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「LINEチラシ」とは?LINE広告を効率的に運用するコツ

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LINE広告の新たなサービスとして、現在「LINEチラシ」というプラットフォームが展開されています。
「LINEチラシ」は、これまで企業のダイレクトメールや紙媒体の形で配信されていたチラシを、ユーザーの趣向や生活圏に合わせてLINE上で配信できるデジタルチラシサービスです。

SNSとして大きなシェアを誇るLINEが、個々のユーザーにパーソナライズされた広告サービスを新たに打ち出したことにより、事業者には幅広い販路拡大の道が用意されたと言えるでしょう。

この記事では、LINEチラシの基本的なフォーマットや導入費用について解説したうえで、LINE広告を効率的に運用していくためのポイントをお伝えします。

LINEチラシとは

「LINEチラシ」は、株式会社LINEが提供するビジネス向けの広告サービス「LINE広告」の一環として展開される、新しい形のデジタルチラシサービスです。
その特徴を一言で表すなら、「ユーザーの好みや生活エリアにマッチした形で配信されるチラシ」であり、ユーザーの利用データにもとづき商品情報を的確に届けられるフォーマットとなっています。

月間のアクティブユーザー数8,400万人(※1)を誇るLINEのプラットフォーム上で、個々のニーズにマッチしたチラシを配信できるサービスとして期待を集める「LINEチラシ」。その詳しい形式や特長、費用について、以下の項目で解説していきます。

(※1:2020年3月末時点のデータ。参照:「LINE for Business|【公式】LINE広告とは?|配信面や費用、出稿方法まとめ」

LINEチラシのフォーマット

LINEチラシのフォーマットとして現在メインとなっているのは、ユーザーのLINEアプリ上に適宜チラシを表示する「メディアフォーマット」です。
(※2020年10月現在、LINEチラシの公式ページでは「流通小売企業への限定案内中」という旨が記載されており、今後一般向けに展開していく見込みとなっています。)

さらに今後、ロイヤル顧客向けにプッシュ通知でチラシを配信する「メッセージフォーマット」や、市町村レベルでのエリア配信が可能な「ADフォーマット」といった形も一般向けに実装されていく見込みであり、サービス形態や顧客層に合わせたアピールが可能となっていくと考えられます。
(参照:「LINE株式会社|ニュース|LINEを活用したデジタルチラシサービス「LINEチラシ」の先行販売開始 、LINEのユーザー数を活かした大規模リーチやパーソナライズ配信が可能」

メインとなる「LINEチラシ メディアフォーマット」は、掲載したい商品の情報を入稿用のポータルサイトに入力することで、チラシ画像や商品単位の画像を「LINEウォレット」や「チラシメディア」に表示できるシステムです。
チラシ製作のプラットフォームを提供するのは、大日本印刷株式会社をはじめとする広告業界の専門企業となりますので、チラシ作成のノウハウがなくとも見やすいレイアウトに整えることができます。

ユーザー側はチラシ情報を閲覧するだけではなく、気になる商品を「買い物リスト」に追加したり、チラシ上の導線から近隣店舗をお気に入り登録したりといった操作が可能です。
こうしたユーザー行動はデータとして蓄積されるため、企業側が広告効果を確かめるうえでも使いやすいプラットフォームであると言えるでしょう。

LINEチラシの強み

LINEチラシの最大の特長は、大量のユーザーに対しOne to Oneの形で商品情報を届けられる点にあります。
こうしたLINEチラシの特長について、ポイントごとに解説していきます。

(1)ターゲット層の幅広さ
新聞の発行部数が減少傾向にある現在、月間利用者数8,400万人という普及率を有するLINEは、広告媒体として多くの可能性に満ちていると言えます。新たな会員登録やアプリのインストールも必要なく、LINEユーザーをそのままターゲットとして見込めることが大きな魅力となっています。

さらに、利用者層の面を見ても、折込チラシにおけるメインターゲットは主婦層や中高年とされる傾向にありますが、LINEチラシは性別や年齢層、居住地や趣味嗜好など、幅広い利用者層にアピール可能な媒体であると言えるでしょう。

(2)ユーザーの特性・ニーズに合わせた情報提供
LINEチラシの配信面については、ユーザーの利用状況をめぐるデータをもとに、個々のユーザーに最適化された情報を提供できる点が強みとなっています。
ユーザーの生活圏にある店舗や閲覧履歴などのデータから、ユーザーのニーズにマッチしたチラシを表示することで、広告のクリック率向上に大きな効果が期待できます。

(3)ユーザーのカテゴリーに合わせた表示方式
そのユーザーが「潜在顧客」なのか「ロイヤル顧客」なのかなど、顧客カテゴリーによって最適な情報の見せ方は異なります。
LINEチラシの「メディアフォーマット」に加え、「メッセージフォーマット」「ADフォーマット」の利用が可能となれば、新規顧客の開拓を目指したセグメント方式や、既存顧客に向けたプッシュ通知方式など、アピールしたい層に合わせた配信が可能となるでしょう。

また、導線の面でも「ウォレット面」や「LINEポイント面」など、アプリ上にさまざまな形で表示することができ、ターゲットを明確に絞りながらそれに合わせた情報提供が可能です。

ユーザーがチラシを見て店舗や商品をお気に入り登録する、といった操作も容易であり、潜在顧客を引き寄せ、定着させることに適した導線を備えています。

(4)広告効果の検証が可能
「実際に広告がどの程度見られているか」ということの検証は、折込チラシでは難しかったポイントですが、LINEチラシでは容易に行うことができます。
運用中はユーザー行動についての日別のデータや店舗別のデータがレポートとして提出されますので、「どのような広告がユーザーの関心を惹き、購買行動を促すか」ということを正確な数値で捉えることが可能です。

今後はさらなるサービスの拡大により、ビーコン計測による来店データの収集もオプションとして用意されていく見込みです。広告の閲覧から来店までの流れを追うことで、より正確なフィードバックが可能になると考えられます。
(参照:「LINE for Business|チラシは「紙」から「デジタル」へ!「LINEチラシ」が革新的な理由」

導入に必要な費用

LINEチラシの導入に際して登録料は不要であり、月ごとに料金を支払うシステムとなっています。なお、LINEチラシの利用には「LINE公式アカウント」の登録が必要となるため、公式アカウントの有料プランを選択すると、LINEチラシの利用料とは別途にアカウント維持費用が発生する形となります。

◆公式アカウントの料金プラン
公式アカウントは無料での運用も可能で、送信するメッセージ量に応じて三つのプランが用意されています。月に1,000通までを無料で送れる「フリープラン」、月15,000通までを5,000円で送れる「ライトプラン」、月45,000通までを15,000円で送れる「スタンダードプラン」から選ぶ形になっています。

◆LINEチラシの料金システム
LINEチラシの月額利用料は、固定料金の「基本料金」と、従量制の「掲載料金」の二つを合わせた金額となります。

基本料金は、「1,000円×登録店舗数」で計算されます。
掲載料金は、「(1)お気に入りユーザーの月間閲覧ユーザー数×30円+(2)非お気に入りユーザーの月間閲覧セッション数×10円」という算出方法になっており、やや複雑です。

まず(1)の「お気に入りユーザー」とは、該当店舗を「お気に入り」として登録しているユーザーを指します。このユーザーによる閲覧は、「回数」ではなく「ユーザー数」でカウントされるため、たとえば1人のお気に入りユーザーが月に50回広告を閲覧したとしても、掲載料金は「1×30=30円」となります。
(2)の非お気に入りユーザーの場合には、「セッション数」によるカウントとなります。単純な「閲覧数(PV)」と「セッション」が異なるのは、5分以内に対象のページを複数回閲覧したケースです。たとえば、5分の間に1人のユーザーが10回そのページを訪れた場合でも、セッション数としては「1」となります。
(参照:「LINE Business Guide」

LINEチラシの始め方

LINEチラシの「メディアフォーマット」を実際に使い始めるための流れを説明します。
実際のチラシ作成はLINEのパートナー企業の提供するプラットフォーム上で行われることになりますので、掲載したい画像やテキストなどはパートナー企業の用意するポータルサイト上で入力していく形になる、ということに留意しておきましょう。

LINE公式アカウントの発行

LINEチラシの利用には、自社の「LINE公式アカウント」が必要となります。

LINEチラシの「メディアフォーマット」に対応するアカウントの種類は、「LINE公式アカウントの認証済アカウント」「プレミアムアカウント」「2018年11月以前に開設されたLINE公式アカウント」「LINE@の認証済アカウント」のいずれかとなっており、これから開設するのであれば「LINE公式アカウントの認証済アカウント」を用意することになります。

認証済アカウントとは、LINEの審査を通過したアカウントです。はじめから認証済アカウントとして登録するには、アカウント開設ページ内の「認証済アカウントを開設する」という箇所から申請を行います。
既存のアカウントを認証済アカウントとするには、管理画面(LINE OFFICIAL ACCOUNT MANAGER)の「設定」から、「アカウント認証をリクエスト」へと進み、審査結果を待つことになります。

LINEチラシの利用申し込み

上記のLINE公式アカウントが用意できたら、実際にLINEチラシを利用するための手続きに移っていきます。
申し込みにあたって注意すべきなのは、申込書の提出先がLINEではなく、その「販売パートナー」となる点です。
(2020年現在、販売パートナーは「大日本印刷株式会社」「DNPソーシャルサービス」「サイバーエージェント」「ソウルドアウト」「トランスコスモス」の五つとなっています。)

「LINEチラシ メディアフォーマット サービス利用申込書」と「“LINEチラシ メディアフォーマット”用 入稿ポータルサイト利用申込書」の二種類に必要事項を記入したうえで、「店舗リスト」を添付して販売パートナーへ提出します。
掲載の審査に通れば、申し込み完了となります。

販売パートナーへの情報登録

申し込みが済むと、販売パートナーの入稿ポータルサイトに、ユーザー情報が登録されます。
先の「“LINEチラシ メディアフォーマット”用 入稿ポータルサイト利用申込書」で指定した「サービス利用者」宛に、メールでIDとパスワードが発行され、ポータルサイトへのログインが可能になります。

商品情報の入稿

入稿ポータルサイトにログインし、掲載したい画像や価格などをフォームに沿って入力、またはエクセルデータのインポートといった形で提出します。
入稿の形式や、入稿用ファイル作成の代行の可否など、販売パートナーにより対応が異なる可能性があるため、あらかじめ詳細について確認しておく必要があるでしょう。

掲載・レポート

指定された日時から広告の掲載が開始されます。
販売パートナーから、毎月店舗ごとのレポートが提出され、広告効果をデータとして確認できるようになっています。
レポートの形式についても、今後のLINEチラシの展開状況や販売パートナーの参入状況によって変動していくことが考えられますので、具体的にどのようなデータをどのような形で提出されるのか打ち合わせておくことが望まれます。

LINE広告の効率的な運用法

ここまで紹介してきた「LINEチラシ」以外にも、LINE広告にはさまざまなタイプのサービスが用意されています。
LINEアプリのユーザーにとって目につきやすいトークリスト画面の最上部や、タイムラインといった箇所のほか、「LINE NEWS」や「LINEマンガ」などの周辺サービスにおいても広告の表示が可能となっています。
さまざまな運用法が考えられるLINE広告ですが、広告効果を高めるためにはどのような点に注意すればよいのでしょう。

サービスごとのユーザー層を把握する

LINE広告が配信されるサービスは多岐にわたり、目的に応じて媒体を決定していく必要があります。たとえばトークリストの最上部に表示する「Smart Channel」であれば、LINEユーザーの大多数の目に留まり、層を絞らずに情報を届けることができるでしょう。

その他、幅広い年齢層の女性ユーザーに利用されている「タイムライン」、若年層の男女がほぼ同等の割合で利用している「LINEマンガ」、20~30代の女性ユーザーが多い「LINEショッピング」など、サービスによってユーザー層が異なっていますので、自社のターゲットと合致する配信先を見極めることが重要です。

「自動入札」の機能を活用

LINE広告の表示枠は入札形式となっているため、「表示することで見込める広告効果」と「入札額」を天秤にかけながら判断していく必要があります。
とはいえLINE広告の入札制度は「広告1クリックに対していくら払うか(Cost per Click=CPC)」あるいは「動画枠100%表示(インプレッション)の1,000回分に対していくら払うか(Cost per Mille=CPM)」という基準からなされ、費用対効果が最適になるポイントを見極めるには労力が必要です。

そこで上手く活用したいのが、「自動入札」の機能です。広告表示によるコンバージョンの増加数や、友だち追加の増加数などを学習することで、入札費用と広告効果とのバランスを自動的に調整することができるようになります。
三タイプの「入札戦略」を選択することができますので、手動での入札作業の必要なく、場面や目的に合わせた運用が可能です。

「友だち追加」によるダイレクトマーケティング

自社のLINE公式アカウントが、潜在顧客から「友だち追加」されることで、そのユーザーに対して直接メッセージを送ることが可能となります。
公式アカウントのQRコードを店頭などで直接表示する以外にも、公式スタンプの配信によって友だち追加につなげる企業も多いです。また、「自社の広告に対して好意的に反応するユーザー」と趣向の近いユーザーを分析・導出し、友だち追加を促す広告を表示する「クロスターゲティング」の手法も有効でしょう。

友だちに追加されたユーザーにメッセージを配信する際、LINE公式アカウントの標準機能である「リッチメッセージ」を使えば、画像や動画・テキストを組み合わせて視覚的にアプローチすることが可能であり、メッセージからリンク先への流入率向上を期待できるでしょう。

また、トーク画面のキーボード部分に独自のメニューを表示させる「リッチメニュー」を活用することで、導線の最適化を図ることもできます。

通常の導線を「リッチメニュー」として固定し、キャンペーン情報などを「リッチメッセージ」で配信するなど、目的に応じて使い分けるのが効果的です。

まとめ

月間8,400万人という膨大な数のアクティブユーザーに対し、個々の生活圏や趣向にマッチした商品情報を提供できるLINEチラシは、小売業・サービス業などにとって販路拡大の可能性に満ちたプラットフォームを備えていると言えるでしょう。

LINEチラシをはじめとするLINE広告は、随時機能のアップデートが図られており、セグメントの方法や配信方式、収集するデータの種類など、マーケティングにいっそう役立つ形へと展開していくと考えられます。

LINE広告を運用するにあたっては、「ユーザー特性をめぐるビッグデータ」をどのように検証し、どのようにマーケティングに還元していくか、ということがポイントとなります。LINE広告を用いたPDCAサイクルを早期から構築しておくことは、広告効果を最適化するための土台となると言えるでしょう。

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この記事を書いた人

鹿嶋 祥馬
大学で経済学と哲学を専攻し、高校の公民科講師を経てWEB業界へ。CMSのライティングを300件ほど手掛けたのち、第一子が生まれる直前にフリーへ転身。赤子を背負いながらのライティングに挑む。

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