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コミュニティマーケティングとは?成功事例と失敗しないためのポイントを紹介!

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近年、マーケティング業界で高い注目を集めている「コミュニティマーケティング」。

長期的な運用を見据えて取り組む必要はありますが、軌道に乗せられれば、ユーザーインサイトの獲得や顧客ロイヤルティの向上など、多くのメリットを得ることができます。

この記事では、コミュニティマーケティングの概要や導入するメリット、失敗しないためのポイントなどについて徹底解説。コミュニティを立ち上げる手順や成功事例も紹介しているので、導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

コミュニティマーケティングとは

コミュニティマーケティングとは、自社の商品・サービスまたはそれらに関連するテーマで立ち上げられたユーザーコミュニティを通じてプロモーションを行うマーケティング手法です。基本的には、企業側で既存顧客同士が交流できるコミュニティを構築し、そのコミュニティの発信力を活用して新規顧客の獲得や収益の向上を目指します。

コミュニティマーケティングの代表的な手段

コミュニティの構築手段は多岐にわたりますが、大別すると以下の2種類に分けられます。

オンラインコミュニティ

コミュニティの立ち上げ方としてまず挙げられるのが、コミュニティサイトやSNS、ビジネスチャットツールなどを用いたオンラインコミュニティです。近年では、コミュニティ運営をサポートするための機能を多数搭載した専用ツールも出てきており、これらを活用すれば、ノウハウがない状態でも比較的スムーズにコミュニティを開設できるようになっています。そのため、初めて実施する場合は、こうした専用ツールを利用するのがよいかもしれません。

オフラインコミュニティ

セミナーや体験会、交流会など、オフラインでのイベントもコミュニティマーケティングの手法の1つです。顧客と直接顔を合わせて対話することにより、企業や商品・サービスに対する信頼や愛着心を高めることができるので、オンラインとオフラインの活動を組み合わせることができれば、ユーザーコミュニティを効率的に成長させられるでしょう。

コミュニティマーケティングを導入するメリット

コミュニティマーケティングを導入する主なメリットとして、次の3つが挙げられます。

①ユーザーのリアルな意見を集められる
②顧客ロイヤルティの向上が期待できる
③カスタマーサポートのコストを削減できる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

①ユーザーのリアルな意見を集められる

コミュニティには、すでに自社もしくは自社製品・サービスへの興味・関心が高いユーザーがそろっているため、積極的に意見や要望を出してくれる可能性が高いです。

アンケートやインタビューをはじめとした従来の顧客リサーチは、顧客の本音を引き出すことが難しいうえに、多くの時間やコストを費やす必要がありました。

一方、コミュニティマーケティングは、自社で立ち上げたコミュニティに質問や相談を問いかけることで、コスト負担なくスピーディーに意見や感想を集めることができます。コミュニティ内で顧客同士での会話や意見交換も生まれるため、これまで気づけなかったような課題やアイデアを拾い上げることもできるでしょう。

②顧客ロイヤルティの向上が期待できる

コミュニティマーケティングでは、企業と顧客そして同じ想いを抱いた顧客同士が、その企業の商品・サービスを軸に情報交換を行いながら、関係性を深めていくことができます。

一方的にアピールするのではなく、双方向の議論を重視し、そこで得た意見を商品開発やサービス改善に反映していくことができるので、顧客ニーズをうまく拾い上げることができれば、彼らの企業に対する愛着心や信頼関係を育てることができるでしょう。

ここでロイヤルカスタマーを育成できれば、商品を繰り返し購入したり、サービスを継続的に利用したりと長期にわたって企業に貢献してくれる可能性が高いです。他社に対して積極的に商品・サービスを宣伝してくれるケースも多いので、口コミ経由での新規顧客獲得も見込めるでしょう。

③カスタマーサポートのコストを削減できる

コミュニティ内では、顧客の質問に対して別の顧客が回答する、という場面が多々見られます。

これまでは企業側の人間によるサポート対応が一般的でしたが、コミュニティがあればユーザー間で自発的に問題を解決をしてくれるため、カスタマーサポートにかける時間やコストを削減できるかもしれません。また、質問の多い項目を「Q&A」のような形式でまとめておけば、重複質問や問い合わせの軽減も期待できます。

コミュニティマーケティングの実施手順

では、実際にコミュニティを立ち上げる場合、具体的にどのような手順を踏めばよいのでしょうか。ここで、開設に至るまでの基本的な流れを確認しておきましょう。

Step1.コミュニティの目的を明確にする
Step2.プラットフォームを選ぶ
Step3.ガイドラインを策定する
Step4.コミュニティを開設する

1つずつ解説していきます。

Step1.コミュニティの目的を明確にする

コミュニティ活動に一貫性を持たせるためには、あらかじめ目的を明確化することが大切です。

ユーザー同士での自走的な発展を目指すコミュニティマーケティングは、多くの顧客から意見・アイデアを集められる一方で、話題がブレやすいというデメリットも持ち合わせています。

例えば、新商品のアイデアを集めたいのか、意見・情報交換を通じて既存商品に対する愛着を深めてもらいたいのかなどによって話題の方向性が異なります。目的が曖昧のままに始めてしまうと期待したような結果が得られない可能性が高いため、参加者が何らかの目的を共有して活動できるよう、企業側である程度の方向性を明確にしておきましょう。

Step2.プラットフォームを選ぶ

目的が明確になったら、コミュニティを立ち上げるプラットフォームを決定していきます。

先ほど、オンラインとオフラインがある旨をお伝えしましたが、現在はインターネットを活用した情報収集が一般化しつつあるため、まずはオンラインでスタートするのがよいかもしれません。なお、オンラインコミュニティのプラットフォームとしては、次のようなツールが考えられます。

・コミュニティサイト(coorum、commmune、TeleMeなど)
・SNS(Twitter、Instagram、Facebookなど)
・ビジネスチャットツール(Slackなど)

前述したように、初めてコミュニティを立ち上げる場合は、必要な機能が網羅されたコミュニティサイトを活用するのがおすすめです。

ただし、コミュニティサイトは有料サービスが多いため、費用が限られている場合は導入するのが難しいかもしれません。その場合は、SNSのハッシュタグやグループ機能を使ったり、ビジネスチャットツールを活用したりしてコミュニティを作ることができます。運用を軌道に乗せるためにはそれなりのテクニックが求められますが、無料で利用できるツールが多いので、コストをかけられない企業でも手軽に始められるのでしょう。

Step3.ガイドラインを策定する

コミュニティマーケティングを成功させるためには、運用ポリシーや運用ガイドラインといったコミュニティ内のルールを作っておくことも大切です。例えば、禁止事項や免責事項、投稿削除の基準など、後々大きなトラブルが発生しないよう、事前に必ず作成しておきましょう。

Step4.コミュニティを開設する

コミュニティを立ち上げたら、その存在を顧客に認知してもらえるよう宣伝を行っていきましょう。プレスリリースを配信したり、SNSの公式アカウントで発信したり。すでに関係性の構築されている優良顧客がいる場合は、彼らに協力を仰いでみてもよいかもしれません。

コミュニティマーケティングを失敗しないための3つのポイント

コミュニティマーケティングを成功させるためには、コミュニティをいかに活性化させるかが重要になります。闇雲に運用してしまうと「コミュニティが盛り上がらない」、「発展しない」といった失敗に陥ってしまう可能性があるため、ここで実践のポイントを押さえておきましょう。

・長期的な運用を見据える
・ 顧客ロイヤルティの高いユーザーを初期メンバーとして招待する
・サポート役に徹する

1つずつ解説していきます。

長期的な運用を見据える

コミュニティマーケティングは、短期間ですぐに成果が出るわけではありません。コミュニティを立ち上げるだけでは意味がなく、多くのユーザーが自発的に参加・発言し、ユーザー間でのコミュニケーションが活性化することで初めてその真価が発揮されます。

しかし、短期間でその状態にたどり着くことは、ほぼ不可能といっても過言ではありません。企業と顧客の信頼関係を構築し、発信力・訴求力の高いロイヤルカスタマーを育成するためには、それなりの手間と時間を要します。

短期的な成果を求めて導入すると適切なサポートができず失敗してしまう可能性があるため、長期的な運用が必要であることを理解したうえで、じっくり取り組んでいきましょう。

顧客ロイヤルティの高いユーザーを初期メンバーとして招待する

コミュニティの活動を軌道に乗せるためには、初期メンバーの選定も非常に重要です。

手当たり次第に人を増やしても、コミュニティが活性化しなければ効果は見込めません。そのため、まずは自社や自社製品・サービスに対して強い関心を持っている人から集めていくようにしましょう。

また、立ち上げのタイミングで人数を増やしすぎてしまうと、メンバー1人ひとりのコミュニティへの参加意識が薄れてしまうため、最初は少人数でスタートするのがおすすめです。

運用目的によって集めるべき人は異なりますが、まずはコミュニティの活動を勢いづけられるようなリーダー気質の人や情報発信力の高い人を招待しておくとよいかもしれません。

サポート役に徹する

価値あるコミュニティに成長させていくためには、企業担当者の立ち位置も気を付けなければなりません。仮に企業主導で進めてしまうと、企業から顧客への一方的なコミュニケーションとなり、従来の広告施策と同じ状態になってしまう恐れがあります。

これを回避するためには、企業担当者が「サポート役」であることを理解することが大切です。コミュニティは顧客主導で運営してもらい、企業側は縁の下の力持ちとしてコミュニティが正しい方向へと進めるようなサポートを行うようにしましょう。

コミュニティマーケティングの成功事例

最後に、コミュニティマーケティングの成功事例を3つ紹介します。

・カゴメ株式会社
・株式会社良品計画
・kintone

それぞれ見ていきましょう。

カゴメ株式会社

「カゴメ株式会社」では、ファンとの継続的な交流を目的とした会員制ファンコミュニティサイト「&KAGOME」を運営しています。

Webサイトでは、食に関するテーマを中心にファン同士で気軽に交流できる掲示板「トークルーム」や自身で考案したオリジナルレシピや簡単アレンジを投稿できる「レシピのーと」、カゴメ商品や食にまつわるさまざまな疑問を投票形式で解決する「みんなはどっち」など、ユーザーと企業側が双方にコミュニケーションを取れるコンテンツが用意されています。

ファンの声から生まれた商品やプロジェクトもあり、CMなどでおなじみの「カゴメ、カ・ゴ・メ」というサウンドロゴも「&KAGOME」内で実施されたアンケート結果を基に決められたそうです。

(参照:カゴメ株式会社「ニュースリリース|ファンのみなさんとカゴメが一緒に新しい価値を創造するカゴメファンコミュニティサイト「&KAGOME」開設~カゴメと一緒に毎日の食卓を、おいしく、楽しくするコミュニティサイト~」

株式会社良品計画

「無印良品」で知られる「株式会社良品計画」では、顧客参加型の商品開発に力を入れています。

2000年頃には顧客コミュニティサイト「ものづくりコミュニティ」を開設し、そこから「持ち運べるあかり(01)」や「体にフィットするソファ(02)」などのヒット商品が誕生しました。

2014年には、ユーザーの声をモノづくりに活かす仕組みを強化するために「IDEA PARK」を設置。2年間で1万件以上の意見や要望が集まり、それらの声を参考に200点以上の商品を見直したそうです。

(参照:株式会社良品計画「 IDEAPARK|IDEA PARKをリニューアルします。 」

kintone

「サイボウズ株式会社」が提供する業務改善プラットフォーム「kintone」には、「kintone Café」という「kintone」の魅力や各機能の使い方、活用術などをユーザー同士で共有するための勉強会コミュニティがあります。

全国各地に「kintone Café」の支部が設立されており、初心者からプロフェッショナルまで幅広い層のユーザーが参加可能。居住エリアで新しく支部を立ち上げることもできるようになっており、ユーザー主体で勉強会やイベントが開催されています。

(参照:kintone Café

コミュニティマーケティングを活用して顧客との絆を深めよう

今回は、コミュニティマーケティングについて解説してきました。

活動を軌道に乗せるまでは根気強く取り組む必要がありますが、コミュニティを育成し、ロイヤルカスタマーを増やしていくことで、ファンがファンを呼び込むという好循環が期待できます。また、彼らの率直な意見や感想を商品開発やサービス改善に活かすことで、自社製品のブラッシュアップやブランド力の向上にもつなげられるでしょう。

後半でお伝えしたように、既にコミュニティマーケティングを導入し成功させている企業も多く存在します。コミュニティを通じて顧客と真摯に向き合うことでさまざまなメリットが得られるので、現状のマーケティング戦略に行き詰まりを感じている方は、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

ながた
編集プロダクションで旅行ガイドブックの取材・制作に携わった後、Webライターの道へ。お酒と激辛料理をこよなく愛するインドア派。シーズン中はもっぱら野球観戦。

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