最先端のWebマーケティングを発信するメディア

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インプレッションとは?意味やPV、リーチ数との違い、増やす方法について解説

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移り変わりの早いWebマーケティングの世界では、さまざまな専門用語が流通し、それらの意味やニュアンスも細かく変化することがあります。そのため当たり前に使われている言葉でも、似た用語と混同されているケースは珍しくありません。

なかでも重要指標の1つである「インプレッション」は、効果測定の際に欠かせない観点でありながら、その他の指標との区別があいまいになりやすい言葉だといえるでしょう。

この記事では、インプレッションと類似用語との違いをふまえつつ、プラットフォームごとの改善方法について解説していきます。

インプレッションとは

インプレッション(impression)とは、主にWebマーケティングの文脈において、広告やSNS投稿などのコンテンツが「表示された回数」を指す言葉です。

もともとの意味としては「印象」や「影響」など、「ある人の心にイメージが刻まれる様子」を表します。そこから転じて、「Web上のコンテンツが人の目に触れること」を指す用語として流通するようになりました。

現在ではマーケティング施策の効果測定など、「自身の発信する情報がどれだけの人々に届いているのか」を知るための指標として参照されています。

また、広告配信プラットフォームにおいては、インプレッション数をベースに広告費用を決定するシステムも見られ、広告戦略を練るうえで欠かせない観点とされています。

インプレッションとその他の類似用語との関連

インプレッションは端的に「コンテンツが見られた回数」を指しますが、これに近い言葉として「PV」や「リーチ」などが挙げられます。以下、混同されやすい用語との違いを解説していきます。

■PV(ページビュー)
PVはインプレッションと同様「表示回数」に関わる指標です。インプレッションが主に広告やSNS投稿など「コンテンツ単位の表示回数」を指すのに対し、PVは「ページ単位の閲覧回数」を表します。

たとえば1つのページが閲覧された際、ページ内に埋め込まれている広告が3つ表示された場合には、PVは「1」、広告の合計インプレッションは「3」となります。

■リーチ
リーチは「到達」を意味する言葉であり、対象となるコンテンツに触れた「ユーザーの数」を表します。たとえば同じ広告を2人のユーザーが合計3回閲覧した場合、リーチは「2」であり、インプレッションは「3」としてカウントされます。

■エンゲージメント
インプレッションが「コンテンツが閲覧された回数」を指すのに対し、エンゲージメントは「コンテンツを閲覧したユーザーが何らかのアクションを起こした回数」を指します。

たとえば「広告を見てクリックした」「SNSの投稿を見て『いいね』を押した」など、「広告に触れた後の行動」を表す言葉です。

広告の成果指標としてのインプレッション

インプレッションはWeb広告における重要指標の1つですが、その後のフィードバックに役立てるにはその他の指標との関係性を把握しておくことが大切です。以下、広告運用における重要指標とインプレッションとの関係を解説していきます。

CTRとの関係

CTR(Click Through Rate)は「クリック率」を意味し、「表示された広告がクリックされた割合」を指す指標です。数式としては「クリック数÷インプレッション数×100」で求められます。

CTRは、その広告が「実際にどれだけユーザーの興味を引いているか」を知るうえで重要な指標です。たとえばインプレッションに対してCTRが低い状況からは、「広告は表示されているのに次のアクションにつながっていない」ことが読み取れます。この場合、広告における訴求方法やターゲティングなどを見直す必要があるでしょう。

CVRとの関係

CVR(Conversion Rate)は「コンバージョン率」のことであり、Webページなどを訪問してきたユーザーのうち、商品購入や問い合わせなどの「ゴール」に到達した割合を指す言葉です。

CVRの分母となる数字は分析対象によって異なりますが、広告の成果を確認する際には「クリック数」との関連でCVRをチェックするケースが多く見られます。この場合、CVRは「コンバージョン数÷クリック数×100」で表されます。

CVRが示しているのは、主に自社サイトの販促効果です。たとえば「CTRが高いのに、CVRが伸びない」という場合、「自社のページにはたどり着いているのに成果につながっていない」という状況に陥っていると考えられます。

この場合、遷移先のページの導線を見直すなど、「広告の着地点」以降の流れを改善する措置が必要になるでしょう。

それぞれの指標からボトルネックを特定

ここまで見てきたように、広告指標としてのインプレッションは「どれだけのユーザーに広告が届いているか」を表し、CTRは「その広告がどれだけ興味を引いているか」を表しています。さらに、CVRは「広告がどれだけ実際の成果につながっているか」を示す数字です。

これらの指標から適切なフィードバックを得るには、それぞれの数値を見比べながら、落差の大きいポイントにおいて「何がボトルネックになっているか」を突き止めることが重要です。

大まかな見方として、インプレッションの問題は予算面やターゲット範囲に関わり、またCTRの問題はクリエイティブとターゲットのマッチングに関わる傾向にあります。加えて、CVRの問題は遷移先ページの導線や内容に起因しているケースが多いでしょう。

広告インプレッションを増やすうえでの注意点

Web広告の配信プラットフォームの多くは、インプレッション数やクリック数に応じた課金方式を導入しています。そのため、予算さえ割けばインプレッションを増加させることは難しくありません。

しかし注意すべきは、インプレッションの向上が最終的な成果につながるとは限らない点です。広告を出稿する際は、以下に挙げるポイントに注意しつつ、インプレッションと実際の効果、また予算とのバランスをとることが重要になるでしょう。

課金方式を理解する

広告配信プラットフォームの課金方式には、大きく「インプレッション単価(CPM:Cost Per Mille)」をベースにしたものと「クリック単価(CPC:Cost Per Click)」をベースにしたものがあります。

CPMは「広告表示1,000回あたりの費用」を意味し、表示回数が増えるにつれて費用も増加していきます。CPCは「広告のクリック1回あたりの費用」を表し、クリックのたび広告費が上乗せされていくシステムです。

クリック数と連動するCPC方式の場合、「広告の目的となるページへの遷移」が課金の基準点となっているので、予算と実際の成果との関連性を捉えやすいメリットがあります。

一方のCPM方式においては、予算を増やせばそれだけインプレッションを増やすことができます。ただし、クリック率が低いままインプレッションを増加させたとしても、実際の成果にはつながりにくい点に注意しておきましょう。

反対に、CPM方式のメリットは「クリック率が上がっても広告費用は変わらない」という点にあります。つまり安易に予算を増やすのではなく、クリック率の改善を図ることで、コストを抑えながら広告効果を高められる余地があるのです。

このように、インプレッションの増加は必ずしも「広告施策におけるゴール」を意味しません。まずは課金方式の特性を把握したうえで、改善すべきポイントを的確に見定めることが大切です。

インプレッションの測定基準にも注意

インプレッションの数値は、測定時の基準によっても変動することがあります。とくに動画広告など、コンテンツの途中で閲覧が中断される可能性がある場合、「どこまで再生されればインプレッションにカウントするか」という基準次第で数値は左右されるでしょう。

この基準はプラットフォームによってさまざまであり、たとえば動画形式のディスプレイ広告の場合、Google 広告においては「面積の 50% 以上が画面に表示された状態で 2 秒以上再生された場合」にインプレッションとしてカウントされるという規定があります。

参照: Google 広告 ヘルプ | 視認性とアクティブ ビュー レポートの指標について

一方、Yahoo!広告においては「広告の50%以上の範囲が1秒以上連続して表示された場合」というように、基準には差が見られるため、とくにインプレッションに準拠した課金方式を有する広告プラットフォームを利用する際には注意しておきましょう。

参照:Yahoo!広告ヘルプ | ディスプレイ広告(予約型)について

X(旧Twitter)におけるインプレッション

広告のインプレッションを増やしたい場合と、SNSの投稿に対するインプレッションを増やしたい場合とでは、異なる視点が必要になります。ここでは、とくにX(旧Twitter)においてインプレッションを増やすためのポイントを解説していきます。

Xのインプレッションとその他の指標の関係

Xにおけるインプレッションは、「自身の投稿が他のユーザーに閲覧された回数」を表します。タイムライン上での閲覧や、検索結果画面における閲覧、返信欄における閲覧などが主なケースとして挙げられるでしょう。

なお、2022年12月のアップデートから、ポスト内に「いいね」や「リツイート(リポスト)」の数に加えてインプレッション数が表示され、他のアカウントからも確認できるようになりました。

このように全体に公開されるインプレッション数に加えて、自身のポスト内の「ポストアクティビティを表示」をタップすると、投稿に対するエンゲージメントを確認できます。

エンゲージメントは「ポストが閲覧された回数のうち、他ユーザーからのリアクションがあった回数」を指しており、これには以下の項目が含まれます。

■詳細のクリック数
…タイムライン上のポストから、当該ポストの詳細を見るために他ユーザーがクリックした回数

■新しいフォロワー数
…該当のポストが起点となり、自身のアカウントの新規フォローに発展した回数

■プロフィールへのアクセス数
…当該ポストを通じて自身のプロフィールが閲覧された回数

■リンククリック数
…当該ポスト内に設置したリンクがクリックされた回数

X上でインプレッションを増やすためのポイント

XはSNSのなかでも拡散性の高いプラットフォームであり、以下のようなポイントを押さえることでインプレッションの増加が期待できます。

■フォロワー数の向上
Xにおけるインプレッションのベースとなるのは、「他ユーザーのタイムラインへの表示回数」です。そのため基本戦略としては、フォロワー数を増やすことで「継続的に自身のポストが他ユーザーに表示される環境」を構築することが重要になります。

その際、自身のアカウントと関連性のあるアカウントをフォローしたり、リプライなどでコミュニケーションを図ったりすることで、自身の投稿に対する関心を高めていくことが大切です。

■投稿時間や回数の管理
Xのプラットフォームの特性上、ポストは短時間でタイムラインから流れてしまうため、時間が経つにつれて閲覧されにくくなります。インプレッションを増やすには、「ユーザーがタイムラインをチェックしやすい時間帯」に投稿する工夫が必要です。

時間帯別にインプレッション数をテストしたり、ターゲットの行動パターンを分析したりと、「いつどんな投稿をすれば目に留まりやすいか」を把握することが求められるでしょう。

■X Premiumへの登録
Xのユーザー認証制度である「X Premium」に登録することで、検索結果や返信欄において自身のポストが優先的に表示されるなど、インプレッションを高めるうえでの優遇措置を受けられます。

基本料金として月額1,380円(Webブラウザ経由の場合は月額980円)が必要ですが、投稿時の文字数や動画容量の増加、投稿後の編集など他の機能もアップグレードされるため、マーケティングに活かせる場面も増えるでしょう。

■ハッシュタグやトレンドの活用
X上で話題になっている事柄に対して言及することも、インプレッションを増やすうえで有効な手段です。

ただ、「トレンド上位のワードを使った投稿」は定石ではあるものの、脈絡のない「ハッシュタグありき」の投稿を繰り返すと、他ユーザーにとってのストレスにつながる可能性もあります。

度が過ぎた投稿はブロックやミュートの対象とされることもありますので、「とにかく話題に乗じる」というスタンスは避け、なるべく自身に関連のある話題に対して有益な情報を発信していく姿勢が大切です。

Instagramにおけるインプレッション

Instagramを運用する際にも、インプレッションは重要な指標としてフィードバックに活用可能です。以下ではインプレッションの確認方法や、増やすためのポイントを解説していきます。

Instagramでのインプレッション確認には「プロアカウント」が必要

Instagram上で自身の投稿のインプレッションを確認するには、「プロアカウント」への切り替えが必要です。主にクリエイターや企業などを想定したビジネス向け機能ですが、登録に特別な資格などは必要なく、個人アカウントでも無料で切り替えることができます。

プロアカウントに切り替えることにより、インプレッションをはじめとする投稿のインサイトにアクセスできるほか、問い合わせ先の記載や広告出稿といった機能も利用できるようになります。

切り替える際は、まずプロフィールのメニューから「設定とプライバシー」をタップしてください。

「アカウントの種類とツール」から「プロアカウントに切り替える」を選択します。

ビジネスのカテゴリなど必要事項を選択・入力し、その後プロフィール画面に「インサイト」などの表示があれば切り替えは完了です。

Instagramでインプレッションを確認する方法

プロアカウントに切り替えたら、プロフィールメニューの「インサイト」からさまざまな分析指標をチェックすることができます。

インプレッションの数値は、インサイトの概要欄にある「リーチしたアカウント数」をタップすれば、遷移後の画面から確認可能です。

なお、「リーチしたアカウント数」は「期間中に自身の投稿を閲覧したユニークユーザーの数」を指し、インプレッションは「期間中に自身の投稿が閲覧された回数」を指します。

アカウント数に対してインプレッションが多い場合には、同じユーザーが自身の投稿に何度もアクセスしている傾向を読み取れるでしょう。反対に、アカウント数とインプレッションが近い数値の場合には、一度だけ訪問しているユーザーが多いことを示しています。

その他の主なインサイトの見方

リーチしたアカウント数の詳細欄からは、インプレッションのほか「アカウントアクティビティ」を確認できます。これは自身の投稿を閲覧したユーザーが「その後どのような行動をとったか」を示す数字です。

プロフィール画面に表示している情報によって表示される項目は異なりますが、「プロフィールへのアクセス」「ウェブサイトのタップ数」「[メールを送信]ボタンのタップ数」「[道順を表示]のタップ数」「[電話する]ボタンのタップ数」を確認できます。投稿を通じて「どれだけユーザーのアクションを引き出せたのか」をチェックできるでしょう。

Instagram上でインプレッションを増やすためのポイント

ビジュアル情報に特化したInstagramにおいては、「ターゲットのニーズに合わせたイメージの提示」が運用上のファクターになります。以下、インプレッション改善のためのポイントを紹介していきます。

■投稿画像の雰囲気を統一する
投稿が短いスパンで流れていくXに対し、Instagramのフィード投稿はその後もプロフィール画面から一目で確認できるという特徴があります。

そのアカウントが過去に投稿した画像の一覧はいわば「宣材写真」としての側面があり、「プロフィール上でどのような雰囲気を演出できるか」がフォローを獲得するうえで重要なポイントになるのです。

「このアカウントをフォローしておけば、こういう雰囲気に触れられる」ということが伝わるよう、アカウントの性質を考慮し、投稿する画像に統一感をもたせていくとよいでしょう。

■ハッシュタグの活用
Instagram上で情報を検索するユーザーの目に留まるよう、投稿内容に即したハッシュタグを設置することも基本戦略の1つです。

なおInstagramの検索機能においては、「そのハッシュタグに対してどのくらい投稿数があるか」が表示されるため、この情報もうまく活用していきましょう。

投稿数の多いハッシュタグは検索数も多い傾向にあるものの、そのぶん自身の投稿が埋もれてしまう可能性も高くなります。競合に埋もれにくく、かつ的確にターゲットとの接点となるようなハッシュタグを選定することが大切です。

■リールの活用
新規ユーザーからのリーチを獲得するうえでは、静止画だけではなく動画コンテンツも積極的に活用してきたいところです。とくにInstagramにおける短尺動画のプラットフォームである「リール」は、発見タブや専用タブを通じて新規ユーザーの目に留まる機会が多く、有効な施策となりうるでしょう。

まとめ

インプレッションは広告やSNS投稿など「コンテンツの表示回数」を意味する言葉であり、マーケティング施策の効果を測定する際の重要な指標の1つとされています。

一方で、マーケティングにおける最終目標は「インプレッションの増加」ではありません。とくに広告出稿において、インプレッションを基準に広告費用が増加するCPM方式が採用されている場合、ただ予算を上げただけでは「クリックにつながらないインプレッション」ばかりが増えてしまう可能性もあります。

インプレッションはあくまで指標の1つに過ぎず、広告施策においてはCTRやCVRなど、「その他の重要指標との関係性」をふまえながらフィードバックに活かしていくことが大切です。

もちろん、SNS運用においてはインプレッションを増やすことが自身の知名度や影響力を高めることにもつながります。プラットフォームに応じて適切な対策を講じることで、自身の投稿を広く届けていきましょう。

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この記事を書いた人

鹿嶋 祥馬
大学で経済学と哲学を専攻し、高校の公民科講師を経てWEB業界へ。CMSのライティングを300件ほど手掛けたのち、第一子が生まれる直前にフリーへ転身。赤子を背負いながらのライティングに挑む。

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