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ディープリンクとは?アプリ別(Android、iOS)に設定方法も紹介

ディープリンクとは?アプリ別(Android、iOS)に設定方法も紹介

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ディープリンクは、アプリケーションを活用する技術の一つです。近頃では、大手プラットフォームも開発に力を入れているなど、ビジネスの場ではもはや無視できないワードになりつつあります。

本記事は、ディープリンクについて網羅的に解説している記事です。仕組みや種類、メリットといった基本概要から、有名企業の取り組み事例、Android、iOSそれぞれの設定方法まで幅広く触れています。

どうぞ、ご一読ください。

ディープリンク(deep link)とは?

ディープリンク(deep link)について

「ディープリンク(deep link)」とは、アプリケーション内のコンテンツへダイレクトに遷移を促すリンクのことを指します。いわゆるアプリへの導線としてWebサイトではよく見られるリンクです。ただし、以前から今のような機能を持ち合わせていたわけではありません。そう、かつてはクリック一つで対象となるアプリを直接開くことはできませんでした。リンク先は、App StoreやGoogle Playのダウンロードページだったことを覚えている方もいらっしゃるでしょう。

しかし、現在はスマホとアプリの普及に伴い、進化を遂げています。わざわざホーム画面に戻って(特定のアプリを)起動させるのは、今思うととてもまどろっこしい作業です。上述の通り、現行のディープリンクによって、アプリ同士も含めてスムーズな遷移が可能になります。その結果、ユーザーアクションは活性化し、ビジネスにおいても少なからず影響を及ぼしています。

ディープリンクの主な技術、仕組み

ディープリンクの主な技術、仕組み

本来、アプリケーションは独立したプログラムとして動くため、Webサイトのリンクを移動するように、他のアプリケーションとの間を移動したりはできません。それゆえ前述の通り、一度ホーム画面を経由しなければなりませんでした。

では、なぜディープリンクは、現在の仕様を可能にしたのでしょう?

それは、URLを構成するスキーム、ホスト、パスがカギを握っていました。スキームによってアプリを識別、ホストとパスによってアプリ内の場所や動作を指定するといった具合に、それぞれ情報を組み入れることで、積年問題視され続けた性能から脱却できたのです。なお、ディープリンクの形式によって方法自体は多少異なります。

以下、ディープリンクの技術において代表格に挙げられる「Custom URL Scheme」と「Universal Links」の仕組みや動作について説明します。

Custom URL Scheme

Custom URL Schemeは、アプリケーション内の特定のコンテンツにリンクを提供することで、URLから該当するアプリを呼び出す仕組みです。(アプリに)紐付けられたリンクをクリックすることで、起動の許可を確認するダイアログが現れます。

ただし、特定のコンテンツを呼び出すには、該当するアプリのインストールが必要です。インストールされていない場合は、(アプリの)提供元に当たるWebサイトに移動するか、何も反応が起きないので注意しましょう。

Universal Links

Custom URL Schemeとは異なり、Universal Linksはすでに存在するURLとアプリケーションを結びつける仕組みです。カスタムスキームURLを指定することで、特定のWebページとアプリ内の場所を一致させます。

たとえば、“https://xxx.universal.links/example”というURLが設定されているなら、このリンクを踏んだ際、アプリ内の特定コンテンツが開きます。

特にダイアログが出てくることはなく、そのまま起動される仕組みです。

なお、アプリをインストールしていない場合は、URLによって指定されているページやコンテンツに飛ぶことになります。

ディープリンクの種類

ディープリンクの種類

主な技術に続いては、ディープリンク自体の種類について触れましょう。

ディープリンクは、大きく分けるとデフォルト含め、3つのタイプが存在します。 それぞれ、以下の通りです。

ディープリンク(デフォルトタイプ)

一般的にはこのデフォルトタイプが、ディープリンクと呼ばれるものです。すでにお伝えしたように、ユーザーをインストール済みのアプリへと誘導する機能が備わっています。

ビジネスシーンにおいては、いわゆる休眠中のユーザーをリターゲティングの対象にするなど、集客へとつながる施策としても有効です。

ディファードディープリンク

ディファードディープリンクは、デフォルトタイプと異なり、アプリをインストールしていない(あるいは端末からアンインストールした)ユーザーに対してアプリストアのダウンロードページを案内し経由させたうえで、アプリケーション内コンテンツを表示させるシステムです。

たとえば、アプリ未インストールのユーザーが、何か商品の広告をクリックした場合、まずApp StoreやPlay Store、その詳細情報を表示するWebサイトへと誘導されます。その後、ダウンロードを促されインストールまで終えると、あらかじめ指定しておいたアプリ内ページにそのまま遷移することになります。

コンテクスチュアルディープリンク

コンテクスチュアルディープリンクは通常のディープリンクの機能に加え、パラメーターの追加によって、ユーザー単位でのウェルカムメッセージやおすすめコンテンツをアプリ内に表示することができます。

また、ユーザーが「どのページ、どのチャネルでそのリンクをクリックしたか」までチェックが可能です。単独で機能するタイプではないにせよ、優れた特性であることがわかります。

ディープリンクがもたらすメリット

ディープリンクがもたらすメリット

ディープリンクを導入することでユーザビリティの改善が図られ、コンバージョン率の向上が期待できます。それぞれを紐解くと次の通りです。

ユーザビリティの改善

ディープリンクの有無は利便性に大きく作用します。

かつてそうであったようにディープリンクがない場合、ホーム画面に戻ってからアプリケーションを起動し、さらにそこからコンテンツを探さなければなりません。ユーザーはその動作ごとに、情報を入力したりメニューを選択したりと、手間が掛かります。結果、ストレスを感じるユーザーが出てきてもおかしくないでしょう。

一方でディープリンクがあれば、すでにお伝えしている通り、特定コンテンツに直接たどり着けるので快適にアプリを使えます。あれこれ煩わしい入力や選択を余儀なくされることはありません。それゆえ、ユーザビリティに寄与しているといえるでしょう。

コンバージョン率の向上

仮に、Web広告の商品にときめいたとしましょう。

ディープリンクがあれば、クリック一つでアプリが開き注文ページへと誘導されます。結果、勢いでそのまま購入することも出てくるはずです。

しかし、ディープリンクがない状態では、自らアプリケーション画面を開き、さらに商品を探さなければなりません。この時点であなたならどうでしょう?商品を買いたいと思いますか?

おそらく途中で面倒になり買う気が失せてしまう方がほとんどでしょう。

結局はユーザビリティの問題といえますが、その延長で、コンバージョンに支障をきたす羽目になるのは容易に想像できます。

裏を返せば、そうした機会損失をなるべく減らすのに、ディープリンクはとても役立つといえるわけです。実に大きなメリットだと考えます。

ディープリンクが必要とされる時代

ディープリンクが必要とされる時代

昨今、アプリケーションは、単機能化が進んでいます。

複数の機能をあえて持たせず、シンプルに作りあげているものがほとんどです。ユーザーは、目的に応じて複数のアプリを切り替えて利用しています。俗にいう“アンバンドリング”化が進んだアプリをスムーズに使いこなすには、ディープリンクはやはり必要不可欠です。

また、1機能1アプリが主流になるなか、所有するアプリの数も増える傾向にあります。ディープリンクがあれば、検索結果からダイレクトで飛べることやアプリ間での遷移が可能なため、管理も流動的に行えます。 話は飛躍しますが、ディープリンクのテクノロジーもまた、働き方改革然りモバイル化する現代を象徴するものだと、あらためて感じ入る次第です。

プラットフォーム(企業)別ディープリンクの取り組み事例

プラットフォーム(企業)別ディープリンクの取り組み事例

インターネットにおけるプラットフォーム各社は、ディープリンク機能を利用して、さまざまな取り組みを行っています。以下、有名企業を中心にピックアップ。それぞれ一つのロールモデルになり得る事例です。ビジネスで活用する際、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょう。

Amazon

Amazonが提供する「Fire TV OS」では、ディープリンクによって注目コンテンツのコンテキストや広告上のリンクから、Fire TV上のアプリに含まれる特定のコンテンツへとユーザーを遷移します。他方、キャンペーンで表示されるコンテンツから、Fire TV上の注目コンテンツへの移動も可能です。

シームレスな遷移を容易く実現させることで、活発なユーザーアクションとその先のコンバージョンにつなげています。

参照:Fire TVのUIから注目コンテンツへのディープリンク | Amazon Fire TV

Apple

先述したUniversal Linksは、Appleが提供するディープリンクの技術です。これを実装することで、Webサイト内の検索結果からアプリケーションへと簡単に移動できます。なお、Universal LinksはiOS環境でのディープリストの現行基準です。

参照:Universal Links – Apple Developer

Facebook(Meta)

FacebookではオープンソースのApp Linksを提供しています。このサービスを使えば、(ディープリンク機能によって)Facebookの投稿からアプリへ直行することが可能です。リンク元が投稿すなわち口コミ情報だからでしょうか。遷移率は高い傾向にあるようです。

参照:Facebook App Links | Facebook for Developers

Google

App Indexingがインストールされている場合、モバイル機器での検索結果に対して、アプリケーションが表示されます。たとえば、最寄りのコンビニエンスストアを検索したときにこのツールが入っていれば、地図アプリが起動して、検索画面からコンビニエンスストアまでの道順を示せます。また、このツールは、リスティング広告からアプリケーションを開くことも可能です。したがって、広告からのコンバージョン率のアップが期待できます。

参照:Google 検索での App Indexing – Play Console ヘルプ

Twitter

Twitterでは、投稿にリンクを含めた場合にアイキャッチ画像が表示される“Twitter Cards”と呼ばれるサービスが提供されています。Twitter Cardsは何種類かあり、そのうち「App Card」がディープリンク機能を持っています。FacebookのApp Linksと同じく、口コミからダイレクトにアプリへ移動することを可能にし、遷移率も高い傾向にあるようです。

参照:App Card | Docs | Twitter Developer Platform

ディープリンクの設定方法

ディープリンクの設定方法

ディープリンク機能は、複数のアプリケーションを起動するモバイル機器には実装必須の技術といっても過言ではありません。

以下、App Indexingを例に取り、AndroidとiOSに分けて大まかに設定方法をお伝えします。

AndroidでのApp Indexingの設定方法

端的に述べると次の通りです。

まず、App Indexingのライブラリを追加します。

次に、遷移先となるアプリコンテンツを示すURLを構築します。

最後に、公開されているコンテンツ(Webページ)と遷移先のアプリケーションを、Androidアプリリンクを用いて結びつけましょう(Universal Linksの技術ですね)。

より細かくお伝えすると以下の流れで実装が可能です。

ディープリンクの仕組みは、URL SchemeによってActivityを起動することだといえます。仮にCustom URL Schemeをapp-name://sungrove/1111と指定しActivityを起動したい場合は、アプリ作成用ファイル「AndroidManifest.xml」で該当するActivityに以下のようなintent-filterを定義することになります。

<intent-filter>
<action android:name=”android.intent.action.VIEW” />
<category android:name=”android.intent.category.DEFAULT” />
<category android:name=”android.intent.category.BROWSABLE” />
<data android:scheme=”app-name” android:host=”sungrove” />
</intent-filter>

加えて、Intent起動が必要です。ディープリンクを張りたいWebページの<head>要素に以下のコードを追記し、アプリ内のActivityと紐付けます。

<link rel=”alternate” href=”app-name://sungrove/1111″ />

その後、Google Play Developer Console の 「GOOGLE 検索のインデックスにアプリを登録」 でWebサイトのドメインを登録します。Google Search Consoleと管理アカウントが異なる場合は、確認メールが飛ぶため、そこで許可すればOKです。

結果、Google検索からユーザーがリンクを踏んだときに、特定のアプリコンテンツへと遷移させることができます。

iOSでのApp Indexingの設定方法

iOS向けApp Indexingの提供は、実は2017年に中止されています。現在は、Universal Linksで実装されている部分でのみ、(App Indexingは)利用可能です。そのため、iOS環境下でApp Indexingを使う場合には、iOS9以降のUniversal Linksを有効にする必要があります。

加えて、アプリケーションにUniversal Linksの処理を追加しなければなりません。

アプリとサーバで関連付けを行うためです。

具体的にはドメインごとに 「apple-app-site-association」ファイルを用意します(ファイルはjsonですが拡張子をつけず、このままのファイル名にしてください)。そこで、アプリケーションのサポート内容を記録します(ファイルは、Web上のルートディレクトリに保管します)。

以上が一連の流れです。

今後も高まる見込みのあるディープリンクの需要

今後も高まる見込みのあるディープリンクの需要

繰り返しお伝えしている通り、ディープリンクの技術はいまや必須です。

少しの手間が大きなストレスになる時代。この先、必要性はより高まるものと思われます。

ビジネスにおいても、この傾向をうまく活用したいところです。ユーザビリティやコンバージョン率の向上につながる可能性が高いことはほぼ明白といってもいいでしょう。

だからこそ正しい理解と適切な導入が求められます。しからば拙稿が、その一助になれば幸いです。

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この記事を書いた人

ヒゴ
無知、無能、無粋、無才、無点法……。SEOやアクセス解析に腐心しつつも、それらはまるで逃げ水のように追いかけては遠く離れ、ようやく掴んだと思った矢先にはシビアな現実を突きつけられる有様です。あるいはライターとして名を連ねることに気後れしながら、日曜大工のスタンスで恣意的かつ箸にも棒にもかからない駄文をまき散らしています。隠し切れない底意地の悪さ。鼻持ちならない言い回し多数。どうかご容赦ください。

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