴にあり、「懐かしい」「ノスタルジック」「エモい(エモーショナルの意)」といった要素が消費行動においてもキーワードといえそうです。

Z世代の特徴

Z世代の特徴

消費行動について論述する前にその特徴について触れてみましょう。もちろん生まれた年代によってすべての人たちが区分されるというわけではなく、こういった傾向にあるということを踏まえてください。

SNSネイティブ

冒頭の繰り返しになりますが、まず第一の特徴としてデジタルネイティブであり、スマホネイティブであることが挙げられるでしょう。インターネットが日常的に利用される時代に生まれたため、デジタルデバイスに対する苦手意識を持つ人は多くありません。

そのうえでSNSネイティブでもあります。日本で古参のSNSというとmixiが思いつく方も多いのではないかと思いますが、そのサービスが開始されたのは2004年。そして2年後にはTwitterが登場します。

つまり早くに生まれた人は小学生くらい、遅くに生まれた人にとっては、生まれたときには既に存在していたことになるので、SNSで情報をキャッチしたり、逆に発信することに慣れている世代といっていいでしょう。

SNS利用に慣れているため、表現方法は人それぞれながら自身の意見をオープンにすることにも抵抗がなく、また、リアルでもネット上でも同じ考えの人と同等に交流を持つことができます。

そのため同調思考が強く、共感能力も高いのですが、一方で複数のアカウントを使い分け、都度コミュニティを変え、自身の多面性を体現することにも長けているという特徴も持ちます。

デジタルタトゥーのリスクもよく知っているため、匿名性の高いSNSを選ぶという傾向もあるでしょう。とはいえ、SNSで回ってきたフェイクニュースの信憑性を確かめずに真実だと勘違いしてしまうこともあるのではないでしょうか。

政治や社会問題への関心が高い

MeTooなどSNSの投稿をきっかけに社会運動に進展するのを体験している世代ということもあり、社会問題への関心が高いのも特徴です。実際に日本労働組合総連合会の調べによると、全国の15歳~64歳の男女2,000名の回答者の中で最も社会運動に参加意欲が高いのは10代(69.5%)だそう。

▶参考:日本労働組合総連合会(連合),多様な社会運動と労働組合に関する意識調査2021(@Press)

環境運動家として世界的に知られているグレタ・トゥーンベリさんも2003年生まれ、Z世代の一人ですね。

また、普段から身近に接するコミュニティだけでなくインターネット上などさまざまなフィールドで情報をキャッチすることもあり、世界が多様性に富んでいることもよく知っています。

社会情勢への関心が高いことも相まって、セクシュアルマイノリティーや人種、障がい者差別への拒絶の意思もあり、ダイバーシティを受け入れる社会を望む傾向にもあります。

現実主義

よくミレニアル世代は理想主義、Z世代は現実主義といわれることがありますが、日本の場合、ミレニアル世代が生まれたころは好景気、Z世代は不景気だったということが起因しているのではないかと推測されます。

生活するうえでなにが大事なのか、安定した暮らしを送るためにはどうしたらいいのか、そういった考えを幼いころから自然に養ったといえるでしょう。

特に2008年に起きたリーマンショックによって経済的にダメージを被った家庭に育った子などはより金銭面にシビアで、現実的な目でもって思考したり行動したりすることも多いそうです。

そのため、消費行動においても突発的に衝動買いをするような浪費家というよりは、堅実的に節度を保ったうえでその先を見据えて購買にいたる、あるいは自身で工夫して代用品を作れないか模索することもあるのではないでしょうか。

Z世代のトレンド

Y2Kファッション

Z世代の間で流行っているものはなんでしょうか。その嗜好を読み解くことができれば、マーケティングにも役立てることができそうです。

身近なものでカスタム

Z世代を研究対象としたシンクタンク組織、Z総研の発表によると「Z世代が選ぶ2021上半期トレンドランキング(流行ったモノ・コト部門)」において「推しグッズ作り」(2位)や「デコ銃」(5位)がランクインするなど、自身の手を使って創造することが流行っているとわかります。

▶参考:Z総研(株式会社N.D.Promotion),プレスリリース(PR TIMES)

推しグッズとは、自身の好きなアイドルやアニメのキャラクターなどを応援するグッズのこと。デコ銃とは、その名のとおり銃のおもちゃを自分らしくデコレーションしたもののこと。

デコ銃
(画像出典元:集英社,Seventeen

いずれも主に100円ショップなどでコストをかけずに材料を集め、好みのデザインにDIYするという共通点が見られます。

また、ランキングには入っていませんが、カラフルなオーブン粘土を指輪の形に成形する「クレイリング」もトレンドのひとつで、やはり工夫をこらして自分なりの「かわいい」を生み出すということが好まれているとわかります。

レトロカルチャー

先の同ランキング「流行った食べ物・飲み物」部門によると、8位に「メロンクリームソーダ」がランクインしており、また、「2021年下半期トレンド予想」に「レトロカルチャー」が挙げられていることから、レトロブームが巻き起こっていることがわかります。

当記事の定義ではわずかにZ世代とは異なりますが、1994年生まれの枝優花監督作品『放課後ソーダ日和』において、高校生×純喫茶×クリームソーダという組み合わせがアイコニックに描かれているのも今のトレンドを象徴するようです。

当作品は、枝監督初の長編作品である2018年制作の『少女邂逅』のアナザーストーリーとして始動したプロジェクトですが、YouTubeで全話を無料公開しているというのも、なんともSNS時代を感じさせます。(公開後に話題を呼び、映画館での上映、DVD化なども果たしています)

純喫茶が日常的に触れることのできる「レトロ」だとして、非日常的なテーマパークでは、西武園ゆうえんちが「昭和の熱気を遊びつくそう。」というコンセプトのもと、昭和時代の世界観を感じさせる大規模リニューアルを行ったことなどもZ世代の間で話題になりました。

メタ昭和レトロを追求して2020年7月に中野にオープンした「不純喫茶ドープ」も人気で、コロナ禍という逆境をものともせず新店舗を増やし続けています。昼は喫茶店、夜は酒場という形態で、どこか古さの中に新しさも感じられる昭和と令和のハイブリッド感が魅力なのかもしれません。


「エモい」コンテンツ

写ルンです

レトロ回帰と通ずるところがありますが、「エモい」と称されるような感傷的なコンテンツも依然ブームが続いています。たとえば先のランキングによると、8位、10位に「フィルムカメラ」「写ルンです」がランクインしており、これらはスマホのカメラとは異なる味のあるノスタルジックな写りが人気を博しているといえます。

音楽やアート面においてはヴェイパーウェイブやシティポップなど。どちらも音楽界を由来とする言葉で、前者は2010年代初頭にインターネット上の音楽コミュニティから発生したもの、後者はそれより以前、1970年代後半から1980年代にかけて流行した都会的なニューミュージックのこと(現代に生まれた作品であっても近しいメロディであれば指すことができます)で、そういった楽曲がリバイバルブームしたことで、併せて象徴的なアイコンやデザイン性もまた独り歩きして人気を得ているという状況です。

ヴェイパーウェイブ

Z世代にとって昭和レトロは見たことのない「新しい」世界観ですが、2010年代初頭では見聞きしたことがある可能性があるため、懐かしいという気持ちが手伝って「エモい」という感傷的なムーブを感じるのかもしれません。

Y2Kファッションが再燃

(▲Z世代にも人気のグループBLACKPINKのメンバーJENNIEの公式Instagramより)

Y2Kとは「Year 2000」の頭文字を合わせた言葉で(「K」は「kilo」を表し、「千」を意味します)、つまりY2Kファッションは2000年代に流行ったようなファッションを指します。

たとえばお腹の見えるクロップド丈のトップやミニスカート、ローライズデニム、厚底シューズ、ミニバッグ、プラスチック類のチープでキッチュなヘアアクセサリーなど。

カラフルだったり、ラメ素材だったり、肌見せをしていたり、パワーがみなぎっていてエネルギッシュ、それでいて未来的なムードであることが共通のテイストです。

日本ではいわゆるギャルファッションの一部として知られていますが、当時ブリトニー・スピアーズやパリス・ヒルトンといったセレブリティも近しいスタイルを好んでいたため、現在は海外のジェネレーションZの間でも人気があり、世界的に見られる流行のひとつでもあります。

実際に2022年のコレクションにおいて、MSGMやCOACHなど海外ブランドもY2K要素を取り入れたルックを発表しています。

ファッションの流行は20年周期といわれるので、単純にそのタイミングを迎えたということもいえますが、Z世代にとってはかつて幼いころに見たことのあるポジティブでチアフルなムードをコロナ禍続く閉塞感の中で追い求めたという背景もあるかもしれません。

Y2Kファッションのメインストリームというよりは「青文字系」と呼ばれるオルタナティブトレンドに近いですが、90年代~00年代に流行したBETTY’S BLUEやSUPER LOVERSといったブランドが復活(BETTY’S BLUEは期間限定、SUPER LOVERSはドネーション型ブランドしてリブランディングのうえ)したというのも時代の流れを感じさせます。

同様に青文字系(コンサバ系ファッションを取り上げた雑誌のロゴに赤系の色味が多いことから、それらを赤文字系、個性を強調させたスタイルを青文字系ファッションと呼びます)の代表的雑誌『Zipper』も2000年代に一大ブームを担っていたものの2017年に休刊し、このたび2022年より季刊誌として復活することを発表しました。

ニュートロ

(▲Z世代に支持されているブランドWC(ダブルシー)公式Instagramより)

「ニュートロ」は「ニュー(new)」と「レトロ(retro)」を合わせた造語。2010年代後半から韓国のユースカルチャーに台頭してきた概念で、日本でもたびたび取り上げられています。

ここまで挙げたZ世代のトレンドの特徴は、「自身が体験したことのない時代のものであるはずなのに、懐かしく感じられてエモい」というところに共通しているように感じます。

ニュートロとはまさしくそういうことで、レトロなものが新しく感じられる、あるいは新しいものばかりが生み出される中で、そういった同時期に量産されたものではなく、過去の希少なものの中から自身に合った新鮮で特別なスタイルを見出すことだといえそうです。

Z世代はダイバーシティを強く認識しています。自身もまた多様性社会の一人で、個性を持っており、それを尊重していきたいと考える傾向にあるので、この時代にありふれているものではなく、能動的に探して見つけた自分らしいものを大事にしていきたいという欲求が強いのかもしれません。

また、先ほどY2Kファッションについて触れましたが、流行のピークが2000年代初頭だったとはいえ、その後長らく続いたトレンドでもあったため、ファッション界における「20年周期」よりもやや短いターンで繰り返されているとも考えられます。

リバイバルにはいたらない、けれどブームは既に終わった、という時期のものは、通常いつの時代も「ださい」と敬遠されるスタイルではありますが、そういったものが今はむしろスタイリッシュだと受け入れられることこそニュートロの真髄といえるかもしれません。

Z世代の消費行動

SNSで情報をキャッチ

Z世代は消費行動にあまり積極的とはいえません。というのも先述のとおり、現実主義で経済的に保守的な面が強い傾向にあるからです。世代的にまだ学生で自由に使えるお金が限られているという場合もあるでしょう。

そのため、商品やサービスを利用することで得られるメリットを熟考し、コストパフォーマンスだけでなくタイムパフォーマンスも視野に入れ、検討した末に購入にいたります。

(余談ですが情報社会下に生まれたZ世代は、タイムパフォーマンスを重視する傾向にもあります。SNSではリアルタイムで次々に情報が発信され続け、それを逃したくないというFOMO(Fear Of Missing Out=見逃す、聞き逃すことへの恐怖)に脅かされることもあり、時間を有効活用するために、映画を含む長尺のコンテンツは大事だと思われる箇所以外は早送りしながら鑑賞するという人も少なくないといいます)

また、その検討材料をSNSからキャッチアップするというのも特徴的。口コミの評価、知人や信頼している人がおすすめしているかどうかといった点を重視し情報収集をします。

Z世代にアプローチしたい場合は、動画コンテンツに慣れているため、YouTubeやTikTokといった媒体を利用することも勧められますが、好きかそうでないかひと目で感覚的にインプットできるInstagramや、より詳細を知りたいときにレビューなどを細かく確認できるTwitterも欠かせないでしょう。

上のミレニアル世代にも共通していますが、普段から気になって見ているものが反映されて表示されるリターゲティング広告などに慣れていることもあり、自分に向けられた、あるいは自分だけに向けられたパーソナライズコンテンツにも注目しやすいです。自身の個性を尊重したいという意識の表れでもあるでしょう。

とはいえもちろん、ターゲット一人ひとりに合わせた完全なコンテンツを作ることは無理に等しいです。大事なのはストーリー性。どうしてその商品やサービスが必要なのか、どうして今なのか、納得できる脈絡がないと共感を得ることは難しいでしょう。

タムパ(タイムパフォーマンス)にこだわるZ世代ですが、限られた時間の中でエモーショナルな部分に同調してもらえれば、購買に結びつけることができるだけでなく、SNSなどでほかのユーザーにも拡散してくれるかもしれません。

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この記事を書いた人

浦田みなみ
元某ライフスタイルメディア編集長。2011年小説『空のつくりかた』刊行。モットーは「人に甘く、自分にも甘く」。甘いものといえば、ねことクリームソーダが好きで趣味でサイト運営もしています。

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