ラーメン屋の開業方法とは?必要資金を抑えて成功するコツを徹底解説
「生き残るラーメン屋」を開業するなら押さえるべきポイントがあります。本記事では、ラーメン屋の開業に必要な最低限の知識、開業資金や資格、“費用を抑えながら”生き残るラーメン屋を開業するためのコツに至るまで徹底解説。「ラーメン好きが高じて自分のお店をもちたくなった」「修行を積んだから独立したい」そんなラーメンを愛する独立志向の方は必見です。
目次
ラーメン屋は儲かるのか
今や日本の国民食といってもいい人気のラーメン。しかし、ご存じの方も多いように飲食店であるラーメン屋の開業は、一般的にリスクが大きい業態とされています。「儲かる」の基準は人それぞれですが、他の飲食店にはない「ラーメン屋だからこその開業メリット」があるのも事実です。その利点を押さえて開業していくことで、繁盛店へ近づくことができるでしょう。
回転率が高い
ラーメン屋は、飲食店全体のなかでもお客様の回転率が高い部類に入ります。その分、客単価を上げるための工夫など、努力次第で大きな利益を生み出すことが可能です。これは平均単価もそこまで高くなく、お客様の滞在時間が長い喫茶店などと比べると有利な点と考えられます。
低資金で始められる
ラーメン屋は、飲食店全体でみても、比較的低資金で始められます。前述のとおり、ラーメンという料理の特性上、お客様の回転率が高く、その分席数を抑えられるため、たとえば、10坪以下の小規模店として開業することも可能です。居抜き物件を活用することで初期費用をさらに抑えることもできるでしょう。
こだわりを反映させやすい
ラーメン屋は、スープや麺、具材に「独自のこだわり」をもたせやすい傾向にあります。その分、他店舗と差別化しやすいのがポイントです。一方で、いわゆる激戦区と呼ばれる場所も多く、事前に念入りな競合調査を行っておく必要があります。
訪日外国人消費の回復
観光庁の公表する訪日外国人消費動向調査(平成29年)によると、日本旅行中に一番満足した飲食として、訪日外国人の20%以上が「ラーメン」を選択するという結果が出ています。日本食の代表である「寿司」が17%程度であることと比較すると、ラーメンの人気ぶりが分かります。一時期はコロナ禍によって途絶えた訪日外国人の客足も、水際対策の緩和により回復傾向にあります。そうした背景もあいまって、日本フードサービス協会の調査によると、2023年1月「麺類」の売上高前年同月比は117.4%と増加中です。
参考:官公庁「訪日外国人の消費動向」(平成29年 年次報告書)
参考:日本フードサービス協会「2023年01月市場動向調査」(令和5年2月27日発表)
ラーメン屋の開業に必要な準備
ラーメン屋を開業するには、必要な準備や手続きがあります。ある程度の期間を要する準備もあるため、しっかりと押さえておきましょう。
ラーメン屋での経験・修行
ラーメン屋を開業するのであれば、その業界で経験を積んでおくことが重要です。美味しいラーメン屋、行列のできるお店というのは「味だけ」で人を集めているわけではありません。外部から見ただけではわからない、現場経験を積んでこそ分かる経営や集客に関するノウハウが数多くあるため、あらかじめ経験しておけば、開業失敗のリスクを減らせます。フランチャイズに加盟すれば研修などが整っていますが、オリジナルを追究するのであれば自身が目指したい店舗での経験・修行の大切さを理解しておきましょう。
原材料の仕入方法や調達ルートの確保
ラーメン屋や飲食店の経験がない状態で開業した場合、原材料の仕入方法や調達ルートの確保に苦戦する傾向にあります。ラーメン屋での経験があれば、作り方を学べるだけでなく、業界内の繋がりを形成することができます。そのため独立開業の際には仕入先を紹介してもらうなど、原材料の調達先も目星をつけやすいという事実も頭に置いておきましょう。
飲食店営業許可
ラーメン屋は飲食店にあたるため、開業する際には飲食店営業許可を取得しておく必要があります。「事前相談」と「食品衛生責任者の設置」を実施のうえで、管轄の保健所に申請して検査に合格すれば、飲食店営業許可を取得することができます。無許可営業の場合、「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」が科せられるので、しっかりと準備して必ず申請してください。営業許可に関する詳しい情報は、厚生労働省の「営業規制(営業許可、営業届出)に関する情報」で確認できます。
食品衛生責任者
飲食店営業許可を取得する際に、申請書とともに食品衛生責任者の資格証明書の提出が必要です。食品衛生責任者は主に、以下の資格取得者が選任されます。
- 調理師
- 製菓衛生士
- 栄養士
- 船舶料理士
- と畜場法に規定する衛生管理責任者
- と畜場法に規定する作業衛生責任者
- 食鳥処理衛生管理者
- 食品衛生管理者又は食品衛生監視員の資格要件を満たす者
上記資格を取得していない場合でも、各都道府県の食品衛生協会が実施する「食品衛生責任者養成講習会」を受講することで食品衛生責任者の資格を得ることが可能です。食品衛生管理者に関する詳しい情報は、一般社団法人東京都食品衛生協会のホームページで確認できます。
その他の資格・各種手続き
飲食店営業許可、食品衛生責任者以外にも、ラーメン屋の開業の際に必要となるケースのある資格・各種手続きは以下の通りです。
- 個人事業主の開業届出書(税務署の手続き)
- 防火管理者選任届(各自治体の消防署の手続き※収容人数が30人未満であれば不要※延べ床面積300平方メートル以上は「甲種防火管理者」 が必要※延べ床面積 300平方メートル未満は「乙種防火管理者」が必要)
- 火を使用する設備の設置届(各自治体の消防署の手続き)
- 深夜酒類提供飲食店営業開始届出書(警察署の手続き※午後5時~午後11時までにお酒を提供する場合は不要)
- 労災保険(労働基準監督署の手続き※従業員を雇わない場合は不要)
- 雇用保険(公共職業安定所の手続き※従業員を雇わない場合は不要)
ラーメン屋の開業に必要な資金
ラーメン屋を開業するには、ある程度まとまった開業資金が必要です。たとえば、15~20坪ほどの店舗で開業する場合、開店までに必要な「初期費用」と開業後の「運転資金」を合わせて、おおむね1,500万~2,500万円は必要といわれています。しかし、これは余裕をもってラーメン屋を開業するために必要な金額です。店舗の規模や居抜き物件かどうか、立地の良し悪しなど、さまざまな要素によって必要資金は変わります。たとえば、居抜き物件を利用すれば、内装工事費や設備費用をグッと抑えることができるため、1,000万円以下で開業できる場合があります。
初期費用
ラーメン屋の開業に必要な初期費用として一般的なのは以下の通りです。
- 物件取得費
- 内装工事費
- 外装工事費
- 什器費
- 厨房設備費
- 食器、調理道具、消耗品
- 資格取得費
- 広告宣伝費
「約15~20坪」「家賃約25万円」の物件と仮定した際の初期費用の例は以下の通りです。一つの目安として参考にしてもらえたらと思います。
費用項目 | 金額 |
---|---|
物件取得費 | 275万円 |
内装工事費 | 750万円 |
外装工事費 | 20万円 |
什器費 | 80万円 |
厨房設備費 | 250万円 |
食器、調理道具、消耗品 | 50万円 |
資格取得費 | 3万円 |
広告宣伝費 | 30万円 |
合計 | 1,458万円 |
物件取得費
物件取得費の目安は、家賃の約7〜15か月分とされることが多いようです。家賃が約25万円だとしたら、約175万~375万円ほどかかるという計算です。内約としては「前払い家賃」「保証金・敷金」「礼金」「仲介手数料」が一般的です。もちろん、仲介してくれる不動産屋や取得する物件の規模、立地によって費用は変わりますが、「少なくとも家賃の半年分以上はかかる」と想定していたほうが良いかもしれません。ただし、居抜き物件であれば費用をかなり抑えることができる場合があります。
物件取得費の内約・家賃を基準とした目安となる費用は以下の通りです。
内約 | 家賃を基準とした目安 |
---|---|
前払い家賃 | 家賃の1〜3か月分 |
保証金・敷金 | 家賃の6〜10か月分 |
礼金 | 家賃の1か月分 |
仲介手数料 | 家賃の1か月分 |
内装工事費
壁紙の張替えや照明の設置、厨房の区切りやトイレなどの水回り、カウンターテーブルや固定椅子、エアコンなどなど……内装に関わる工事は多様にわたるため費用も約500万〜1,000万円かかるとされています。しかし、前のテナントの内装をそのまま使える居抜き物件であれば、かなり安い金額に抑えることが可能です。
外装工事費
ファサードや看板などの外観をはじめ、物件の外壁などの外装工事費は、約10万〜30万円で収まることが多いようです。面積によって料金が変わってくるため、自身がこだわりたいポイントを事前にまとめておくと良いでしょう。
什器費
什器(じゅうき)とは、お客様が食事をするテーブルやイスのことです。素材やデザインなどによって価格は変動しますが、10~15席ほどのカウンター席だけであれば30万〜100万程度。カウンターに加えて、テーブル席もあるような15〜20席の店舗の場合は、約150万~200万ほどは用意しておくと良いとされます。
厨房設備費
ガスコンロや茹で麺機、冷凍冷蔵庫など、ラーメン屋の運営には欠かせない厨房機器をそろえるには、おおよそ200万〜250万円の費用がかかることが多いようです。中古で購入したり、リースで借りたりすることも可能なため、初期費用を抑えたい場合は検討してみても良いでしょう。また、ラーメン屋では油脂を多く使用するため、地域によってグリーストラップ(油脂分離阻集器)の設置が義務付けられている場合があります。設備費を考える際に、しっかりとチェックしておくと安心です。
食器、調理道具、消耗品
ラーメン鉢、レンゲなどの食器類はもちろん、寸胴やラーメンてぼといった調理道具、割りばしやティッシュペーパーなどの消耗品も、事前に揃えておく必要があります。一度に大量購入することで割引される品もありますが、約50万~100万は必要と考えておくと良いでしょう。
資格取得費
「食品衛生責任者」「飲食店営業許可」「防火管理者」など、ラーメン屋の営業に必要に必要な資格の取得費も考えておく必要があります。たとえば、営業許可の申請には、申請手続きの手数料を支払わなければなりません。地域によって金額は異なりますが、新規で取得する場合、約1万6,000円~1万9,000円あたりが相場のようです。複数の資格や許可の取得を見越して、3万円程度は準備しておくと安心と考えられます。
広告宣伝費
グルメサイトへの掲載やチラシ・クーポン券の作成、屋外看板の設置など、開業したことを宣伝するための広告費も事前に備えておく必要があります。おおよそ30~40万の初期費用は見積もっておきましょう。広告には様々な手法があるため、「売れている店舗」を参考にするところから始めてみるのがおすすめです。
運転資金
たとえば、毎日の売上を約8万円と仮定した場合、運転資金として毎月140万~170万円ほどの資金が必要とされています。いわゆる固定費にあたるのが運転資金と考えておきましょう。
ラーメン屋に限らず、開業したての飲食店の多くが、2~6ヶ月間の赤字に陥るとされているため、半年分の運転資金(この場合、約850万〜1,000万円)を用意していれば、比較的安心して開業できると考えられます。必要となる費用の内訳と半年間の運転資金の例は以下の通りです。
費用項目 | 半年間の運転資金 |
---|---|
家賃 | 150万円 |
食材費 | 360万円 |
水道光熱費 | 90万円 |
人件費 | 300万円 |
広告宣伝費 | 30万円 |
合計 | 930万円 |
家賃
月々の家賃を約25万円とした場合、半年で約150万円必要です。家賃は、店舗売上の10パーセント以下に設定しておくと良いとされるので、物件選びの段階から念入りに検討しておくと安心です。
食材費
食材費が1日当たり約2万円、原価率を30%と仮定した場合、毎月約60万円の食材費が必要なため、半年分の約360万円を準備しておくと良いでしょう。麺や具材は自家製のものを使うのか、既製品を使うのかなど、食材・原材料へのこだわりによって大きく変わる部分ではあるので、費用をかけてでもこだわりたい食材とそうでない食材を明確にしておくことが大切です。
水道光熱費
15~20坪程度のラーメン屋であれば、毎月15万円前後の水道光熱費がかかることが多いため、半年で約90万円は必要です。スープの仕込みや茹で麺機の使用などで、ガス代が特に高くなる傾向にあります。
人件費
スタッフを雇い、お店の売上の約30%を人件費にあてるとすると、半年で約300万~400万円は必要です。これには毎月の給料のほか、交通費や社会保険料も含まれます。また、人件費は「地域別最低賃金」を下回らないように注意が必要ですので、しっかりと自店舗が属する地域の最低賃金を確認しておきましょう。
広告宣伝費
開業後も継続的な集客を図るため、グルメサイトやホームページ、チラシやフリーペーパーへの掲載など、様々な方法で販促を行うことが大切です。使用する媒体によって費用は変動しますが、一か月あたりの売上の約2%の広告費を見込んでおくと良いとされます。毎月の売上が240万円だとしたら、一か月で約5万円の広告費がかかるため、半年で約30万円は必要となる計算です。
ラーメン屋の開業資金を最低限に抑えるコツ
ラーメン屋の開業には、おおよそ1,500万~2,500万円の資金が必要です。しかしながら「どこにお金をかけたいのか」「どこにお金をかけたくないのか」「どれだけのお金をかけられるのか」は人それぞれ。「1,000万円超えは厳しいな……」とお考えの方も多いと思いますが大丈夫。工夫次第で、開業コストは大きく削減可能です。実際に、数十万~数百万円程度の資金で開業し、人気店にとぼりつめたラーメン屋は存在するのです。ラーメン屋の開業資金を最低限に抑えるコツについて、現実的なものを4つ紹介します。
居抜き物件で費用を抑える
壁紙の張り替え、電気工事・照明設備の設置、水回りの工事など様々な内装工事の費用を抑える手段として、居抜き物件を選択する方法があります。元ラーメン屋の居抜き物件であれば、設備もすでに設置されていることもあるため、場合によっては数100万円程度の費用で開業することが可能です。気になる方は「飲食店ドットコム」や「居抜き本舗」といったポータルサイトで探してみましょう。
融資や補助金・助成金を利用する
ラーメン屋の開業には、日本政策金融公庫からの融資、自治体などの助成金・補助金制度を利用することができます。自治体によっては、商店街起業・承継支援事業に特化した融資・助成制度を設けている場合もあるため、自身が開業しようと考えている自治体の制度については一度確認しておくのをおすすめします。ただし、誰でも融資を受けられるわけではなく、面談や書類を通して現状の資金面、事業計画について詳細事項をすり合わせる必要があることを忘れてはいけません。事業計画書や資金用途について、詳細な情報を提供する必要があるので、これらを検討する際は十分な準備をしておきましょう。資金については、少なくとも初期費用の3分の1以上を自己資金として用意しておくと、審査に通る可能性が高まる傾向にあります。
DIYで内装費を抑える
物件の内装工事を全て内装会社に任せるのではなく、一部を自分自身で行う=DIYをすることで、開業にかかる初期費用を削減することも可能です。まずは予算を鑑みながら、専門業者に頼むものと自分でできるものに分けてみると良いでしょう。その際に注意したいのは、「電気やガス、水回りなどインフラ周りの施工」「安全に関わる箇所の工事」は専門業者へ依頼すべきということです。逆に壁紙(クロス)張りなど、インフラ・安全に関わる箇所以外は、ホームセンターで材料を購入し、自分で作業するというのも一つの手です。時間はかかるかもしれませんが、工夫次第で内装費を大きく削減できるでしょう。
ホームページやSNSで広告費を抑える
一般的なWeb広告やグルメサイトは、運用期間が長期化すればするほど費用が膨らむ傾向にあります。ホームページやSNSであれば、費用を抑えて長期的にラーメン屋のPRが可能です。飲食店のホームページ制作をお考えの方は、以下の記事も参考にしてください。
ラーメン屋を開業する2つの方法
ラーメン屋を開業する方法としては、「自力で開業する」「フランチャイズで開業する」の二択が基本です。それぞれのメリット、デメリットは以下の通りです。
自力で開業 | フランチャイズ | |
---|---|---|
メリット | ・オリジナルの味やコンセプトで開業できる ・仕入れ先から、価格設定に至るまで自由に設定できる ・加盟金、ロイヤリティがかからない(売上がその分残る) | ・成功ノウハウを享受できる ・ブランド力を活用できる ・本部のサポートがある ・研修がある ・短期間で売り上げを作れる可能性がある |
デメリット | ・下積みや修行が必要 ・すべてを一から作り上げていく必要がある | ・加盟金、ロイヤリティが高い ・看板や内装、メニューや味、集客方法などが統一されているため、自由度が低くアイデアを活かしにくい ・フランチャイズでは利用できない融資制度や補助金がある ・解約後一定期間は、同業種で起業できない場合が多い |
オリジナルの味や原材料に熱いこだわりがあるのであれば自力で開業、ある程度のまとまった資金があり、特にラーメンの味や仕入れ先にこだわりがなく、なるべく開業に失敗するリスクを減らしたいという場合はフランチャイズで開業、というのがおすすめです。
自力で開業する
オリジナルの味を追究するなら、自分の力で開業するのがベストでしょう。自力で開業する場合は、以下のような流れが一般的です。
- お店のコンセプト設計・事業計画書の作成
- オリジナルメニューの開発・メニュー構成の検討
- 資金調達の実施
- 店舗物件の決定・内装業者の選定
- 保健所への事前相談
- 食品衛生責任者の選定、飲食店営業許可の取得
- 什器(じゅうき)、厨房設備の導入
- 原材料の仕入方法・調達ルートの確保
- 宣伝広告、販売促進活動
- 開業
自力で開業する際に大切なのは、アイデアと計画性です。特に①お店のコンセプト設計・事業計画書の作成と②オリジナルメニューの開発・メニュー構成の検討が、それ以降の流れを左右します。しかし、すべてを自力でする必要はありません。必要に応じて、開業コンサルや各地域の商工会議所といった専門家の力も借りつつ、オリジナリティ溢れるラーメン屋を目指しましょう。
フランチャイズで開業する
フランチャイズとは、本部(フランチャイザー)と加盟店(フランチャイジー)が契約を結び、加盟金・ロイヤリティを支払うことで、商標の使用権や商品・サービスの販売権を得られるシステムです。ラーメン屋に関しても多くのフランチャイザーが存在します。本部によっては、加盟料が不要だったり物件が用意されていたりするため、費用が大きく変わりますが、一般的には、初期費用と運転資金3ヵ月分を合わせて約1,500万円以上の資金が必要であることが多いようです。基本的なフランチャイズ開業の流れは以下の通りです。
- フランチャイズの説明会
- 個別の面談・面接
- 店舗の立地調査
- 物件の取得
- 事業計画書の作成
- フランチャイズの加盟契約
- 研修
- 店舗の準備
- 開業
フランチャイズの説明会は無料で参加できるため、気軽に足を運べますが、しっかりと事前の情報収集はしておくことをおすすめします。なるべく多くのフランチャイザーを比較検討し、疑問点や不安点は個別相談をして解消していきましょう。
「生き残るラーメン屋」となるためのポイント
回転率が高い、こだわりを反映させやすいなど、ラーメン屋にはラーメン屋ならではの開業メリットもありますが、人気食だからこそのデメリットもあります。それは「競合が非常に多い」ということです。そもそも飲食店の経営は難易度が高めで、3年以内の廃業率は70%という説さえあります。そのようななかでも「生き残るラーメン屋」となるためのポイントを5つ紹介します。
計画を綿密にする
生き残るラーメン屋を開業するには、綿密な計画を立てておく必要があります。備えあれば患いなし。開業資金やその調達方法だけではなく、開業後の売上見込みなども、事前に把握しておけば、実際に開業した後も、ある程度余裕をもって店舗経営が可能です。
利益計画を立てる
利益計画とは、毎月の利益(儲け)がいくらになるのかを計算し計画を立てることです。いくら素晴らしい味を提供しても、店舗として利益が残らなければ経営は成り立ちません。しっかりと事前計画を立てておきましょう。年間の売上、月間の売り上げ、月間の営業利益は以下の計算式で算出できます。
年間の売上 | 年間営業日数×単価×客数/日=年間の売上 |
月間の売上 | 年間の売上÷12=月間の売上 |
月間の営業利益 | 月間売上-経費=月間の営業利益 |
たとえば、年間営業日数260日(週休2日)、客単価900円、客数/日100人、1ヵ月の必要経費100万円とした場合は、年間の売上は2,340万円となり、1ヵ月あたりの売上は約195万円。ここから経費を引いた95万円が営業利益となります。このようにあらかじめ利益計画を立てることで、「このラーメン屋の開業は、本当に実現性があるのか?」を確認することができるのです。店舗を運営していくために最低限必要な売上高や、必要経費だけでなく、「抑えるべき経費」についてもその概算を把握することが可能になるため、早い段階で利益計画を立てておくと安心です。
ターゲットを定める
ラーメンの品質はもちろんのこと、「その味を誰に届けるのか」を考え抜き、ターゲットとなる顧客を設定しておく必要があります。たとえば、学生をターゲットにするのであれば、大盛メニューや味が濃い目のスープなどが人気を博するかもしれません。お店の味、コンセプトに合ったお客様はリピートにつながりやすいというメリットもあるため、ラーメンの品質・味にこだわると同時に、ターゲットにもこだわりましょう。
立地にこだわる
ターゲットを考える際は、出店する立地についても熟考すべきです。特に飲食業は立地産業と呼ばれるくらい、立地が客足を左右しがちです。ターゲットが学生であれば、通学路にある商店街、OLやサラリーマンであればオフィス街や駅前の立地が適していると考えられます。
深夜営業も視野に入れる
お酒を飲んだ後のシメとして、深夜にラーメン屋へ足を運ぶサラリーマンや大学生は多く存在します。また、タクシーや長距離ドライバーの集まりやすい立地であれば、深夜でも客足が途絶えない可能性があります。ターゲットや立地によっては、深夜営業も視野に入れて良いでしょう。
回転率を上げる
ラーメン屋は喫茶店やレストランといった他の飲食店よりも、お客様の回転率が良いという利点があります。この回転率を上げていけばいくほど、売上も比例して上がるため、常に意識しておくと良いでしょう。売上につながりにくいお客様に長時間席を占領されるよりも、数十分で食べて帰ってくださるお客様を増やすことで、回転率が上がるのです。こうした視点をもっておけば、ラーメンの提供スピードやお客様の動線など、様々な側面から店舗経営を工夫する大切さに気付くはずです。
客単価を上げる
ラーメン屋では回転率とともに、客単価も重要です。一般的に客単価を上げるには、トッピングやセットメニューが有効とされます。とはいえ、お客様にトッピングやセットを注文してもらうには、それなりの“お得感”も大切です。原価率とバランスを取りつつ、お客様に喜んでもらえるトッピングメニューを提供できるのが理想でしょう。
お客様を集める方法を知る
生き残るラーメン屋になるためには、「より多くの人々にお店を知ってもらう」ことが大切です。たとえ素晴らしい味を提供するラーメン屋を開業しても、そもそも人々に知られていなかったのならお客様は来ません。「認知する→興味をもつ→来店する」というお客様の心理プロセスを忘れてはいけないのです。そのためにも、チラシやグルメサイト、ホームページやSNSといったお客様を呼び込むためのツールは必須といえます。特にWebによる集客力を身に付ければ、地域のお客様と遠方からのお客様の両方へ効率よくアピールできるため、開業前から準備しておくと安心です。
まとめ
手間暇をかけてでも、唯一の味を追い求めたい。そのこだわりで一人でも多くの人々をうならせたい。そんな熱い想いをもっているのなら、入念な計画のもと丁寧に開業準備を進めていく必要があります。開業資金はもちろん、開業後の利益計画についてもしっかりと算出しておきましょう。費用を抑えつつ、自分の想いを形にする開業は、もちろん簡単ではありません。しかし、その苦労の先にあなたが魂を込めて作った一杯で、お客様から「美味しかった」「また来ます」という言葉を引き出せたとき、その喜びは格別です。この記事を糧に、熱い心で、一人でも多くの方に愛されるラーメン屋を目指してほしいと思います。
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