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LPOとは?具体的な対策方法とおすすめツール3選

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「LP(ランディングページ)を制作したものの、なかなか成果が出ない」
「広告のクリック率は悪くないのに、肝心のCVR(コンバージョン率)は低いまま……」

そんなときは、LPの設計に原因があるのかもしれません。たとえば、広告とLPの訴求ポイントがずれていたり、CTAボタンの配置が適切でなかったり。LPに何かしらの問題があると、せっかく集客に成功しても、CV(コンバージョン)に至る前に離脱されてしまう可能性があります。

こうした課題を解決するために取り組みたいのが「LPO(ランディングページ最適化)」です。今は成果が出ていなくとも、適切な対策を講じることにより、LPのCVRを改善できるかもしれません。具体的にどのような手順で進めればよいのか、本記事では、LPOという用語の意味を押さえたうえで、その対策方法とおすすめのツールを紹介していきます。

LPO(ランディングページ最適化)とは

LPOとは「Landing Page Optimization」を略した言葉で、日本語で「ランディングページ最適化」とも呼ばれています。

主な目的は、サイト訪問者をLP(ランディングページ)の途中で離脱させることなく、設定しているゴール(資料請求や会員登録、商品購入)まで導くことで、CVR(コンバージョン率)を高めること。CVRの低いLPをそのまま放置してしまうと、獲得見込みのあるユーザーを取りこぼしかねないため、Web広告やLPを運用しているのであれば、機会損失を防ぐためにも、LPOを継続的に行う必要があります。

LP(ランディングページ)とは

ちなみに、LPとは、注文や申し込みといったアクションを起こしてもらうことを目的に作られたページを指します。Web広告などをクリックした際に、商品情報やお客様の声、会社概要などが1枚にまとめられたページに誘導されることがあると思いますが、まさしくそれがLPです。Web広告の遷移先として設定されるケースが多く、訴求からCV(コンバージョン)までを単独で行えるように1ページ完結型の構成になっているため、基本的にどれも情報量が多く、縦に長いレイアウトになっています。

ただし、これはあくまでも狭義のLPを指す場合。LPには狭義の意味と広義の意味があり、広義の意味では、Webページの中でユーザーが最初に到達したページを指します。簡単な例を挙げると、たとえば、検索結果から企業概要のページに直接アクセスした場合は「企業概要」が、Web広告からトップページに遷移した場合は「トップページ」が、広義の意味でのLPに該当するというわけです。

本記事でお伝えするLPOをはじめ、マーケティングの領域で「LP」といえば前者を意味するケースが多いですが、場合によっては、広義の意味で使われていることもあるため、LPには2つの意味があることをしっかり理解しておきましょう。

SEOとEFOとの違い

LPOと似た言葉に「SEO」と「EFO」というものがあります。

いずれもWebサイトを運営するうえで重要な施策であることに間違いはありませんが、それぞれ用語の意味が異なるため、混同しないよう注意しましょう。

LPOとSEOの違い

まず、SEOとは「Search Engine Optimization」の頭文字を取った略称で、日本語では「検索エンジン最適化」と訳されます。簡単に説明すると、検索エンジンに正しく評価されるようにWebサイトを最適化する施策のこと。「Google」や「Yahoo!」などの検索結果で自社サイトを上位表示させて、検索エンジンからの流入を増やすことを目的としているため、LPのCVR改善を目指すLPOとは、その目的に違いがあります。

※SEOについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>SEO対策の手法・具体的なやり方を基本から実践まで解説

LPOとEFOの違い

次に、EFOとは「Entry Form Optimization」の略称です。日本語では「入力フォーム最適化」とも呼ばれています。主な目的は、申し込みフォームやお問い合わせフォームといったエントリーフォームの入力完了率を高めること。その名のとおり、エントリーフォームのみを対象とした施策となるため、LP全体の最適化を図るLPOとは、対象としている範囲が異なります。

ただ、LPOを行い申し込みフォームまで誘導できたとしても、そのフォームのユーザビリティが悪いと、CVまでたどり着かない可能性があるため、LPOを行うなら、EFOも避けては通れない施策といえるでしょう。

※EFOについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>EFOとは?離脱率を下げるためのポイントとおすすめツール5選

仮説検証を繰り返してCVRを改善!LPO対策の基本的な流れ

ここからは、LPO対策の基本的な流れを紹介していきます。

Step1.現状の問題点を把握する
Step2.改善策を検討する
Step3.KPIを設定する
Step4.施策を実行し、効果を検証する
Step5.PDCAを回す

上から順に詳しく見ていきましょう。

Step1.現状の問題点を把握する

LPO対策を効率よく進めていくためには、まず現状を把握する必要があります。むやみに変化を加えてしまうと、かえって悪い結果をもたらす恐れがあるため、アクセス解析ツールなどを用いて以下のようなデータを取得し、問題点を探ってみましょう。

・滞在時間
・直帰率
・離脱率
・離脱場所
・コンバージョン率
・クリック率 など

これらのデータを洗い出すことにより、「ファーストビューの離脱率が高い」「滞在はしてくれているものの、CTAボタンのクリック率が悪い」など、細かな問題点が見えてくるはずです。

Step2.改善策を検討する

現状の問題点が明確になったら、それらを改善するための仮説を立てたうえで、具体的な施策の内容を検討していきましょう。たとえば、先ほど挙げた例のように「ファーストビューの離脱率が高い」といった問題点が合った場合は、次のような仮説と改善策が考えられます。

仮説
・流入元となるWeb広告とファーストビューの訴求内容が噛み合っていない
・ファーストビューでユーザーの心をつかめていない
・読み込み速度が遅く、ファーストビューが表示される前に離脱されている

改善策
・流入元の広告媒体に応じて配信するコンテンツを変える
・ファーストビューのデザインやキャッチコピーを見直す
・読み込み速度を計測し、必要であれば改善策を講じる

これはあくまでも一例ですが、このように対策を検討する際は、あらかじめ原因の仮説を立てたうえで、その仮説に基づいて施策を検討してみてください。

Step3.KPIを設定する

改善策が固まったら、KPIを設定していきましょう。たとえば、「CV率を〇%向上させる」「クリック率を〇%に引き上げる」「ページの表示速度を〇秒以内に改善する」など。施策開始後に正しく効果測定できるよう、具体的な数値を含めて設定できるとベストです。

Step4.施策を実行し、効果を検証する

改善策とKPIを設定したら、施策を実行し、同時に効果を検証するためのテストを行います。

複数の施策を同時に走らせてしまうと、各施策の効果を正しく把握できないため、効果の見込めそうな施策から1つずつ順番に実施するようにしましょう。

なお、効果を検証する方法としては、主に次の2つが挙げられます。

・ABテスト
ABテストとは、特定の要素のみを変更したLPを2パターン用意し、どちらがより高い成果を得られるのかを検証するテストです。2種類のLPを一定期間ランダムに出現させ、反応の違いをチェックします。

※ABテストについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>ABテストとは?やり方、有意差、母数などWebサイト運用に役立つ知識

・多変量テスト
多変量テストとは、一部の要素だけではなく、複数の要素の組み合わせを変更し、数あるパターンの中から最良の組み合わせを特定するテストです。たとえば、ファーストビューを変更するにあたって、候補となる画像とキャッチコピーが3種類ずつある場合は、全9通りのパターンをテストし、どの組み合わせが効果的なのかを分析します。

後ほど紹介しますが、専用のツールを用いることによって効率的に進められるようになるため、LPO対策に取り組む際は、ぜひLPOツールの導入も検討してみてください。

Step5.PDCAを回す

施策を実施したら、定期的に効果を測定し、その結果を確認してみましょう。中には、思うように成果の出ない施策もあるかもしれませんが、それも無駄にはなりません。そのデータも重要な検証材料の1つとなるので、なぜ成果が出なかったのかを分析し、次の施策に活かしていきましょう。

また、施策がうまくいったからといって、その効果が続くとは限りません。市場の変化や季節要因、Webデザインのトレンドなども影響してくるため、継続的にPDCAを回しながら、長期的なスパンで取り組んでみてください。

6つのポイントをチェック!LPO対策で確認すべき項目

続いて、LPO対策で重点的にチェックしておきたいポイントを6つ紹介します。

①ファーストビュー
②ページの読み込み速度
③ページのデザイン
④コンテンツの構成
⑤CTAボタンの配置やデザイン
⑥レスポンシブ対応

1つずつ見ていきましょう。

①ファーストビュー

Web広告などからLPに流入してきたユーザーをCVまで導くためには、まずファーストビューで彼らの心をつかまなければなりません。一般的に、ユーザーは訪問したページを読み進めるかどうかを3秒で判断するといわれているため、ファーストビューで心をつかみきれなければ、すぐに離脱されてしまう可能性があります。そのため、LPOを行う際は、ファーストビューが最適なものかどうか、改めて見直してみましょう。

※ファーストビューについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>ファーストビューはこれだ!Webサイトデザインの思考法

②ページの読み込み速度

ページの読み込み速度もLPOを行ううえで無視できない重要な要素の1つです。表示速度の遅さはユーザーに多大なストレスを与えることになり、待ち時間によっては、ファーストビューが表示される前に離脱されてしまう恐れがあるため、「PageSpeed Insights」などを利用して表示速度を計測し、問題がある場合は、早急に改善するようにしましょう。

※ページの読み込み速度について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
> ページ表示速度(ページスピード)の測定、改善、SEOでのポイント

③ページのデザイン

CVRを改善するためには、LPの印象を左右するデザインにも気を配る必要があります。

取り扱っている商材のイメージにそぐわないデザインだったり、想定しているターゲット層に好まれないデザインだったりすると、ユーザーに良い印象を与えられず、離脱につながる恐れがあるため、適切なデザインになっているかどうかを客観的に判断し、必要に応じてブラッシュアップしていきましょう。

④コンテンツの構成

LPにおいては、コンテンツの構成も非常に重要です。

一般的に、LPの構成は「結・起・承・転」がもっとも効果的とされていますが、必ずしもこの構成がはまるとは限りません。ファーストビューからクロージングまでの流れや盛り込む要素などによってCVRが大きく変動することもあるため、PDCAを回しながら、ベストな形を見つけてみてください。

⑤CTAボタンの配置やデザイン

CTAとは「Call To Action」の略称で、サイト訪問者を注文や申し込みといった行動に誘導することを指します。たとえば、Webサイト上に設置された「会員登録はこちら」や「今すぐ購入」といったボタンやテキストリンクなどが、これに該当します。デザインや色、配置などを少し変えるだけで、CVRが劇的に向上することもあるため、試行錯誤を繰り返しながら、最適な形を探っていきましょう。

※CTAボタンについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>CTAボタンのデザイン、色、位置を決めるポイント

⑥レスポンシブ対応

スマホやタブレットが普及し、いつでも、どこでも、好きなタイミングで情報収集ができるようになった今、機会損失を防ぐためには、モバイルへの対応も欠かせません。

特に、モバイルユーザーからの流入が多く見込まれる商材を扱っている場合は、レスポンシブデザインへの対応が必須といっても過言ではありません。スマホやタブレットで読みにくいと、離脱を招いてしまう可能性があるため、どの端末でも見やすいサイトになるよう、PCだけではなく、モバイルにも対応できるようにし、見え方も確認しておきましょう。

※レスポンシブデザインについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ
>レスポンシブデザインとは?対応方法やWebサイトでの重要性を解説

導入を検討したい!おすすめのLPOツール3選

最後に、おすすめのLPOツールを3つ紹介します。

・DLPO
・Visual Website Optimizer 
・CVX

それぞれの特徴を簡単に確認しておきましょう。

DLPO

「DLPO」は、800社以上に導入され、約70,000件ものテスト数を誇る実績豊富なLPOツールです。

ABテストや多変量テストが実施できたり、AIを用いてユーザーごとにパーソナライズされたコンテンツを配信できたり……と、LP運用に役立つ機能が豊富に搭載されているため、自力では手間のかかるテストや検証を効率的に進めることができます。

また、外部ツールとの連携に優れているのも魅力の1つ。アクセス解析ツールやタグマネジメントツール、DMP・CDPなど、さまざまなサービスと連携して使用できるので、既存のツールと組み合わせることで、より高度な施策を展開することができるでしょう。

公式サイト:DLPO

Visual Website Optimizer

「Visual Website Optimizer(VWO)」は、世界6,000社への導入実績を持つABテストツールです。国内の企業にも導入されており、リンク先の「株式会社アッション」が日本で唯一のVWO公認代理店となっています。

最大の魅力は、その手軽さです。テスト対象ページにVWO専用タグを埋め込むだけで、URLをそのままに、ABテストを開始することができます。また、ABテストを主な機能としていますが、ヒートマップや多変量テストなど、そのほかの機能も充実。専任コンサルタントの手厚いサポートもあるので、LPOに初めて取り組む企業でも安心して始められそうです。

公式サイト:Visual Website Optimizer

CVX

「CVX」は、LPの制作から分析、改善までをスピーディーに行える、LP制作およびLPO支援ツールです。

約200種類ものデザインテンプレートが用意されており、簡単な操作だけで手軽に編集できるため、デザインやコーディングなどの知識を持っていなくても、手軽にハイクオリティなLPを制作することができます。

ABテストやヒートマップといった機能も搭載されており、公開後の分析・改善・検証もこれ1つで完結させることができるので、LPO対策をテンポよく進めることができるでしょう。

公式サイト:CVX

LPOツールを活用すればLPのCVRを効率よく改善できる

LPOは、1度限りの施策で終わるものではありません。CVRを納得のいく数値まで改善し、その状態を持続させるためには、継続的にLPを調整し続ける必要があります。ただ、場合によっては、労力をかけて実行した施策が失敗に終わることもあり、そうなった場合は、試行錯誤を繰り返しながらベストな形を模索していくほかないため、状況によっては、相当な根気が求められるでしょう。

そこで、導入を検討したいのが、LPOツールです。LPOツールを導入したからといって、必ずしも成果が出るとは限りませんが、専用ツールの力を借りることで、人力では時間や手間のかかるような作業を効率化することができます。ツールの中には、運用サポートを依頼できるものもあるので、現時点でLPに課題を感じている方や本格的にLPO対策に取り組みたいと考えている方は、ぜひ各製品を比較したうえで、自社に合ったツールを導入してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

ながた
編集プロダクションで旅行ガイドブックの取材・制作に携わった後、Webライターの道へ。お酒と激辛料理をこよなく愛するインドア派。シーズン中はもっぱら野球観戦。

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