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BIツールとは?導入するメリットとおすすめのBIツール比較9選

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IoTなどのIT技術の発展で情報の集積が容易になった現在、ビッグデータを用いた経営戦略が注目されています。

ビッグデータを持たない会社でも、これまでに社内に蓄積されたデータは経営のために有効活用が可能です。

蓄積されたデータを参考にした経営戦略をサポートするものとして、BIツールがあります。今回はBIツールを導入するメリット・デメリットや、おすすめのBIツールを紹介します。

BIツールとは

BIツールに興味はあるけど、具体的にどんなものか把握できていないという人のために、まずはBIツールを使用する目的と主な機能について見ていきましょう。

BIツールを利用する目的

BIツールを導入する目的は、会社に集積された膨大なデータを経営の意思決定に活用できるようにすることです。

売上情報や財務状況、予算管理、人事データなど、様々なデータから自社の経営状況を分析し、経営判断や業務改善に役立てることができます。

こうしたデータを、1つ1つ人力で分析するには、途方もない労力が必要になります。そこで登場するのがBIツールです。BIツールを導入することで、データ分析を自動化して行えるようになり、短時間で、かつ精度の高い意思決定が可能になります。

BIツールの主な機能

BIツールの主な機能は以下の4つです。

レポーティング

レポーティングはダッシュボードという視認性の高い分析シートに、統計情報などを表示する機能です。ダッシュボードにまとめることで、KPI(重要業績評価指標)などのデータを俯瞰してみることができ、経営戦略に役立てやすくなります。

OLAP(オンライン分析処理)分析

OLAPは、データベースに蓄積されたデータを元に、”商品”、”価格帯”、”期間”といった複数の属性を持つ多次元データベースのことです。このデータベースを参照することで、いろいろな視点からデータを分析しやすくします。

データマイニング

データマイニングとは、膨大なデータを分析して、法則性を見つけ出す機能です。「Aという商品とBという商品が一緒に購入されているように感じるがそれは本当なのか」という仮説の検証や、誰も気づいていない法則はないか、など新しい法則性の発見のために用いられます。

シミュレーション

シミュレーションでは過去のデータを元に予測を行い、最適な手法や数値を計算することが可能です。たとえば、マーケティングの実績情報があれば、マーケティングにどれだけ費用をかければ、一定期間でどの程度の売上が見込めるかなどの予想ができます。

BIツールを導入するメリット、デメリット

BIツールを導入することで得られるメリットはいくつかありますが、同時にデメリットも存在します。そのメリットとデメリットをそれぞれ紹介していきます。

メリット

社内に散在するデータを集めて分析できる

社内部署でデータを別々に保管していたり、本社と支社でデータベースが分かれているという場合は、情報を包括的に分析することが難しくなります。

BIツールを導入すると、そうした散在するデータを一個所に集めて分析することができ、情報の全体像を把握できるようになるのです。別々だったデータを一元的に分析することで、それまで気づかなかった新たな関連や法則を発見しやすくなるというメリットになります。

データの集計・分析の時間短縮

社内に蓄積されたデータが増えれば増えるほどデータの集計と分析に時間がかかるようになります。オフィスソフトなどで統計をまとめるには、多くの労力が必要ですし、統計にできる範囲にも限界があります。

BIツールを用いることで、こうした時間を短縮することができるのです。そして、節約できたマンパワーを他の業務に回せるというメリットになります。

各部署の現状を可視化できる

社内のデータをまとめて分析・可視化を行うBIツールですが、部署ごとに分けた可視化も可能です。そのため、経営者が経営戦略のためだけに分析結果を参考にするのではなく、各部署も現状を把握することができるようになります。

材料調達の際は経験則を頼りにしない合理的な仕入れが可能になりますし、マーケティングでは過去の実績に基づいてより効果的なものを採用できるなど、部署ごとの仕事の質もアップするのです。

問題・課題を早期発見できる

BIツールを使用すれば経営戦略を助けるプラス材料を見つけることが容易になりますが、同時に会社や部署の問題点となっているマイナス要因も見つけることができるのです。

データを可視化できるようになれば、問題や課題を早めに発見し、解決することも可能になります。

デメリット

導入が難しい

BIツールはサーバーにインストールしてすぐに使えるものではありません。社内に蓄積されたデータをインプットして初めて動き出すシステムです。

また、BIツール利用のためには、社内に散在しているデータをまとめる必要があります。本社と支社でデータベースの構造が異なる場合は、統合をどうするかという課題が出てきて、導入のハードルが上がります。

活用できずに終わってしまうリスク

BIツールと一口に言っても製品によって、得意な処理やUIに細かい違いがあります。目的にあったBIツールでなければ導入した意味がありませんし、UIが複雑だと社員から操作が難しいと不満が出て、結局活用されずに終わるという危険もあります。

コストがかかる

BIツールの導入には一定のコストがかかります。BIツールにはサーバーにインストールするオンプレミス型と、業者が管理するサーバーにアクセスして利用するクラウド型があります。

オンプレミス型はBIツールの購入だけでなく、場合によってはサーバーなどの環境構築も必要となってくるので、数十万から数千万の導入費用がかかるのです。

クラウド型は月額制での支払いになります。導入費用のハードルはオンプレミス型よりも低くなりますが、月額で費用が発生するのでランニングコストがかさんでいきます。

無料で使えるBIツール

まずは試しに利用してみたい場合やコスト面で導入を躊躇している場合は、無料版のあるBIツールを導入してみましょう。

有料版よりは機能が制限されていますが、BIツールとしての最低限の機能は備わっています。無料で利用可能なおすすめのBIツールを4つ紹介します。

Pentaho(ペンタホ)

Pentahoはオープンソースで、全世界500万以上のダウンロードを誇るBIツールです。レポーティングのために必要なデータのETL(抽出・変換・書き出し)はドラッグ&ドロップで行えるので、プログラミングスキルのない人にも扱いやすいツールになります。

幅広いデータベースに対応しており、社内で使用しているデータベースがマイナーだからデータの抽出ができない、という可能性も低いです。分析レポートはユーザーがフォーマットを変更することができるので、レイアウトを見やすくすることができます。

https://www.hitachi.co.jp/products/it/bigdata/platform/pentaho/

Qlick Sense(クリックセンス)

Qlick SenseはAIを活用したBIツールです。ダッシュボードには複数の分析レポートが表示されます。ある分析レポートのデータをクリックすると、他の分析レポートの関連項目がAIによって自動的に拡大される仕組みになっています。

ユーザーが詳しく見たいデータを選択するだけで、関連情報が自動的にピックアップされるので、情報の見落としの心配がありません。

ドラッグ&ドロップ形式のETLにもAIのサポートがあります。抽出したデータをどのように変換するのがおすすめかということをAIが教えてくれるので、初めての操作でも戸惑いを覚えにくいのが特徴です。

https://www.qlik.com/ja-jp/products/qlik-sense

Microsoft Power BI

Microsoft Power BIは組織内外のデータを取り込み、多彩なビジュアルで視覚化できるBIツールです。UIが充実していて、直感的な操作が可能です。データの取り込みはデータベースやファイルの他、外部サービスからの取得も可能となっています。

Power BIのダッシュボードに表示される複数の分析結果は”タイル”と呼ばれ、編集したり削除することが可能です。レポートにはタイルの詳細が表示されます。レポートではフィルターを使うことで、余分な情報を取り除いたり、グラフの拡大や強調ができます。

https://powerbi.microsoft.com/ja-jp/

Googleデータポータル

GoogleデータポータルはGoogle製品を始め、11の外部環境からデータを取り込むことができます。

データベースの知識がなくてもデータ抽出ができる仕組みとなっていて、備え付けの計算指標を選択することでデータ変換を行えます。ダッシュボードやレポートのレイアウトは、ユーザーが一から作成することもできるので、各部署でダッシュボードを使い分けることも可能です。

https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/data-studio/

本格導入するなら!有料のおすすめBIツール5選

本格的なデータ分析を行いたいならば、高度な機能がある有料BIツールを導入しましょう。さまざまな会社で導入されている、おすすめのBIツールを5つ紹介します。

Tableau

Tableauはオンプロミス型とクラウド型両方のバージョンがあるBIツールです。データベースやクラウドなどからデータをインプットすることが可能で、取得したデータはユーザーが設計したETLを使って分析されます。

ETLの設計はマウス操作で行えるので、要領をつかめれば誰でも操作することが可能です。分析結果は、見たい項目をドラッグ&ドロップで選択することでグラフ化して表示されます。また、入力フォームに質問を入力すると、その回答をグラフで表してくれる機能もあります。

https://www.tableau.com/ja-jp

Power BI

無料版でも紹介したMicrosoftのPower BIですが、無料版と有料版はデータの取得からダッシュボード・レポートの作成において、機能的に違いはほとんどありません。

有料版のPower BIの特長は、レポートを社内で共有することができるという点です。無料版Power BIでもレポートをネット上に公開できますが、その際に発行されるURLは社内外に関係なくアクセスできるというもので、機密性にリスクが生じます。

高い機密性を保持したまま、社内でレポートを共有したいという場合は有料版のPower BIを利用しましょう。

https://powerbi.microsoft.com/ja-jp/

Actionista!

Actionista!はクライアントフリーのライセンス形態をとっているため、1ライセンス購入するだけで、社員全員がデータ分析を行えます。

BIツールを導入しても分析できる人間が少数に限られるなら、分析結果も経営の意思決定などの一部の利用だけにとどまります。しかし、大勢の社員がデータ分析を行えれば、多くの気づきが生まれ、業務の改善につながりやすいというメリットが生まれるのです。

あらゆるユーザーが使えるようにノンプログラミング設計になっており、ツールのナビゲーションに従ってテンプレートに入力していくだけでレポーティングができるようになっています。

https://www.justsystems.com/jp/products/actionista/

LaKeel BI

LaKeel BIは分析テンプレートを多数取り揃えているのが特徴です。テンプレートは営業分析、人事分析、総人件費連動性分析など合計26種類あります。

グラフがメインのダッシュボードやレポートだけでなく、自由分析表といった表形式や帳票としての出力も可能です。LaKeel BIの使い方を学ぶ無料セミナーも実施されているので、導入したけれどすべての機能を活かしきれない、という心配もありません。

https://bi.lakeel.com/

MotionBoard Cloud

MotionBoard Cloudの強みはIoT(モノのインターネット)との連携です。社内のデータベースからのデータ取得はもちろんのこと、物体に取り付けたセンサーからリアルタイムで送られてくる情報を蓄積して、ダッシュボードなどに秒単位で反映させることができるのです。

リアルタイムアラート機能というものもあり、センサーから送られてくる数値が、一定値を上回ったり下回ったりと異常が出たときに、メールやビジネスチャットを通じて連絡が送られる仕組みになっています。このようにMotionBoard Cloudを利用すれば、データ分析だけでなく監視機能を構築することも可能です。

http://www.wingarc.com/product/motionboard/

BIツールを導入して経営の意思決定の精度を上げよう

BIツールをマーケティングに活用することで、売上増加につながったり、社内に点在するデータを集約、分析することで、各部署の課題を可視化できたりと、導入するメリットの大きいツールです。
その反面、価格や運用面での導入ハードルが高いこともあり、上手く活用できないという事例もあります。

予算が限られる場合は、まず無料のBIツールや、低価格のものを導入し、社内で活用できるか判断してみてもよいでしょう。しかし、BIツール導入で最も大切なことは、目的にあったものかどうかです。

慎重に検討したうえで、もっとも適したBIツールを選び、経営の意思決定の質を向上させましょう。

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この記事を書いた人

いまい
サイト運営歴15年以上。立ち上げたサイトは数知れず。SEO、メルマガ、広告、YouTube、手あたり次第が過ぎて、何も身になってないことに最近気づく。もう少しだけ、Web業界にしがみついていたい。

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