画像編集ソフト「GIMP(ギンプ)」とは?使い方と機能を徹底解剖!
画像編集ソフトで有名な「Photoshop(フォトショップ)」。高性能ですが、有料で手が出しにくいという人もいるのではないでしょうか。そこでおすすめしたいのが、無料で使える「GINP(ギンプ)」という画像編集ソフトです。
GIMPのおすすめポイントは、無料にもかかわらず、プロの編集者が使うことがあるほど多機能かつ高性能という点です。
本記事では、そんなGIMPの使い方や基本機能を画像付きでわかりやすく解説しています。GIMPでできることや、Photoshopとの違い、インストール方法も紹介しているので、ぜひ試しに使ってみてください。
目次
GIMPとは?
GIMP(ギンプ)とは、1995年11月21日にリリースされた無料で利用できる画像編集ソフトです。リサイズや切り抜きなどの基本編集から、背景透過や人物レタッチなど高度な編集も可能です。無料で使えるのにPhotoshop並みに高機能なので、アマチュアだけでなくプロの編集者まで幅広く利用されています。
もともと英語版のソフトでしたが、今では日本語版もダウンロード可能となっています。犬がブラシをくわえた可愛らしいロゴが特徴です。
GIMPが選ばれる理由
GIMPが選ばれる最大の理由は「無料なのにハイクオリティな編集ができる」ことです。また、プロの編集者も使っていると話題になり、信頼性があると言えます。
GIMPは小さなドットを組み合わせて画像を映し出すペイント系ソフトウェアというジャンルに分類されています。ペイント系ソフトウェアの最大の特徴は、手書きに近い状態での利用が可能な点です。そのため初心者でも使いやすく、すぐに使いこなせるようになるでしょう。
さらに、GIMPは画像編集ソフトの中では比較的歴史があります。数十年間ノウハウを培い続け、つねにユーザー目線で使いやすさを反映してきました。積み重ねてきた歴史も、GIMPが選ばれる理由のひとつかもしれません。
GIMPのAndroidアプリは有料
GIMPは、Androidアプリも用意されています。ただし、有料アプリなのでダウンロード時に「250円」の支払いが発生します。どうしてもスマホで利用したいということがなければ、無料で使えるブラウザ版を利用したほうが良いでしょう。
なお、AppleStoreに「X GIMP」という類似のアプリがありますが、運営元が違うので別物です。注意してください。
GIMPでできること
GIMPは、画像編集の基本的な操作はほとんど出来るといっても過言ではありません。
- 拡大・縮小・リサイズ
- 画像の切り抜き
- トリミング
- 写真加工(レタッチ・色や明るさ変更)
- 透過・ぼかし
- モザイク処理
- 画像の合成・並列
- イラスト作成
- GIFアニメの作成
画像のサイズ変更や、色味・明るさ調整はお手のものです。写真に写りこんだ不要なものを消したり、自分の顔や体を補足するなどの加工もできます。
Photoshopとの違い
Photoshop(フォトショップ)とは、1990年にリリースされたアドビが販売しているの画像編集アプリです。GIMPとも主な違いは「購入金額」「色味」「動画編集」「AI機能」です。
GIMP | Photoshop | |
購入金額 | 無料 | 有料 |
色味 | RGB | RGB・CMYK |
動画編集 | 不可 | 可能 |
AI機能 | プラグインで導入可 | Ver.25.0以上で利用可 |
色味の「RGB(光の三原色)」と「CMYK(色の三原色+黒)」とは、カラーモードを示す言葉です。写真や画像などの印刷物を作成するなら、GIMPよりPhotoshopのほうがリアルな色になります。
PhotoshopはVer.25.0以上であればAI機能「生成塗りつぶし」が搭載されています。この機能は塗りつぶしだけではなく、範囲内のものの置き換え(画像生成)や、背景の拡張、被写体追加、被写体削除などが可能です。また、テキストプロンプでゼロからの画像生成もできます。GIMPでAI機能を使いたい場合は、GitHubからAIプラグインを選んで導入する必要があります。
GIMPのインストール方法と日本語化の手順
GIMPがどのようなソフトか分かったところで、導入してみましょう。手順は以下の通りです。
- 手順➀:インストールファイルのダウンロード
- 手順②:セットアップ
- 手順③:インストール
- 手順④:立ち上げてGIMPを使用
実際にWindowsのパソコンにGIMPを導入してみたので、画像付きで解説していきます。
手順➀:インストールファイルのダウンロード
「GIMP」の公式サイトから、自分のパソコンのOSのものをインストールしてください。
今回は、Windowsでインストールするので、オレンジボタンの「GIMP 2.10.36 directly」をクリックしています。
手順②:セットアップ
インストールが完了したら、ファイルを開いてセットアップをします。基本的に自動でファイルが開きますが、開かなかった場合はダウンロードファイルをクリックして手動で開いてください。
ファイルが開くと、セットアップに使用する言語の選択ポップが出ます。「日本語→OK」の順で進んでください。
手順③:インストール
画面右下に「インストール」のボタンが出てくるので、クリックしてインストールを開始します。しばらくしたら「完了」ボタンが出てくるので、クリックしたら完了です。
手順④:立ち上げてGIMPを使用
インストール後、自動でGIMPが対上がらないので、デスクトップのアイコンをクリックして開きましょう。
初回はいつも以上に立ち上げに時間がかかるかもしれませんが、「ファイルが壊れています」と出ない限りは起動できます。これでGIMPのインストールからセットアップまで完了です。
日本語表記がない場合の設定方法
「GIMP 2.10.30」以前のバージョンの場合は、インストール時点で日本語に変更ができません。「英語」を選択して、ダウンロードを開始してください。
ダウンロード後に、パソコンのデスクトップにGIMPのアイコンが表示されます。クリックしてGIMPのソフトを立ち上げましょう。
メニューバー上部にある「Edit(編集)>Preferences(設定)>Interface(ユーザーインターフェース)>Language(言語の設定)」から「日本語 [ja]」を選択してOKをクリック。GIMPを再起動をすると日本語になります。
まれに不具合で、別言語になっているケースもありますが、同様の手順でインストール後に日本語に直せるので安心してください。
GIMPの基本機能と使い方
すべての機能が無料で使えるGIMPですが、その機能はとてもハイクオリティです。基本的な編集機能を紹介するので、ぜひ使ってみてください。
- 使い方①:画像サイズの変更
- 使い方②:切り抜き
- 使い方③:文字入れ
- 使い方④:写真加工(レタッチ・色や明るさ変更)
- 使い方⑤:背景透過
- 使い方⑥:モザイク処理
- 使い方⑦:GIFアニメの作成
なお、GIMPでは右クリックでもメニューが出てきます。画面上部で毎回タブをクリックしなくても済むので便利です。
機能①:画像サイズの変更
「画像→画像の拡大・縮小」で画像のサイズを変更です。ピクセル・インチ・ミリメートル・percent・feetなど、複数の単位でサイズ変更ができます。
解像度も、同じ方法で変更できます。水平・垂直解像度で調整しましょう。
機能②:切り抜き
切り抜きは左側に表示されているアイコンから機能選択できます。赤枠で囲んでいるマークを押し、切り抜きたい範囲を「マウス左クリックでドラッグ→control+C」するだけなので簡単です。
切り取り(選択部分のみ取りたい)の場合は、右クリック「編集→切り取り」を使ってください。
機能③:文字入れ
編集画面左側の「A」のアイコンを押せば、文字入れが可能です。フォント・サイズ・色も好きに選べるので、おしゃれな文字にしてみましょう。
ちなみに文字の縁取りは、レイヤーで透明部分を追加すればできるようになります。また、設定をすれば好きなフォントも追加可能です。
機能④:写真加工(レタッチ・色や明るさ変更)
GIMPでは、Photoshopのように写真加工もお手のものです。レタッチ・色味や明るさ調整など、何でも出来ます。
色味や明るさは右クリックで「色」を選択すれば、いろいろ調整可能です。赤いリンゴを、青りんごや毒りんごに変えたりもできますよ。
不要なものを消すレタッチは「ツール→描写ツール→修正ブラシ」を選択してください。もちろん、顔や目の大きさを変えることも可能です。
機能⑤:背景透過
背景の合成や、人物のみ残すときによく使うのが背景透過です。範囲選択がやや難しいですが、慣れてしまえば簡単ですよ。
まず、「レイヤー→透明部分→アルファチャンネルの追加」で、画像の背面が透明になるように設定しましょう。
次は、透明にしたい部分の選択です。短形・楕円選択や自由選択でも良いですが、今回は左上にアイコンが出ている「電脳はさみ」で選択しました。範囲選択後は、キーボードのデリートで透過できます。
機能⑥:モザイク処理
情報を隠したいときに使うモザイク処理は「フィルター→ぼかし→モザイク処理」で出来ます。短形選択で範囲を選択し、マウスの右クリックを押せば、いちいち編集画面上部のタブで探さなくても良いので簡単ですよ。
機能⑦:GIFアニメの作成
GIMPは簡単なGIFアニメなら作成できちゃいます。サイズが同じ画像を複数用意すれば数分で作業が終わります。
GIFアニメの作成手順は以下の通りとなります。
- 手順①:表示させたい画像を「ファイル→開く/インポート」で表示
- 手順②:2枚目以降はすべて「ファイル→レイヤーとして開く」
- 手順③:「フィルター→アニメーション→GIF用最適化」でGIF設定
- 手順④:「フィルター→アニメーション→再生」で動作確認
- 手順⑤:再生画面の下部でスピードやフレームの調整
- 手順⑥:調整後は左上の「▶」ボタンで再び動作確認
- 手順⑦:「ファイル→名前を付けてエクスポート→ファイル形式を選択→GIF画像→アニメーションとしてエクスポート」で保存
GIMPを使うメリット
GIMPを使うメリットは、無料で画像編集ができるだけではありません。初めて画像編集する人でも導入が簡単・Photoshopの拡張ファイルが開けるなどのメリットがあります。
- パソコンのスペックが低くても使える
- PSDファイルに対応
- 高機能な編集ができる
それぞれのメリットについて簡単に解説していきます。
パソコンのスペックが低くても使える
GIMPは、RAMが4GBほどの低スペックパソコンでも使えます。初めて画像編集する初心者でも気軽に利用しやすいです。
ちなみにPhotoshopはRAMが16GB以上を推薦しています。8GBでも使えることには使えますが、編集中にフリーズしたり、レタッチなど加工した画像のプレビューの読み込みがかなり遅いなどでイライラしやすいです。
PSDファイルに対応
PSDファイルとは、Photoshop独自の拡張子です。GIMPでもPSDファイルを開いての編集や、作成した画像をPSD形式に変換して保存できます。
Photoshopを持っていない人でも、無料のGIMPさえあればクライアントなどの関係者からもらったデータを開けるのでかなり便利です。
高機能な編集ができる
無料ソフトにもかかわらず、Photoshop並みの高機能編集ができることが魅力のGIMP。サイズ変更や明るさ調整などの簡単な編集から、背景透過・人物のみの切り抜き・レタッチなど、大抵の編集が可能なんです。使いこなせる人であれば、Photoshopで編集した画像を見間違えるほどの出来になります。
GIMPを使うデメリット
GIMPはドットを集めてイメージを再現するペイント系ソフトウェアです。拡大・縮小や、印刷時の色味に関してはデメリットがあります。
- 拡大・縮小で画像が荒くなる
- 印刷物の作成に不向き
- 立ち上げに時間がかかる
拡大・縮小で画像が荒くなる
GIMPはドットを集めているため、画像の拡大・縮小で粒子が荒くなるんです。いわゆる、ガビガビの画像になってしまいます。ドットの集合絵を拡大すると粗が目立つことをイメージしたものに近いです。
とくに、画像サイズが小さいものを拡大すると、もとの画像の中身がわからなくなるほどです。
上記の画像は、横640pixの画像をGIMPとPhotoshopでそれぞれ2倍サイズまで拡大した状態の比較となります。圧倒的にPhotoshopのほうが綺麗なのがわかるはずです。大幅な拡大・縮小するならGIMPかやめたほうが良いかもしれません。
印刷物の作成に不向き
先ほど簡単に紹介したように、GIMPの色味はRGBです。赤・緑・青の3色で色を表現しているので、パソコンやスマホのモニターで見た色味に近いものになります。
カメラやプリンターなどは、CMYKの色味です。シアン・マゼンダ・イエロー・ブロックの4色で、現物に最も近い色になります。GIMPで作成した画像を印刷すると、しっくりこないということがあるでしょう。
立ち上げに時間がかかる
無料ソフトのGIMPは、スクリプトや外部プラグインをたくさん使っているので重たいです。立ち上げまでに時間がかかります。
パソコンのスペックが低いと、酷い時で5分以上も立ち上げに時間がかかるという声があるほどです。無料だから我慢できるという人であれば、特に問題なく利用できます。
GIMPは無料で高性能な画像編集ソフトを使いたい人におすすめ
GIMPはすべて無料で利用できる画像編集ソフトながら、有料ソフトに劣らない高い性能を誇っています。使える機能が豊富なので、初心者は最初戸惑うかもしれませんが、お金をかけたくない・パソコンが低スペックという人に特におすすめな画像編集ソフトです。
慣れるまでは大変ですが、コツを掴んだらあっという間に画像編集ができるので楽しくなりますよ。設定から自分好みにカスタマイズもできるので、いろんな機能を触ってみてください。使えば使うほど新しい発見があるGIMPは、あらゆるシーンで活躍するはずです。
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