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マーケティング
歯科医院のマーケティング戦略
2020/01/30

歯科医院
かつて、歯科医院含め医療業界とマーケティングは相性が悪いものとされていました。医療機関の非営利性に影響を及ぼすと考えられたのでしょう。ですが、マーケティングとは購買という観点でのみ意味をなすものではありません。

たとえば医療に従事する者が、患者の求めている情報を広く周知させたいと考えたときにも適切に働く行為です。そしてそれが広まることで新規患者の獲得、来院につながると考えると違和感はないのではないでしょうか。

今回は歯科医院がマーケティングするべき理由とその方法について解説していきます。

目次

歯科医院におけるマーケティングとは?

マーケティング

さて、歯科医院におけるマーケティングとはなんでしょうか。先述のとおり、その目的を「情報を広めること」、そして「その情報を受け取った方が求めている治療を施すこと」とするならば、医院の認知度を上昇させること、来院しやすくすることが重要になってくるかと思います。

できる限り多くの方に自院を知ってもらうためには、受け手が広範囲なインターネットを用いるのがよいでしょう。公式サイトの開設、運用はもちろん、SNSを立ち上げて日常的に情報を発信するのも効果的です。とはいえ、やはりそれだけでは十分とはいえません。

3C分析

まず、マーケティングにおける基本的なフレームワークに「3C分析」というものがあります。Customer(顧客=歯科医院においては患者)・Competitor(競合)・Company(自院)という3つのCから始まるそれぞれを分析することを指し、つまりは患者のニーズを理解し、競合の状況を把握、分析し、自院をよく見極めるということをいいます。

たとえば先に挙げたように公式サイトの開設、運用を行う際に3C分析をするなら、患者のニーズに沿ったサイトはどういうものか、競合はどういったサイトを運営しているのか、自社の魅力をアピールするにはどういったサイトがいいのか、ということを分析し、SNS立ち上げの際に3C分析するなら、患者のニーズに沿ったSNSの発信の仕方はどういうものか、競合はどういったSNS運用をしているのか、自社の魅力を伝えるにはどういった投稿がいいのか、ということを分析するわけです。

既存患者、新規患者、見込み患者、潜在患者

また、このとき「患者」といってもすべての患者のニーズが共通しているとは限りません。たとえば、既に通院している既存患者と初めて来院したばかりの新規患者、そして自院について認識はしており、いずれ行こうと思っているもののまだ来院したことのない見込み患者、または自院についてまだ知らない、もしくは興味がない潜在患者では、それぞれ求めている情報が異なります。つまり、すべての層のニーズをキャッチアップするとなると、それぞれに適した施策を行う必要があるのです。

二極化が進む歯科医院

二極化

歯科医院の数はコンビニよりも多いといわれて久しいですが、実は現在、閉院数が増えています。その理由はいわゆる「二極化」。収入、来院数において、トップ層と下層の差が大きく開いているのです。

歯科医院が増え続けることで患者にとっては選択肢が広がったため、工夫の足りない歯科医院への来院数は減っていくということ、過疎地の場合はそもそも患者が少ないということ、あるいは競争意識の強くないゆとり世代と呼ばれた弱年齢層が歯科医になったことで、前時代のように過度な努力をする人が少なくなったということ、さまざまな理由が挙げられていますが、この二極化が進む状況を打破するためにマーケティングをし、歯科業界の現状、また、自院についてより知識を深めることが必要です。

患者数が増えない理由を分析

分析

歯科医院の場合、一般的に月間の新規患者数は1日の来院患者数とほとんど同じだといわれています。つまり二極化が進む歯科業界において、来院患者数が少ない下層の歯科医院は新規患者数も少ない、もしくは減っている可能性が考えられます。

では、新規患者数が増えない理由はなんでしょうか。

・場所がわかりにくい、行きにくい
・治療法や費用に不安がある
・インターネット上で検索しても表示されない
・診察可能な曜日、時間が合わない

主に考えられるのはこういったものではないでしょうか。であれば、まずインターネットで検索した際にすぐに表示されるようにし、サイト上に周辺地図や駅からの詳細ルートと治療方法や費用について明瞭に掲載し、そして診察できる曜日、時間を延長する、という解決策が有効になりそうです。くわしくは別の項で後述します。

(関連記事)
歯科医院の集客に効果的な対策10選

患者が歯科医院を選ぶポイント

選ぶポイント

前項で触れた、新規患者数が増えない理由を踏まえると、患者が歯科医院を選ぶときのポイントは逆説的に下記のように考えられそうです。

・場所がわかりやすい、行きやすい
・治療法や費用が明瞭である
・インターネット上で検索するとすぐに表示される
・自分の空いた曜日、時間に来院できる

加えて、既存患者がその歯科医院に通い続ける理由、ポイントも考えてみます。

・通いやすい場所にある(家、職場、駅に近いなど)
・治療法、費用に納得している
・診察曜日、時間が合う
・医師やスタッフ、または病院内の雰囲気がよい

場所に関しては、たとえ駅から遠い、またはわかりにくいとしても簡単に移転することができないので、ほかの部分でカバーしていきたいところです。たとえば、診察の曜日や時間は、平日働いている方も来院しやすいように土日のどちらかにも診察時間を設けるか平日も夜遅くまで延長したり、治療法や費用に関してはサイトにわかりやすく掲載するだけでなく、診察の際に口頭でも説明したりする、など。

なお、治療法に関しては症状によっても、歯科医院、歯科医によっても、異なると思います。その独自の治療法、いわばモットーを明確に示すことが新規患者獲得にも既存患者のリピート率向上にも重要になります。

コンセプトを確立させる

子どもと歯科医

歯科医院はきちんと自院のモットーを持ち、目標を掲げて、それをもとにコンセプトを制定することが新規患者の獲得にも既存患者のリピート率向上にもつながります。ただし、やりたいことだけを考えたり、なりたい理想像を押しつけたりするだけでは、もちろんよい効果は得られません。

ここでも3C分析するならば、ユーザーが自院に求めるニーズをキャッチし、近くの別の歯科医院がどういったコンセプトを設けているか考え、自院の魅力を見極める必要があります。

たとえば、患者に子ども連れの主婦(主夫)が多いのであれば、学校や幼稚園、保育園から行きやすい、絵本やおもちゃがある、子どもが乗りやすい診察台がある、入りやすいように柔らかい印象の色味でまとめられている、といったことがニーズに挙げられそうです。

患者層が似ている歯科医院が近くにある場合は、子どもが一人でもきちんと歯を磨けるようにわかりやすく要点をまとめたペーパーを配布するなど、デイリーケアにも気を配った独自のホスピタリティーが求められる可能性もあります。なお、なにか配布物がある際は読みやすいよう漢字を少なくし、フォントにも配慮しましょう。

また、患者に会社員が多いのであれば、駅から行きやすい、診察時間が幅広い(夜遅くまで診察している、もしくは土日も診察している)、インターネット上で簡単に予約ができる、万が一キャンセルするときも簡単である、適度に落ち着いた雰囲気である、といったニーズが考えられそうです。外回りの合間や休憩時間中に来院する可能性もあるので、予約時間から待たずに診察を受けられる、というのも求められそうですね。

もし考えられるニーズが自院がやりたいこと、なりたいイメージとギャップがあっても、できれば既存患者の求めているものを踏まえた上で新規患者の獲得を目指した方が無難でしょう。そして、やりたいこと、できること、求められること、すべてに当てはまる部分をコンセプトとするのが継続しやすい秘訣です。

患者層にばらつきがあって想定が難しい場合は、アンケートをとってもいいかもしれません。たとえばLINEやSNSなど、患者が家に帰ってからでもつながることのできるツールに登録しておくと、こちらからなにか情報を発信するときにも、患者から予約などに関する情報を受信するときにもスムーズです。

通院してもらう=リピーター患者を増やすには

SNS・LINEを有効活用

せっかくコンセプトを決めても、それが知られなければ意味がありません。では、認知されるにはどうしたらいいでしょう。

まず、先述のとおり、SNSやLINEなど患者とコミュニケーションができる場でアピールすることが重要です。広く周知されることで新規患者の開拓につながるのはもちろん、それまで「近いから」「歯が痛くなったから」という、自院に通う目的が薄かった患者も改めてリピートにつながる可能性が高まります。

たとえばホワイトニングに力を入れている歯科医院であれば、最新技術の紹介、施術した際のBefore→Afterの写真(モニター患者を随時募集しておくと楽にアピールができます)などを掲載することで、それまで虫歯の治療で通っていた患者にも興味を持ってもらえ、治療が終わった後もホワイトニングを理由に通院してもらえるかもしれません。

定期的にイベントを行うのもよいでしょう。正しい歯磨きの仕方や虫歯を作りにくい生活習慣をレクチャーする場を設けたり、あるいは期間限定で一部の治療を値下げしたりして、「今」来院する理由を作るのです。もちろんその際もSNSなどで大々的に告知をすることが大事です。

また、先の項でも少し触れましたが、LINEやSNSのDM機能などのクローズドな場では、患者からの情報を受信できるようにしておくと、予約、キャンセルの受付にも利用できます。育児や仕事、家事で忙しい方も日常的に使っているツールであれば気軽に連絡することができるので、来院数上昇に一役買ってくれそうです。

チャットボットの導入

公式サイトを運営することが有効的なのは言うまでもないですが、そこにチャットボットを搭載するというのもひとつの手法です。チャットボットとは、AIを用いたチャット機能のこと。オンラインサービスのため24時間利用できますが、もちろん歯科医が24時間対応しなければいけないわけではありません。事前にある程度、よくある質問と回答を入力しておくと、自動で対応してくれ、患者からの質問が増えるたびに学習してくれるので、年数を重ねるごとにより適切な対応をしてくれるようになります。

予約の空き具合、キャンセルの受付、診察時間外に急に歯痛を感じた際の応急処置の仕方、治療法の比較検討材料など、患者が知りたい情報を即時に提示することで自院の信頼度も高めることができ、次の来院へとつなげることができます。

初診数を増やす=新規患者を増やすには

保険証

SNSで既存患者から拡散を

新規患者を増やす目的としてもSNSは有効です。自院の雰囲気やコンセプト、技術が伝わりやすいので、自院を知らなかった潜在患者の来院のきっかけになるだけでなく、そもそもいずれ来院しようと思っていた見込み患者の方にもより安心感を与えることができるでしょう。

特に、SNSのいいところは情報発信やコミュニケーションが円滑にできるというだけでなく、拡散されやすいという面にもあります。身近な人の口コミほど頼りになる情報はないので、既存患者にファンになってもらい、情報を拡散してもらえるようになると、より多くの新規患者獲得につながりそうです。

MEO対策

また、先の項で患者が歯科医院を選ぶポイントのひとつに「インターネット上で検索するとすぐに表示される」という理由を挙げましたが、歯科医院を探している方が検索するキーワードとして考えられるのはなんでしょう。おそらく「場所(エリア、駅など)+歯医者」というものではないでしょうか。

Googleでこのキーワードを検索するとGoogle Mapが表示され、周辺の歯科医院がいくつか地図上に提示されます。さらにその中のいずれかをタップするとその歯科医院のホームページに遷移することができるので、患者、もしくは患者となりうる方は近くに歯科医院があることを知ることができ、そしてその歯科医院の雰囲気やコンセプト、治療法、費用、診察時間など詳細を知ることができます。歯科医を探している方にとって、この仕組みはかなり有益といえるでしょう。

では、Google Map上に自院を表示させるにはどうしたらよいでしょう。「場所+歯医者」に限らず、自院が求める特定のキーワードで検索された際にGoogle上で上位に表示させるには、マップエンジン最適化=「MEO(Map Engine Optimization)対策」と呼ばれる施策を行う必要があります。まずはGoogleマイビジネスに自院の情報を登録しておきましょう。厳密には自院で行わなくても通っている患者など、だれかが登録をすれば表示されるものなのですが、正確な情報を発信するためにも、できることなら自身の手で登録しておくことをおすすめします。

なお、「場所+歯医者」では、あまりにも多くの歯科医院が表示されてしまって自院が埋もれてしまう可能性もあります。そこでこのとき考えるべきなのが先の項で設けたコンセプトなのです。なにが自院の魅力なのか、なにが自院の強みなのかを踏まえて検索キーワードを設定しましょう。

たとえばホワイトニングの技術をアピールしていきたいのであれば「ホワイトニング+場所」など。自院とマッチする「検索されやすい言葉」、そして「検索した人のニーズに合った言葉」を上手く表現するのです。

まとめ:歯科医院のマーケティング戦略術

歯科医院におけるマーケティングは、自院の治療法やモットー、そして患者の求める医療に関する情報を周知させるため、そして新規患者獲得、既存患者維持のため有効かつ重要です。

まずは患者のニーズ、他院の状況、自院の強みを見直してコンセプトを設計し、それを公式ホームページやSNS、LINEなどで広めていきましょう。そして同時にMEO対策を行い、検索されやすくしましょう。歯科医院の二極化が進む今、自院をトップ層に上昇、または維持させるには日々の細かい工夫が必要なのです。


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