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Google広告7種類の特徴や仕組みを解説!広告の選び方も紹介

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Google広告は、Googleが提供しているWeb広告のことです。リスティング広告やディスプレイ広告、動画広告やショッピング広告など複数の種類があります。Google広告を始めようと管理画面を開いたとき、さまざまな広告タイプが並んでいて「どれを選べばいいの?」と迷った人もいるはずです。

本記事では、Web広告の初心者の方に向けて、Google広告の全種類をわかりやすく解説します。各広告の仕組みやメリット・デメリット、おすすめのケースまで詳しく紹介しますので、自社に最適な広告選びの参考にしてみてください。

目次

Google広告の種類は全7タイプ【2025年版一覧】

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Google広告は2025年現在、主に7つのタイプに分類されます。まずは全体像を把握するため、各広告タイプの特徴を比較表で確認してみてください。

広告タイプ 主な配信先 フォーマット 主な目的 課金方式
検索広告 Google検索結果 テキスト 購入・申込 CPC
ディスプレイ広告 提携サイト・アプリ 画像・動画 認知拡大 CPC・CPM
動画広告 YouTube 動画 認知・ブランディング CPV・CPM
ショッピング広告 Google検索・ショッピング 商品画像+価格 商品販売 CPC
アプリ広告 Google全サービス 画像・動画・テキスト アプリDL促進 CPC・CPM
ローカル広告 Google検索・マップ 店舗情報+画像 来店促進 CPC
P-MAX広告 Google全サービス 自動最適化 CV最大化 CPC・CPM

検索結果に表示されるテキスト広告から、YouTubeで流れる動画広告、ECサイト向けのショッピング広告まで、目的や商材に応じて使い分けることが可能です。

自社のビジネスや目的に合わせて、どの広告が適しているかの選択が重要です。この後、Google広告の種類別に特徴や仕組みなどを解説していきます。

検索広告(リスティング広告)

検索広告(リスティング広告)のイメージ

検索広告は「リスティング広告」とも呼ばれ、Google広告の中で最も代表的な広告タイプです。ユーザーがGoogleで検索したキーワードに連動して、検索結果の上部や下部にテキスト形式で表示されます。能動的に情報を探しているユーザーに直接アプローチできるため、コンバージョン(購入や申込)につながりやすい特徴があります。

検索広告の仕組みと表示される場所

検索広告は、あらかじめ設定したキーワードとユーザーの検索語句が一致したときに広告が表示される仕組みです。例えば「Web広告 代行」というキーワードを設定すれば、そのキーワードで検索したユーザーの画面に広告が掲載されます。

表示位置は検索結果ページの最上部または最下部で、URLの前に「スポンサー」という表記が付きます。広告の掲載順位は、入札価格だけでなく広告の品質スコアやランディングページの関連性なども総合的に評価されて決定される仕組みです。検索語句との関連性が高く、ユーザーにとって有益な広告ほど上位に表示されやすくなっています。

検索広告のメリットと注意点

検索広告の最大のメリットは、購買意欲の高いユーザーにピンポイントでアプローチできる点です。すでに特定の商品やサービスを探しているユーザーが対象になるため、他の広告タイプと比較してコンバージョン率が高い傾向にあります。

予算面でも柔軟性が高く、最低出稿金額の制限がないため少額からスタートできます。クリック課金制なので、広告が表示されただけでは費用が発生せず、実際にクリックされた分だけ支払う仕組みです。配信の停止や予算調整もリアルタイムで対応でき、費用対効果を確認しながら運用を進められます。

ただし注意点として、継続的な運用管理が必要になります。キーワードの検索ボリュームは季節やトレンドによって変動するため、定期的な見直しが欠かせません。競合が多いキーワードではクリック単価が高騰することもあるため、予算管理と効果測定を並行して行う必要があります。

検索広告がおすすめのケース

検索広告は、明確なニーズを持つユーザーに商品やサービスを訴求したい場合に最適です。具体的には、BtoB企業のリード獲得、ECサイトでの商品販売、サービスの問い合わせ獲得など、コンバージョンを重視する施策で高い効果を発揮します。

とくに指名検索(自社名や商品名での検索)への対応は重要です。すでにブランドを認知しているユーザーが確実に自社サイトへアクセスできるよう、指名キーワードでの広告配信は優先的に実施することをおすすめします。

ディスプレイ広告(GDN)

ディスプレイ広告(GDN)のイメージ

ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリ上の広告枠に画像や動画形式で表示される広告です。GoogleディスプレイネットワークはGDNと略され、YouTube、Gmail、食べログ、ライブドアブログなど、200万以上の提携サイトに広告を配信できます。検索広告とは異なり、まだ明確なニーズを持っていない潜在層へのアプローチに強みがあります。

ディスプレイ広告の仕組みと配信先

ディスプレイ広告は、ユーザーの興味関心や過去の行動履歴、閲覧しているコンテンツの内容などに基づいて配信されます。Googleが提供するサービス(YouTube、Gmailなど)をはじめ、Googleアドセンスを導入している個人ブログや企業サイトまで、幅広い配信先が用意されている点が特徴です。

配信方法には、特定の属性を持つユーザーに配信する「ユーザーターゲティング」と、特定のジャンルのサイトに配信する「コンテンツターゲティング」があります。年齢・性別・地域などの基本情報に加え、興味関心カテゴリやリマーケティングリストなど、詳細なターゲティング設定が可能です。

ディスプレイ広告のメリットと注意点

ディスプレイ広告は視覚的な訴求力が高く、画像や動画を活用してブランドイメージを効果的に伝えられます。テキストのみの検索広告と比べて、商品の魅力やサービスの雰囲気を直感的に理解してもらいやすい点が大きなメリットです。

配信規模の広さも魅力の一つです。Googleディスプレイネットワークは世界中のインターネットユーザーの90%以上にリーチできるとされており、認知拡大やブランディング施策に適しています。クリック単価も検索広告と比較して低めに設定されているケースが多く、予算を抑えながら多くのユーザーに接触できるはずです。

一方で、能動的に情報を探しているわけではないユーザーにも広告が表示されるため、検索広告と比べてコンバージョン率は低くなる傾向があります。画像やバナーデザイン、ターゲティング設定など、検証すべき要素が多い点も考慮が必要です。

ディスプレイ広告がおすすめのケース

ディスプレイ広告は、新商品やサービスの認知度を高めたい場合や、ブランドイメージを確立したい場合に有効です。また、一度サイトを訪問したユーザーに再度アプローチするリマーケティング施策でも高い効果を発揮します。

視覚的な訴求が重要な商材、例えばファッション、インテリア、旅行、グルメなどの分野ではとくに相性が良いでしょう。検索広告でコンバージョンに至らなかったユーザーをディスプレイ広告でフォローする、といった複合的な活用もおすすめです。

動画広告(YouTube広告)

動画広告(YouTube広告)のイメージ

動画広告は、YouTubeをはじめとするGoogle動画パートナーサイトで配信される広告です。動画コンテンツの視聴前後や途中に表示されるため、音声と映像を組み合わせた訴求力の高いメッセージを届けられます。近年の動画視聴ユーザーの増加に伴い、企業のマーケティング施策として重要度が高まっている広告タイプです。

動画広告の種類と再生タイミング

動画広告にはいくつかの配信フォーマットが用意されています。代表的なものが「インストリーム広告」で、ユーザーが選択した動画の前後または途中で再生される形式です。5秒後にスキップできるタイプと、スキップできないタイプがあります。

その他に「バンパー広告」という6秒以内の短尺広告があり、スキップ不可で最後まで視聴されます。また「ディスカバリー広告」は、YouTube検索結果や関連動画の横に表示されるサムネイル形式の広告で、ユーザーがクリックすると動画が再生される仕組みです。

配信先はYouTubeが中心ですが、Google動画パートナーに登録されている外部サイトやアプリにも広告を表示できます。ターゲティング設定により、特定の属性や興味関心を持つユーザー、あるいは特定のチャンネルやジャンルの動画を視聴しているユーザーに絞って配信することが可能です。

動画広告のメリットと注意点

動画広告の最大の強みは、短時間で多くの情報を伝えられる点です。テキストや静止画では表現しきれない商品の使い方、サービスの雰囲気、ブランドの世界観などを、視覚と聴覚を通じて効果的に訴求できます。

YouTubeは国内でも幅広い年齢層に利用されており、リーチの広さも魅力です。Google広告の詳細なターゲティング機能を活用すれば、自社のターゲット層に効率的にアプローチできます。視聴データも詳細に取得できるため、どこで離脱されたか、どの属性のユーザーが最後まで視聴したかなど、改善に役立つ情報を得られます。

ただし動画制作には一定のコストと時間がかかります。テキストや画像広告と比較して制作ハードルが高く、専門的な知識や機材が必要になるケースもあります。動画の内容やクリエイティブの質によって成果が大きく左右されるため、ターゲット層に響くメッセージ設計が重要です。

動画広告がおすすめのケース

動画広告は、ブランド認知度の向上や商品・サービスの理解促進を目的とした施策に適しています。新商品のプロモーション、企業のイメージアップ、採用活動など、ストーリー性のある訴求が効果的な場面で活用されています。

使い方のデモンストレーションが必要な商品や、導入事例を紹介したいBtoB企業にもおすすめです。検索広告やディスプレイ広告で認知を獲得したユーザーに、動画広告で詳細な情報を届けるという段階的なアプローチも有効です。

ショッピング広告

ショッピング広告のイメージ

ショッピング広告は、ECサイトで販売している商品を画像付きで表示できる広告です。Google検索結果やGoogleショッピングタブに、商品画像・価格・店舗名などの情報がまとめて掲載されます。視覚的に商品の魅力を伝えられるため、EC事業者にとって非常に効果的な広告タイプといえます。

ショッピング広告の仕組みと表示形式

ショッピング広告を配信するには、GoogleマーチャントセンターにECサイトの商品情報を登録する必要があります。商品名、価格、画像、在庫状況などのデータをフィード(商品データベース)として作成し、Google広告アカウントと連携させる仕組みです。

ユーザーが商品に関連するキーワードで検索すると、登録された商品情報が自動的にマッチングされて広告が表示されます。検索結果の上部に複数の商品が横並びで表示されることが多く、ユーザーは価格や外観を比較しながら商品を選べます。

広告には商品画像、タイトル、価格、販売店名が表示され、クリックすると該当商品のページに直接遷移する流れです。テキストで訴求する通常の検索広告と異なり、視覚的な情報が先行するため、商品の第一印象が成果を左右します。

ショッピング広告のメリットと注意点

ショッピング広告は、商品の視覚情報を先に提示できるため、購買意欲の高いユーザーを効率的にサイトへ誘導できます。価格も事前に表示されるので、クリック後のミスマッチが少なく、コンバージョン率が高まりやすい傾向があります。

検索広告と比較して表示面積が大きく、目立ちやすい点もメリットです。複数の商品を同時に表示できるため、ユーザーに選択肢を提供しながら、自社の商品ラインナップ全体をアピールできます。競合商品と並んで表示されることもありますが、魅力的な商品画像と適切な価格設定があれば十分に差別化可能です。

注意点として、Googleマーチャントセンターの設定やフィード管理には一定の知識が必要です。商品データの更新が遅れると、在庫切れの商品が表示されたり、価格情報が古いままになったりするリスクがあります。定期的なフィードの更新とデータの正確性維持が求められるでしょう。

ショッピング広告がおすすめのケース

ショッピング広告は、ECサイトを運営しており、具体的な商品を販売している事業者に最適です。とくにファッション、家電、インテリア、化粧品など、視覚的な訴求が購買判断に影響する商材で高い効果を発揮します。

多数の商品を扱っているECサイトや、価格競争力のある商品を持っている場合は相性が良いです。検索広告と併用することで、テキスト訴求と視覚訴求の両面からユーザーにアプローチできます。

アプリ広告

アプリ広告のイメージ

アプリ広告は、スマートフォンアプリのダウンロードや利用促進を目的とした広告です。Google検索、YouTube、Google Play、Googleディスプレイネットワークなど、Googleが提供する複数のプラットフォームに自動的に配信されます。アプリの認知拡大からインストール促進、アプリ内でのアクション促進まで、幅広い目的で活用できる広告タイプです。

アプリ広告の配信先と表示形式

アプリ広告の大きな特徴は、配信先やフォーマットをGoogleの機械学習が自動で最適化する点です。広告主が用意したテキスト、画像、動画などのアセットを組み合わせて、各配信面に適した形式で広告が表示されます。

配信先はGoogle検索結果、YouTube動画の前後、Google Playストア内の検索結果、ディスプレイネットワークの広告枠など多岐にわたります。ユーザーがアプリをダウンロードする可能性が高いタイミングや場所を機械学習が判断し、効果的な配信を実現する仕組みです。

広告をクリックすると、iOSならApp Store、AndroidならGoogle Playのアプリページに直接遷移します。すでにアプリをインストール済みのユーザーには、アプリ内の特定のページに誘導する広告も配信できるため、休眠ユーザーの再活性化にも活用可能です。

アプリ広告のメリットと注意点

アプリ広告の最大のメリットは、Google全体のネットワークを活用して効率的にアプリユーザーを獲得できる点です。配信の最適化が自動で行われるため、広告運用の経験が浅い担当者でも比較的扱いやすい広告タイプといえます。

インストール数やアプリ内でのアクション数など、具体的な成果を目標として設定できるため、効果測定もわかりやすいでしょう。目標に向けてGoogleの機械学習が継続的に配信を改善していくため、運用の手間を抑えながら成果を追求できます。

ただし、自動最適化が前提となっているため、細かい配信設定やクリエイティブのコントロールは限定的です。機械学習が十分に機能するまでには一定のデータ蓄積期間が必要なため、初期段階では期待通りの成果が出にくいケースもあります。

アプリ広告がおすすめのケース

アプリ広告は、アプリのダウンロード数を増やしたい、あるいはアプリの利用率を高めたいと考えている事業者に適しています。新規リリースしたアプリの認知拡大や、既存ユーザーの再訪促進など、アプリビジネスのあらゆるステージで活用できます。

ゲームアプリ、フィットネスアプリ、ECアプリ、デリバリーアプリなど、ジャンルを問わず幅広く対応可能です。機械学習による自動最適化を活用したい場合や、複数の配信面を一括で管理したい場合にとくにおすすめします。

ローカル広告

ローカル広告のイメージ

ローカル広告は、実店舗への来店促進を目的とした広告です。Google検索、Googleマップ、YouTube、ディスプレイネットワークなどに、店舗の所在地情報や営業時間、商品情報を含めた広告を配信できます。近隣にいるユーザーや、特定の地域に関心を持つユーザーに効果的にアプローチできる広告タイプです。

ローカル広告の仕組みと表示場所

ローカル広告を配信するには、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)への登録が必要です。店舗の住所、電話番号、営業時間、写真などの情報をあらかじめ登録しておくことで、広告にこれらの情報が自動的に反映されます。

ユーザーが「近くのカフェ」「渋谷 美容院」といった地域に関連するキーワードで検索すると、地図上に店舗の位置が表示され、広告として優先的に掲載される仕組みです。Googleマップアプリでも広告が表示されるため、移動中のユーザーにリーチできます。

広告には店舗までのルート案内ボタンや電話発信ボタンが表示され、ユーザーが簡単にアクションを起こせる設計になっています。店舗の営業時間内のみ広告を配信するといった細かい設定も可能です。

ローカル広告のメリットと注意点

ローカル広告は、実店舗へ来店する可能性が高いユーザーに絞って広告を配信できる点が大きなメリットです。地域を限定することで広告費用を効率的に使え、無駄な配信を抑えられます。

スマートフォンの位置情報を活用できるため、店舗の近くにいるユーザーにタイムリーな広告を届けられます。ルート案内や電話発信など、来店につながる直接的なアクションボタンが用意されている点も、コンバージョン率を高める要因です。

注意点として、Googleビジネスプロフィールの情報が正確かつ最新である必要があります。営業時間や定休日の情報が古いままだと、せっかく広告を見て来店したユーザーをがっかりさせてしまうでしょう。店舗情報の定期的な更新と、口コミへの対応なども含めた総合的な管理が求められます。

ローカル広告がおすすめのケース

ローカル広告は、飲食店、美容院、小売店、フィットネスジム、クリニックなど、実店舗を構えているあらゆるビジネスに適しています。とくに競合が多いエリアで営業している場合や、新規出店した店舗の認知度を高めたい場合に効果的です。

複数の店舗を展開しているチェーン店でも活用でき、地域ごとに異なる訴求メッセージを配信できます。セールやキャンペーンの告知、季節限定メニューの案内など、タイムリーな情報発信にも向いています。

P-MAX広告(パフォーマンス最大化)

P-MAX広告(パフォーマンス最大化)のイメージ

P-MAX広告は、Performance Max(パフォーマンス最大化)キャンペーンの略称で、Google広告の中でも比較的新しい広告タイプです。検索、ディスプレイ、YouTube、Gmail、Discover、マップなど、Googleが提供するすべての広告配信面に自動的に広告を配信し、コンバージョンの最大化を目指します。機械学習を最大限活用した、次世代型の広告配信手法といえます。

P-MAX広告の仕組みと配信先

P-MAX広告では、広告主がテキスト、画像、動画などの素材(アセット)と、目標とするコンバージョンを設定します。するとGoogleの機械学習が、どの配信面で、どのユーザーに、どのクリエイティブ組み合わせを表示すれば最も効果的かを自動的に判断して配信する仕組みです。

従来は検索広告、ディスプレイ広告、動画広告など、それぞれ個別にキャンペーンを作成する必要がありました。P-MAX広告では一つのキャンペーン設定で全配信面をカバーできるため、運用の手間を大幅に削減できます。

配信先はGoogle検索、ショッピング、ディスプレイネットワーク、YouTube、Gmail、Discoverなど多岐にわたります。ユーザーの行動履歴や興味関心、検索意図などを総合的に分析し、コンバージョンにつながる可能性が高いタイミングで広告が表示される仕組みです。

P-MAX広告のメリットと注意点

P-MAX広告の最大のメリットは、Googleの全配信面を横断して自動最適化される点です。広告運用の専門知識がなくても、機械学習の力を借りて効率的な配信が可能になります。複数のキャンペーンを個別に管理する必要がなく、運用負荷を軽減できるでしょう。

コンバージョンデータが蓄積されるほど機械学習の精度が向上するため、長期的に運用することで成果が安定していきます。新しい顧客層の発見にもつながりやすく、これまで想定していなかったユーザー層にリーチできる可能性もあります。

一方で、配信の詳細設定や細かいコントロールは限定的です。どの配信面でどれだけ表示されたかの詳細なレポートは確認できますが、配信面ごとの入札調整などはできません。機械学習の精度を高めるためには一定の予算とデータ量が必要なため、少額予算での運用には不向きな場合があります。

P-MAX広告がおすすめのケース

P-MAX広告は、コンバージョンの最大化を目指しており、十分な予算がある事業者におすすめです。ECサイト、BtoB企業、リード獲得を目的としたサービスなど、明確なコンバージョン目標がある場合に適しています。

すでに他の広告タイプで一定の成果が出ており、さらなる拡大を目指す段階での導入が効果的です。機械学習に配信を任せたい場合や、運用リソースが限られている場合にも向いています。

Google広告の課金方式は主に3種類

Google広告の課金方式のイメージ

Google広告を運用する上で理解しておきたいのが課金方式です。広告タイプによって採用されている課金方式が異なり、それぞれ費用が発生するタイミングや計算方法が変わります。自社の目的や予算に合わせて、適切な課金方式を選択することが費用対効果を高めるポイントです。

ここでは、Google広告で採用されている主要な3つの課金方式について解説します。それぞれの特徴を理解し、広告運用の判断材料にしてみてください。

クリック課金(CPC)

クリック課金は「Cost Per Click」の略でCPCとも呼ばれ、ユーザーが広告をクリックした際に費用が発生する方式です。検索広告やショッピング広告で主に採用されており、Google広告の中で最も一般的な課金方式といえます。

広告が何度表示されてもクリックされなければ費用はかからないため、無駄な支出を抑えられます。ユーザーが実際に興味を持ってアクションを起こした分だけ支払う仕組みなので、費用対効果を把握しやすいでしょう。クリック単価は競合の入札状況や広告の品質スコアによって変動し、人気の高いキーワードほど単価が上昇する傾向があります。

インプレッション課金(CPM)

インプレッション課金は「Cost Per Mille」の略でCPMとも呼ばれ、広告が1,000回表示されるごとに費用が発生する方式です。ディスプレイ広告や動画広告の一部で採用されており、認知拡大やブランディングを目的とした施策に適しています。

クリック課金と異なり、クリックされなくても表示回数に応じて課金される点が特徴です。多くのユーザーに広告を見てもらうことを重視する場合に選択されます。表示回数あたりの単価はクリック課金より低く設定されるケースが多いため、大規模なリーチを目指す際に費用効率が良くなるはずです。

視聴課金(CPV)

視聴課金は「Cost Per View」の略でCPVとも呼ばれ、動画広告が一定時間視聴された際に費用が発生する方式です。YouTube広告で主に採用されており、ユーザーが30秒以上(30秒未満の動画は最後まで)視聴した場合、または動画内の要素をクリックした場合に課金されます。

動画が表示されただけや、数秒で離脱された場合は費用が発生しないため、興味を持ったユーザーに対してのみコストがかかる仕組みです。スキップ可能なインストリーム広告では視聴課金が適用され、スキップ不可能なバンパー広告ではインプレッション課金が採用されています。動画の内容やターゲティング設定によって視聴単価は変動するでしょう。

Google広告を始める前の準備のイメージ

Google広告を始める前の準備

Google広告には7つのタイプがあり、それぞれ得意とする役割が異なります。広告を選ぶ際は、自社のマーケティング目的を明確にすることが最も重要です。認知を広げたいのか、購入につなげたいのか、来店を促したいのか。目的によって最適な広告タイプは変わります。

ここでは、代表的な3つの目的別に、おすすめのGoogle広告タイプとその選び方を紹介します。自社の状況に当てはめながら参考にしてみてください。

認知拡大が目的の場合

新商品やサービスを市場に投入する際、まず多くの人に知ってもらうことが必要です。認知拡大を目的とする場合は、ディスプレイ広告と動画広告の組み合わせが効果的です。

ディスプレイ広告は200万以上の提携サイトに広告を配信できるため、幅広いユーザーにリーチできます。視覚的な訴求力が高く、ブランドイメージを印象づけやすい点も認知施策に適しています。動画広告を併用すれば、より詳細な情報を伝えられ、記憶に残りやすいメッセージを届けられます。

とくに新規参入する市場や、競合が多い分野では、継続的な露出が重要です。インプレッション課金を活用し、まずは多くのユーザーの目に触れる機会を増やすことを優先すると良いでしょう。

購入・申込が目的の場合

商品の購入やサービスへの申込など、具体的なコンバージョンを目的とする場合は、検索広告が最も効果的です。すでにニーズを持って検索しているユーザーにアプローチできるため、コンバージョン率が高くなります。

ECサイトを運営している場合は、検索広告に加えてショッピング広告の併用もおすすめです。視覚的な商品情報を提示できるため、購買意欲を高めやすくなります。検索広告とショッピング広告を組み合わせることで、検索結果ページでの露出を増やし、競合との差別化も図れます。

さらに成果を高めたい場合は、P-MAX広告の導入も検討してみてください。機械学習が全配信面を横断して最適化を行うため、新たな顧客層の発見にもつながります。

来店促進が目的の場合

実店舗への来店を増やしたい場合は、ローカル広告が最適です。地域を絞った配信ができるため、広告費用を効率的に使えます。Googleマップと連携することで、店舗までのルート案内や電話発信など、来店に直結するアクションを促せる点も大きな強みです。

ローカル広告と併せて、検索広告で地域名を含むキーワードを設定するのも効果的です。例えば「渋谷 カフェ」「新宿 美容院」といったキーワードで広告を配信すれば、その地域で店舗を探しているユーザーにピンポイントでアプローチできます。

セールやキャンペーンの告知には、ディスプレイ広告や動画広告を組み合わせることで、より多くの地域住民に情報を届けられます。複数の広告タイプを戦略的に活用することが、来店数増加の鍵になります。

Google広告を始める前の準備

Google広告を始める前の準備のイメージ

Google広告を効果的に運用するには、配信を開始する前の準備が重要です。アカウント開設や広告作成だけでなく、予算設定や効果測定の仕組みづくりまで含めて準備しておくことで、スムーズな運用開始と継続的な改善が可能になります。

ここでは、Google広告を始める前に押さえておきたい3つの準備項目を解説します。初めて広告を運用する方は、これらのポイントを確認してから配信をスタートさせましょう。

アカウント開設に必要なもの

Google広告を始めるには、まずGoogle広告アカウントの開設が必要です。アカウント開設には、Googleアカウント(Gmailアドレス)、広告を掲載したいWebサイトのURL、支払い情報の3つを準備しておきましょう。

Google広告の公式サイトにアクセスし、「今すぐ開始」ボタンから登録を進めます。メールアドレスとWebサイトのURLを入力後、広告の目標や予算、配信地域などの基本情報を設定する流れです。最後に請求先住所と支払い方法を登録すれば、アカウント開設は完了します。

支払い方法は、クレジットカード、デビットカード、銀行振込から選択可能です。クレジットカードを登録する場合、自動支払い設定にすることで、一定金額に達したタイミングまたは毎月決まった日に自動的に請求される仕組みになります。事前に経理担当者と支払い方法を確認しておくとスムーズです。

広告予算の目安と設定方法

Google広告には最低出稿金額の制限がないため、月額数千円からでもスタートできます。初めて広告を運用する場合は、まず少額で試験的に配信し、効果を見ながら徐々に予算を増やしていく方法がおすすめです。

予算設定の目安として、目標とするコンバージョン数から逆算する方法があります。例えば月に10件のコンバージョンを目標とし、コンバージョン単価が5,000円と想定する場合、月額予算は50,000円程度が目安になります。業界や商材によってクリック単価やコンバージョン率は大きく異なるため、競合調査や類似事例のリサーチも参考にしてください。

キャンペーン単位で1日の予算を設定できるため、予算の使いすぎを防げます。配信開始後は日々の消化状況を確認し、成果が出ている広告には予算を増やし、効果の低い広告は予算を減らすといった調整を行うことで、費用対効果を高められます。

効果測定のための準備

広告を配信したら、その効果を正確に測定する仕組みが必要です。Google広告の管理画面では、クリック数や表示回数といった基本的な指標は確認できますが、コンバージョン(購入や申込)を計測するには、コンバージョントラッキングの設定が必須です。

コンバージョントラッキングを設定するには、Google広告のタグをWebサイトに設置します。サンクスページ(購入完了ページや申込完了ページ)にタグを設置することで、広告経由でコンバージョンが発生したことを計測できる仕組みです。技術的な知識が必要な作業のため、Web制作会社やエンジニアに依頼することも検討しましょう。

さらに詳細な分析を行いたい場合は、Googleアナリティクスとの連携もおすすめです。広告をクリックした後のユーザー行動、サイト内での回遊状況、離脱ポイントなどを把握できるため、広告だけでなくWebサイト全体の改善にもつなげられます。効果測定の準備を整えてから配信をスタートすることで、データに基づいた運用改善が可能になります。

Google広告に関係する用語

Google広告に関係する用語を調べるイメージ

Google広告の運用を始めると、さまざまな専門用語に出会います。広告管理画面を操作する際や、効果測定のレポートを読む際に、基礎的な用語を理解しておくとスムーズに作業を進められます。

ここでは、初心者の方がつまずきやすい代表的な用語を3つ取り上げて解説します。これらの用語を押さえておけば、Google広告の理解が一段と深まります。

GDNとGDAの違いとは

GDNは「Google Display Network(Googleディスプレイネットワーク)」の略で、Google広告のディスプレイ広告を配信できる提携サイトやアプリのネットワーク全体を指します。一方、GDAは「Google Display Ads(Googleディスプレイ広告)」の略で、そのネットワーク上に配信される広告そのものを指す言葉です。

簡単に言えば、GDNは「配信先のネットワーク」、GDAは「配信される広告」という違いがあります。実務では「GDNに広告を配信する」「GDAのクリエイティブを作成する」といった使い分けがされますが、どちらもディスプレイ広告に関連する用語として理解しておけば問題ありません。

マッチタイプは3種類ある

マッチタイプとは、検索広告でキーワードを設定する際に、ユーザーの検索語句とどの程度一致したときに広告を表示するかを決める設定です。現在のGoogle広告では、完全一致、フレーズ一致、部分一致の3種類が用意されています。

完全一致は、設定したキーワードと同じ意味の検索語句に対して広告を表示する方式です。フレーズ一致は、設定したキーワードと同じ意味が含まれる検索語句に広告を表示します。部分一致は、設定したキーワードに関連する検索語句全般に広告を表示する最も範囲が広い設定です。

マッチタイプの選択によって、広告が表示される範囲が大きく変わります。完全一致は精度が高い反面リーチが限定的で、部分一致は多くのユーザーにリーチできる反面、関連性の低い検索にも表示される可能性があります。運用しながら検索語句レポートを確認し、適切なマッチタイプを見極めていくことが重要です。

キャンペーンと広告グループの関係

Google広告のアカウント構造は、上から順に「アカウント」「キャンペーン」「広告グループ」「広告」という階層になっています。この構造を理解しておくと、広告の管理や設定がスムーズに行えるはずです。

キャンペーンは広告配信の大枠を決める単位で、予算、配信地域、配信スケジュールなどを設定します。一つのキャンペーンの中に複数の広告グループを作成でき、広告グループごとに異なるキーワードやターゲティング設定が可能です。

例えば「春の新商品プロモーション」というキャンペーンを作成し、その中に「Tシャツ」「パンツ」「アクセサリー」といった商品カテゴリ別の広告グループを設けるイメージです。各広告グループには、それぞれの商品に関連するキーワードと広告文を設定します。この階層構造を意識することで、効率的な運用と正確な効果測定が実現できるでしょう。

まとめ|Google広告は目的に応じて種類を使い分けよう

Google広告は目的に応じて種類を使い分けるイメージ

Google広告には検索広告、ディスプレイ広告、動画広告、ショッピング広告、アプリ広告、ローカル広告、P-MAX広告という7つの主要タイプがあり、それぞれ異なる強みを持っています。

認知拡大を目指すならディスプレイ広告や動画広告、購入や申込につなげたいなら検索広告やショッピング広告、来店を促進したいならローカル広告といったように、目的に応じて最適な広告タイプを選択することが成果への近道です。

初めてGoogle広告を運用する方は、まず検索広告から始めてみることをおすすめします。コンバージョンにつながりやすく、効果測定もわかりやすいため、広告運用の基礎を学ぶのに適しています。慣れてきたら他の広告タイプを組み合わせて、より幅広いユーザーへのアプローチを目指してみてください。

広告の種類選びと併せて、課金方式やマッチタイプといった基礎知識も理解しておくことで、運用の精度が高まります。この記事で紹介した内容を参考に、自社に最適なGoogle広告戦略を組み立ててみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

小佐
不動産業界メディアの編集長を5年以上務めたのち、現在はWeb系ジャンルで執筆中。別途アウトドア記事の経験もあり。速筆&高品質(自称)をモットーにのらりくらり生きてます。オフは旅行とお酒を楽しみに自堕落生活。

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