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BtoBマーケティングとは~基本からトレンドまで解説~

BtoBマーケティングとは~基本からトレンドまで解説~

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企業間取引を行う上でおさえておきたいBtoBマーケティングについての知識は、基礎であっても理解するとしないとでは成果に多少なりとも影響を及ぼすでしょう。なおかつトレンドへの目配りも大事。常にアンテナを張って、業界・業種問わず注目しておくことが自身に課されるビジネスにおいても必要かもしれません。
もちろん、具体的な戦略にまで落とし込めれば尚良し!
そういうわけで本稿では、BtoBマーケティングの概要や手順・手法を解説します。
トレンドの動向もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

BtoB(マーケティング)とは?基本概要、BtoCとの違い

BtoB(マーケティング)とは?基本概要、BtoCとの違い

BtoBとは「Business to Business」の頭文字を取った用語です。まさしく企業間での取引を指します。そこに付随するマーケティングという言葉。つまりBtoBマーケティングとは、企業に対して商売をスムーズに行うための戦略です。そこには、やり取りを円滑に進めるための効果的な環境作りも含まれます。

BtoBビジネスで必要とされる基本的な考え方

企業間取引を指すBtoBにおける基本的な考え方は、マーケティングで重用される4P分析のフレームワークと4Cの概念が肝となります。

4Pとは製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、販促(Promotion)の頭文字を表しているものです。

そして、4Cは、顧客価値(Customer Value)、顧客経費(Cost)、顧客にとっての利便性(Convenience)、顧客とのコミュニケーション(Communication)の頭文字。後者は前者を再定義したものとなります。

お察しの通り、4Pに対して顧客視点を打ち出したものが4Cです。

さて、企業が製品やサービスを購入する場合、決め手となるものは何でしょう?

おそらく、それは企業が抱える何かしらの問題を解決するものであるのは間違いないはずです。こうなってくると4Pの目線であった「販売する側がどんな製品を作るか」を踏まえて、4Cの視座にある「購入する側の問題をどう解決してくれるか」が重要であることがわかります。 悩みにピンポイントに応えてくれる製品、導入メリットが計算できるサービス、迅速に対応してくれるサポート体制など企業にとって明確な価値を提示することがBtoBマーケティングの基本的な考え方です。

BtoCとの違い

BtoBマーケティングと比較されることの多いビジネス形態の用語にBtoCマーケティングがあります。このCはConsumer。そう、消費者です。ゆえに個人に対して商品やサービスを提供することに該当します。

BtoB、BtoC、両者の違いはいくつもありますが、筆頭に挙げられるのは規模の大きさ。前者であれば、後者のように決裁者が担当者レベルではなく上層部の場合がほとんどです。それに伴い、長期に渡る交渉や取引内での合理性が求められます。

IT技術の進化を背景に、施策・手法の主流がWebとなっている昨今では、取引先の情報をある程度入手した上で交渉することが可能です。すなわち、営業を掛ける前段階から的確な準備やアプローチができれば、取引の成功確率が高くなるといえます。まさしくBtoBマーケティングの真骨頂。ターゲットとなる顧客企業様に対しても同様に有効です。おそらく多くの企業が、(営業を受けたならなおさら)能動的にインターネット上でさまざまな情報を収集し、購買への決断を下そうとするでしょう。

ちなみにBtoCでは、ロジックよりも情緒が優先されます。実際、感情に訴求するものが顧客価値を上回るケースは少なくありません。これは、そもそも軸に置く考え方がBtoBとBtoCではっきり違うことを意味します。

BtoBマーケティングにおける重要な過程

BtoBマーケティングにおける重要な過程

BtoBマーケティングでは、前述の通り検討から購買まで長期間に及ぶ特徴があるため、プロセスマネジメントの考え方が重視されます。すなわち、顧客が物を買う過程を紐解き、管理できれば、購買へのアクションをより促進させられるという理論です。

購買プロセスの代表的なパターンは、1920年代に提唱された「AIDMAモデル」で説明できます。具体的には次の通りです。

Webサイトやテレビ、CMなどで顧客に商品、サービスを認知させます(Attention)。

商品、サービスを訴求し、興味・関心を喚起させます(Interest)。

商品、サービスへの欲求を刺激し、ぜひとも入手したいと思わせます(Desire)。

商品やサービスを記憶させます(Memory)。

商品やサービスの購入につながります(Action)。

加えて現在は、インターネットの活況による消費行動の変化を背景に生み出された「AISASモデル」も浸透しています。

Webサイトやテレビ、CMなどで顧客に商品、サービスを認知させます(Attention)。

商品、サービスを訴求し、興味・関心を喚起させます(Interest)。

検索エンジンを使い、商品、サービスについて検索させます(Search)。

商品やサービスの購入につながります(Action)。↓
購入した商品、サービスに対する感想や評価をインターネット上で共有してもらいます(Share)。

上述の購買プロセスはいずれもBtoC寄りのイメージを持たれがちですが、BtoBビジネスにおいても適用できます。加えて各フェーズ、さらなる分解が可能です。むしろ臨機応変に設計することをおすすめします。加えて大事なのは、顧客状況の見極めです。ニーズを的確に捉え、適切なアプローチで取り組んでみてください。

BtoBマーケティングの手順

BtoBマーケティングの手順

BtoBマーケティングには、様々なミッションが存在します。

大まかに述べると、最初のステップとして「顧客(ニーズ)理解」「商品・サービス開発」「見込み顧客の獲得と育成」、次に「案件化・商談化・受注」、その後「顧客維持」「顧客満足度の調査」といった流れです。このサイクルを健全に機能させることが、いわばマーケティングの本懐であり、ビジネスの活性化につながります。

それでは、上述した流れ・手順における各項目の内容を具体的に説明します。

顧客(ニーズ)理解

まず、顧客のニーズを理解しなければ、その後時間をかけて行う施策が不毛なものとなるかもしれません。企業間の場合、取引先が求める商品やサービスの提供はもちろん、継続して取引できるためのコストや料金なども考える必要が出てきます。事前にさまざまなデータを参考とし、市場の傾向を把握することが大切です。少なくとも分析を行い、仮説は立てるようにしましょう。

商品・サービス開発

ニーズをうまく理解することができれば、続いて継続的に利用してもらえる商品やサービスの開発へと進めていきます。自社の特徴や強みを生かした内容であることはもちろん、競合他社に打ち勝つため、可能な限り付加価値を与えるよう意識しましょう。

見込み顧客の獲得と育成

当たり前ですが、商品・サービスをローンチして終わりではありません。見込み顧客獲得と育成のための動きが肝心です。説明会やセミナー・電話営業・サイト宣伝など状況に応じてうまく使っていきましょう。

いわゆるリードと言われる見込み顧客は、まだ興味を持ってくれただけと考えるべきです。楽観的になり過ぎるのは禁物。ここからは購買意欲を促進することが必要となります。つまりは育成です。そこでどう信頼関係を築いていくか。例えば、ニーズ理解の時点で悩み、課題は無かったか。仮にあれば、その解決を示唆もしくは期待させる触れ込みをWeb上で謳えば、次のフェーズで有効に作用するかもしれません。会わずとも関係性強化ができる時代。ホームページやSNSといった発信できるものは大いに活用すべきです。

案件化・商談化・受注

この段階で必要なのは、はじめに商談に応じてくれる可能性が高いお客様を抽出することです。そうやって育成できた見込み顧客に対して、プロモーションを行います。そしていよいよ商談へ。案件ごとに提案内容やお見積もりをしっかり準備し、臨みましょう。そこで取引が成立し、晴れて受注となれば新規顧客の誕生です。

顧客維持

受注後のお客様と継続して取引するためにも、アプローチの手を緩めてはなりません。顧客の動向は定期的にチェックしサポートしていきましょう。

取引先企業が利益を出すにはどうすれば良いか、親身になって対応してください。

積み上げた信用・信頼は顧客維持だけでなく、また別のサービスを利用してもらえるチャンスにもつながります。

顧客満足度の調査

既存の顧客に対してアンケートを実施し、自社のサービスについての満足度を調査することもまた、BtoBマーケティング一連の流れとして大切です。折に触れ自社製品を省みて、不満とされる箇所があればきちんと改善へとつなげていく。俗にいうPDCAは徹底しましょう。仮に顧客満足度が高かったとしても、向上の余地がある限りさらなる飛躍を目指したいものです。

BtoBマーケティングの手法

BtoBマーケティングの手法

繰り返し述べてきた通り、BtoBマーケティングでは、見込み顧客の獲得がまず大事です。自社に興味を持ってもらえる段階に行き着かなければ、成果は生み出せません。もちろん行き着いた後は、育成が待っています。

そこで、本章ではこれらを効率的に行う手法を紹介。

知ればきっと試してみたくなるはずです。

リードジェネレーション

自社の商品・サービスに関心を示す企業の情報を収集する「リードジェネレーション」を紹介します。
リードジェネレーションは、「Web」「セミナー」「展示会」「電話」など、多角的に接点を持つことで実現可能です。Web上での手法として、一般的にはSEO対策やリスティング広告・DSP・ホワイトペーパーなどがあります。
例えば、SEO対策。まだ見ぬ未来の顧客が自社サービスに関連するワードで検索した時に、自社サイトが上位表示されれば、認知や接触機会が生まれ、結果的に見込み顧客の獲得につながりやすくなるはずです。

セミナーや展示会では、興味を持った人が集まる傾向があり、参加者がすでに見込み顧客であると判断できます。そこで必要なのは、しっかり期待に応えること。つまり、ニーズから外れない内容を提示しなければいけません。
個別相談会やWeb相談会も同様です。
展示会はもはやBtoBマーケティングの定番。基本のマーケティング手法とされ、商品やサービスの説明だけでなく、企業間同士で名刺や情報交換することもメリットとして機能します。

リサーチするにも生の声が聴けるので非常に有意義なものだと考えます。

リードナーチャリング

さて、育成です。

マーケティング用語でいうところの「リードナーチャリング」を行うわけですが、代表的な方法は「訪問」「電話」「メール」です。

訪問は「御用聞き営業」に近く、見込み顧客のもとへ行き、希望している内容をヒアリングします。そこでニーズに合わせた提案をする流れです。

電話は訪問するための手段と位置付けていいでしょう。「しつこい!」と評判を落とすリスクこそありますが、定期的に電話をかけることは少なからず相手の印象に残せます。

そして、メール。今やBtoBマーケティングの主流といってもいいかもしれません。

マーケティングオートメーションという優秀なツールの存在も無視できませんね。これを使えば、情報の収集や管理を一元化して、見込み顧客へ適切なタイミングでアプローチが可能になります。
例えば、資料請求していただいた取引先へ、数日後に「いかがでしたか?」「疑問などございませんか?」という文面のメールを送るとします。マーケティングオートメーションのツールには、見込み顧客のメール開封率やクリック数などを解析できる機能があるため、以降のやり取りはタイミングを図ることが可能です。そうやって関係を強化し続け、なおかつメールマガジンの内容を充実させることができれば、読者の愛着度は高まり、目的通り見込み顧客の育成に寄与することでしょう。 なお、Webサイトで資料をダウンロードできる場合は、それらの説明や宣伝も効果的です。

リードクオリフィケーション

もう一つ、見込み顧客育成後の手法についても言及します。

リードクオリフィケーションとは、取引相手になる可能性が高い見込み顧客を抽出するものです。さまざまな指標を用意し、自社に合った企業や顧客になってもらえそうな取引先を判断していきます。

売上や資本金・従業員数といった企業情報や予算の状況、担当者は意思決定権を持つか否かなど、精査し選定していきます。

なお、ポイントはデータ分析を行う部署と営業担当との連携です。そこでまた重宝したいのが、マーケティングオートメーション。情報をしっかり共有をするための一元化システムはどうしたって便利です。

BtoBマーケティングのトレンドを紹介!

BtoBマーケティングのトレンドを紹介!

BtoBマーケティングでは、顧客のニーズに、より合わせた方法として「インテントデータ」がトレンドになっています。インテントデータとは顧客の関心を、接点がない段階でも特定できるデータのことです。この情報をうまく使えることができれば、マーケティング施策における精度の向上が期待できます。

やはり大きなメリットは、自社製品に近いものを求めている企業が分かることでしょう。競合他社よりも一歩でも早く適切なアプローチができるとなれば、余計な労力も使わずに済むはずです。見込み顧客の優先度を考える際にも使えますね。

ちなみに、仕組みを伝えると、インテントデータベンダーが提携している多くのメディアサイトや商品比較サイトなどに、アクセス元のグローバルIPから企業情報を特定する技術を適応させることでそのデータは蓄積されるようになっています。

Webサイトへの訪問履歴や回数・閲覧したページの内容を把握し、アクセス元の企業情報までまとめているがゆえの価値あるデータです。トレンドになるのも頷けます。

BtoBマーケティングの主な成功事例

BtoBマーケティングの主な成功事例

BtoBマーケティングを深く理解するためにも成功事例を知ることは非常に大事です。

以下、ピックアップします。

サービスのユーザー数が年率二桁成長!

インターネット電話サービスを手掛ける三通テレコムサービスのオフィス向けクラウドPBXサービス「クラコールPBX」のユーザー数が年率約10%の勢いで伸びているといいます。背景にあるのは「初期費用無し」「1ユーザーあたりの基本料金は月額980円(税別)で6ユーザーからは無料」といった価格を抑えた料金体系です(なお、通話料は使った分だけ支払う従量制)。“会社規模を問わず誰でも簡単にクラウドPBXを導入できるようにしたい”という企業の想いが届いた形だといえます。

魅力的なプロダクトの創出は、いわばマーケティング戦略の基本です。

加えて、Webサイト上の打ち出しや発信されているコンテンツからも地道なBtoBマーケティングへの注力がうかがえます。

BtoBマーケティングの知識を得た上で実行に移そう!

BtoBマーケティングの知識を得た上で実行に移そう!

BtoBマーケティングについて、基本だけでもおさえておくことがまずは大事です。

企業間での取引は対個人とは違ったアプローチが必要とされます。

見込み顧客の獲得、育成、受注、継続……。いざ実行へ移す際、はじめはそうすんなりとはいかないかもしれません。しかし、知見の蓄え、情報収集、トレンド分析、創意工夫といった意識がしっかり根付くようになれば、打ち手に困ることはそうないでしょう。

筆者が伝えたいのはまさにその部分。

将来を展望したBtoBマーケティングに、ぜひ拙稿をご活用いただけますと幸いです。

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