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事業ハウツー
eスポーツのスポンサー企業が急増する理由とは?市場規模や参入事例も紹介
2021/07/08


世界中で盛り上がりを見せる「eスポーツ」。日本でも認知度・注目度が高まっており、これを事業拡大の契機と捉えた企業が次々にスポンサーとして参入しています。特徴的なのは、ゲームに直接関わりのない企業も名乗りを挙げていること。食品メーカーやアパレルメーカーなど、さまざまなジャンルの企業が本格参入し始めています。

では、なぜ異業種のスポンサー企業が増えているのでしょうか。

その理由として挙げられるのは、eスポーツのポテンシャルの高さです。現在、eスポーツ市場は世界的に右肩上がりを続けており、日本の市場もここ数年で急拡大。主に若年層の支持を集めていることから、若い世代へアピールしたい企業が特に熱い視線を送っています。

そこで今回は、eスポーツの概要やスポンサー企業になるメリットについて解説。参入事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

eスポーツとは?

eスポーツ(esports)とは、「エレクトロニック・スポーツ(Electronic Sports)」の略語で、対戦型ビデオゲームをスポーツ競技として捉える際の呼称です。

代表的な競技種目は以下の7種類。

・シューター(FPS/TPS)…シューティングゲーム
・MOBA…敵陣地を制圧するゲーム
・RTS…戦略シミュレーションゲーム
・格闘…1vs1もしくは複数人で対戦する格闘ゲーム
・スポーツ・レース…野球やサッカー、レーシングゲームなど
・パズル…パズルゲーム
・DCG…カードゲームのオンライン対戦

個人戦や団体戦、リーグ戦、トーナメント戦など、世界各地でさまざまな形式の競技大会が開催されており、多くのプレイヤーがその実力を競い合っています。

賞金が出る大会も多く、世界大会では賞金総額が数十億円を超えることも。大会の規模が大きくなるにつれ、その額も高額になっています。

eスポーツの市場規模

ここで、国内に目を向けてみましょう。

日本におけるeスポーツの市場規模は、2017年の段階で3.7億円。数年前までは規模の小さい市場でした。

しかし翌年の2018年、「一般社団法人 日本eスポーツ連合(JeSU)」が設立され、プロライセンス制度が誕生したことをきっかけに、メディアによる報道が急増。スポンサーシップに関わる収益が拡大し、この1年で前年比13倍となる48.3億円を記録しました。

ゲーム総合情報メディア「ファミ通」によると、2020年時点の市場規模は前年比9%増となる66.8億円。今後も拡大傾向が続き、2024年には184億円を超えると予測されています。

参考資料:株式会社KADOKAWA「2020年日本eスポーツ市場規模は66.8億円。~ファミ通発表~」

eスポーツの競技人口

市場規模の拡大に伴い、eスポーツの競技人口も増加しています。しかし、明確な統計データは公表されていないため、今回はeスポーツのファン数に焦点を当ててみましょう。

先ほどもご紹介した「ファミ通」の公表資料によると、2020年時点のファン数(試合観戦・動画視聴経験者)は686万人。2024年には1460万人を超えると予測されています。

ちなみに、2018年に株式会社Gzブレイン(現 株式会社 KADOKAWA Game Linkage)が発表した資料によると、2017年のファン数は230万人。2020年までの3年間で約3倍に増加したことが分かります。また、伸び率も当時の予測より上回っているため、拡大のスピードが早まっていると捉えることもできるでしょう。

参考資料:株式会社KADOKAWA「2018年日本eスポーツ市場規模は48.3億円と推定 ~Gzブレイン発表~」

eスポーツのスポンサーになる4つのメリット

このようなeスポーツ市場の拡大を受けて、大手企業をはじめとしたさまざまな企業がスポンサーとして参入しています。

主なメリットは以下の4点です。

①若年層にアプローチできる
②集客力・拡散力が高い
③影響力が大きい
④市場規模の更なる拡大が見込まれる


1つずつ確認していきましょう。

①若年層にアプローチできる

eスポーツは若年層に好まれる傾向が高く、2018年に株式会社Gzブレイン(現 株式会社 KADOKAWA Game Linkage)が発表した別の資料を見ると、20~30代(20代と30代の合計)が国内eスポーツ視聴者の過半数を占めていることがわかります。

また、高校生を対象とした大会「全国高校eスポーツ選手権」や「STAGE:0」も盛り上がりを見せており、どちらも2021年の大会開催が決定。年々参加校も増加しており、今後ますます注目されることが予想されます。

これを踏まえると、eスポーツは若年層にアプローチする絶好の場と言えるでしょう。スポンサーとして参入することで、企業名や広告がプレイヤーや観客の目に留まりやすくなるため、これまで若者との接点が少なかった企業も、その存在を周知させるきっかけになります。

参考資料:株式会社KADOKAWA「eスポーツ認知度は41.1%に。1年弱で約3倍に急上昇! ~2万人大規模リサーチ!国内eスポーツの実態調査、結果発表。~」

②集客力・拡散力が高い

先ほどもお伝えしたように、eスポーツは年々ファン数を伸ばしており、今後さらに高い集客力が期待できます。

また、ほとんどのeスポーツ大会は動画配信サイトなどでライブ配信も実施しています。全国各地でオンライン観戦する人も多く、その総視聴者数は数百万人を超えることも。人気の大会はSNSで拡散されたり、Webメディアで記事化されたりする機会も多いので、ここで広告を出すことができれば、高い宣伝効果を期待できるでしょう。

③影響力が大きい

eスポーツ界には、人気プロゲーマーが多く存在します。彼らは「ゲームインフルエンサー」と呼ばれることもあり、その影響力は絶大なもの。SNSなどで発信される情報はファンの間で拡散されるため、彼らにスポンサーとして商品やサービスを提供することで、ブランド認知の向上が見込めるでしょう。

※インフルエンサーマーケティングについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>インフルエンサーマーケティングって何?失敗しないコツも解説!

④市場規模の更なる拡大が見込まれる

eスポーツ市場はまだまだ発展途上の段階であり、今後も更なる成長が期待できます。

日本国内はもちろん、世界のeスポーツ市場も期待大。2020年7月に「株式会社KADOKAWA」が公表した資料によると、世界eスポーツ市場規模は2020年時点で9.74億米ドルを記録しており、2023年には約16億米ドルまで成長すると予測されています。

世界的に拡大傾向が続いている今こそ、eスポーツ市場に新規参入するチャンスと言えるのではないでしょうか。

参考資料:株式会社KADOKAWA「『グローバルeスポーツマーケットレポート2020』発売! 2020年世界eスポーツ市場規模は9.74億米ドル。2023年は約16億米ドルに。」

eスポーツへの投資方法は4種類

ここからは、スポンサーとなってeスポーツへ投資する方法を4つのタイプに分けて解説していきます。

・チーム投資
・大会投資
・施設投資
・海外投資


詳しく見ていきましょう。

チーム投資

チーム投資とは、プロのeスポーツチームとスポンサー契約を締結する方法です。

協賛金や練習環境、自社商品などを提供し、活動を支援します。企業側のメリットは、競技ユニフォームに自社の広告を入れられること。プレー中や宣材写真などで人目に触れる機会が多いため、高い広告効果を期待できるでしょう。

大会投資

大会投資とは、各地で開催されるeスポーツ大会に出資する方法です。

特設ページへのバナー広告掲載など、宣伝効果が高く、参入や撤退もしやすいことから、現在はこの方法が主流になっています。

施設投資

施設投資とは、試合会場や体験施設、eスポーツカフェなど、eスポーツの関連施設に出資する方法です。

注目度の高いチーム投資や大会投資に比べると宣伝効果が弱いかもしれませんが、比較的参入しやすい方法と言われています。

海外投資

海外投資とは、海外で活躍するチームや大会に出資する方法です。eスポーツの認知度や注目度が日本よりも高いため、より大きな宣伝効果が期待できます。

世界規模で自社をアピールできるため、海外にサービス展開している企業や海外進出を狙っている企業は、検討してみるとよいでしょう。

企業のeスポーツ参入事例

では、実際にどのような企業がeスポーツのスポンサーとなっているのでしょうか。

当初は、PC関連企業や通信会社など、ゲーム分野に関わりのある業界が中心でした。しかし現在では、食品メーカーや寝具メーカー、アパレルなど、幅広いジャンルの企業がスポンサーになっています。

そこで今回は、異業種からeスポーツ業界に参入した企業を4社ご紹介します。

・日清食品ホールディングス株式会社
・株式会社おやつカンパニー
・株式会社ビームス
・西川株式会社


それぞれ詳しく見ていきましょう。

日清食品ホールディングス株式会社

インスタントラーメンを中心とした食品メーカー「日清食品ホールディングス」は、積極的にeスポーツ振興へ取り組んでいる企業の1つ。

2016年に開催されたPCオンラインゲーム「League of Legends」のアマチュア向け大会「Logicool G CUP 2016」への協賛を皮切りに、“eスポーツの甲子園”と呼ばれる高校生向けの大会「STAGE:0」や世界最大の対戦格闘ゲーム大会「Evolution Championship Series」の「EVO Japan 2018」など、数多くのeスポーツ大会へ協賛してきました。

協賛した大会では、特設ページや試合映像の中でバナー広告が掲載されており、観客に向けて効率よくアピールすることが可能。また、大会の来場者向けに商品サンプルを無料配布したり、優勝景品としてカップヌードル1年分を贈呈したりと、多角的にアプローチすることで、さらに認知を高めています。

なお、これらの協賛を始めた理由として、看板商品の「カップヌードル」が、プレイの合間に短時間で空腹を満たせるアイテムとしてゲーマーに愛されてきたことや、プレイヤーがグローバルかつハングリー精神で戦いに挑む姿勢が企業方針と共通していることなどが挙げられていました。

参考資料:日清食品ホールディングス「カップヌードルが世界最大の対戦格闘ゲーム大会を沸騰させる!! 日本初上陸「EVO Japan 2018」のトップ・パートナーに」

参考資料:株式会社ロジクール「決勝は渋谷ヒカリエにて、11月3日(木・祝)開催! Logicool G CUP 2016 Final 追加プログラム決定!」

株式会社おやつカンパニー

「ベビースターラーメン」や「ブタメン」などで知られる食品メーカー「株式会社おやつカンパニー」は、名古屋を拠点にeスポーツチームを運営する「名古屋OJA」のシャドウバース部門とオフィシャルパートナー契約を締結しています。

さらに、イベントや大会への協賛も実施。2018年に開催されたeスポーツイベント「RAGE 2018 Autum」で「サッポロビール株式会社」とコラボしたり、「合同会社DMM GAMES」が主催するeスポーツ大会「PJS Winter Invitational 2019」で来場者に「ベビースターラーメン丸(チキン味)」を提供したりと、こちらでも話題を集めました。

参考資料:名古屋王者株式会社「『名古屋OJA ベビースター』新リーグへ参入のおしらせ」
参考資料:「RAGE 2018 Autum」公式ホームページ
参考資料:合同会社EXNOA「< おやつカンパニーがe-sports大会に協賛。DMM GAMES主催 PJS Winter Invitational 2019でコラボレーション!>」

株式会社ビームス

アパレルメーカーの「株式会社ビームス」は「日本eスポーツ連合(JeSU)」のオフィシャルスポンサーとして、2018年から日本代表選手にユニフォームを提供しています。ユニフォームのデザインで注目を集められる上に、日本代表ユニフォームに自社のロゴが入るため、広告効果は大きいでしょう。

また、2020年にはアジア最高峰と称されるeスポーツイベント「RAGE ASIA 2020」で、5種類のオフィシャルTシャツをデザインしています。これらのTシャツは、リアルでの購入はもちろん、eスポーツ専⽤VR施設「V-RAGE」内でアバターに着用させることも可能。さらに、このVR空間で現物を購入できる「デジタル物販」にも対応しており、同社初の試みとして話題になりました。

参考資料:WWDJAPAN「ビームスがファッションとゲームの壁を「ぶっ壊す」 eスポーツ市場参入で感じた課題と手応え」
参考資料:株式会社ビームス「BEAMS、eスポーツ国際大会『RAGE ASIA 2020』のオフィシャルTシャツをデザイン。初の試み、 eスポーツ専用VR施設” 『V-RAGE』内でアバター着用と現物購入が可能に」

西川株式会社

寝具メーカーの「西川株式会社」は、「吉本興業株式会社」の運営するプロeスポーツチーム「YOSHIMOTO Gaming」とプロモーション契約を締結しています。

eスポーツプレイヤーが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、マットレスやクッション、ネックピローなどを選手に提供することでプレイ環境や睡眠環境をサポート。「西川株式会社」のショールームで選手との座談会も行われ、この様子はYouTube「吉本興業チャンネル」で配信されました。eスポーツに関心のあるユーザーに加え、チャンネル登録ユーザーにも情報が伝わるため、幅広い層でブランドの認知度を高められたでしょう。

参考資料:西川株式会社「寝具メーカー『西川』が e-Sports界に参入!」

eスポーツ界の市場拡大に要注目!

eスポーツ市場は急速に発展を続けており、これに目を付けた企業が続々とスポンサー参入しています。特に若年層へアプローチしたい企業にとっては、新規顧客を獲得する大きなチャンス。本格参入を検討している企業も少なくないでしょう。

世界的に盛り上がりを見せるeスポーツ市場。今後、巨大市場へと成長する可能性も大いに秘めている注目の市場です。ブランド認知を広めたい方は、これを機にeスポーツ界へのスポンサー参入を検討してみてはいかがでしょうか。

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